第十九話 一歩前進
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現在、A組寮。歌恋と轟の前に、芦戸がいる。
「・・・これは?」
問いかける歌恋に、ニヤッと怪しく笑う芦戸。
「サンタのコスプレ!全員強制!」
「コス・・・!?」
「着てみると、たいして緊張しねーぞ!」
「うん!思ってたより着やすい」
すでにサンタの格好をしている切島に緑谷。他の皆も、着々と試着しているようだ。
「ああ、着てくる」
「・・・・・・」
さすが、こういうときの轟は迷いがない。
「歌恋、一緒に着替えてこ。うち、ギターも取りにいってこなきゃだし」
「響香ちゃん」
耳郞の部屋で、一緒に着替える。
「変じゃないかな」
「大丈夫でしょ。それよりどうだった、轟のお母さん」
耳郞には、今回の買い物のことは伝えてあった。
「凄く綺麗で、優しい人だった」
「そっか」
「響香ちゃん、今夜も歌ってくれるの?」
「皆が歌え歌えってさ。歌恋も、皆と一緒に歌ってよね」
そして、数時間後―・・・。
「セーノ!」
「「「メリークリスマス!!!」」」
みんなと、乾杯が始まる。
「インターン行けってよー、雄英史上最も忙しねェ一年生だろ、コレ」
「二人はまたリューキュウだよね」
耳郞が、麗日に確認するように聞いている。もう一人は、蛙吹も入っている。
「そやねぇ、耳郞ちゃんは?」
「う~ん、どうしようかな・・・歌恋はホークス?」
「うん、常闇くんと。ホークスにおいでって言われたけど、ホークス自身忙しいみたいで、
サイドキックの人たちとの仕事になるかな」
「No.1ヒーローのエンデヴァーのとこで一緒に行かないの?」
他意のない尾白が歌恋に指差しながら、隣に立つ轟に聞いている。
「・・・あいつの所にはまだ。親父には、会わせたくねェ」
何を言われるか、また、昔のように関わらせてもらえなくなるのが怖いから。
いまエンデヴァーが変わってくれているようには感じるけど、いつぶり返されるか不安しかない。
「ふーん」
轟家の深い事情を知らない尾白は、不思議と首をかしげる。
「緑谷くんはどうするんだい、その・・・ナイトアイ事務所・・・」
飯田に続けて、切島も。
「センチピーターが引き継いでるんだろ!?久々に会えるじゃねェか!」
「僕もそう思ってたんだけど・・・」
様々な仕事を一人でナイトアイがやっていたため、事務所の引き継ぎでてんてこ舞いらしい。
「職場体験先のグラントリノもダメだから、今宙ぶらりん」
「そっかぁ」
「任意参加だった前回と違って、今回は課題だから学校で紹介してくれるって・・・」
「ほおー。あー、じゃー・・・爆豪はジーニストか!?」
「あ!?」
切島の話に反れた爆豪に、瞬間上鳴がサンタ帽を被せている。
「・・・決めてねェ」
ベストジーニスト。彼は今、行方不明になっているとニュースにあった気がした。
それでもジーニストの場所と切島が聞いたのは、歌恋達みたいにホークスがいなくても、と理由は一緒だろう。
けど、爆豪は迷っているようだ。
「でもまー、おめー指名いっぱいあったしな!体育祭で。行きてーとこ行けんだろ」
「今更、有象無象に学ぶ気ィねェわ。着せんじゃねェよ!!」
サンタ帽を放り投げた矢先、次は芦戸に上着を着せられる始末。
「着なよー、同調圧力に屈しなよー」
「おォい!!きよしこの夜だぞ!!いつまでも学業に現抜かしてんじゃねー!!」
「斬新な視点だな、オイ」
峰田の気持ちは少し分かる。だがまだ、全員揃ってない。
「遅くなった・・・もう始まってるか?」
寮のドアが開き、現れたのは相澤先生に。
「とりっくおあ、とりとー・・・?」
「違う、混ざった」
「「「サンタのエリちゃん!」」」
これで全員。
「かっ、可愛~!」
「似合ってるねぇ!」
「おにわそと、おにわうち」
「それは2ヶ月先」
相澤先生の突っ込みがちょくちょく入るが、エリちゃんの可愛らしさにみんなメロメロだ。
「通形先輩はいないんスか!?」
「今日はこっちでと伝えてある。クラスの皆と過ごしてるよ」
エリが皆の輪の中に入るのを見届けて、緑谷が相澤先生に言う。
「角・・・また大きくなってますね」
「ああ、前向きだよ。おまえの言葉をちゃんと受け止めてる」
耳郞の歌と演奏で幕が開き、皆とご馳走を食べる。いつもの学食も美味しい学校ではあるが、
今日はそれぞれ別行動はなく、皆一緒に食べれる幸せもあってかどれも食べあきない。
食っては騒ぎのお祭り状態。それでも一匹狼な、部屋に戻ろうとした爆豪を上鳴が押さえつけたり。
ふと歌恋は、離れて座る轟を見た。もしこれが、出会ったばかりの彼の性格のままなら、こんなことはなかったと思う。
