第八話 此に病める者あり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「この合宿の目的は、"学力強化"と、もう一つ。
"塾生同士の交友を深める"ってのもあるんですよ」
まだご機嫌ななめの様子なのか、出雲はフンッと鼻をならした。
「こんな奴らと馴れ合いなんて、ゴメンよ・・・!」
「コイツ・・・!」
再び、ケンカになりそうな雰囲気の出雲と勝呂。
「馴れ合ってもらわなければ困る」
力強い雪男の言葉。
「祓魔師は、一人では戦えない!お互いの特性を活かし、欠点は補い、
二人以上の班で闘うのが基本です。実戦になれば、こんな罰とは比べものにならない連帯責任を、
負わされる事になる。そこをよく、考えてください・・・」
しゅんと落ち込み、さすがの出雲も口を閉ざした。
玲薇は雪男を見る。彼は大分、中学時代の頃と性格が変わっている・・・。
『病弱』だ『軟弱』だ言われていた時とは。
人は、何かのきっかけ一つで、こんなにも変われると言うのか・・・。
そう、こんなにも。
「では僕は、今から三時間ほど、小さな任務で外します。
・・・ですが、昨日のグールの件もあるので、念のため、
この寮全ての外に繋がる出入口に施錠し、強力な魔除けを施しておきます」
「施錠って・・・俺ら外に、どうやって出るんスか」
勝呂が聞く。それに対し、雪男はキッパリ言った。
「出る必要はない」
と。
「僕が戻るまで三時間、皆で仲良く頭を冷やしてください」
ニッコリ微笑み、ドアを開けて雪男は行ってしまった。
(そ・・・そんな・・・)
違う。あんなの・・・昔の雪男なら、絶対あんな事言わない!!
・・・いつからこんな黒い部分を見い出していったのか。
「三時間・・・!鬼か・・・!?」
志摩の顔が、青ざめる。
「もう、限界や・・・。お前とあの先生、ほんま血ィつなごうとるんか」
男女交互で一列に並ばされているので、玲薇の奥にいる燐を見るため、
勝呂は背筋を伸ばしてみやった。
「・・・ほ・・・本当はいい奴なんだ・・・。きっとそうだ・・・」
半べそ状態の燐に、苦笑してしまう玲薇。
ハァ・・・と、勝呂はため息をついた。
「つーか、誰かさんのせいでエラいめぇや」
皮肉めいた発言。彼はまだ、出雲に根を持っているのか。
「坊・・・」
あんたらのせいでこうなったと言うのに・・・。あの志摩でさえ、呆れている。
「は?」
その挑発に、出雲もすぐのった。
「アンタだって、あたしの胸ぐらつかんだでしょ!?信じらんない!」
「頭冷やせいわれたばっかやのに・・・」
と、子猫丸。
「先にケンカ売ってきたんは、そっちやろ!」
(もう・・・)
玲薇も呆れ、頭を垂れる。
「・・・また微妙に俺らをはさんでケンカするな!」
燐の左隣には玲薇だったか、最悪な事に右隣は出雲だったのだ。
「・・・ほんま性格悪い女やな」
「フン、そんなの自覚済みよ。それが何!?」
「少しは風美夜を見習えや」
おんなじ女だと言うのに、性格の一つや二つ違うだけで、印象はガラリと変わる。が・・・。
(・・・なんで私なの・・・!)
雪男と燐の言い合いの時もそうだ。
・・・なんでこうも自分は他人と比べられるのだろうか。
そんな、いい格好も何もないというのに・・・。なんだか嫌な気分だ。
やはり皆比べられるのは嫌なのか、出雲はキッと目付きを鋭くする。
けれど彼女が反論する間もあたえず、勝呂は最後、出雲に追い討ちを打った。
「そんなんやと、周りの人間、逃げてくえ」
「・・・!!」
"塾生同士の交友を深める"ってのもあるんですよ」
まだご機嫌ななめの様子なのか、出雲はフンッと鼻をならした。
「こんな奴らと馴れ合いなんて、ゴメンよ・・・!」
「コイツ・・・!」
再び、ケンカになりそうな雰囲気の出雲と勝呂。
「馴れ合ってもらわなければ困る」
力強い雪男の言葉。
「祓魔師は、一人では戦えない!お互いの特性を活かし、欠点は補い、
二人以上の班で闘うのが基本です。実戦になれば、こんな罰とは比べものにならない連帯責任を、
負わされる事になる。そこをよく、考えてください・・・」
しゅんと落ち込み、さすがの出雲も口を閉ざした。
玲薇は雪男を見る。彼は大分、中学時代の頃と性格が変わっている・・・。
『病弱』だ『軟弱』だ言われていた時とは。
人は、何かのきっかけ一つで、こんなにも変われると言うのか・・・。
そう、こんなにも。
「では僕は、今から三時間ほど、小さな任務で外します。
・・・ですが、昨日のグールの件もあるので、念のため、
この寮全ての外に繋がる出入口に施錠し、強力な魔除けを施しておきます」
「施錠って・・・俺ら外に、どうやって出るんスか」
勝呂が聞く。それに対し、雪男はキッパリ言った。
「出る必要はない」
と。
「僕が戻るまで三時間、皆で仲良く頭を冷やしてください」
ニッコリ微笑み、ドアを開けて雪男は行ってしまった。
(そ・・・そんな・・・)
違う。あんなの・・・昔の雪男なら、絶対あんな事言わない!!
・・・いつからこんな黒い部分を見い出していったのか。
「三時間・・・!鬼か・・・!?」
志摩の顔が、青ざめる。
「もう、限界や・・・。お前とあの先生、ほんま血ィつなごうとるんか」
男女交互で一列に並ばされているので、玲薇の奥にいる燐を見るため、
勝呂は背筋を伸ばしてみやった。
「・・・ほ・・・本当はいい奴なんだ・・・。きっとそうだ・・・」
半べそ状態の燐に、苦笑してしまう玲薇。
ハァ・・・と、勝呂はため息をついた。
「つーか、誰かさんのせいでエラいめぇや」
皮肉めいた発言。彼はまだ、出雲に根を持っているのか。
「坊・・・」
あんたらのせいでこうなったと言うのに・・・。あの志摩でさえ、呆れている。
「は?」
その挑発に、出雲もすぐのった。
「アンタだって、あたしの胸ぐらつかんだでしょ!?信じらんない!」
「頭冷やせいわれたばっかやのに・・・」
と、子猫丸。
「先にケンカ売ってきたんは、そっちやろ!」
(もう・・・)
玲薇も呆れ、頭を垂れる。
「・・・また微妙に俺らをはさんでケンカするな!」
燐の左隣には玲薇だったか、最悪な事に右隣は出雲だったのだ。
「・・・ほんま性格悪い女やな」
「フン、そんなの自覚済みよ。それが何!?」
「少しは風美夜を見習えや」
おんなじ女だと言うのに、性格の一つや二つ違うだけで、印象はガラリと変わる。が・・・。
(・・・なんで私なの・・・!)
雪男と燐の言い合いの時もそうだ。
・・・なんでこうも自分は他人と比べられるのだろうか。
そんな、いい格好も何もないというのに・・・。なんだか嫌な気分だ。
やはり皆比べられるのは嫌なのか、出雲はキッと目付きを鋭くする。
けれど彼女が反論する間もあたえず、勝呂は最後、出雲に追い討ちを打った。
「そんなんやと、周りの人間、逃げてくえ」
「・・・!!」