第十三話 誘蛾灯
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「坊!」
そう、志摩の錫杖を取ったのは、勝呂だ。
「なにを・・・」
すると、虫沼に錫杖を突っ込んだ。ブチブチと、鳥肌が立つような音。
「ぎゃあああい!」
「!」
悲鳴を上げる志摩をよこに、子猫丸は鳥居にある札を見つけた。
「カーンの種子字・・・。ここにも、何か封印されています。
皆、周りの札や縄には気を付けて!」
「・・・それにしても、化灯籠どうやって運ぶ?」
トントンと、誰かに肩を叩かれる。
「勝呂くん?」
【皆をこっちに向かせろ。考えがある】
経を唱え続ける勝呂は、準備がよかったのか、画用紙とペンを持っていた。
「皆、勝呂くんに考えがあるって」
「考え?」
玲薇の声に、皆の視線が勝呂に集まった。
【化灯籠に自分で渡らせる】
「自分で!?」
「どうやって!?」
「あ・・・!成程」
驚く彼らと違い、子猫丸は勝呂の言いたいことが分かったらしい。
「・・・何となく、判りました」
「もっと、判り易く言ってくれよ!」
と、燐。
【図解する】
先に、奥村がリアカーを向こう岸へ移動。虫沼は浅いから、歩ける。
こっち岸では、志摩が風美夜を肩車して待機。準備しとる間、
杜山さんは化灯籠に燃料、チューチを与えていく。
俺が札をはがして化灯籠を解き放つ。志摩は風美夜を担いで、
向こう岸まで虫沼をダッシュ。風美夜・・・好物の女を追って化灯籠が移動。
そこを・・・封印!
「・・・僕が札をはって、封印するんですね」
【そーそー、さすが】
「勝呂、絵すげーうめぇな!!」
どうやら彼らは、勝呂の考えに賛成だろう。
「・・・あっはっはっはっ!」
が・・・志摩は笑う。
「?」
「俺に虫沼に浸かれ言うんですかぁ、はっはっはっ!」
無理やわ~。
「しかも、頭を玲薇ちゃんの太ももに挟まれて?」
「・・・・・・」
「"往生"しますよ」
※仏語・死ぬこと。
「いろんな意味で」
スゥーと、志摩は涙を流す。
【往生際の悪い!!】
「志摩さんは、少し往生して煩悩を断った方がええよ」
「子猫さんまで!」
ふ・・・不安だ。
「・・・おい」
燐が名乗り出る。
「俺がやるよ。もう、めんどくせーから」
「あ、だったらリニュウにリアカー運ばせるよ」
「いや、そんなことしなくても」
「そうすれば、背中に私と子猫丸くんと志摩くんを乗せて、
向こう岸に行ければいいでしょ」
「なんで玲薇まで・・・」
彼女を肩車なんて、滅多に出来るもんじゃなかったのに。
「私は虫沼に落ちたくない・・・!!」
「・・・・・・」
俺、信用されてねー!
「ね、勝呂くん!いいでしょ!」
【・・・仕方ねぇな。じゃ、風美夜の代わりに杜山さんや】
―――――
「んじゃ立つから、ちゃんとつかまってろ!」
「う、うん!」
燐に肩車をされるしえみ。あ・・・なんか羨ましいかも。
(・・・て、すごい事になった・・・!!)
