第二話 委員長
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ああいう時は、強くて実力を知っているクラスメートの側にいれば安心だと思ってた。
「っ~~」
歌恋は、今の自分の実力ではいかにプロから遠いか痛い程実感させられた。
「ったく、轟も無茶苦茶だな・・・!」
火災ゾーンに飛ばされた尾白&歌恋。轟がワザワザ己から二人を離したのは分かった。
彼の氷の技の邪魔にならないように、別の場所に歌恋諸々尾白を突き放したのだ。
「尾白、くん・・・ごめん、巻き添えしちゃった・・・」
だからってわざわざ、火災ゾーンにならなくてよかったとおもうのに、逆に危険なゾーンにいる。
歌恋は氷ついた横腹を手で被う。痛い、冷たい。けれどこれはきっと最小限の彼なりの威力だろう。
突き放す時、蹴りだけじゃそう遠く飛ばせないと。それでも、あの状態だというのに、
彼は器用に氷を張り付け無理矢理遠くに押しやったということ。
轟によって受けた氷は、火災の熱で溶けたが、血が服に滲む。
「アハハ、俺ら二人、氷にやられたな」
一度、経験したからしっている二人。
「そうだね」
「おいおいおい、敵を目の前にして余裕だなお二人さん!」
「カップルかぁ~!?ガハハ、二人まとめて可愛がるぜ~!?」
ヴィランの下品で汚い言葉使いにイラつく。
尾白がゴリゴリの武闘派だという事を、一緒に戦ってみて実感した。
土砂ゾーンでは、一人になった轟が多くのヴィランをもう既に氷で動きを封じていた。
「子ども一人になさけねぇな(登坂に悪いが、氷でやっちまった・・・)」
自分の技で、ケガさせて突き放した。この方が得策だと思ったから。
(情けねぇのは、俺も・・・)
近くに、誰か仲間がいる方が今は戦いづらいなんて。
「しっかりしろよ、大人だろ?」
水難ゾーンでは、緑谷、蛙吹、峰田がヴィランと戦い、緑谷の策略で一網打尽。
山岳ゾーンでは、上鳴、八百万、耳郞が応戦。広間ではイレイザーヘッドとして、
相澤先生が生徒を守りながら戦っていたが、イレイザーヘッドの戦闘スタイル、
状況の悪さから先生達はヴィランに動きを封じられてしまっていた。
倒壊ゾーン、切島と爆豪。
「これで全部か、弱ぇな」
接近戦向きの二人は、どのゾーンよりも早くに敵を片付けていた。
再び、火災ゾーン歌恋と尾白。
(息が苦しい・・・)
普段慣れない環境、いや、あってはならない環境の中での戦いに苦戦する。
ヴィランはマスクをしていて、準備万端といったところか。
「さすが雄英、本物の火災使うんだもんな」
歌恋は幹を尾白の腰に巻き付けている。離ればなれにならないようにと二人で決めた事。
尾白の尻尾も万能で、アンテナを上手くつかい猿のように飛び回っていた。
「登坂・・・?」
彼女の呼吸の仕方がおかしい。
「ご、ごめん・・・私、炎無理・・・」
多分、"個性"の弱点といっていいかもしれない、歌恋自身、桜を扱うから。
「・・・植物で炎・・・なるほどね。俺らと戦った時出してた桜・・・情報集めは無理そう?」
「多分・・・ううん、確実に無理・・・」
何とも言えない状況に、尾白は苦笑い。
彼のお陰でヴィランはことごとく倒していけてるけれど、この火災ゾーンからの脱出の方が困難だった。
自分達はあのモヤの奴の"個性"で飛ばされた。
下手すれば着地時点で失敗していれば、燃えていたところだ。
炎の中、どのくらい時間が経ったか分からない。
けれど、二人で協力しながらヴィランを全部倒せていた。
「・・・尾白くんの尻尾、強烈だね・・・お陰で助かったけど・・・」
「毎日鍛えてるからだよ。俺には尻尾以外、皆みたいに強い"個性"じゃないからさ。
それより、大丈夫か・・・?」
さっきので最後の一人だった事を確認する。
「・・・ヴィラン、もう、いない・・・?」
「登坂さん!?」
「・・・・・・・・・・!!」
目が覚めて、視界に入ったのは見慣れない天井。
「・・・ここは・・・?」
