第八話 此に病める者あり
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雪男と玲薇と別れた燐は、一人旧館の屋上に居た。
《コレモ、サルオカタノ、ハカライニヨルモノ》
首を締められ、やられてしまっていた時にグールが言っていた言葉。
(サルオカタ・・・?さるお方って、誰だ?)
自分なりに、自分を襲うであろう者を脳裏に浮かばせてみる。
(サタンかとも思ったけど・・・今さら俺を殺そうとする理由が、思い当たらねぇし)
そして、獅郎のあの言葉を思い出した。
『あらゆる者が、あらゆる目的で、お前を狙うだろう』
『誰か』は分からない。でも、『目的』なら、ハッキリしてる。
あのグールは・・・。
(・・・どっちにしろ、俺を襲ってきたのは、間違いないってことだな)
それなのに、自分は無傷ですんだし、最初に襲われたのは朴で、
大きな傷を受けたのも彼女だ。
「くそっ・・・」
どうして、周りの人間を巻き込む?
「何で、直接俺に来ねーんだ・・・!」
悪魔としての力を恐れているのか、それとも、周りを巻き込むことで、
己の怒りを爆発させて、遠くから見ているんじゃないかと思わせるサタンは、
それを嘲笑うように見ているとか・・・。
考えに没頭してしまっていたせいか、気付けなかった。
「燐!」
人の、気配に。
突如覗き込んできたしえみに驚き、燐は反射的に顔を上げる。
ゴンッ!!
注意深さが足りなかった。お互い、おでこをぶつけてしまったのだ。
「おおおおっ・・・!」
「きゃああ・・・!」
二人して、声にならない声を上げた。
「きゅ・・・急に近エーよ!!アホウ!」
「燐こそ、急に頭あげないでよ、バカァ!」
おでこの痛みが引いてきた事で冷静を取り戻した燐は、
しえみの横にある大きめのカゴを見つけた。
「・・・何、してんの?」
「皆のお布団のシーツ、干しに来たの」
成る程。それで、屋上に。今日も、いい天気だもんな。
「ふーん、手伝うか?」
「ううん。一人で出来るから大丈夫だよ。ね、ニーちゃん」
「ニー」
シーツの上にいたグリーンマンは、笑顔を向ける。
「あっそ」
それなら、自分は必要ないだろう。
「じゃ、塾行く準備しよ」
踵を返す燐。そしてふと思い、肩越しに振り返った。
「・・・つーかさ、お前って、祓魔師目指してるわけじゃないんだよな・・・?」
「・・・わ・・・わからない・・・」
少し、しえみは表情を曇らせるも、すぐ笑顔になった。
「でも、私も皆の役に立てることがしたいんだ」
「も?」
「うん。使い走りじゃなくて、私にしか出来ないことで!まずは洗濯から!」
「ふーん・・・」
―魔法円・印障術―
「この魔法円のぬけている部分を、前に出て描いてもらう・・・神木」
出雲が指されるが、返事がない。不思議に思う玲薇と教師・ネイガウス。
「神木!」
今度はやや大きめの声。
「!!」
それにやっと、出雲は気付いたようだ。
「あ・・・すみません、聞いてませんでした・・・」
あの出雲が、話しを聞いていなかったなんて・・・。
その事実に、出雲自身も驚いていた。
(ウソ・・・このあたしが、授業中ぼーっとするなんて)
「どうした、お前らしくもないな」
不思議そうに言うネイガウス。それはこっちだって、聞きたいくらいだ。
(信じられない!)
悔しくて、たまらない。
《コレモ、サルオカタノ、ハカライニヨルモノ》
首を締められ、やられてしまっていた時にグールが言っていた言葉。
(サルオカタ・・・?さるお方って、誰だ?)
自分なりに、自分を襲うであろう者を脳裏に浮かばせてみる。
(サタンかとも思ったけど・・・今さら俺を殺そうとする理由が、思い当たらねぇし)
そして、獅郎のあの言葉を思い出した。
『あらゆる者が、あらゆる目的で、お前を狙うだろう』
『誰か』は分からない。でも、『目的』なら、ハッキリしてる。
あのグールは・・・。
(・・・どっちにしろ、俺を襲ってきたのは、間違いないってことだな)
それなのに、自分は無傷ですんだし、最初に襲われたのは朴で、
大きな傷を受けたのも彼女だ。
「くそっ・・・」
どうして、周りの人間を巻き込む?
「何で、直接俺に来ねーんだ・・・!」
悪魔としての力を恐れているのか、それとも、周りを巻き込むことで、
己の怒りを爆発させて、遠くから見ているんじゃないかと思わせるサタンは、
それを嘲笑うように見ているとか・・・。
考えに没頭してしまっていたせいか、気付けなかった。
「燐!」
人の、気配に。
突如覗き込んできたしえみに驚き、燐は反射的に顔を上げる。
ゴンッ!!
注意深さが足りなかった。お互い、おでこをぶつけてしまったのだ。
「おおおおっ・・・!」
「きゃああ・・・!」
二人して、声にならない声を上げた。
「きゅ・・・急に近エーよ!!アホウ!」
「燐こそ、急に頭あげないでよ、バカァ!」
おでこの痛みが引いてきた事で冷静を取り戻した燐は、
しえみの横にある大きめのカゴを見つけた。
「・・・何、してんの?」
「皆のお布団のシーツ、干しに来たの」
成る程。それで、屋上に。今日も、いい天気だもんな。
「ふーん、手伝うか?」
「ううん。一人で出来るから大丈夫だよ。ね、ニーちゃん」
「ニー」
シーツの上にいたグリーンマンは、笑顔を向ける。
「あっそ」
それなら、自分は必要ないだろう。
「じゃ、塾行く準備しよ」
踵を返す燐。そしてふと思い、肩越しに振り返った。
「・・・つーかさ、お前って、祓魔師目指してるわけじゃないんだよな・・・?」
「・・・わ・・・わからない・・・」
少し、しえみは表情を曇らせるも、すぐ笑顔になった。
「でも、私も皆の役に立てることがしたいんだ」
「も?」
「うん。使い走りじゃなくて、私にしか出来ないことで!まずは洗濯から!」
「ふーん・・・」
―魔法円・印障術―
「この魔法円のぬけている部分を、前に出て描いてもらう・・・神木」
出雲が指されるが、返事がない。不思議に思う玲薇と教師・ネイガウス。
「神木!」
今度はやや大きめの声。
「!!」
それにやっと、出雲は気付いたようだ。
「あ・・・すみません、聞いてませんでした・・・」
あの出雲が、話しを聞いていなかったなんて・・・。
その事実に、出雲自身も驚いていた。
(ウソ・・・このあたしが、授業中ぼーっとするなんて)
「どうした、お前らしくもないな」
不思議そうに言うネイガウス。それはこっちだって、聞きたいくらいだ。
(信じられない!)
悔しくて、たまらない。