第九話 おもひで
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息づかいを荒くし、階段をかけあがる。二人が寝てるとも知らず、
バァンと、雪男は勢いよくドアを開けた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
真っ暗な部屋。電気をつければ、眩しい光が目をくらます。
「兄さん!玲薇!」
急いでベッドを見れば、二人はすやすやと眠っていた。
無事でいてくれていたことに、安堵する。
「玲薇、玲薇!!」
「ん・・・」
大きく名前を呼び体を揺らしたためか、玲薇はすぐ目を覚ましてくれた。
「ゆき、お・・・?」
「良かった・・・」
電気もついてるし、まだ雪男の息は整っていない。
一体、どうしたというのだろう?
「朝・・・?」
何、寝ぼけてるの。なんて言おうと思ったが、心の中にとどめとく。
だって、彼女は寝起きなのだ。寝ぼけてしまっても、しょうがない。
「違うよ」
だから、出来るだけ優しくそう告げた。
訳が分からないと、玲薇はシワを寄せる。
「いい?よく聞いて」
深刻な雪男の表情。彼女の寄ってたシワもなくなり、少し体を起こし顔を近づけた。
「なに?」
「兄さんが、狙われてる」
「・・・え?」
全速力で走ったのなんて、いつぶりだろう。
後を追っかけていた彼の背中は、もう見えない。
でも、このオンボロの寮に入っていったのなら、行く部屋はたかが知れていた。
「ゆきちゃ~ん・・・」
一つ明かりがついている部屋。ここに居る筈だ、絶対に。
「ゆき・・・!」
中を覗き、雪男は居るに居た。だが目を見開き、しえみは身を引っ込めた。
(ど、どうしよう・・・!)
雪ちゃんと風美夜さんが、キ、キスしてる!?(注:勘違い)
実際は、そうに見えているだけである。
(で、でも・・・)
雪男を気にして追いかけてきたのだ。ここでじっとしてるのも、嫌である。
(よし!ここは勇気を出して・・・!)
雪ちゃんを呼ぼう。
「雪ちゃん!!」
「「!!」」
しえみの声に気付き、ハッとする玲薇と雪男。
「し、しえみさん・・・」
今度は眼鏡の奥にある、雪男の目が驚きの色に変わった。
「あ、え~と・・・急に出て行ったから、どうしたのかなと思って・・・」
突然来たしえみに驚きはしたものの、先程まで雪男がどこにいたか、これでハッキリした。
(杜山さんのとこに、いたんだ・・・)
・・・なんだか燐と雪男と、どんどん離れていってる気がするよ・・・。
「あ、そうですね」
雪男は笑顔を見せる。でも、その笑顔はひきつってるように見えた。
「しえみさんにも、話しておいた方がいいかな」
燐が狙われてる。それは誰かまでとは二人には教えてないけれど。
事実、確信もない。でも、今夜はこの部屋にいない方が身の為だ。
もしかしたらずっと、この部屋で寝る事はしなくなるかもしれない。
緊迫した空気。
(まさかねぇ)
小さく苦笑いしてみせる玲薇。一体、誰が燐を狙うの?
話す事は話した。
「兄さん、兄さん」
こんな状態にも関わらず、いまだ眠っている燐の体を揺らす雪男。
だが、彼はいっこうに起きる気配はない。
「・・・仕方ない」
兄を、別の部屋へ運ぼう。
バァンと、雪男は勢いよくドアを開けた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
真っ暗な部屋。電気をつければ、眩しい光が目をくらます。
「兄さん!玲薇!」
急いでベッドを見れば、二人はすやすやと眠っていた。
無事でいてくれていたことに、安堵する。
「玲薇、玲薇!!」
「ん・・・」
大きく名前を呼び体を揺らしたためか、玲薇はすぐ目を覚ましてくれた。
「ゆき、お・・・?」
「良かった・・・」
電気もついてるし、まだ雪男の息は整っていない。
一体、どうしたというのだろう?
「朝・・・?」
何、寝ぼけてるの。なんて言おうと思ったが、心の中にとどめとく。
だって、彼女は寝起きなのだ。寝ぼけてしまっても、しょうがない。
「違うよ」
だから、出来るだけ優しくそう告げた。
訳が分からないと、玲薇はシワを寄せる。
「いい?よく聞いて」
深刻な雪男の表情。彼女の寄ってたシワもなくなり、少し体を起こし顔を近づけた。
「なに?」
「兄さんが、狙われてる」
「・・・え?」
全速力で走ったのなんて、いつぶりだろう。
後を追っかけていた彼の背中は、もう見えない。
でも、このオンボロの寮に入っていったのなら、行く部屋はたかが知れていた。
「ゆきちゃ~ん・・・」
一つ明かりがついている部屋。ここに居る筈だ、絶対に。
「ゆき・・・!」
中を覗き、雪男は居るに居た。だが目を見開き、しえみは身を引っ込めた。
(ど、どうしよう・・・!)
雪ちゃんと風美夜さんが、キ、キスしてる!?(注:勘違い)
実際は、そうに見えているだけである。
(で、でも・・・)
雪男を気にして追いかけてきたのだ。ここでじっとしてるのも、嫌である。
(よし!ここは勇気を出して・・・!)
雪ちゃんを呼ぼう。
「雪ちゃん!!」
「「!!」」
しえみの声に気付き、ハッとする玲薇と雪男。
「し、しえみさん・・・」
今度は眼鏡の奥にある、雪男の目が驚きの色に変わった。
「あ、え~と・・・急に出て行ったから、どうしたのかなと思って・・・」
突然来たしえみに驚きはしたものの、先程まで雪男がどこにいたか、これでハッキリした。
(杜山さんのとこに、いたんだ・・・)
・・・なんだか燐と雪男と、どんどん離れていってる気がするよ・・・。
「あ、そうですね」
雪男は笑顔を見せる。でも、その笑顔はひきつってるように見えた。
「しえみさんにも、話しておいた方がいいかな」
燐が狙われてる。それは誰かまでとは二人には教えてないけれど。
事実、確信もない。でも、今夜はこの部屋にいない方が身の為だ。
もしかしたらずっと、この部屋で寝る事はしなくなるかもしれない。
緊迫した空気。
(まさかねぇ)
小さく苦笑いしてみせる玲薇。一体、誰が燐を狙うの?
話す事は話した。
「兄さん、兄さん」
こんな状態にも関わらず、いまだ眠っている燐の体を揺らす雪男。
だが、彼はいっこうに起きる気配はない。
「・・・仕方ない」
兄を、別の部屋へ運ぼう。