第四話 緑谷VS轟
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「お昼だぁー!」
待ちに待ったといわんばかりに、歌恋は両手を伸ばす。そんな彼女に、苦笑いする耳郎。
「人よりお腹減るのも大変だね」
「今日は食堂でいいってお許しをいただいたからね!食べるぞー!」
お弁当組みの面々も、今日は皆で食堂を利用することになっていた。
「歌恋ちゃん、デクくん知らん?」
すると、麗日が声をかけてきた。
「デク・・・?あ、緑谷くんか」
一瞬、誰のことか悩んでしまったが、麗日がよくそう呼んでいることを思い出す。
「そういえば、見ないね」
「んー、爆豪くんも轟くんも、おらんねん」
「言われてみれば」
「どこだ?」
麗日と一緒にキョロキョロ辺りをみるが、確かに三人の姿はない。
「・・・・・・・・・」
嫌な予感しかないのは、どうしたものか。
「梅雨ちゃん」
「どうしたの?」
前を歩く蛙吹に、声をかける。
「前に梅雨ちゃん、緑谷くんの"個性"がオールマイトに似てるって言ってたよね」
「ええ」
「でも、緑谷くんはあの時言葉濁らせてたんだよね、確か・・・」
「オールマイトといえば、緑谷くんを呼びにきた時があったな」
手をロボのように動かして言う飯田。
「お、あったあった!あん時オールマイト、お弁当持ってて乙女や思ったよ!」
「・・・オールマイトがお弁当・・・」
「意外だね」
耳郎に同感し、頷く。
(・・・まさか、轟くん、緑谷くんに・・・?体育祭の前に、あんな事緑谷くんに言ってたし・・・)
爆豪は何処で何してるか本当に分からないけど。
No.2ヒーローを父親として持つ轟焦凍。No.1ヒーローに目をつけてもらってる緑谷。
(嫌な予感しかしないよ・・・てか、私なんの関係もないよね、知らない知らない)
首をブンブン横に振る歌恋に、皆が距離を取る。
「さっきっから歌恋、変だよ?」
耳郎に言葉を投げ掛けられ、ハッとする。
「何にも知らない!早く、食堂行こっ!」
「あっ、引っ張んなくても行くよ!」
「話って・・・何・・・?」
人通りのない通路に、緑谷と轟が向かい合っている。その二人の様子をカゲで見る爆豪。
「早くしないと、食堂すごい混みそうだし・・・えと・・・」
緑谷を睨み付ける轟の目はとても冷たい威圧感がある。
「気圧された。自分の契約を破っちまう程によ。飯田も上鳴も八百万も常闇も麗日も登坂も・・・、
感じてなかった最後の場面、あの場で俺だけが気圧された」
USJ事件で間近で感じたオールマイトの本気を知ってるから。
「・・・それ・・・つまり・・・どういう・・・」
「おまえに同様の何かを感じたってことだ。なァ・・・オールマイトの隠し子か何かか?」
激しくドキドキしていた心臓の鳴りが、一瞬止まる。
「(な・・・なるほど・・・そうなるのか・・・!!)違うよ、それは・・・って言っても、
もし本当にそれ・・・隠し子だったら、違うって言うに決まってるから納得しないと思うけど、
とにかくそんなんじゃなくて・・・そもそもその・・・逆に聞くけど・・・なんで僕なんかにそんな・・・」
「「そんなんじゃなくて」って言い方は、少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな。
俺の親父は、エンデヴァー。知ってるだろ」
「!」
「万年No.2のヒーローだ。おまえがNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は・・・、
尚更勝たなきゃいけねぇ」
「・・・皆、なんでチア?」
数分前、食堂にて。女子皆でご飯を食べてるなか、峰田と上鳴がこう言ってきた。
『午後は女子全員、ああやって応援合戦しなきゃいけねぇんだって!』
『聞いてないけど・・・』
『信じねぇのも勝手だけどよ・・・相澤先生からの言伝だからな』
「早く歌恋も食べきってよね!」
「衣装は、ヤオモモが出してくれたよ」
「ねぇねぇ、かーいでしょ!?似合ってるでしょ!?」
愚痴る耳郎に、何故か衣装に抵抗がない芦戸に、透明なんでなんていってあげればいいか分からない葉隠。
「登坂さんの衣装も、バッチリ用意してありますわ!逃がしませんわ!」
八百万が衣装を見せながら、がっしり肩をつかんでくる。
