第十話 黒猫
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話を聞いた雪男は、寂しげに微笑み頷く。
「えぇ・・・よく、覚えています」
燐は初めて獅郎が『聖騎士』だった事を知り、目を見開いている。
逆に玲薇は冷静だった。獅郎が聖騎士だったのは、
入学式が終わったその夜、階級リストみたいなのがあり雪男に聞いていたのだ。
その時、雪男が教えてくれた・・・。
でも・・・やっぱり獅郎は、凄かったんだ・・・。
女性が続ける。
「その後"クロ"と名付けて学園の門番として使い魔の契約を交わして手懐けたが・・・、
しょせん悪魔は悪魔。主人を失えば、野生に逆戻りという訳か・・・」
少し考える素振りを見せ、意味深げに雪男に告げた。
「判った。君に、任せよう。補佐は?」
「投げて当てるだけですから、一人で十分です」
雪男の言葉に、男性が頷く。
「では、万が一に備え他の團員は、避難させる。全員、裏門まで撤収!!」
ここは逆らわず、言うことを聞こう。玲薇は踵を返す。
だが、燐も来ると思っていたのに、隣にいない。
「燐・・・?」
振り返る玲薇。
「・・・あいつも・・・」
「?燐、行くよ」
首をかしげながらも、燐の袖を引っ張ると、気付いてくれた。
けど、どこか浮かない様子だ。
「兄さん!」
ビシッと、やや強い雪男の口調。
「兄さんも、門まで下がれ。この薬は、兄さんにも効く可能性があるんだからね。
玲薇、兄さん頼むよ」
僕の言う事だけじゃ、今の兄さんに効果ないだろう。
「う、うん・・・」
燐、と名前を呼びまた袖を引っ張るが、制された。
「ま、待てよ。声、聞こえんだってさっきから」
「だから、わかんないってば」
また、もめだすのだろうか。雪男は小さくため息をつく。
「ゆ、雪男・・・!」
「なに・・・!?」
「あいつ・・・殺す、んだよな?」
「そうだよ」
そう答える雪男の口調は、あっさりしている。
「あの級の悪魔を手懐けられる祓魔師は、今この学園にはいない。
ああなってしまったら、もう殺すしかないんだ!」
雪男の意見は、最もだと思う。けど、燐は納得いってないみたいだった。
「ちょ・・・待て!」
必死に呼び止める燐。
「何!?」
「あいつ、ただ悲しいだけみてーだよ・・・。殺すとか、そりゃねーだろ!」
「「・・・!?」」
目を見開く雪男と玲薇。
「・・・悲しいって・・・」
「何で、判るんだ?」
質問し返してくる二人に答えるべく、燐は顎に手を置き考えながら言った。
「ホラ・・・俺、言ったろ」
まずは玲薇と目を合わせて確認だ。
「声が聞こえるって」
「・・・あぁ・・・」
玲薇は思い出し、納得する。
成る程。燐が聞いていた『声』とは、あのクロと呼ばれてる猫又のモノだったのか。
「俺も、ハッキリわかんねーけど・・・こう・・・悪魔同士のテレパシーみたいのかな・・・って」
悪魔同士・・・。そっか、燐も悪魔だから・・・。
だが雪男は、燐から目線を外し猫又に向き直って言う。
「・・・だとしても、このまま放置はできない」
「雪男・・・」
「じゃあ、殺す前に俺に説得させろ!」
思わぬ燐の申し出。
「え!?」
「説得!?」
説得なんて言葉事態似合わない燐だが、本人はやる気満々だ。
「大丈夫だ。剣は抜かねー!お前の言う通り、サタンに頼らずに、
頭使って戦ってやるよ!」
雪男なら説得するって言っても判る気がするが、まさかあの燐が・・・。
「燐、大丈夫なの?」
思わず心配してしまう。
「大丈夫だって、玲薇。見てろよ」
