第一話 挑戦
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"雄英高校ヒーロー科"
いつしか[超常]は[日常]に、世界総人口の約8割が何らかの"特異体質"である超人社会となった現在。
その"特異体質"を活かし、ヒーローを目指す者がいく学校。
中学3年で進路がほぼ決まるといってもいいこの時代。
「やっぱ行くなら雄英がいい・・・」
進路用紙を眺め、これからの自らの道を進むべく決める一代プロジェクト。
ろくに中学で友達を作らなかった登坂歌恋には、女子として一つ欠点があった。
彼女の"個性"は、桜。桜の樹のように、自身の頭から爪先まで、順をおうよう、
髪の毛は桜の花に見立て、腕や脚は幹になり、桜の花から葉へと変えることが出来、
その大きさも自由自在に操れる。ただし、髪の毛一本につき、花びら一枚分。 引き千切った髪の毛の量は、翌日には元通り。
一つ欠点といえ"個性"を使ったあとは、毎回暴飲暴食になること。
それでも、背丈は普通の女子達と変わらず年頃の女の子が気にする食事制限など一切ない。
だから度々目をつけられたりしたことがあるのもまた事実で。
雄英高校ならきっと、もっと変わった"個性"の人が集まるハズだと。
入学試験も、普通の高校と違うのは知ってる。けど、この高校で自分の居場所を見つけられるんじゃないかって思った。
両親の"個性"を無事それぞれ受け継ぎ、花をこよなく愛する母から少し心配で反対されたけど。
木々達の力強さを父から受け継いだ"個性"は、なんとなくこのままだともったいない気がしたから。
雄英に知り合いがいるわけでもない。一からすべて、自分でやり遂げてみたいのだ。
==========
試験当日。バカ広い校舎に建物に歌恋は顔を上げた。ここから始まるんだ。
どんな人が集まるのだろうと、緊張と少しワクワクしながら視線を泳がせる。
そこには先日、ヒーローの敵であるヴィランに捕まったことがありテレビのニュースにも流れた、
一際誰もが知る「ヘドロ事件の子、爆豪勝己」の姿も見受けられた。
「とりあえず、やってやるだけ・・・!」
筆記試験の方はどうにかなったと思う。しかし、問題はここからだ。
きっと他の高校にはないだろう、実技試験。
「今日は俺のライヴにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!」
ボイスヒーローこと「プレゼント・マイク」の異様なテンションに、誰もついてこない。
いや、こんなピリピリと針積めた空気の中、テンションが違うのはプレゼント・マイクの方だと思う。
なんて心の中で思いながら、実技試験の説明が終わっていく。
実技試験の内容は、仮想ヴィランに見立てたロボットを倒しポイントを稼ぐこと。
何種類かのヴィランの中には、ポイントがつかない0のやつもいるということだ。
(ロボット相手なら、何とかなる。大丈夫っ)
深呼吸し、模擬市街地といってもさすが雄英、どこも広い。
プレゼント・マイクの声が、カウントなしでいきなり試験開始の合図を出した。
いつ、どこからヴィランが現れるか分からない。だから試験もカウントなしと。こんなところで躓く暇はない。
一般人もいる中学の時とはまるで違い、様々な"個性"を持つ者が集まったこの場所に、歌恋は胸が高鳴っていた。
ここになら、ここならきっと、自分の場所が見つかるハズだ。
腕を木の幹にし、ロボットを確実に倒していく。建物の中から外に着地するのだって、
大量の髪の毛を数多の桜吹雪を造りだし、クッション変りに足への衝撃を和らげる。
(楽しい・・・!)
