第八話 此に病める者あり
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出雲が刺のあるような口調で口論する。
「詠唱騎士なんて・・・詠唱中は無防備だから、班にお守りしてもらわなきゃならないし、
ただのお荷物じゃない!」
いくらなんでも、言い過ぎだ・・・。
「なんやとぉ・・・!?」
苛立ちを覚えた勝呂は、席を立ち出雲の方へ向かってくる。
「詠唱騎士目指してる人に向かって、なんや!」
「坊!」
「なによ!暴力で解決?コッワ~イ」
出雲も、負けじと勝呂の方へ。皮肉めいた言葉も、やまない。
「さすが、ゴリラ顔ね!殴りたきゃホラ、殴りなさいよ」
「か、神木さん・・・!」
慌てて玲薇も立ち上がり、出雲の手首を掴んだが、振り払われた。
「・・・・・・」
これが・・・朴だったら・・・。彼女なら、出雲を止められたかもしれないのに・・・。
「~~!!」
出雲と勝呂が向かい合った所は、ちょうど燐としえみがいる席。
「!?」
その席を、勝呂は叩き、さすがの燐も何事かと顔を上げた。
「・・・だいたい、俺はお前気にくわへんねや!人の夢を笑うな!!」
勝呂の夢・・・それは、落ちぶれた寺を復興させる為にサタンを倒す事。
『サタンを倒す』。それだけしか、出雲は知らないのだ。
無謀だと思われるその夢。だからか・・・。
「あぁ・・・あの「サタン倒す」ってやつ?
・・・はッ。あんな冗談、笑う以外にどうしろってのよ!」
「じゃ何や、お前は・・・何が目的で祓魔師なりたいんや・・・あ?言うてみ!!」
「目的・・・?」
あの時、あの悲惨な日・・・。あんな日の事なんか・・・。
「あたしは、他人に目的を話した事はないの!」
言いたくない。言えない。言えるわけがない・・・。
「あんたみたいな目立ちたがりと違ってね・・・!」
負けず嫌いで素直じゃなくて強がりで・・・自分が自分を好きならそれでいい。
皆が皆に、好かれなくったって・・・。
「この・・・」
とうとうキレた勝呂は、出雲の胸ぐらを掴んだ。
「勝呂くん!神木さんも・・・!」
二人の間に入る玲薇。止めなきゃ。こんなんじゃ・・・。
せっかく、皆と仲良く出来初めてきたのに・・・。
「風美夜・・・!」
「風美夜さん、どいて」
「え?」
この時、既に次の授業の準備をしに来た雪男が来ていた。
パァン!!
「!」
乾いた音に、雪男はハッと顔を上げる。
「玲薇!」
燐の焦りの声。
「風美夜!」
よろけた玲薇の体を支える勝呂。
そう・・・玲薇は勝呂の代わりに、出雲のビンタを食らっていた。
「皆さん、少しは反省しましたか」
雪男のちょっと怒った口調が、オンボロ旧館の一部屋に響いていた。
「な・・・なんで、俺らまで」
志摩が嘆く。只今、塾生『全員』で、石を膝の上に置いていた。
無論、この石はただの石ではない。バリヨンと呼ばれる悪魔が憑依されていて、
持つとどんどん重くなるという物。まるで、拷問されている気分だ。
「連帯責任ってやつです」
ため息まじりに、雪男が言った。
「詠唱騎士なんて・・・詠唱中は無防備だから、班にお守りしてもらわなきゃならないし、
ただのお荷物じゃない!」
いくらなんでも、言い過ぎだ・・・。
「なんやとぉ・・・!?」
苛立ちを覚えた勝呂は、席を立ち出雲の方へ向かってくる。
「詠唱騎士目指してる人に向かって、なんや!」
「坊!」
「なによ!暴力で解決?コッワ~イ」
出雲も、負けじと勝呂の方へ。皮肉めいた言葉も、やまない。
「さすが、ゴリラ顔ね!殴りたきゃホラ、殴りなさいよ」
「か、神木さん・・・!」
慌てて玲薇も立ち上がり、出雲の手首を掴んだが、振り払われた。
「・・・・・・」
これが・・・朴だったら・・・。彼女なら、出雲を止められたかもしれないのに・・・。
「~~!!」
出雲と勝呂が向かい合った所は、ちょうど燐としえみがいる席。
「!?」
その席を、勝呂は叩き、さすがの燐も何事かと顔を上げた。
「・・・だいたい、俺はお前気にくわへんねや!人の夢を笑うな!!」
勝呂の夢・・・それは、落ちぶれた寺を復興させる為にサタンを倒す事。
『サタンを倒す』。それだけしか、出雲は知らないのだ。
無謀だと思われるその夢。だからか・・・。
「あぁ・・・あの「サタン倒す」ってやつ?
・・・はッ。あんな冗談、笑う以外にどうしろってのよ!」
「じゃ何や、お前は・・・何が目的で祓魔師なりたいんや・・・あ?言うてみ!!」
「目的・・・?」
あの時、あの悲惨な日・・・。あんな日の事なんか・・・。
「あたしは、他人に目的を話した事はないの!」
言いたくない。言えない。言えるわけがない・・・。
「あんたみたいな目立ちたがりと違ってね・・・!」
負けず嫌いで素直じゃなくて強がりで・・・自分が自分を好きならそれでいい。
皆が皆に、好かれなくったって・・・。
「この・・・」
とうとうキレた勝呂は、出雲の胸ぐらを掴んだ。
「勝呂くん!神木さんも・・・!」
二人の間に入る玲薇。止めなきゃ。こんなんじゃ・・・。
せっかく、皆と仲良く出来初めてきたのに・・・。
「風美夜・・・!」
「風美夜さん、どいて」
「え?」
この時、既に次の授業の準備をしに来た雪男が来ていた。
パァン!!
「!」
乾いた音に、雪男はハッと顔を上げる。
「玲薇!」
燐の焦りの声。
「風美夜!」
よろけた玲薇の体を支える勝呂。
そう・・・玲薇は勝呂の代わりに、出雲のビンタを食らっていた。
「皆さん、少しは反省しましたか」
雪男のちょっと怒った口調が、オンボロ旧館の一部屋に響いていた。
「な・・・なんで、俺らまで」
志摩が嘆く。只今、塾生『全員』で、石を膝の上に置いていた。
無論、この石はただの石ではない。バリヨンと呼ばれる悪魔が憑依されていて、
持つとどんどん重くなるという物。まるで、拷問されている気分だ。
「連帯責任ってやつです」
ため息まじりに、雪男が言った。