第七話 友千鳥
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悪魔・グールを引き寄せるため殴っていた燐だったが、いつの間にか形勢逆転されていた。
「ぐっ・・・」
思いの他、この悪魔は強い。身を放られた瞬間、首を締められている。
(だめだ・・・)
力強い締め付けに、息がまともに出来ないせいか、意識が朦朧としだす。
(コイツ、素じゃ敵わねぇ)
このままじゃ、やられる。
(限・・・界)
降魔剣に、手を伸ばす・・・その時だった。
「兄さん!!」
聞こえた、雪男の声。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
玲薇の声も。
無数の銃弾が、グールを狙い撃ちする。その後から、
玲薇の使い魔であるリニュウが、一直線上に飛んでグールに襲いかかった。
余りの銃弾の痛さと猛攻撃にグールはよろめき、燐の首から手を放す。
自由に動けるようになった燐の身体。
「玲薇・・・」
「燐!」
噎せながら、なんとか燐は身体を起こす。
「ゆ・・・きおッ遅ェーぞ!!」
呻き声をあげながらよろめき歩くグールは、窓ガラスを割、外へ出ていった。
《・・・追うか?》
リニュウが語りかけてくる。
「ううん・・・これ以上の深追いは、しなくていい」
《そうか》
その声を聞きながら、魔法円を2つに折る玲薇。
これが、リニュウにとって任務完了の合図。彼は、姿を消した。
(ありがとう、リニュウ)
心の中でお礼を言って。
「燐!」
うまく立ち上がれない燐に駆け寄り、玲薇は彼に手を伸ばす。
「あり、がとな・・・」
「どういたしまして」
ふぅっと、燐は空気をいっぱい吸った。
朴さんの応急処置をしていたしえみに駆け寄った雪男は、
なんとか朴が一命をとりとめられたのは、しえみのお陰だと誉めていた。
なぜ、グリーンマンの腹からアロエが出ているのかは不思議だったが、
それがこのグリーンマンの特徴なのだと。いつ、どんな時でもどの季節でも、
主(しえみ)が望んだ花を出してくれるとか。
「杜、山さん・・・」
片言でも聞こえた朴の声に、しえみは顔を向ける。
「あり、がと・・・」
痛みに耐えながらも作ってくれた笑顔。それはひきつってはいたものの、
そうお礼を言ってくれた朴の言葉は温かく、優しかった。
「うん!」
満面な笑顔で、しえみは答えた。
玲薇は燐に手を差し伸べたあと、朴の元へ行っていた。
そして、しえみに謝罪をする。今まで、自分の事ばかりで、ごめんね。
すると、彼女は顔を真っ赤にして、首を横に振った。
「そんな、謝らないで・・・」
そうだ。だから・・・。
「これからも・・・お、お友達でいてくれますか!?」
玲薇の答えは、もちろん『Yes』。
「ケホッ」
玲薇としえみが和解したことに安堵しつつ、
噎せた咳をしながら、燐は出口へと向かっていた。
「くやしい」
突如声がし、ビクッと体をびくつかせる。
「こんな姿・・・」
この声は、かすれてふるえてはいるが、神木出雲のだ。
こんな所に身を潜め涙を流し、ぐしゃぐしゃな顔をして、どうしたのだろう?
「誰にも、見せられない」
「・・・・・・」
何もできなかった・・・。たった、一人の友達も・・・助けられなかった!
嫌われた・・・!