自分の"個性"を、おもいっきりぶつけ、誰にも周りにも気味悪がれなくて。
「死ねぇーー!!」
ただ、先ほどから掛け声のように聞こえる、姿を確認すれば爆豪勝己の声が少々鬱陶しい。
ああいう奴には関わらない方が得策だ。彼の個性の"爆破"が生む爆風が激しすぎる。
「・・・離れよう」
ただ、その爆風を借りようではないか。歌恋は両手を合わせ、息を吐く。
すると、手のひらに繋がり大きく広がる青々とした葉が現れる。
「爆風、借りるよ」
いくつもの行動パターンはあるが、まだ一個一個しか扱えないのが難点。
「あぁ!?」
ガン飛ばしてくる爆豪勝己の頭上を通り、爆風に乗りながらその場を離れる。
歌恋は目の前のヴィランを足場にし、葉っぱを解除。
自由になった腕を木の幹にし、ヴィランを拘束し足場にして屋根に飛び乗ろうとした。
「取らせるかよ!!」
「はぁ!?」
爆豪勝己の腕でが、こちらに向けられている。いや、厳密に言えばヴィランに向けられているのだが。
「ちょぉ、待って・・・」
「終了~~!!!」
ドでかく響くプレゼント・マイクの声。それを聞き、爆豪勝己の腕が下りる。
「え、あっはっ」
歌恋は言葉にならない声でヴィランを拘束したまま地面に落ちた。
「っ~~」
ぎゅっと目を瞑っているが、痛くない。
「さっさと離れやがれ、葉っぱ女」
「はっ!?えっ!?」
目を丸くする歌恋。自分の下に、うつ伏せになっている爆豪勝己がいたから。
「あっ、ごごご、ごめんなさいっ!!!」
歌恋は凄い勢いで彼から後退り、後ろを気にしてなかったせいか建物に背中から激突する。
「いったっ!」
「バカが」
彼はコキコキ肩を鳴らしながら、さっさと集合場所に向かってしまう。
「あっ」
最初は口も言動も悪い人だと思った。でも、終わりの合図を聞いた時、すぐに攻撃を止めた。
いや、本当に終了間際でよかった。あのままだったら絶対攻撃されてた。
・・・いや、待てよ。
(爆風、借りるよ)
自分の発言に頭を抱える。
(あわわ、調子のり過ぎたぁ~・・・)
それと同時に安堵もあってか、自分のお腹が鳴る。
(・・・お腹空いた・・・)
彼女の"個性"の使いすぎによる反動、それはお腹が減ること。
そして、コンプレックスは暴飲暴食になること。
好きなモノは食べ物全般。
「今日の夕飯焼き肉!?」
母から告げられた夕飯のメニューに、歌恋は目を輝かせる。
「雄英に受かったお祝いだなっ」
喜んで言う父に、母ははにかみながら遠慮がちに言う。
「家で、だけどね」
「お母さんのお料理はなんでも美味しいから大好き!」
「ありがとう」
三人で"いただきます"と言って、それぞれ焼きながら夕飯にありつく。
(・・・そういえば、結局あいつにお礼言えなかった)
見かけによらず、優しいのか?一応、ヒーロー科受けに来たんだもんね、そういう事になるのか。
まぁ、彼も受かってればまた会えるだろう。
いつしか[超常]は[日常]に、世界総人口の約8割が何らかの"特異体質"である超人社会となった現在。
その"特異体質"を活かし、ヒーローを目指す者がいく学校。
中学3年で進路がほぼ決まるといってもいいこの時代。
「やっぱ行くなら雄英がいい・・・」
進路用紙を眺め、これからの自らの道を進むべく決める一代プロジェクト。
ろくに中学で友達を作らなかった登坂歌恋には、女子として一つ欠点があった。
彼女の"個性"は、桜。桜の樹のように、自身の頭から爪先まで、順をおうよう、
髪の毛は桜の花に見立て、腕や脚は幹になり、桜の花から葉へと変えることが出来、
その大きさも自由自在に操れる。ただし、髪の毛一本につき、花びら一枚分。 引き千切った髪の毛の量は、翌日には元通り。
一つ欠点といえ"個性"を使ったあとは、毎回暴飲暴食になること。
それでも、背丈は普通の女子達と変わらず年頃の女の子が気にする食事制限など一切ない。
だから度々目をつけられたりしたことがあるのもまた事実で。
雄英高校ならきっと、もっと変わった"個性"の人が集まるハズだと。
入学試験も、普通の高校と違うのは知ってる。けど、この高校で自分の居場所を見つけられるんじゃないかって思った。
両親の"個性"を無事それぞれ受け継ぎ、花をこよなく愛する母から少し心配で反対されたけど。
木々達の力強さを父から受け継いだ"個性"は、なんとなくこのままだともったいない気がしたから。
雄英に知り合いがいるわけでもない。一からすべて、自分でやり遂げてみたいのだ。
==========
試験当日。バカ広い校舎に建物に歌恋は顔を上げた。ここから始まるんだ。
どんな人が集まるのだろうと、緊張と少しワクワクしながら視線を泳がせる。
そこには先日、ヒーローの敵であるヴィランに捕まったことがありテレビのニュースにも流れた、
一際誰もが知る「ヘドロ事件の子、爆豪勝己」の姿も見受けられた。
「とりあえず、やってやるだけ・・・!」
筆記試験の方はどうにかなったと思う。しかし、問題はここからだ。
きっと他の高校にはないだろう、実技試験。
「今日は俺のライヴにようこそー!!エヴィバディセイヘイ!!」
ボイスヒーローこと「プレゼント・マイク」の異様なテンションに、誰もついてこない。
いや、こんなピリピリと針積めた空気の中、テンションが違うのはプレゼント・マイクの方だと思う。
なんて心の中で思いながら、実技試験の説明が終わっていく。
実技試験の内容は、仮想ヴィランに見立てたロボットを倒しポイントを稼ぐこと。
何種類かのヴィランの中には、ポイントがつかない0のやつもいるということだ。
(ロボット相手なら、何とかなる。大丈夫っ)
深呼吸し、模擬市街地といってもさすが雄英、どこも広い。
プレゼント・マイクの声が、カウントなしでいきなり試験開始の合図を出した。
いつ、どこからヴィランが現れるか分からない。だから試験もカウントなしと。こんなところで躓く暇はない。
一般人もいる中学の時とはまるで違い、様々な"個性"を持つ者が集まったこの場所に、歌恋は胸が高鳴っていた。
ここになら、ここならきっと、自分の場所が見つかるハズだ。
腕を木の幹にし、ロボットを確実に倒していく。建物の中から外に着地するのだって、
大量の髪の毛を数多の桜吹雪を造りだし、クッション変りに足への衝撃を和らげる。
(楽しい・・・!)