燐が立ち上がっていく。
「うわあ、高い!」
「あででで!!気をつけろ!!」
「ご、ごめんね!」
本当は、志摩と玲薇だったが・・・。
(志摩も風美夜も、虫絡むと全くダメやな・・・)
《はぁはぁ》
リニュウの息があらい。
「お疲れ様、リニュウ」
「ありがとうナ」
《無茶苦茶な使い方しやがって・・・!》
「はいはい。少し休んでて」
「こっちは、準備OKです!」
子猫丸が合図する。
「ぎぃやああ・・・ブチブチて!すごい・・・!信じられん」
「こっちも、いいぞ!!」
燐も、勝呂に向けて合図する。
「よし、行け!」
勝呂が、札を剥ぎ取った。
そう、志摩の錫杖を取ったのは、勝呂だ。
「なにを・・・」
すると、虫沼に錫杖を突っ込んだ。ブチブチと、鳥肌が立つような音。
「ぎゃあああい!」
「!」
悲鳴を上げる志摩をよこに、子猫丸は鳥居にある札を見つけた。
「カーンの種子字・・・。ここにも、何か封印されています。
皆、周りの札や縄には気を付けて!」
「・・・それにしても、化灯籠どうやって運ぶ?」
トントンと、誰かに肩を叩かれる。
「勝呂くん?」
【皆をこっちに向かせろ。考えがある】
経を唱え続ける勝呂は、準備がよかったのか、画用紙とペンを持っていた。
「皆、勝呂くんに考えがあるって」
「考え?」
玲薇の声に、皆の視線が勝呂に集まった。
【化灯籠に自分で渡らせる】
「自分で!?」
「どうやって!?」
「あ・・・!成程」
驚く彼らと違い、子猫丸は勝呂の言いたいことが分かったらしい。
「・・・何となく、判りました」
「もっと、判り易く言ってくれよ!」
と、燐。
【図解する】
先に、奥村がリアカーを向こう岸へ移動。虫沼は浅いから、歩ける。
こっち岸では、志摩が風美夜を肩車して待機。準備しとる間、
杜山さんは化灯籠に燃料、チューチを与えていく。
俺が札をはがして化灯籠を解き放つ。志摩は風美夜を担いで、
向こう岸まで虫沼をダッシュ。風美夜・・・好物の女を追って化灯籠が移動。
そこを・・・封印!
「・・・僕が札をはって、封印するんですね」
【そーそー、さすが】
「勝呂、絵すげーうめぇな!!」
どうやら彼らは、勝呂の考えに賛成だろう。
「・・・あっはっはっはっ!」
が・・・志摩は笑う。
「?」
「俺に虫沼に浸かれ言うんですかぁ、はっはっはっ!」
無理やわ~。
「しかも、頭を玲薇ちゃんの太ももに挟まれて?」
「・・・・・・」
「"往生"しますよ」
※仏語・死ぬこと。
「いろんな意味で」
スゥーと、志摩は涙を流す。
【往生際の悪い!!】
「志摩さんは、少し往生して煩悩を断った方がええよ」
「子猫さんまで!」
ふ・・・不安だ。
「・・・おい」
燐が名乗り出る。
「俺がやるよ。もう、めんどくせーから」
「あ、だったらリニュウにリアカー運ばせるよ」
「いや、そんなことしなくても」
「そうすれば、背中に私と子猫丸くんと志摩くんを乗せて、
向こう岸に行ければいいでしょ」
「なんで玲薇まで・・・」
彼女を肩車なんて、滅多に出来るもんじゃなかったのに。
「私は虫沼に落ちたくない・・・!!」
「・・・・・・」
俺、信用されてねー!
「ね、勝呂くん!いいでしょ!」
【・・・仕方ねぇな。じゃ、風美夜の代わりに杜山さんや】
―――――
「んじゃ立つから、ちゃんとつかまってろ!」
「う、うん!」
燐に肩車をされるしえみ。あ・・・なんか羨ましいかも。
(・・・て、すごい事になった・・・!!)
燐が立ち上がっていく。
「うわあ、高い!」
「あででで!!気をつけろ!!」
「ご、ごめんね!」
本当は、志摩と玲薇だったが・・・。
(志摩も風美夜も、虫絡むと全くダメやな・・・)
《はぁはぁ》
リニュウの息があらい。
「お疲れ様、リニュウ」
「ありがとうナ」
《無茶苦茶な使い方しやがって・・・!》
「はいはい。少し休んでて」
「こっちは、準備OKです!」
子猫丸が合図する。
「ぎぃやああ・・・ブチブチて!すごい・・・!信じられん」
「こっちも、いいぞ!!」
燐も、勝呂に向けて合図する。
「よし、行け!」
勝呂が、札を剥ぎ取った。