これでいいんだよね、と。楽しんでもらえてるよね、と。
プレゼント交換は皆のを寄せ集め、紐でくくり一斉に引っ張る。これもこれで斬新だ。
何が当たったかは、それぞれの秘密。来年も、楽しいクリスマス会が出来ればいい。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。片付けをしている時に、轟が二人に声をかけた。
「緑谷、爆豪」
「?」
「もし、行く宛が無ェなら、来るか?No.1の、インターン」
==========
「えっ、緑谷くんと爆豪くんを誘ったの?」
大晦日、帰省は難しいとされていたが、1日だけ帰れることになった。それぞれ支度をする中聞かされた。
「親父も渋々承知してくれたよ。緑谷も喜んでたし」
轟の事だ。なんとなくインターン先を迷ってた二人に声をかけただけただろう。
「・・・歌恋は、流石に声はかけられねェけど」
「う~ん、エンデヴァーのところ行ってみてもいいけど」
「俺がダメだ」
「ハハ・・・」
歌恋がいくら言ってみたところで変わらないだろう。それだけ大切にしてくれてるんだろうが。
「・・・じゃ、また冬休み開けだね、焦凍に会えるの」
なんだか寂しいけど、久しぶりの家族団らんも楽しみで。
轟が優しく、頭を撫でてくれる。なんだかくすぐったい。
「・・・コレがあるから、少しの辛抱だ」
コレ、は。クリスマスの時に二人で買った桜のキーホルダー。たかがキーホルダーなんて、と思うかもしれない。
でも、それにしたのは轟の"個性"を考えて。ブレスレットやネックレスも、と思ってた。
でも、炎も氷も出す彼にとって、身につけるものには抵抗があったから、キーホルダー。
コスチュームが入っている鞄とは別に、普段持ち歩く物に。歌恋は、スマホに色ちがいをつけている。
「頑張ってね、焦凍」
「ああ、歌恋も」
そして、帰ってきた実家に。久しぶりの我が家。両親は変わらず元気で、歌恋を迎え入れてくれる。
ご飯の時でも、雄英で過ごした日々の話をした。そして、轟のことも写真を見せながら説明した。
エンデヴァーが父親だということも、お母さんのことも。事情は話していいと轟が言ってくれたから。
素直に、隠さずに。強くなりたいと、守りたいものが出来たと。
「じゃあ、行ってきます」
雄英高校じゃない、このまま常闇と待ち合わせてホークス事務所がある九州へ。
「・・・これは?」
問いかける歌恋に、ニヤッと怪しく笑う芦戸。
「サンタのコスプレ!全員強制!」
「コス・・・!?」
「着てみると、たいして緊張しねーぞ!」
「うん!思ってたより着やすい」
すでにサンタの格好をしている切島に緑谷。他の皆も、着々と試着しているようだ。
「ああ、着てくる」
「・・・・・・」
さすが、こういうときの轟は迷いがない。
「歌恋、一緒に着替えてこ。うち、ギターも取りにいってこなきゃだし」
「響香ちゃん」
耳郞の部屋で、一緒に着替える。
「変じゃないかな」
「大丈夫でしょ。それよりどうだった、轟のお母さん」
耳郞には、今回の買い物のことは伝えてあった。
「凄く綺麗で、優しい人だった」
「そっか」
「響香ちゃん、今夜も歌ってくれるの?」
「皆が歌え歌えってさ。歌恋も、皆と一緒に歌ってよね」
そして、数時間後―・・・。
「セーノ!」
「「「メリークリスマス!!!」」」
みんなと、乾杯が始まる。
「インターン行けってよー、雄英史上最も忙しねェ一年生だろ、コレ」
「二人はまたリューキュウだよね」
耳郞が、麗日に確認するように聞いている。もう一人は、蛙吹も入っている。
「そやねぇ、耳郞ちゃんは?」
「う~ん、どうしようかな・・・歌恋はホークス?」
「うん、常闇くんと。ホークスにおいでって言われたけど、ホークス自身忙しいみたいで、
サイドキックの人たちとの仕事になるかな」
「No.1ヒーローのエンデヴァーのとこで一緒に行かないの?」
他意のない尾白が歌恋に指差しながら、隣に立つ轟に聞いている。
「・・・あいつの所にはまだ。親父には、会わせたくねェ」
何を言われるか、また、昔のように関わらせてもらえなくなるのが怖いから。
いまエンデヴァーが変わってくれているようには感じるけど、いつぶり返されるか不安しかない。
「ふーん」
轟家の深い事情を知らない尾白は、不思議と首をかしげる。
「緑谷くんはどうするんだい、その・・・ナイトアイ事務所・・・」
飯田に続けて、切島も。
「センチピーターが引き継いでるんだろ!?久々に会えるじゃねェか!」
「僕もそう思ってたんだけど・・・」
様々な仕事を一人でナイトアイがやっていたため、事務所の引き継ぎでてんてこ舞いらしい。
