第二十八話 決戦
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障子から見ていた達磨は、幸福な出来事ににっこり笑う。
「いやぁ、こりゃめでたいわ」
そして、ポンと、息子の肩を叩く。
「見とーみ、お前一人で気張らんでもみんな勝手に進んでくんやさけ。放っときぃ」
「・・・何十年も気張っとったんは、アンタやろ。何で放っとかんかったんや」
歩きかけていた足を止め、達磨は振り向いて言った。
「お前が大事やったからや」
そう、偽りなく。
「!」
いくら喧嘩しても、つきはなそうとしても、自分の子供となればなんだって守ろうとする。
それが、親ってものだろう。
「もう経は詠まへんの」
大好きだったあの背中。
「お前にはもう、子守唄いらんやろ」
もう見れないと分かった途端、寂しい気持ちが込み上げた。
「うーーわ!柔兄、結局蝮姉さんを・・・!?ほとんど身内やんけ・・・ひくわぁ」
「志摩さん」
聞き慣れた声に振り向けば、そこにはいつもの仲間の姿。
「あ、坊、子猫さん!探してたんやー、あんなぁ」
初めての京都旅行。それを提案してくれたのは、まさしく志摩本人だった。
あれから燐は玲薇を連れてみんなの所に戻ると、話してくれた。
明日1日休んでいいとシュラから報告受けていたと、それを使って皆で遊ぼうと。
そこになぜ、雪男もいるのか不思議だったが触れずにおく。
今は・・・顔を見て話す気になれなかった。
「やっぱベタがええやろ・・・まずは、金閣寺さんかいなぁ?」
「なんゆーてんの、志摩さんは。まずは虎屋から近い東寺さんやろ!
道順考えて目的地行かんと、全部回れへんで!」
「・・・ハーイ」
テキパキとした子猫丸の指示に、志摩は何も言わないでおく。
「他、ここは行きたいてとこあったら教ぇてやー」
「わ、私!あんみつとかくずきりとか、甘味が食べたいな・・・!」→しえみ
「私は、伏見稲荷。一度参ってみたかったから・・・」→出雲
「私は、とりあえずどこでも・・・」→玲薇
「舞妓を紹介しろ!!」→宝
「お・れ・は!!京都タワァー!!」→燐
「言いよった」
一度聞いている勝呂は呆れている。
「え、京都タワー!?」
驚くのはまたも京都を知った子猫丸。
「京都、他に見るとこあるよ?」
「ほらな」
同じ意見を言う子猫丸に、勝呂は同意しながら燐をせせら笑う。
「頼む!来る前から目ェつけてたんだーッ」
「サタンの息子たっての望みやし、聞いてやりぃ。燃やされんで」
「!?俺、まだそんな印象」
「わかりました・・・サタンの息子さんの仰せのままに・・・」
「子猫丸まで・・・」
なんだかんだ言いつつも、みんな優しい。道を知っている友達のお陰で迷いなく回れたし、
何よりみんなが行きたいといった場所に行けたのもよかった。
好きな仲間との旅行はこんなに楽しいものなのだと、改めて感じられた。
もっともっと、こんな時間が欲しい。でも、楽しい時間はあっという間に過ぎていく・・・。
最後に案内してくれたのは京都タワーで、燐がぎこちなく言う。
「みんな!あ・・・あのさ、頼みがあるんだ。俺、こんな奴だけどこれからみんなと・・・、
ここで一緒に撮ってもらってもいーかな!」
そう、燐の目の前には撮影スポットとして用意されているのだろう、等身大のマスコットキャラも配置されている。
まさか地元のマスコットキャラと撮影する日がくるとは思ってなかった京都三人組は些か嫌そうだったが、仕方ない。
「チッ、断ってサタンの息子に燃やされたらかなわんしなぁ」
「サタンの息子の命令なら、しょーがないわね」
「そんな遠慮がちにゆーても、脅迫にしか聞かれへん」
「サタンの息子さんの仰せのままに・・・」
「まだそのネタひっぱってんの!?イジメ!?」
「いや、むしろそこ生かしてかんとー!せっかくのキャラがもったいないやん!」
明るく笑って言ってくれる志摩に、背中を軽く叩く勝呂の仕草が、妙に心地いい。
「つーかそこ、イチイチ許可取らんでもえーわ!」
「!」
今まで、こんな良い仲間と出逢ったことがあっただろうか。いや、ない。
こいつらを・・・こいつらと一緒ならどこまでも・・・歩いていける。
「じゃ、撮りますよー」
「よっしゃ、みんないくで!!」
「了解」
「おっけー」
「はいっ、チーズッ!」
「おい!!まさか、SATAN!?」
