第八話 此に病める者あり
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「バッ、おいッ!奥村!!」
勝呂の制止も聞かずに、燐はどんどん行ってしまった。
「戻ってこい!!」
「燐!」
グールが居るところまでたどり着いた燐。
「・・・てめーらの目的は、俺だろ!!来い!!」
開かれていたドア一直線に、燐は体を投げ出した。
「燐!」
「・・・なんて奴や・・・」
ギュッと、拳を握る玲薇。助けに行きたい・・・。
本当は、助けに行きたい・・・。でも、ここは燐の力を信じるんだ。
だから・・・。
「結局、一匹残ってますけどね!!」
残った一匹を・・・。
「イミあったんか?」
私達で、倒すんだ。
「やるよ、志摩くん」
「なっ、玲薇ちゃん?」
もう一度、魔法円を取り出して。
息つかいを荒くするしえみを見る勝呂。
彼女のバリケードが発動している今、ピンチは免れてる。
だが、しえみの体力が尽きればバリケードは消え、自分達の身は危ぶまれる。
どうせ死ぬなら、なにもやらないでいるより、やってからや・・・!
風美夜だって、女なのに弱腰にならず戦おうとしてるやないか。
「風美夜」
「勝呂くん」
「坊・・・」
「俺が詠唱で倒す」
「「!!?」」
「せやから風美夜は、援護頼む」
「ま、待って下さい坊・・・!」
玲薇が返事をする前に、志摩が割って入った。
「アイツの"致死節"、知らんでしょ!?」
知らないのに援護を任せたって・・・。
「・・・知らんけど、グール系の悪魔は"ヨハネ伝福音書"に致死節が集中しとる。
俺はもう丸暗記しとるから・・・全部詠唱すれば、どっかに当たるやろ!」
「全部!?」
驚きの声を上げる志摩。
「・・・そんなに、長いの?」
不安げに訊ねる玲薇。
「二十章以上や」
「!!」
耳を疑うようなその長さ。
「・・・二十一章です・・・」
小さな声が聞こえ、振り向けば子猫丸がいた。
「子猫さん!」
「僕は一章から十章までは暗記してます・・・手伝わせて下さい」
「子猫丸!頼むわ・・・!!」
大丈夫。勝呂の暗記力は、素晴らしいものだと把握済みだ。
問題は、その長い致死節を言い終える前に、このバリケードが消えるか消えないか。
「風美夜、いけるか?」
「私は大丈夫・・・!」
万が一の時のために、彼らを援護出来るように。
「ちょっと、ま、待ちなさいよ!」
一際大きい出雲の声に、玲薇達の視線は、彼女に集まる。
「詠唱始めたら、集中的に狙われるわよ。それに、使い魔だって・・・」
信じられなくなれば、そこで契約は破綻だ。
「言うてる場合か!」
反論する勝呂は、フラフラな状態のしえみを指さす。
「女こないになっとって、男がボケーッとしとられへんやろ!」
信じられなくなれば終わり。それは玲薇だって分かってる。
今のこの状況だって、怖い。でも、一人じゃない。皆がいてくれるから。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"」
玲薇は魔法円からリニュウを呼び出す。
《・・・なんだぁ?まだ、倒してなかったのか・・・》
「今からアイツを、全力で倒す」
「さすが坊・・・!男やわ。じゃあ、俺は全く覚えとらんので、
いざとなったら、玲薇ちゃんと援護します。
玲薇ちゃんが戦う言うのに、逃げてられへんからね」
《なに!?援護だと・・・?》
リニュウはどこか、不満げだ。
「そう。私達は、彼らを守るの!」
揺るぎないその心。
《・・・チッ》
従うほか、ないようだ。
その間に志摩が錫杖を組み立てる。
「志摩、仕込んどったんか」
「む、無謀よ!!」
勝呂の制止も聞かずに、燐はどんどん行ってしまった。
「戻ってこい!!」
「燐!」
グールが居るところまでたどり着いた燐。
「・・・てめーらの目的は、俺だろ!!来い!!」
開かれていたドア一直線に、燐は体を投げ出した。
「燐!」
「・・・なんて奴や・・・」
ギュッと、拳を握る玲薇。助けに行きたい・・・。
本当は、助けに行きたい・・・。でも、ここは燐の力を信じるんだ。
だから・・・。
「結局、一匹残ってますけどね!!」
残った一匹を・・・。
「イミあったんか?」
私達で、倒すんだ。
「やるよ、志摩くん」
「なっ、玲薇ちゃん?」
もう一度、魔法円を取り出して。
息つかいを荒くするしえみを見る勝呂。
彼女のバリケードが発動している今、ピンチは免れてる。
だが、しえみの体力が尽きればバリケードは消え、自分達の身は危ぶまれる。
どうせ死ぬなら、なにもやらないでいるより、やってからや・・・!
風美夜だって、女なのに弱腰にならず戦おうとしてるやないか。
「風美夜」
「勝呂くん」
「坊・・・」
「俺が詠唱で倒す」
「「!!?」」
「せやから風美夜は、援護頼む」
「ま、待って下さい坊・・・!」
玲薇が返事をする前に、志摩が割って入った。
「アイツの"致死節"、知らんでしょ!?」
知らないのに援護を任せたって・・・。
「・・・知らんけど、グール系の悪魔は"ヨハネ伝福音書"に致死節が集中しとる。
俺はもう丸暗記しとるから・・・全部詠唱すれば、どっかに当たるやろ!」
「全部!?」
驚きの声を上げる志摩。
「・・・そんなに、長いの?」
不安げに訊ねる玲薇。
「二十章以上や」
「!!」
耳を疑うようなその長さ。
「・・・二十一章です・・・」
小さな声が聞こえ、振り向けば子猫丸がいた。
「子猫さん!」
「僕は一章から十章までは暗記してます・・・手伝わせて下さい」
「子猫丸!頼むわ・・・!!」
大丈夫。勝呂の暗記力は、素晴らしいものだと把握済みだ。
問題は、その長い致死節を言い終える前に、このバリケードが消えるか消えないか。
「風美夜、いけるか?」
「私は大丈夫・・・!」
万が一の時のために、彼らを援護出来るように。
「ちょっと、ま、待ちなさいよ!」
一際大きい出雲の声に、玲薇達の視線は、彼女に集まる。
「詠唱始めたら、集中的に狙われるわよ。それに、使い魔だって・・・」
信じられなくなれば、そこで契約は破綻だ。
「言うてる場合か!」
反論する勝呂は、フラフラな状態のしえみを指さす。
「女こないになっとって、男がボケーッとしとられへんやろ!」
信じられなくなれば終わり。それは玲薇だって分かってる。
今のこの状況だって、怖い。でも、一人じゃない。皆がいてくれるから。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"」
玲薇は魔法円からリニュウを呼び出す。
《・・・なんだぁ?まだ、倒してなかったのか・・・》
「今からアイツを、全力で倒す」
「さすが坊・・・!男やわ。じゃあ、俺は全く覚えとらんので、
いざとなったら、玲薇ちゃんと援護します。
玲薇ちゃんが戦う言うのに、逃げてられへんからね」
《なに!?援護だと・・・?》
リニュウはどこか、不満げだ。
「そう。私達は、彼らを守るの!」
揺るぎないその心。
《・・・チッ》
従うほか、ないようだ。
その間に志摩が錫杖を組み立てる。
「志摩、仕込んどったんか」
「む、無謀よ!!」