「いーやーだー!相澤先生の罰の方がいい!」
「登坂さん、いた!やっと見つけた!」
「ん?」
「おー、歌恋人気者!」
焦ってやってくる緑谷をみながら、芦戸が茶化すが無視。
「緑谷くん、何?」
「ちょっと、聞きたいことが・・・あ、でも食べてる途中?」
「いいよ、二杯目だし」
「二杯目!?」
「カツ丼とラーメン」
「???」
彼女の体型に似合わず驚異的な胃袋だ。
「ま、歌恋にとっちゃフツーの量」
ポンと、肩に手を乗せる耳郎。それは否定できない。
「じゃあね、みんな!」
チアの格好から逃れられる、好都合。
「時間あけて待ってますわ!」
八百万の声に、手をヒラヒラあげた。
普段賑わう校舎も、いまの時間は静かだ。
「どうしたの、緑谷くん」
緑谷は一呼吸し落ち着きを取り戻してから歌恋と向き合う。
「と、轟くんのこと・・・知ってるのは君だけだって、本人から聞いて・・・」
「!!」
「さっき、轟くんから聞かされたんだ。僕にくってかかる態度も、お父さんとお母さんのことも。
轟くんは、お父さんのことをよく思ってなくて、それで左側を使わないってこと。
でもさ、それっておかしいよね?皆がここで一番になろうとしてるのに、
僕に半分の力で勝つって。轟くんがクラスで最強なのも分かるけど・・・」
緑谷も、どう受け止めていいのか分からないんだ。
「・・・そんなの、知らないよ・・・。私は、説得に失敗してる。挙げ句幸せ家族って言われて、
俺の何が分かるって言われた。人の過去なんか、どうにもできないよっ。
知ったような口で言ったって、そんなん上図らだけで心に響かせてやれなくて。
あんな、苦しそうな顔してたのに、どうしようも出来なくて・・・近くにいるのが、怖くなって・・・」
「そう、だったんだね・・・だから、登坂さんも態度がガラリと変わっちゃったんだね」
どうしてやれるのが、彼の正解に繋がる?
クラスの中で、ひとりぼっちにさせること?その辛さはよく知ってるよ。
せっかくある"個性"なのに、使わせないで一番にさせてやること?
緑谷に、わざと負けろってことなの?
「だからって、僕は負けるわけにいかない。だから、その・・・」
「慰め役にでもなればいいの?冗談じゃない。私には、もう関係ないっ」
あの時に突き飛ばして、それっきりだ。
待ちに待ったといわんばかりに、歌恋は両手を伸ばす。そんな彼女に、苦笑いする耳郎。
「人よりお腹減るのも大変だね」
「今日は食堂でいいってお許しをいただいたからね!食べるぞー!」
お弁当組みの面々も、今日は皆で食堂を利用することになっていた。
「歌恋ちゃん、デクくん知らん?」
すると、麗日が声をかけてきた。
「デク・・・?あ、緑谷くんか」
一瞬、誰のことか悩んでしまったが、麗日がよくそう呼んでいることを思い出す。
「そういえば、見ないね」
「んー、爆豪くんも轟くんも、おらんねん」
「言われてみれば」
「どこだ?」
麗日と一緒にキョロキョロ辺りをみるが、確かに三人の姿はない。
「・・・・・・・・・」
嫌な予感しかないのは、どうしたものか。
「梅雨ちゃん」
「どうしたの?」
前を歩く蛙吹に、声をかける。
「前に梅雨ちゃん、緑谷くんの"個性"がオールマイトに似てるって言ってたよね」
「ええ」
「でも、緑谷くんはあの時言葉濁らせてたんだよね、確か・・・」
「オールマイトといえば、緑谷くんを呼びにきた時があったな」
手をロボのように動かして言う飯田。
「お、あったあった!あん時オールマイト、お弁当持ってて乙女や思ったよ!」
「・・・オールマイトがお弁当・・・」
「意外だね」
耳郎に同感し、頷く。
(・・・まさか、轟くん、緑谷くんに・・・?体育祭の前に、あんな事緑谷くんに言ってたし・・・)
爆豪は何処で何してるか本当に分からないけど。
No.2ヒーローを父親として持つ轟焦凍。No.1ヒーローに目をつけてもらってる緑谷。
(嫌な予感しかしないよ・・・てか、私なんの関係もないよね、知らない知らない)
首をブンブン横に振る歌恋に、皆が距離を取る。
「さっきっから歌恋、変だよ?」
耳郎に言葉を投げ掛けられ、ハッとする。
「何にも知らない!早く、食堂行こっ!」
「あっ、引っ張んなくても行くよ!」
「話って・・・何・・・?」