自分の"個性"を、おもいっきりぶつけ、誰にも周りにも気味悪がれなくて。
「死ねぇーー!!」
ただ、先ほどから掛け声のように聞こえる、姿を確認すれば爆豪勝己の声が少々鬱陶しい。
ああいう奴には関わらない方が得策だ。彼の個性の"爆破"が生む爆風が激しすぎる。
「・・・離れよう」
ただ、その爆風を借りようではないか。歌恋は両手を合わせ、息を吐く。
すると、手のひらに繋がり大きく広がる青々とした葉が現れる。
「爆風、借りるよ」
いくつもの行動パターンはあるが、まだ一個一個しか扱えないのが難点。
「あぁ!?」
ガン飛ばしてくる爆豪勝己の頭上を通り、爆風に乗りながらその場を離れる。
歌恋は目の前のヴィランを足場にし、葉っぱを解除。
自由になった腕を木の幹にし、ヴィランを拘束し足場にして屋根に飛び乗ろうとした。
「取らせるかよ!!」
「はぁ!?」
爆豪勝己の腕でが、こちらに向けられている。いや、厳密に言えばヴィランに向けられているのだが。
「ちょぉ、待って・・・」
「終了~~!!!」
ドでかく響くプレゼント・マイクの声。それを聞き、爆豪勝己の腕が下りる。
「え、あっはっ」
歌恋は言葉にならない声でヴィランを拘束したまま地面に落ちた。
「っ~~」
ぎゅっと目を瞑っているが、痛くない。
「さっさと離れやがれ、葉っぱ女」
「はっ!?えっ!?」
目を丸くする歌恋。自分の下に、うつ伏せになっている爆豪勝己がいたから。
「あっ、ごごご、ごめんなさいっ!!!」
歌恋は凄い勢いで彼から後退り、後ろを気にしてなかったせいか建物に背中から激突する。
「いったっ!」
「バカが」
彼はコキコキ肩を鳴らしながら、さっさと集合場所に向かってしまう。
「あっ」
最初は口も言動も悪い人だと思った。でも、終わりの合図を聞いた時、すぐに攻撃を止めた。
いや、本当に終了間際でよかった。あのままだったら絶対攻撃されてた。
・・・いや、待てよ。
(爆風、借りるよ)
自分の発言に頭を抱える。
(あわわ、調子のり過ぎたぁ~・・・)
それと同時に安堵もあってか、自分のお腹が鳴る。
(・・・お腹空いた・・・)
彼女の"個性"の使いすぎによる反動、それはお腹が減ること。
そして、コンプレックスは暴飲暴食になること。
好きなモノは食べ物全般。
「今日の夕飯焼き肉!?」
母から告げられた夕飯のメニューに、歌恋は目を輝かせる。
「雄英に受かったお祝いだなっ」
喜んで言う父に、母ははにかみながら遠慮がちに言う。
「家で、だけどね」
「お母さんのお料理はなんでも美味しいから大好き!」
「ありがとう」
三人で"いただきます"と言って、それぞれ焼きながら夕飯にありつく。
(・・・そういえば、結局あいつにお礼言えなかった)
見かけによらず、優しいのか?一応、ヒーロー科受けに来たんだもんね、そういう事になるのか。
まぁ、彼も受かってればまた会えるだろう。
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