「職場体験先のグラントリノもダメだから、今宙ぶらりん」
「そっかぁ」
「任意参加だった前回と違って、今回は課題だから学校で紹介してくれるって・・・」
「ほおー。あー、じゃー・・・爆豪はジーニストか!?」
「あ!?」
切島の話に反れた爆豪に、瞬間上鳴がサンタ帽を被せている。
「・・・決めてねェ」
ベストジーニスト。彼は今、行方不明になっているとニュースにあった気がした。
それでもジーニストの場所と切島が聞いたのは、歌恋達みたいにホークスがいなくても、と理由は一緒だろう。
けど、爆豪は迷っているようだ。
「でもまー、おめー指名いっぱいあったしな!体育祭で。行きてーとこ行けんだろ」
「今更、有象無象に学ぶ気ィねェわ。着せんじゃねェよ!!」
サンタ帽を放り投げた矢先、次は芦戸に上着を着せられる始末。
「着なよー、同調圧力に屈しなよー」
「おォい!!きよしこの夜だぞ!!いつまでも学業に現抜かしてんじゃねー!!」
「斬新な視点だな、オイ」
峰田の気持ちは少し分かる。だがまだ、全員揃ってない。
「遅くなった・・・もう始まってるか?」
寮のドアが開き、現れたのは相澤先生に。
「とりっくおあ、とりとー・・・?」
「違う、混ざった」
「「「サンタのエリちゃん!」」」
これで全員。
「かっ、可愛~!」
「似合ってるねぇ!」
「おにわそと、おにわうち」
「それは2ヶ月先」
相澤先生の突っ込みがちょくちょく入るが、エリちゃんの可愛らしさにみんなメロメロだ。
「通形先輩はいないんスか!?」
「今日はこっちでと伝えてある。クラスの皆と過ごしてるよ」
エリが皆の輪の中に入るのを見届けて、緑谷が相澤先生に言う。
「角・・・また大きくなってますね」
「ああ、前向きだよ。おまえの言葉をちゃんと受け止めてる」
耳郞の歌と演奏で幕が開き、皆とご馳走を食べる。いつもの学食も美味しい学校ではあるが、
今日はそれぞれ別行動はなく、皆一緒に食べれる幸せもあってかどれも食べあきない。
食っては騒ぎのお祭り状態。それでも一匹狼な、部屋に戻ろうとした爆豪を上鳴が押さえつけたり。
ふと歌恋は、離れて座る轟を見た。もしこれが、出会ったばかりの彼の性格のままなら、こんなことはなかったと思う。
これでいいんだよね、と。楽しんでもらえてるよね、と。
プレゼント交換は皆のを寄せ集め、紐でくくり一斉に引っ張る。これもこれで斬新だ。
何が当たったかは、それぞれの秘密。来年も、楽しいクリスマス会が出来ればいい。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。片付けをしている時に、轟が二人に声をかけた。
「緑谷、爆豪」
「?」
「もし、行く宛が無ェなら、来るか?No.1の、インターン」
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「えっ、緑谷くんと爆豪くんを誘ったの?」
大晦日、帰省は難しいとされていたが、1日だけ帰れることになった。それぞれ支度をする中聞かされた。
「親父も渋々承知してくれたよ。緑谷も喜んでたし」
轟の事だ。なんとなくインターン先を迷ってた二人に声をかけただけただろう。
「・・・歌恋は、流石に声はかけられねェけど」
「う~ん、エンデヴァーのところ行ってみてもいいけど」
「俺がダメだ」
「ハハ・・・」
歌恋がいくら言ってみたところで変わらないだろう。それだけ大切にしてくれてるんだろうが。
「・・・じゃ、また冬休み開けだね、焦凍に会えるの」
なんだか寂しいけど、久しぶりの家族団らんも楽しみで。
轟が優しく、頭を撫でてくれる。なんだかくすぐったい。
「・・・コレがあるから、少しの辛抱だ」
コレ、は。クリスマスの時に二人で買った桜のキーホルダー。たかがキーホルダーなんて、と思うかもしれない。
でも、それにしたのは轟の"個性"を考えて。ブレスレットやネックレスも、と思ってた。
でも、炎も氷も出す彼にとって、身につけるものには抵抗があったから、キーホルダー。
コスチュームが入っている鞄とは別に、普段持ち歩く物に。歌恋は、スマホに色ちがいをつけている。
「頑張ってね、焦凍」
「ああ、歌恋も」
そして、帰ってきた実家に。久しぶりの我が家。両親は変わらず元気で、歌恋を迎え入れてくれる。
ご飯の時でも、雄英で過ごした日々の話をした。そして、轟のことも写真を見せながら説明した。
エンデヴァーが父親だということも、お母さんのことも。事情は話していいと轟が言ってくれたから。
素直に、隠さずに。強くなりたいと、守りたいものが出来たと。
「じゃあ、行ってきます」
雄英高校じゃない、このまま常闇と待ち合わせてホークス事務所がある九州へ。