熱い灼熱の炎の中ではない。普通の部屋。
「起きたようだね、気分はどうだい」
「だい、じょうぶです・・・」
ベッドから、顔だけを、治癒の名医であるリカバリーガールの方へ目を向けた。
「そう、ならよかったよ」
「あの・・・・・・私、どうしてここに?」
リカバリーガールが、USJで起きたヴィラン連合の襲撃事件の事を話してくれた。
侵入者センサーが反応しなかったことにより、学校まで助けを求めに走ってくれた飯田。
オールマイトがすぐに飛んで駆けつけてくれたこと。
(見たかったな、オールマイトが戦ってるところ)
怪我人、重症者多数出たが、誰も死ななかったこと。
保健室全体を見るように視線を動かす。向こう側は、カーテンで仕切られてるけれど。
「さ、元気になったなら行きなさいな。そうそう、脇腹の傷も綺麗に治してやったからね」
「!」
歌恋はガバッと起き上がり、氷で出来た傷の場所を手で探す。
「ホントだ、ない!凄いです、リカバリーガール!」
噂には聞いていたけど、噂以上の人だ。
「初めての治癒だったからよかったのさぁね。怪我もホドホドにね」
「ありがとうございました」
歌恋はリカバリーガールに頭を下げる。
「そうそう、明日は臨時休校になったからね」
「え!?」
彼女が少し気になった、カーテンの向こうにいた人物。それは、オールマイトと緑谷だった事は知るよしもない。
廊下から外を見れば、もう真っ暗だ。
(嫌だな、随分寝ちゃったのかな・・・夜の学校は怖い)
廊下の時計を見れば、18時を回っている。けど、教室に戻ってカバンを取りに行かねば。
(お腹もすいたし、さっさと帰ろう)
だが、こんな遅い時間なのに、教室の電気がついていた。
(げっ・・・誰かいる・・・?)
まさか、夜の学校恋愛スポットなのか。いや、それだと入りずらい。
入りずらいが、このままでは帰れない。
(うん、帰りたい・・・)
自分の気持ち正直に、一歩ドアに近づいた。
「・・・あれ・・・?」
心構えて入ってみたが、そんな気配はない。自分の席の方へ歩いていく。
「~~っ、と、轟くんっ」
何で彼は教室で一人でいるんだろう。それに、寝てる?
(ね・・・寝顔が可愛いっ・・・!)
起こすのは悪いと思うが、きっとこんな遅くまでここにいたのは自分のことを待っててくれたんじゃないかって。
嫌いな人じゃないし、頼れる人だから・・・ほんの、ほんの少し期待してしまう。
「轟くん!」
彼の体を揺さぶる。
瞬間、バッと目を開けた。思わず起こした側がビクッと後ずさる。
「「・・・・・・・・・・・」」
緊張が走る中、最初に口を開いたのは轟だった。
「登坂・・・悪かった・・・」
席を立ち、歌恋に頭を下げてくる。その動作に焦った。
「き、気にしないで!轟くんはよかれと思ってやってくれたことでしょ?私の実力がなかっただけで」
アハハと、笑いながら話すけど、そうも言ってられないようだ。
「それは俺も同じだ(だからワザワザ違う方へ追いやった)
・・・尾白に背負われたアンタを見て、背筋が氷そうだった。
俺が誤った判断をしたせいで、仲間を・・・クラスの奴を死なせたと思ったんだ」
(・・・そっか、尾白くんが外にあの後出れたんだ)
「ヒーローになるんなら、どんな状況や環境でも、守らなきゃいけねぇのに」
自分には出来なかった。人に、任せてしまった。
と、静かな場所で空気を読むことなく歌恋のお腹が鳴る。それは、轟にも聞こえたようで。
「す・・・すまん・・・」
何故か彼は更に落ち込みを見せる。
「い、いやいや、謝るの私・・・!もう、だから嫌なの・・・」
顔を反らし、歌恋は自分のお腹をさする。
「轟くん、待っててくれて、謝ってくれてありがとう。でも、大丈夫。リカバリーガールに治してもらえたし。
お父さんもお母さんも心配してるでしょ?そろそろ行こうよ」
「・・・明日、休みになっただろ?俺のあともう一つの"個性"について話ておきたい事がある」
(・・・轟くんの"個性"って、氷だけじゃないのかな)
