第八話 此に病める者あり
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寝返りをうつ玲薇。そしてハッと目が覚めた。
「・・・・・・」
「あ、おはよ玲薇」
「・・・雪男?」
ぼやける目をこすり、再び目を開けた。
「燐は?」
「今、歯を磨きに行ったよ」
珍しく、早いな・・・。それに、雪男の格好も、もう『講師』としての姿だった。
けど、時間としては・・・。
「雪男は、もう行くの?」
「僕は、授業が始まる前に、朴さんの様子を見に行こうと思ってね」
朴さんといえば、昨日の夜グールに襲われてしまい、今はベッドで安静している。
「あ、じゃあ私も行く!」
素早く身支度を整えて。
「・・・やっぱり、自分自身で戦えるのがあるといいのかな・・・」
昨日、ずっと思ってたこと。『自信』を失えば、手騎士は使えない。
『自信』を失うな、と言われても、多分無理だと思う。
だから昨日、出雲の白狐を見なかったんだと・・・。
「ゆっくり考えればいいと思うよ」
優しい口調で言ってくれる雪男。
「まぁ、僕があと玲薇に進めるとすれば、騎士以外なら、なんでもいいと思う」
「え!?」
まさかそんな大幅にくるなんて。
「玲薇は運動神経いい方だし、覚えもいい。竜騎士なら、僕が教えてあげられるしね。
手騎士の才能もあったんだから、いろいろ試してみるといいんじゃないかな?」
「うーん、でも何で騎士は?」
「騎士はほら・・・切った感触が残って嫌かなと、思ったんだけど・・・」
「・・・!」
自分の事を、気遣ってくれてる・・・。
「あれ、兄さんと神木さんだね」
「!」
前を見れば水道の前に、燐と出雲がいた。
二人に挨拶をする雪男を見て、玲薇は心の中で礼を言った。
(ありがとう)
「玲薇!」
立ち止まっていた玲薇に、燐が手を振る。
「おはよ、燐!神木さん!」
玲薇は軽い足取りで、三人の方へ向かうのだった。
「・・・これでもう大丈夫」
治療を終えた雪男が告げる。
「あと2・3日もすれば、熱も引いて動けるようになりますよ」
「・・・ありがとうございます、奥村先生」
礼を述べる朴。
「いいえ・・・それじゃ、安静にしていてくださいね」
「はい・・・」
「お大事に!」
「ありがと、奥村くん」
「元気になったら、また一緒に遊ぼうね!」
「うん、玲薇ちゃん、ありがとう」
名前を呼んでくれたことに驚きつつも、玲薇は笑顔で頷いた。
「神木さん、また祓魔塾でね」
「えぇ・・・」
そう言い残し、燐と雪男、玲薇は部屋を出て行った。
「朴、さっき玲薇って・・・」
出雲も、ちょっとばかし驚いていたのだ。
「うん、一度でいいから、名前を呼んでみたかったの・・・」
せっかく出来た、新しい友達の。
「・・・・・・・・」
「昨日の悪魔って、どーなってんだ?」
燐が雪男に聞き、玲薇も雪男を見た。
「今、進入経路と行方を捜索中」
「・・・突然だったもんね」
そう、突然だった。平和だったこの旧館も、油断出来なくなった。
玲薇は昨日の事を見習い、いつもポケットに魔法円を入れていようと思っている。
彼女が用心としてできるのは、これしかないから。
「うん・・・」
雪男がぎこちなく頷く。
「中級以上のグールだった。この学園は、協力な魔除けで守られてるけど、
希にああいうのが入り込むんだ。普段から、気を引きしめておかないとね・・・!」
「・・・・・・」
「あ、おはよ玲薇」
「・・・雪男?」
ぼやける目をこすり、再び目を開けた。
「燐は?」
「今、歯を磨きに行ったよ」
珍しく、早いな・・・。それに、雪男の格好も、もう『講師』としての姿だった。
けど、時間としては・・・。
「雪男は、もう行くの?」
「僕は、授業が始まる前に、朴さんの様子を見に行こうと思ってね」
朴さんといえば、昨日の夜グールに襲われてしまい、今はベッドで安静している。
「あ、じゃあ私も行く!」
素早く身支度を整えて。
「・・・やっぱり、自分自身で戦えるのがあるといいのかな・・・」
昨日、ずっと思ってたこと。『自信』を失えば、手騎士は使えない。
『自信』を失うな、と言われても、多分無理だと思う。
だから昨日、出雲の白狐を見なかったんだと・・・。
「ゆっくり考えればいいと思うよ」
優しい口調で言ってくれる雪男。
「まぁ、僕があと玲薇に進めるとすれば、騎士以外なら、なんでもいいと思う」
「え!?」
まさかそんな大幅にくるなんて。
「玲薇は運動神経いい方だし、覚えもいい。竜騎士なら、僕が教えてあげられるしね。
手騎士の才能もあったんだから、いろいろ試してみるといいんじゃないかな?」
「うーん、でも何で騎士は?」
「騎士はほら・・・切った感触が残って嫌かなと、思ったんだけど・・・」
「・・・!」
自分の事を、気遣ってくれてる・・・。
「あれ、兄さんと神木さんだね」
「!」
前を見れば水道の前に、燐と出雲がいた。
二人に挨拶をする雪男を見て、玲薇は心の中で礼を言った。
(ありがとう)
「玲薇!」
立ち止まっていた玲薇に、燐が手を振る。
「おはよ、燐!神木さん!」
玲薇は軽い足取りで、三人の方へ向かうのだった。
「・・・これでもう大丈夫」
治療を終えた雪男が告げる。
「あと2・3日もすれば、熱も引いて動けるようになりますよ」
「・・・ありがとうございます、奥村先生」
礼を述べる朴。
「いいえ・・・それじゃ、安静にしていてくださいね」
「はい・・・」
「お大事に!」
「ありがと、奥村くん」
「元気になったら、また一緒に遊ぼうね!」
「うん、玲薇ちゃん、ありがとう」
名前を呼んでくれたことに驚きつつも、玲薇は笑顔で頷いた。
「神木さん、また祓魔塾でね」
「えぇ・・・」
そう言い残し、燐と雪男、玲薇は部屋を出て行った。
「朴、さっき玲薇って・・・」
出雲も、ちょっとばかし驚いていたのだ。
「うん、一度でいいから、名前を呼んでみたかったの・・・」
せっかく出来た、新しい友達の。
「・・・・・・・・」
「昨日の悪魔って、どーなってんだ?」
燐が雪男に聞き、玲薇も雪男を見た。
「今、進入経路と行方を捜索中」
「・・・突然だったもんね」
そう、突然だった。平和だったこの旧館も、油断出来なくなった。
玲薇は昨日の事を見習い、いつもポケットに魔法円を入れていようと思っている。
彼女が用心としてできるのは、これしかないから。
「うん・・・」
雪男がぎこちなく頷く。
「中級以上のグールだった。この学園は、協力な魔除けで守られてるけど、
希にああいうのが入り込むんだ。普段から、気を引きしめておかないとね・・・!」