第八話 此に病める者あり
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出雲を見る勝呂。
「さっきまで気ィ強いことばっか言っとったくせに・・・、
いざとなったら逃げ腰か。戦わんのなら、引っ込んどけ」
「・・・・・・」
悔しいけど・・・アイツの言う通りだ・・・。
初めて口喧嘩をして、負けた気がした。
「子猫丸は一章めから、俺は十一章めから始める。つられるなよ!」
「はい!」
「いくえ」
座禅を組む勝呂と子猫丸。
「"太初に言ありき"」
「"此に病める者あり・・・!!"」
二人が詠唱を始めると同時に、玲薇と志摩は戦闘体制に入るのだった。
設備専用室前。
一匹グールがついて来なかったため、燐は明かりを点けに来ていた。
「分電盤だよ・・・!」
思い出し、燐は分電盤を探す。
そして見つけた。
「こーゆーので電気つけたり消したりすんだろ・・・」
大量に並べられている電源を見れば、思った通り。
「やっぱ全部オフになってんじゃねーか!これを上げれば」
だが、電源に触れる前に、何かに体を巻きつけられるのに気付き、
燐は素早く体を翻す。
「・・・ッて・・・」
その時、鉄格子に背中をぶつけてしまった。
「のやろォ・・・邪魔すんな・・・!!!」
怒りを爆発させた燐は、青い炎を身体中に纏わせた。
「そうそう、その炎が見たかったのだ」
「!」
グールがいる、更に奥から、ネイガウスが姿を見せた。
「その青い炎をな。人前では力を使えぬようなので、誘いださせてもらったぞ。
奥村燐。サタンの息子よ」
「・・・お前、塾の先生か・・・?」
唖然とする燐。どうしてこの人が、ここに居る?
ネイガウスは怪しく、ニイッと笑った・・・。
燐はハッとする。あのグールは、ネイガウスとどうやら親しいようだ。
もしかしたら、このグールはネイガウスの使い魔なのかもしれない。
何より、この人は手騎士の教師だ。だとしたら・・・。
「昨日のも今日のも、てめーがやったのか・・・!?」
「・・・まぁ、そうだ」
そうか・・・こいつが、やったのか・・・。
「それよりも、もっとその炎を見せてみろ」
ククク・・・と、余裕めいて笑うネイガウスだが、燐の姿を一瞬、見失った。
「!」
悪魔化しているせいか、燐のスピードはいつもより速かったのだ。
「絶対、許さん・・・・・!」
「ヒィアアアアア!!!」
剣を突きたてられたグールは悲鳴をあげ、塵と化した・・・。
「・・・成程な」
「!?」
一人納得したネイガウスは、踵を返して行く。
「おい、待て!」
制止をかけるも、自分は本当はここに何しに来たかを、思い出した。
「・・・って、今はそれどころじゃねぇ・・・!」
急いで、電気をつけなくては。
「"・・・心を騒がすな、神を信じまた、我を信ぜよ"」
勝呂の詠唱が続く。
「"汝、汝らを導きて、真理をことごとく悟らしめん。
彼、己より語るにあらず、凡そ聞くところの事、悟らしめれ"」
バリケードでグールがここまで来る時間をかせいでいたが、
這い上がって来てしまった。
「うわ~!!とうとうここまで来た!」
「勝呂くんは、あとどれくらい?」
玲薇が聞くと、子猫丸が答えてくれた。
「坊は、最後の章に入りました・・・」
最後の章・・・つまり、二十一章め・・・!もう少しだ。
「"・・・これ、彼が如何なる死にて神の栄光を示し、言い給いしなり"」
「お、奥村くん、どないならはったろ・・・」
「か・・・考えたないなぁ」
子猫丸と志摩が言った。二人は、よくない方向を考えているのだろう。
けど・・・私は・・・。
(大丈夫・・・)
自分自身に言い聞かせ、落ち着かす。
(燐なら、絶対に・・・)
帰ってくる・・・!
