第八話 此に病める者あり
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玲薇とリニュウの攻撃で怯んでいたが、動きを見せ始めるグール。
立ち上がっていた玲薇は、ガクッと膝をついた。
「玲薇!」
一早く気付いた燐が駆け寄る。
玲薇も心配だが、とにかくあのグールをおさえなくては。
多少弱まっている今なら・・・。
「ニーちゃん・・・!」
懐にいるグリーンマンを呼び出すしえみ。
「ウナウナくんを、出せる?」
「ニッ。ニ~~!!」
その小さな体から、太く長い枝を出し、グールと玲薇達の間をうめつくした。
これでグールはこちらにこれないだろう。
「「す・・・すげぇ・・・」」
「ありがとね、ニーちゃん!」
「ニー!」
「り・・・」
ダメだ・・・。なんだか目の前が、ボヤける。
「!」
倒れそうになった玲薇の体を支えた。
「玲薇!?」
なんで、こんなに苦しそうなんだ?
「・・・くらくらする・・・」
「あ、熱い」
状態がおかしいのは玲薇だけではなかった。
勝呂も志摩も子猫丸も、そして、出雲もしえみもだ。
「え!?・・・皆も、どうした?」
不思議そうにしている燐に答えたのは出雲。
「さっきはじけたグールの体液、被ったせいだわ・・・。あんた・・・平気なの・・・!?」
「・・・・・・」
玲薇は燐を見る。そうか・・・彼は、悪魔だから・・・。
「なんとか風美夜と杜山さんのおかげで助かったけど・・・、
杜山さんの体力尽きたら、この木のバリケードも消える・・・。
そうなったら、最後や」
勝呂は噎せたあと、体制を整えたのちに言った。
「燐・・・」
名前を呼ばれ、顔を玲薇に向ける。
「雪男・・・呼んで」
「おう」
もう迷惑だとか言っている場合ではない。これは、一大事なのだ。
雪男には悪いけれど・・・。助けになれない自分が、もどかしい。
今の心の中はごちゃごちゃだ。
燐が雪男に電話をしている間、玲薇は魔法円を2つに折る。
リニュウの姿が消えた。
「・・・雪男の携帯、つながらね・・・!」
「そっか・・・」
やっぱり、忙しいんだね・・・。
「すごい勢いでこっちに来てる・・・!」
誰かが言い、玲薇はしえみのグリーンマンが作ったバリケードの奥にいるグールを見た。
奴はバキバキと、そのバリケードを壊していっている。
「グールは、暗闇で活発化する悪魔やからな・・・」
しみじみ言う勝呂。
「ど、どうするよ!」
今、ちゃんと戦える状態といったら燐だけ。
悪魔の唸り声が上がり、見ればグールは二匹になっていた。
「二匹か・・・!」
フラフラになっているしえみに息を苦しそうにしている玲薇。
燐はギリッと歯ぎしりした。玲薇を守ってやれてねぇ・・・!
『守る』。そう玲薇と誓ったのに・・・。
今ここで守らねぇで、どうすんだ・・・!ギュッと、拳を作る燐。
「俺が外に出て囮になる」
「!?」
な・・・何を言ってるの?
「燐・・・?」
「二匹ともうまく俺について来たら、何とか逃げろ・・・。ついて来なかったら、
どうにか助け呼べねーか明るくできねーかとか、やってみるわ」
「はァ!?何言うとるん!?」
驚愕する勝呂に、唖然とする出雲。
「・・・バ・・・バカ!?」
「燐・・・!」
「・・・・・・」
行こうとする燐の腕を掴む玲薇。怯えたような、心配したような、彼女の表情。
そうさせないようにと、燐はフッと微笑んだ。
「大丈夫だ」
俺の力を信じてくれ。ポンッと、彼女の頭に手をのせた。
踵を返す燐。
「あっ・・・」
「俺のことは気にすんな。そこそこ強えーから」
立ち上がっていた玲薇は、ガクッと膝をついた。
「玲薇!」
一早く気付いた燐が駆け寄る。
玲薇も心配だが、とにかくあのグールをおさえなくては。
多少弱まっている今なら・・・。
「ニーちゃん・・・!」
懐にいるグリーンマンを呼び出すしえみ。
「ウナウナくんを、出せる?」
「ニッ。ニ~~!!」
その小さな体から、太く長い枝を出し、グールと玲薇達の間をうめつくした。
これでグールはこちらにこれないだろう。
「「す・・・すげぇ・・・」」
「ありがとね、ニーちゃん!」
「ニー!」
「り・・・」
ダメだ・・・。なんだか目の前が、ボヤける。
「!」
倒れそうになった玲薇の体を支えた。
「玲薇!?」
なんで、こんなに苦しそうなんだ?
「・・・くらくらする・・・」
「あ、熱い」
状態がおかしいのは玲薇だけではなかった。
勝呂も志摩も子猫丸も、そして、出雲もしえみもだ。
「え!?・・・皆も、どうした?」
不思議そうにしている燐に答えたのは出雲。
「さっきはじけたグールの体液、被ったせいだわ・・・。あんた・・・平気なの・・・!?」
「・・・・・・」
玲薇は燐を見る。そうか・・・彼は、悪魔だから・・・。
「なんとか風美夜と杜山さんのおかげで助かったけど・・・、
杜山さんの体力尽きたら、この木のバリケードも消える・・・。
そうなったら、最後や」
勝呂は噎せたあと、体制を整えたのちに言った。
「燐・・・」
名前を呼ばれ、顔を玲薇に向ける。
「雪男・・・呼んで」
「おう」
もう迷惑だとか言っている場合ではない。これは、一大事なのだ。
雪男には悪いけれど・・・。助けになれない自分が、もどかしい。
今の心の中はごちゃごちゃだ。
燐が雪男に電話をしている間、玲薇は魔法円を2つに折る。
リニュウの姿が消えた。
「・・・雪男の携帯、つながらね・・・!」
「そっか・・・」
やっぱり、忙しいんだね・・・。
「すごい勢いでこっちに来てる・・・!」
誰かが言い、玲薇はしえみのグリーンマンが作ったバリケードの奥にいるグールを見た。
奴はバキバキと、そのバリケードを壊していっている。
「グールは、暗闇で活発化する悪魔やからな・・・」
しみじみ言う勝呂。
「ど、どうするよ!」
今、ちゃんと戦える状態といったら燐だけ。
悪魔の唸り声が上がり、見ればグールは二匹になっていた。
「二匹か・・・!」
フラフラになっているしえみに息を苦しそうにしている玲薇。
燐はギリッと歯ぎしりした。玲薇を守ってやれてねぇ・・・!
『守る』。そう玲薇と誓ったのに・・・。
今ここで守らねぇで、どうすんだ・・・!ギュッと、拳を作る燐。
「俺が外に出て囮になる」
「!?」
な・・・何を言ってるの?
「燐・・・?」
「二匹ともうまく俺について来たら、何とか逃げろ・・・。ついて来なかったら、
どうにか助け呼べねーか明るくできねーかとか、やってみるわ」
「はァ!?何言うとるん!?」
驚愕する勝呂に、唖然とする出雲。
「・・・バ・・・バカ!?」
「燐・・・!」
「・・・・・・」
行こうとする燐の腕を掴む玲薇。怯えたような、心配したような、彼女の表情。
そうさせないようにと、燐はフッと微笑んだ。
「大丈夫だ」
俺の力を信じてくれ。ポンッと、彼女の頭に手をのせた。
踵を返す燐。
「あっ・・・」
「俺のことは気にすんな。そこそこ強えーから」