第七話 友千鳥
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しえみをいいように使う出雲は、止まらなかった。
「これ、配っといて」
「うん!」
「次の薬学で使う鹿子草、あたしの分用意しといて」
「うん!」
「メロンパン、フルーツ牛乳」
「うん!」
嫌な顔を一つもしないせいか、玲薇と朴は唖然と、二人を見ているだけだった。
「おい、アレ・・・、完璧にパシられてんだろ・・・」
燐も、しえみと出雲の関係を見逃していない。
「え?」
だが、教師でもある雪男は、首をかしげた。誰のことを、言ってるんだ?
「・・・いや、まあ・・・何でもない」
只今二人は、寮の玄関にとどまっていた。
「皆きた?」
パタンとドアを開け、寮から出てきた玲薇は、二人のもとへ。
「まだだよ」
そう答えてくれたのは仁王立ちし、腕組みをしている雪男だった。
「そっか・・・遅いね」
「・・・・・・」
じーっと、玲薇を見る燐。
「・・・・・・」
その視線に気付き、玲薇も燐を見た。出雲がしえみを使い初めてから、ろくに喋ってない。
初めの頃、寮に戻り雪男がいなかった時だった。
『なぁ、何でしえみがまろまゆのパシリにされてるの、止めないんだよ』
燐の言い様に、玲薇は苛立ちを覚えるが、ここは冷静を保つ。
『・・・そうなったのは、燐の責任でもあるんじゃないの?』
『なんだとぉ・・・』
ここへ来て、玲薇が出雲達と行動をともにするようになってから、
彼女の中にあった可愛らしさが、なくなってきているような気がする。
ケンカなんて、したくないのに・・・。
『いいよ、止められたら、止めるよ』
お互いにらみ合ってから、ソッポ向く。
「?」
また、ケンカでもしたのだろうか。
「なに?また、ケンカ?」
「別に」
「してねーよ・・・!」
ホント、ここへ来て、しえみが来てからケンカが多くなった。
でも、いつの間にかコロッと元通りになっているのだ。そんな心配は、いらないだろう。
「つーか、寮で合宿って、意味あんの?」
話しを切り替えようと、試みる燐。
「この寮、人がいないから、都合がいいんだよ」
雪男が言い、玲薇はこの寮を見上げた。建物は古い。
「そーいやこの寮、人っこ一人いないみたいに、静かだよな」
「・・・・・・・・・」
「・・・だから・・・いないからね」
「いない!?」
「ここ、僕らしか住んでないよ、気づいてなかったの!?」
唖然とする玲薇。本当に、人が『いない』とは。
ただ会わないだけだと思っていたのに。
「ここは高等部男子寮の旧館で・・・一般の生徒は、もっと綺麗な新館の方で、生活してるよ」
・・・他の皆が、羨ましい。
「あ、来たね」
全員揃って、この寮へ来た祓魔師の塾生達。
「うわ、なんやコレ」
古いこの建物を見て、驚いている。
「幽霊ホテルみたいや!」
そう言われると・・・今までここで生活していた自分達が、悲しい。
出雲も、ご立腹の様子。
「ヤダ、なにココ。もうちょっとマシなとこないの?あ、コレお願い」
しえみに鞄を渡すこの光景は、もう見慣れてしまった。
「うん」
それを受けとるしえみも笑顔なんだから、止めなくていいんじゃないかとさえ思ってしまう。
「・・・!!も、杜山さん!」
けど、それを止めてくれようとしたのは、朴さんだった。
「嫌なら嫌って、言わないと・・・!」
「朴さん!」
でも、しえみは笑顔のまま。
「私、嫌じゃないよ!」
「え?」
「お友達の役に立ってるんだもん」
キラキラした笑顔に、朴は何も言い返せなくなってしまった。
「・・・・・・そっ・・・か・・・」
確かに、そうだけど・・・。
「これ、配っといて」
「うん!」
「次の薬学で使う鹿子草、あたしの分用意しといて」
「うん!」
「メロンパン、フルーツ牛乳」
「うん!」
嫌な顔を一つもしないせいか、玲薇と朴は唖然と、二人を見ているだけだった。
「おい、アレ・・・、完璧にパシられてんだろ・・・」
燐も、しえみと出雲の関係を見逃していない。
「え?」
だが、教師でもある雪男は、首をかしげた。誰のことを、言ってるんだ?
「・・・いや、まあ・・・何でもない」
只今二人は、寮の玄関にとどまっていた。
「皆きた?」
パタンとドアを開け、寮から出てきた玲薇は、二人のもとへ。
「まだだよ」
そう答えてくれたのは仁王立ちし、腕組みをしている雪男だった。
「そっか・・・遅いね」
「・・・・・・」
じーっと、玲薇を見る燐。
「・・・・・・」
その視線に気付き、玲薇も燐を見た。出雲がしえみを使い初めてから、ろくに喋ってない。
初めの頃、寮に戻り雪男がいなかった時だった。
『なぁ、何でしえみがまろまゆのパシリにされてるの、止めないんだよ』
燐の言い様に、玲薇は苛立ちを覚えるが、ここは冷静を保つ。
『・・・そうなったのは、燐の責任でもあるんじゃないの?』
『なんだとぉ・・・』
ここへ来て、玲薇が出雲達と行動をともにするようになってから、
彼女の中にあった可愛らしさが、なくなってきているような気がする。
ケンカなんて、したくないのに・・・。
『いいよ、止められたら、止めるよ』
お互いにらみ合ってから、ソッポ向く。
「?」
また、ケンカでもしたのだろうか。
「なに?また、ケンカ?」
「別に」
「してねーよ・・・!」
ホント、ここへ来て、しえみが来てからケンカが多くなった。
でも、いつの間にかコロッと元通りになっているのだ。そんな心配は、いらないだろう。
「つーか、寮で合宿って、意味あんの?」
話しを切り替えようと、試みる燐。
「この寮、人がいないから、都合がいいんだよ」
雪男が言い、玲薇はこの寮を見上げた。建物は古い。
「そーいやこの寮、人っこ一人いないみたいに、静かだよな」
「・・・・・・・・・」
「・・・だから・・・いないからね」
「いない!?」
「ここ、僕らしか住んでないよ、気づいてなかったの!?」
唖然とする玲薇。本当に、人が『いない』とは。
ただ会わないだけだと思っていたのに。
「ここは高等部男子寮の旧館で・・・一般の生徒は、もっと綺麗な新館の方で、生活してるよ」
・・・他の皆が、羨ましい。
「あ、来たね」
全員揃って、この寮へ来た祓魔師の塾生達。
「うわ、なんやコレ」
古いこの建物を見て、驚いている。
「幽霊ホテルみたいや!」
そう言われると・・・今までここで生活していた自分達が、悲しい。
出雲も、ご立腹の様子。
「ヤダ、なにココ。もうちょっとマシなとこないの?あ、コレお願い」
しえみに鞄を渡すこの光景は、もう見慣れてしまった。
「うん」
それを受けとるしえみも笑顔なんだから、止めなくていいんじゃないかとさえ思ってしまう。
「・・・!!も、杜山さん!」
けど、それを止めてくれようとしたのは、朴さんだった。
「嫌なら嫌って、言わないと・・・!」
「朴さん!」
でも、しえみは笑顔のまま。
「私、嫌じゃないよ!」
「え?」
「お友達の役に立ってるんだもん」
キラキラした笑顔に、朴は何も言い返せなくなってしまった。
「・・・・・・そっ・・・か・・・」
確かに、そうだけど・・・。