燐はクロと向き合ったかと思うと、叫んだ。
「おいッ」
「兄さん!?」
「えぇ・・・よく、覚えています」
燐は初めて獅郎が『聖騎士』だった事を知り、目を見開いている。
逆に玲薇は冷静だった。獅郎が聖騎士だったのは、
入学式が終わったその夜、階級リストみたいなのがあり雪男に聞いていたのだ。
その時、雪男が教えてくれた・・・。
でも・・・やっぱり獅郎は、凄かったんだ・・・。
女性が続ける。
「その後"クロ"と名付けて学園の門番として使い魔の契約を交わして手懐けたが・・・、
しょせん悪魔は悪魔。主人を失えば、野生に逆戻りという訳か・・・」
少し考える素振りを見せ、意味深げに雪男に告げた。
「判った。君に、任せよう。補佐は?」
「投げて当てるだけですから、一人で十分です」
雪男の言葉に、男性が頷く。
「では、万が一に備え他の團員は、避難させる。全員、裏門まで撤収!!」
ここは逆らわず、言うことを聞こう。玲薇は踵を返す。
だが、燐も来ると思っていたのに、隣にいない。
「燐・・・?」
振り返る玲薇。
「・・・あいつも・・・」
「?燐、行くよ」
首をかしげながらも、燐の袖を引っ張ると、気付いてくれた。
けど、どこか浮かない様子だ。
「兄さん!」
ビシッと、やや強い雪男の口調。
「兄さんも、門まで下がれ。この薬は、兄さんにも効く可能性があるんだからね。
玲薇、兄さん頼むよ」
僕の言う事だけじゃ、今の兄さんに効果ないだろう。
「う、うん・・・」
燐、と名前を呼びまた袖を引っ張るが、制された。
「ま、待てよ。声、聞こえんだってさっきから」
「だから、わかんないってば」
また、もめだすのだろうか。雪男は小さくため息をつく。
「ゆ、雪男・・・!」
「なに・・・!?」
「あいつ・・・殺す、んだよな?」
「そうだよ」
そう答える雪男の口調は、あっさりしている。
「あの級の悪魔を手懐けられる祓魔師は、今この学園にはいない。
ああなってしまったら、もう殺すしかないんだ!」
雪男の意見は、最もだと思う。けど、燐は納得いってないみたいだった。
「ちょ・・・待て!」
必死に呼び止める燐。
「何!?」
「あいつ、ただ悲しいだけみてーだよ・・・。殺すとか、そりゃねーだろ!」
「「・・・!?」」
目を見開く雪男と玲薇。
「・・・悲しいって・・・」
「何で、判るんだ?」
質問し返してくる二人に答えるべく、燐は顎に手を置き考えながら言った。
「ホラ・・・俺、言ったろ」
まずは玲薇と目を合わせて確認だ。
「声が聞こえるって」
「・・・あぁ・・・」
玲薇は思い出し、納得する。
成る程。燐が聞いていた『声』とは、あのクロと呼ばれてる猫又のモノだったのか。
「俺も、ハッキリわかんねーけど・・・こう・・・悪魔同士のテレパシーみたいのかな・・・って」
悪魔同士・・・。そっか、燐も悪魔だから・・・。
だが雪男は、燐から目線を外し猫又に向き直って言う。
「・・・だとしても、このまま放置はできない」
「雪男・・・」
「じゃあ、殺す前に俺に説得させろ!」
思わぬ燐の申し出。
「え!?」
「説得!?」
説得なんて言葉事態似合わない燐だが、本人はやる気満々だ。
「大丈夫だ。剣は抜かねー!お前の言う通り、サタンに頼らずに、
頭使って戦ってやるよ!」
雪男なら説得するって言っても判る気がするが、まさかあの燐が・・・。
「燐、大丈夫なの?」
思わず心配してしまう。
「大丈夫だって、玲薇。見てろよ」
燐はクロと向き合ったかと思うと、叫んだ。
「おいッ」
「兄さん!?」