第十話 黒猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
竜騎士の人達が、猫又に向け無数の弾を撃っていく。
だが、猫又には全然効果が出ていないようだった。
それどころか、一際大きな唸り声を上げていく。
「ぐ・・・。かつて、"蚕神"と呼ばれていた猫又だ・・・。やはり一筋縄ではいかんか・・・!!」
「あ!」
仲間の一人が、雪男に気付く。
「お待たせしました、奥村です。状況説明を・・・」
「奥村くん」
「・・・南裏門の門番、猫又のクロが狂暴化。現在、裏門通り1キロを封鎖中」
「今は大量に魔酔弾を撃って動きが鈍ってるが、回復は早い」
「あの猫又は、致死節がまだ解明されていないから、詠唱騎士も使えない」
「奥村くんには、藤本神父が遺した切り札があると聞いたんだが・・・」
「はい」
部屋から持ってきていたボトルを指し見せる雪男。
「これです。一年程前・・・」
父さんは言っていた。
『俺がもし、急に死ぬことがあった時、クロを持て余すことがあったらコレ使え。
俺が特別に調合した、クロを楽にしてやれる薬だ』
「手榴弾を改造してつくったもののようで、おそらくクロを殺す薬です。
神父が、こういう事態を想定して、用意したものだと思います」
仲間の一人が安堵する。
「・・・助かった!」
「・・・ただしこの弾、威力や性質が計り知れないので、使用は僕一人にまかせてもらえませんか」
意味深げに言う女性。
「・・・君にとっては候補生時代、神父について初めて行った任務だ。
思い入れも強いだろう」
「・・・ご存知、なんですか?」
「私も、あの任務には参加していたんだよ」
―あの猫又は、もとは地方の養蚕の守り神として、古から、
蚕を喰う鼠や災害から、蚕を守るかわりに祭りや供物などをもらって、
人と共存していたらしい。だが、養蚕が時代と共に廃れていくにつれて、
人は守り神のことなど、忘れてしまったのだろう―
――ある日・・・。
『!』
廃墟と化したこの村に、クロは久方ぶりに多くの『人間』を見つけた。
また、人間に会えた事が嬉しくて、クロはおもいっきり手を振る。
だが、その手に姿に気付く者はいない。
『そっち、気をつけろー』
それどころから、今まで残っていたここの建物が、崩されていく。
『倒せ、倒せ!』
ずっと、またいつの日か、人間と一緒に共存出来る事を願っていたのに。
目の前の出来事に、目に涙をため、哀しみ、怒りが込み上がる。
悪魔となってしまったクロの姿を見える者がいなく、人間に『恐怖』が襲いかかる。
『うわぁああ!?』
突然バラバラにされていく機械。
『な・・・なんだ!?』
クロの姿が見えない人間達は、何が起きてるか分からない。
『勝手にショベルが・・・!!』
『祟りだ!!』
―どんな拝み屋も効かず、事態は泥沼化。地元民がワラにもすがる思いで最後に頼ったのが、
正十字騎士團だった。悪魔と化した神殺しに抜擢されたのは、聖騎士であった藤本獅郎神父・・・―
『俺一人で十分だよ』
―血を一滴も流さずあの場を治めた手腕には、圧倒されたよ―
だが、猫又には全然効果が出ていないようだった。
それどころか、一際大きな唸り声を上げていく。
「ぐ・・・。かつて、"蚕神"と呼ばれていた猫又だ・・・。やはり一筋縄ではいかんか・・・!!」
「あ!」
仲間の一人が、雪男に気付く。
「お待たせしました、奥村です。状況説明を・・・」
「奥村くん」
「・・・南裏門の門番、猫又のクロが狂暴化。現在、裏門通り1キロを封鎖中」
「今は大量に魔酔弾を撃って動きが鈍ってるが、回復は早い」
「あの猫又は、致死節がまだ解明されていないから、詠唱騎士も使えない」
「奥村くんには、藤本神父が遺した切り札があると聞いたんだが・・・」
「はい」
部屋から持ってきていたボトルを指し見せる雪男。
「これです。一年程前・・・」
父さんは言っていた。
『俺がもし、急に死ぬことがあった時、クロを持て余すことがあったらコレ使え。
俺が特別に調合した、クロを楽にしてやれる薬だ』
「手榴弾を改造してつくったもののようで、おそらくクロを殺す薬です。
神父が、こういう事態を想定して、用意したものだと思います」
仲間の一人が安堵する。
「・・・助かった!」
「・・・ただしこの弾、威力や性質が計り知れないので、使用は僕一人にまかせてもらえませんか」
意味深げに言う女性。
「・・・君にとっては候補生時代、神父について初めて行った任務だ。
思い入れも強いだろう」
「・・・ご存知、なんですか?」
「私も、あの任務には参加していたんだよ」
―あの猫又は、もとは地方の養蚕の守り神として、古から、
蚕を喰う鼠や災害から、蚕を守るかわりに祭りや供物などをもらって、
人と共存していたらしい。だが、養蚕が時代と共に廃れていくにつれて、
人は守り神のことなど、忘れてしまったのだろう―
――ある日・・・。
『!』
廃墟と化したこの村に、クロは久方ぶりに多くの『人間』を見つけた。
また、人間に会えた事が嬉しくて、クロはおもいっきり手を振る。
だが、その手に姿に気付く者はいない。
『そっち、気をつけろー』
それどころから、今まで残っていたここの建物が、崩されていく。
『倒せ、倒せ!』
ずっと、またいつの日か、人間と一緒に共存出来る事を願っていたのに。
目の前の出来事に、目に涙をため、哀しみ、怒りが込み上がる。
悪魔となってしまったクロの姿を見える者がいなく、人間に『恐怖』が襲いかかる。
『うわぁああ!?』
突然バラバラにされていく機械。
『な・・・なんだ!?』
クロの姿が見えない人間達は、何が起きてるか分からない。
『勝手にショベルが・・・!!』
『祟りだ!!』
―どんな拝み屋も効かず、事態は泥沼化。地元民がワラにもすがる思いで最後に頼ったのが、
正十字騎士團だった。悪魔と化した神殺しに抜擢されたのは、聖騎士であった藤本獅郎神父・・・―
『俺一人で十分だよ』
―血を一滴も流さずあの場を治めた手腕には、圧倒されたよ―