もう一つの"個性"って、いったいどういう事なんだろう。
「時間取らせても大丈夫か・・・?」
「っ~~」
歌恋は、今の自分の実力ではいかにプロから遠いか痛い程実感させられた。
「ったく、轟も無茶苦茶だな・・・!」
火災ゾーンに飛ばされた尾白&歌恋。轟がワザワザ己から二人を離したのは分かった。
彼の氷の技の邪魔にならないように、別の場所に歌恋諸々尾白を突き放したのだ。
「尾白、くん・・・ごめん、巻き添えしちゃった・・・」
だからってわざわざ、火災ゾーンにならなくてよかったとおもうのに、逆に危険なゾーンにいる。
歌恋は氷ついた横腹を手で被う。痛い、冷たい。けれどこれはきっと最小限の彼なりの威力だろう。
突き放す時、蹴りだけじゃそう遠く飛ばせないと。それでも、あの状態だというのに、
彼は器用に氷を張り付け無理矢理遠くに押しやったということ。
轟によって受けた氷は、火災の熱で溶けたが、血が服に滲む。
「アハハ、俺ら二人、氷にやられたな」
一度、経験したからしっている二人。
「そうだね」
「おいおいおい、敵を目の前にして余裕だなお二人さん!」
「カップルかぁ~!?ガハハ、二人まとめて可愛がるぜ~!?」
ヴィランの下品で汚い言葉使いにイラつく。
尾白がゴリゴリの武闘派だという事を、一緒に戦ってみて実感した。
土砂ゾーンでは、一人になった轟が多くのヴィランをもう既に氷で動きを封じていた。
「子ども一人になさけねぇな(登坂に悪いが、氷でやっちまった・・・)」
自分の技で、ケガさせて突き放した。この方が得策だと思ったから。
(情けねぇのは、俺も・・・)
近くに、誰か仲間がいる方が今は戦いづらいなんて。
「しっかりしろよ、大人だろ?」
水難ゾーンでは、緑谷、蛙吹、峰田がヴィランと戦い、緑谷の策略で一網打尽。
山岳ゾーンでは、上鳴、八百万、耳郞が応戦。広間ではイレイザーヘッドとして、
相澤先生が生徒を守りながら戦っていたが、イレイザーヘッドの戦闘スタイル、
状況の悪さから先生達はヴィランに動きを封じられてしまっていた。
倒壊ゾーン、切島と爆豪。
「これで全部か、弱ぇな」
接近戦向きの二人は、どのゾーンよりも早くに敵を片付けていた。
再び、火災ゾーン歌恋と尾白。
(息が苦しい・・・)
普段慣れない環境、いや、あってはならない環境の中での戦いに苦戦する。
ヴィランはマスクをしていて、準備万端といったところか。
「さすが雄英、本物の火災使うんだもんな」
歌恋は幹を尾白の腰に巻き付けている。離ればなれにならないようにと二人で決めた事。
尾白の尻尾も万能で、アンテナを上手くつかい猿のように飛び回っていた。
「登坂・・・?」
彼女の呼吸の仕方がおかしい。
「ご、ごめん・・・私、炎無理・・・」
多分、"個性"の弱点といっていいかもしれない、歌恋自身、桜を扱うから。
「・・・植物で炎・・・なるほどね。俺らと戦った時出してた桜・・・情報集めは無理そう?」
「多分・・・ううん、確実に無理・・・」
何とも言えない状況に、尾白は苦笑い。
彼のお陰でヴィランはことごとく倒していけてるけれど、この火災ゾーンからの脱出の方が困難だった。
自分達はあのモヤの奴の"個性"で飛ばされた。
下手すれば着地時点で失敗していれば、燃えていたところだ。
炎の中、どのくらい時間が経ったか分からない。
けれど、二人で協力しながらヴィランを全部倒せていた。
「・・・尾白くんの尻尾、強烈だね・・・お陰で助かったけど・・・」
「毎日鍛えてるからだよ。俺には尻尾以外、皆みたいに強い"個性"じゃないからさ。
それより、大丈夫か・・・?」
さっきので最後の一人だった事を確認する。
「・・・ヴィラン、もう、いない・・・?」
「登坂さん!?」
「・・・・・・・・・・!!」
目が覚めて、視界に入ったのは見慣れない天井。
「・・・ここは・・・?」
熱い灼熱の炎の中ではない。普通の部屋。
「起きたようだね、気分はどうだい」
「だい、じょうぶです・・・」
