第四話 燐と雪男と私
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感心して見ていると、ガタッと、机が揺れた。燐が、立ち上がったのだ。
「・・・燐?」
ズカズカと燐は、雪男のもとに向かう。
「おい!」
燐の声と、彼が教卓を叩いたのは同時。
玲薇の方が遠い位置に居るハズだが、体がビクつく。
逆に近い雪男は、微動だにしていない。
「・・・何ですか?」
「説明しろ・・・!」
静まる教室。
「・・・授業中ですよ、席について」
「ふざけんな!」
燐の声が、響き渡る。雪男は小さなため息をついた。
「・・・さっきも言ったけど・・・」
きっと話さなければ、燐はどかないだろう。
二人だけで成される、小さな声量での会話。
「僕が祓魔師になったのは、二年前。訓練は、七歳の頃から始めた。
・・・僕は生まれた時に、兄さんから魔障を受けて・・・物心つく前から、
悪魔がずっと視えてたんだ。玲薇と、同じようにね。
・・・ずっと、知ってたよ。知らなかったのは、玲薇と兄さんだけだ。
玲薇と僕らの本当の関係も、知ってる。だから・・・、
そこ、どいてくれる?」
知ってた。雪男は、全てを。
「・・・・・・・・・じゃあ・・・なんで俺らに言わねーんだ!!!」
燐が雪男の腕を掴む。
「!」
一瞬だけ、腕の力が、手の力が弱まった。
ガシャン!
「「・・・・・・」」
雪男が手に持っていた、あの血の入った瓶が、割れた。漂う異臭。
「うっ・・・」
「ぶわ、くっさ!?」
思わず鼻を摘むほど。
「うわぁ」
「!?」
誰かの叫びに、天井が破れる音。
「っ・・・!」
『何か』が、天井から降りてきた。
余りの展開の速さについていけず、玲薇は天井の下敷きにならぬよう、
ふらつきながら後退る。と、誰かにぶつかった。
「あ、ごめ・・・」
「大丈夫?」
顔をあげれば、さっき雪男にこの部屋が大丈夫なのか聞き、心配していた女の子。
「あ、ありがとう・・・」
煙が晴れていき、視界が良くなる。
「悪魔!」
玲薇が叫ぶ。ビクッとする女の子。
「え、どこ!?」
そうか、この子は悪魔が見えないんだった。あの時、手を上げてた・・・。
「そこ!!」
だが玲薇が教える前に、もう一人、紫色の長い髪を二つ縛りにしている女の子が言った。
玲薇は思わず彼女を見る。この子は、見えるんだ・・・。
その時、眼があった気がした。
「・・・燐?」
ズカズカと燐は、雪男のもとに向かう。
「おい!」
燐の声と、彼が教卓を叩いたのは同時。
玲薇の方が遠い位置に居るハズだが、体がビクつく。
逆に近い雪男は、微動だにしていない。
「・・・何ですか?」
「説明しろ・・・!」
静まる教室。
「・・・授業中ですよ、席について」
「ふざけんな!」
燐の声が、響き渡る。雪男は小さなため息をついた。
「・・・さっきも言ったけど・・・」
きっと話さなければ、燐はどかないだろう。
二人だけで成される、小さな声量での会話。
「僕が祓魔師になったのは、二年前。訓練は、七歳の頃から始めた。
・・・僕は生まれた時に、兄さんから魔障を受けて・・・物心つく前から、
悪魔がずっと視えてたんだ。玲薇と、同じようにね。
・・・ずっと、知ってたよ。知らなかったのは、玲薇と兄さんだけだ。
玲薇と僕らの本当の関係も、知ってる。だから・・・、
そこ、どいてくれる?」
知ってた。雪男は、全てを。
「・・・・・・・・・じゃあ・・・なんで俺らに言わねーんだ!!!」
燐が雪男の腕を掴む。
「!」
一瞬だけ、腕の力が、手の力が弱まった。
ガシャン!
「「・・・・・・」」
雪男が手に持っていた、あの血の入った瓶が、割れた。漂う異臭。
「うっ・・・」
「ぶわ、くっさ!?」
思わず鼻を摘むほど。
「うわぁ」
「!?」
誰かの叫びに、天井が破れる音。
「っ・・・!」
『何か』が、天井から降りてきた。
余りの展開の速さについていけず、玲薇は天井の下敷きにならぬよう、
ふらつきながら後退る。と、誰かにぶつかった。
「あ、ごめ・・・」
「大丈夫?」
顔をあげれば、さっき雪男にこの部屋が大丈夫なのか聞き、心配していた女の子。
「あ、ありがとう・・・」
煙が晴れていき、視界が良くなる。
「悪魔!」
玲薇が叫ぶ。ビクッとする女の子。
「え、どこ!?」
そうか、この子は悪魔が見えないんだった。あの時、手を上げてた・・・。
「そこ!!」
だが玲薇が教える前に、もう一人、紫色の長い髪を二つ縛りにしている女の子が言った。
玲薇は思わず彼女を見る。この子は、見えるんだ・・・。
その時、眼があった気がした。