バサッと、なにかがかかり、目の前が暗くなる。
「!?」
頭にかかったそれを、出雲は手にした。これは――男の子用のシャツ。
「それ着て」
シャツを握りしめ、ぐしゃぐしゃな顔を上げてぼやける瞳でみれば、
そこにはいつからいたのか、奥村燐の姿があった。
「早く行け!」
そうか、このシャツは彼の・・・。今回ばかりは、甘えさせてもらおう。
そして、上半身裸になっている燐を見つけた玲薇たち。
しえみは顔に煙が出るんじゃないかとさえ思わせるほど顔を真っ赤にし、
玲薇は目を丸くし、口をあんぐり開けていた。
「兄さん、なぜ裸に・・・」
唖然としながら、雪男が問うた。
「・・・なりゆきで・・・」
なりゆきって、どんななりゆきが・・・。まぁ、深く首を突っ込まないようにしよう。
あ、そういえば・・・。
「神木さんは?」
無事だぜ。
「ぐっ・・・」
思いの他、この悪魔は強い。身を放られた瞬間、首を締められている。
(だめだ・・・)
力強い締め付けに、息がまともに出来ないせいか、意識が朦朧としだす。
(コイツ、素じゃ敵わねぇ)
このままじゃ、やられる。
(限・・・界)
降魔剣に、手を伸ばす・・・その時だった。
「兄さん!!」
聞こえた、雪男の声。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
玲薇の声も。
無数の銃弾が、グールを狙い撃ちする。その後から、
玲薇の使い魔であるリニュウが、一直線上に飛んでグールに襲いかかった。
余りの銃弾の痛さと猛攻撃にグールはよろめき、燐の首から手を放す。
自由に動けるようになった燐の身体。
「玲薇・・・」
「燐!」
噎せながら、なんとか燐は身体を起こす。
「ゆ・・・きおッ遅ェーぞ!!」
呻き声をあげながらよろめき歩くグールは、窓ガラスを割、外へ出ていった。
《・・・追うか?》
リニュウが語りかけてくる。
「ううん・・・これ以上の深追いは、しなくていい」
《そうか》
その声を聞きながら、魔法円を2つに折る玲薇。
これが、リニュウにとって任務完了の合図。彼は、姿を消した。
(ありがとう、リニュウ)
心の中でお礼を言って。
「燐!」
うまく立ち上がれない燐に駆け寄り、玲薇は彼に手を伸ばす。
「あり、がとな・・・」
「どういたしまして」
ふぅっと、燐は空気をいっぱい吸った。
朴さんの応急処置をしていたしえみに駆け寄った雪男は、
なんとか朴が一命をとりとめられたのは、しえみのお陰だと誉めていた。
なぜ、グリーンマンの腹からアロエが出ているのかは不思議だったが、
それがこのグリーンマンの特徴なのだと。いつ、どんな時でもどの季節でも、
主(しえみ)が望んだ花を出してくれるとか。
「杜、山さん・・・」
片言でも聞こえた朴の声に、しえみは顔を向ける。
「あり、がと・・・」
痛みに耐えながらも作ってくれた笑顔。それはひきつってはいたものの、
そうお礼を言ってくれた朴の言葉は温かく、優しかった。
「うん!」
満面な笑顔で、しえみは答えた。
玲薇は燐に手を差し伸べたあと、朴の元へ行っていた。
そして、しえみに謝罪をする。今まで、自分の事ばかりで、ごめんね。
すると、彼女は顔を真っ赤にして、首を横に振った。
「そんな、謝らないで・・・」
そうだ。だから・・・。
「これからも・・・お、お友達でいてくれますか!?」
玲薇の答えは、もちろん『Yes』。
「ケホッ」
玲薇としえみが和解したことに安堵しつつ、
噎せた咳をしながら、燐は出口へと向かっていた。
「くやしい」
突如声がし、ビクッと体をびくつかせる。
「こんな姿・・・」
この声は、かすれてふるえてはいるが、神木出雲のだ。
こんな所に身を潜め涙を流し、ぐしゃぐしゃな顔をして、どうしたのだろう?
「誰にも、見せられない」
「・・・・・・」
何もできなかった・・・。たった、一人の友達も・・・助けられなかった!
嫌われた・・・!
バサッと、なにかがかかり、目の前が暗くなる。
「!?」
頭にかかったそれを、出雲は手にした。これは――男の子用のシャツ。
「それ着て」
シャツを握りしめ、ぐしゃぐしゃな顔を上げてぼやける瞳でみれば、
そこにはいつからいたのか、奥村燐の姿があった。
「早く行け!」
そうか、このシャツは彼の・・・。今回ばかりは、甘えさせてもらおう。
そして、上半身裸になっている燐を見つけた玲薇たち。
しえみは顔に煙が出るんじゃないかとさえ思わせるほど顔を真っ赤にし、
玲薇は目を丸くし、口をあんぐり開けていた。
「兄さん、なぜ裸に・・・」
唖然としながら、雪男が問うた。
「・・・なりゆきで・・・」
なりゆきって、どんななりゆきが・・・。まぁ、深く首を突っ込まないようにしよう。
あ、そういえば・・・。
「神木さんは?」
無事だぜ。