人通りのない通路に、緑谷と轟が向かい合っている。その二人の様子をカゲで見る爆豪。
「早くしないと、食堂すごい混みそうだし・・・えと・・・」
緑谷を睨み付ける轟の目はとても冷たい威圧感がある。
「気圧された。自分の契約を破っちまう程によ。飯田も上鳴も八百万も常闇も麗日も登坂も・・・、
感じてなかった最後の場面、あの場で俺だけが気圧された」
USJ事件で間近で感じたオールマイトの本気を知ってるから。
「・・・それ・・・つまり・・・どういう・・・」
「おまえに同様の何かを感じたってことだ。なァ・・・オールマイトの隠し子か何かか?」
激しくドキドキしていた心臓の鳴りが、一瞬止まる。
「(な・・・なるほど・・・そうなるのか・・・!!)違うよ、それは・・・って言っても、
もし本当にそれ・・・隠し子だったら、違うって言うに決まってるから納得しないと思うけど、
とにかくそんなんじゃなくて・・・そもそもその・・・逆に聞くけど・・・なんで僕なんかにそんな・・・」
「「そんなんじゃなくて」って言い方は、少なくとも何かしら言えない繋がりがあるってことだな。
俺の親父は、エンデヴァー。知ってるだろ」
「!」
「万年No.2のヒーローだ。おまえがNo.1ヒーローの何かを持ってるなら俺は・・・、
尚更勝たなきゃいけねぇ」
「・・・皆、なんでチア?」
数分前、食堂にて。女子皆でご飯を食べてるなか、峰田と上鳴がこう言ってきた。
『午後は女子全員、ああやって応援合戦しなきゃいけねぇんだって!』
『聞いてないけど・・・』
『信じねぇのも勝手だけどよ・・・相澤先生からの言伝だからな』
「早く歌恋も食べきってよね!」
「衣装は、ヤオモモが出してくれたよ」
「ねぇねぇ、かーいでしょ!?似合ってるでしょ!?」
愚痴る耳郎に、何故か衣装に抵抗がない芦戸に、透明なんでなんていってあげればいいか分からない葉隠。
「登坂さんの衣装も、バッチリ用意してありますわ!逃がしませんわ!」
八百万が衣装を見せながら、がっしり肩をつかんでくる。
「いーやーだー!相澤先生の罰の方がいい!」
「登坂さん、いた!やっと見つけた!」
「ん?」
「おー、歌恋人気者!」
焦ってやってくる緑谷をみながら、芦戸が茶化すが無視。
「緑谷くん、何?」
「ちょっと、聞きたいことが・・・あ、でも食べてる途中?」
「いいよ、二杯目だし」
「二杯目!?」
「カツ丼とラーメン」
「???」
彼女の体型に似合わず驚異的な胃袋だ。
「ま、歌恋にとっちゃフツーの量」
ポンと、肩に手を乗せる耳郎。それは否定できない。
「じゃあね、みんな!」
チアの格好から逃れられる、好都合。
「時間あけて待ってますわ!」
八百万の声に、手をヒラヒラあげた。
普段賑わう校舎も、いまの時間は静かだ。
「どうしたの、緑谷くん」
緑谷は一呼吸し落ち着きを取り戻してから歌恋と向き合う。
「と、轟くんのこと・・・知ってるのは君だけだって、本人から聞いて・・・」
「!!」
「さっき、轟くんから聞かされたんだ。僕にくってかかる態度も、お父さんとお母さんのことも。
轟くんは、お父さんのことをよく思ってなくて、それで左側を使わないってこと。
でもさ、それっておかしいよね?皆がここで一番になろうとしてるのに、
僕に半分の力で勝つって。轟くんがクラスで最強なのも分かるけど・・・」
緑谷も、どう受け止めていいのか分からないんだ。
「・・・そんなの、知らないよ・・・。私は、説得に失敗してる。挙げ句幸せ家族って言われて、
俺の何が分かるって言われた。人の過去なんか、どうにもできないよっ。
知ったような口で言ったって、そんなん上図らだけで心に響かせてやれなくて。
あんな、苦しそうな顔してたのに、どうしようも出来なくて・・・近くにいるのが、怖くなって・・・」
「そう、だったんだね・・・だから、登坂さんも態度がガラリと変わっちゃったんだね」
どうしてやれるのが、彼の正解に繋がる?
クラスの中で、ひとりぼっちにさせること?その辛さはよく知ってるよ。
せっかくある"個性"なのに、使わせないで一番にさせてやること?
緑谷に、わざと負けろってことなの?
「だからって、僕は負けるわけにいかない。だから、その・・・」
「慰め役にでもなればいいの?冗談じゃない。私には、もう関係ないっ」
あの時に突き飛ばして、それっきりだ。