後ろでみんなが作っていた一文字サタンに、燐は叫んだ。
「いやぁ、こりゃめでたいわ」
そして、ポンと、息子の肩を叩く。
「見とーみ、お前一人で気張らんでもみんな勝手に進んでくんやさけ。放っときぃ」
「・・・何十年も気張っとったんは、アンタやろ。何で放っとかんかったんや」
歩きかけていた足を止め、達磨は振り向いて言った。
「お前が大事やったからや」
そう、偽りなく。
「!」
いくら喧嘩しても、つきはなそうとしても、自分の子供となればなんだって守ろうとする。
それが、親ってものだろう。
「もう経は詠まへんの」
大好きだったあの背中。
「お前にはもう、子守唄いらんやろ」
もう見れないと分かった途端、寂しい気持ちが込み上げた。
「うーーわ!柔兄、結局蝮姉さんを・・・!?ほとんど身内やんけ・・・ひくわぁ」
「志摩さん」
聞き慣れた声に振り向けば、そこにはいつもの仲間の姿。
「あ、坊、子猫さん!探してたんやー、あんなぁ」
初めての京都旅行。それを提案してくれたのは、まさしく志摩本人だった。
あれから燐は玲薇を連れてみんなの所に戻ると、話してくれた。
明日1日休んでいいとシュラから報告受けていたと、それを使って皆で遊ぼうと。
そこになぜ、雪男もいるのか不思議だったが触れずにおく。
今は・・・顔を見て話す気になれなかった。
「やっぱベタがええやろ・・・まずは、金閣寺さんかいなぁ?」
「なんゆーてんの、志摩さんは。まずは虎屋から近い東寺さんやろ!
道順考えて目的地行かんと、全部回れへんで!」
「・・・ハーイ」
テキパキとした子猫丸の指示に、志摩は何も言わないでおく。
「他、ここは行きたいてとこあったら教ぇてやー」
「わ、私!あんみつとかくずきりとか、甘味が食べたいな・・・!」→しえみ
「私は、伏見稲荷。一度参ってみたかったから・・・」→出雲
「私は、とりあえずどこでも・・・」→玲薇
「舞妓を紹介しろ!!」→宝
「お・れ・は!!京都タワァー!!」→燐
「言いよった」
一度聞いている勝呂は呆れている。
「え、京都タワー!?」
驚くのはまたも京都を知った子猫丸。
「京都、他に見るとこあるよ?」
「ほらな」
同じ意見を言う子猫丸に、勝呂は同意しながら燐をせせら笑う。
「頼む!来る前から目ェつけてたんだーッ」
「サタンの息子たっての望みやし、聞いてやりぃ。燃やされんで」
「!?俺、まだそんな印象」
「わかりました・・・サタンの息子さんの仰せのままに・・・」
「子猫丸まで・・・」
なんだかんだ言いつつも、みんな優しい。道を知っている友達のお陰で迷いなく回れたし、
何よりみんなが行きたいといった場所に行けたのもよかった。
好きな仲間との旅行はこんなに楽しいものなのだと、改めて感じられた。
もっともっと、こんな時間が欲しい。でも、楽しい時間はあっという間に過ぎていく・・・。
最後に案内してくれたのは京都タワーで、燐がぎこちなく言う。
「みんな!あ・・・あのさ、頼みがあるんだ。俺、こんな奴だけどこれからみんなと・・・、
ここで一緒に撮ってもらってもいーかな!」
そう、燐の目の前には撮影スポットとして用意されているのだろう、等身大のマスコットキャラも配置されている。
まさか地元のマスコットキャラと撮影する日がくるとは思ってなかった京都三人組は些か嫌そうだったが、仕方ない。
「チッ、断ってサタンの息子に燃やされたらかなわんしなぁ」
「サタンの息子の命令なら、しょーがないわね」
「そんな遠慮がちにゆーても、脅迫にしか聞かれへん」
「サタンの息子さんの仰せのままに・・・」
「まだそのネタひっぱってんの!?イジメ!?」
「いや、むしろそこ生かしてかんとー!せっかくのキャラがもったいないやん!」
明るく笑って言ってくれる志摩に、背中を軽く叩く勝呂の仕草が、妙に心地いい。
「つーかそこ、イチイチ許可取らんでもえーわ!」
「!」
今まで、こんな良い仲間と出逢ったことがあっただろうか。いや、ない。
こいつらを・・・こいつらと一緒ならどこまでも・・・歩いていける。
「じゃ、撮りますよー」
「よっしゃ、みんないくで!!」
「了解」
「おっけー」
「はいっ、チーズッ!」
「おい!!まさか、SATAN!?」
後ろでみんなが作っていた一文字サタンに、燐は叫んだ。
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