その時、ドサッと誰かが倒れた。
「さっきまで気ィ強いことばっか言っとったくせに・・・、
いざとなったら逃げ腰か。戦わんのなら、引っ込んどけ」
「・・・・・・」
悔しいけど・・・アイツの言う通りだ・・・。
初めて口喧嘩をして、負けた気がした。
「子猫丸は一章めから、俺は十一章めから始める。つられるなよ!」
「はい!」
「いくえ」
座禅を組む勝呂と子猫丸。
「"太初に言ありき"」
「"此に病める者あり・・・!!"」
二人が詠唱を始めると同時に、玲薇と志摩は戦闘体制に入るのだった。
設備専用室前。
一匹グールがついて来なかったため、燐は明かりを点けに来ていた。
「分電盤だよ・・・!」
思い出し、燐は分電盤を探す。
そして見つけた。
「こーゆーので電気つけたり消したりすんだろ・・・」
大量に並べられている電源を見れば、思った通り。
「やっぱ全部オフになってんじゃねーか!これを上げれば」
だが、電源に触れる前に、何かに体を巻きつけられるのに気付き、
燐は素早く体を翻す。
「・・・ッて・・・」
その時、鉄格子に背中をぶつけてしまった。
「のやろォ・・・邪魔すんな・・・!!!」
怒りを爆発させた燐は、青い炎を身体中に纏わせた。
「そうそう、その炎が見たかったのだ」
「!」
グールがいる、更に奥から、ネイガウスが姿を見せた。
「その青い炎をな。人前では力を使えぬようなので、誘いださせてもらったぞ。
奥村燐。サタンの息子よ」
「・・・お前、塾の先生か・・・?」
唖然とする燐。どうしてこの人が、ここに居る?
ネイガウスは怪しく、ニイッと笑った・・・。
燐はハッとする。あのグールは、ネイガウスとどうやら親しいようだ。
もしかしたら、このグールはネイガウスの使い魔なのかもしれない。
何より、この人は手騎士の教師だ。だとしたら・・・。
「昨日のも今日のも、てめーがやったのか・・・!?」
「・・・まぁ、そうだ」
そうか・・・こいつが、やったのか・・・。
「それよりも、もっとその炎を見せてみろ」
ククク・・・と、余裕めいて笑うネイガウスだが、燐の姿を一瞬、見失った。
「!」
悪魔化しているせいか、燐のスピードはいつもより速かったのだ。
「絶対、許さん・・・・・!」
「ヒィアアアアア!!!」
剣を突きたてられたグールは悲鳴をあげ、塵と化した・・・。
「・・・成程な」
「!?」
一人納得したネイガウスは、踵を返して行く。
「おい、待て!」
制止をかけるも、自分は本当はここに何しに来たかを、思い出した。
「・・・って、今はそれどころじゃねぇ・・・!」
急いで、電気をつけなくては。
「"・・・心を騒がすな、神を信じまた、我を信ぜよ"」
勝呂の詠唱が続く。
「"汝、汝らを導きて、真理をことごとく悟らしめん。
彼、己より語るにあらず、凡そ聞くところの事、悟らしめれ"」
バリケードでグールがここまで来る時間をかせいでいたが、
這い上がって来てしまった。
「うわ~!!とうとうここまで来た!」
「勝呂くんは、あとどれくらい?」
玲薇が聞くと、子猫丸が答えてくれた。
「坊は、最後の章に入りました・・・」
最後の章・・・つまり、二十一章め・・・!もう少しだ。
「"・・・これ、彼が如何なる死にて神の栄光を示し、言い給いしなり"」
「お、奥村くん、どないならはったろ・・・」
「か・・・考えたないなぁ」
子猫丸と志摩が言った。二人は、よくない方向を考えているのだろう。
けど・・・私は・・・。
(大丈夫・・・)
自分自身に言い聞かせ、落ち着かす。
(燐なら、絶対に・・・)
帰ってくる・・・!
その時、ドサッと誰かが倒れた。