ベッドから、顔だけを、治癒の名医であるリカバリーガールの方へ目を向けた。
「そう、ならよかったよ」
「あの・・・・・・私、どうしてここに?」
リカバリーガールが、USJで起きたヴィラン連合の襲撃事件の事を話してくれた。
侵入者センサーが反応しなかったことにより、学校まで助けを求めに走ってくれた飯田。
オールマイトがすぐに飛んで駆けつけてくれたこと。
(見たかったな、オールマイトが戦ってるところ)
怪我人、重症者多数出たが、誰も死ななかったこと。
保健室全体を見るように視線を動かす。向こう側は、カーテンで仕切られてるけれど。
「さ、元気になったなら行きなさいな。そうそう、脇腹の傷も綺麗に治してやったからね」
「!」
歌恋はガバッと起き上がり、氷で出来た傷の場所を手で探す。
「ホントだ、ない!凄いです、リカバリーガール!」
噂には聞いていたけど、噂以上の人だ。
「初めての治癒だったからよかったのさぁね。怪我もホドホドにね」
「ありがとうございました」
歌恋はリカバリーガールに頭を下げる。
「そうそう、明日は臨時休校になったからね」
「え!?」
彼女が少し気になった、カーテンの向こうにいた人物。それは、オールマイトと緑谷だった事は知るよしもない。
廊下から外を見れば、もう真っ暗だ。
(嫌だな、随分寝ちゃったのかな・・・夜の学校は怖い)
廊下の時計を見れば、18時を回っている。けど、教室に戻ってカバンを取りに行かねば。
(お腹もすいたし、さっさと帰ろう)
だが、こんな遅い時間なのに、教室の電気がついていた。
(げっ・・・誰かいる・・・?)
まさか、夜の学校恋愛スポットなのか。いや、それだと入りずらい。
入りずらいが、このままでは帰れない。
(うん、帰りたい・・・)
自分の気持ち正直に、一歩ドアに近づいた。
「・・・あれ・・・?」
心構えて入ってみたが、そんな気配はない。自分の席の方へ歩いていく。
「~~っ、と、轟くんっ」
何で彼は教室で一人でいるんだろう。それに、寝てる?
(ね・・・寝顔が可愛いっ・・・!)
起こすのは悪いと思うが、きっとこんな遅くまでここにいたのは自分のことを待っててくれたんじゃないかって。
嫌いな人じゃないし、頼れる人だから・・・ほんの、ほんの少し期待してしまう。
「轟くん!」
彼の体を揺さぶる。
瞬間、バッと目を開けた。思わず起こした側がビクッと後ずさる。
「「・・・・・・・・・・・」」
緊張が走る中、最初に口を開いたのは轟だった。
「登坂・・・悪かった・・・」
席を立ち、歌恋に頭を下げてくる。その動作に焦った。
「き、気にしないで!轟くんはよかれと思ってやってくれたことでしょ?私の実力がなかっただけで」
アハハと、笑いながら話すけど、そうも言ってられないようだ。
「それは俺も同じだ(だからワザワザ違う方へ追いやった)
・・・尾白に背負われたアンタを見て、背筋が氷そうだった。
俺が誤った判断をしたせいで、仲間を・・・クラスの奴を死なせたと思ったんだ」
(・・・そっか、尾白くんが外にあの後出れたんだ)
「ヒーローになるんなら、どんな状況や環境でも、守らなきゃいけねぇのに」
自分には出来なかった。人に、任せてしまった。
と、静かな場所で空気を読むことなく歌恋のお腹が鳴る。それは、轟にも聞こえたようで。
「す・・・すまん・・・」
何故か彼は更に落ち込みを見せる。
「い、いやいや、謝るの私・・・!もう、だから嫌なの・・・」
顔を反らし、歌恋は自分のお腹をさする。
「轟くん、待っててくれて、謝ってくれてありがとう。でも、大丈夫。リカバリーガールに治してもらえたし。
お父さんもお母さんも心配してるでしょ?そろそろ行こうよ」
「・・・明日、休みになっただろ?俺のあともう一つの"個性"について話ておきたい事がある」
(・・・轟くんの"個性"って、氷だけじゃないのかな)
もう一つの"個性"って、いったいどういう事なんだろう。
「時間取らせても大丈夫か・・・?」