第二十八話 決戦
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「おっ、雪男じゃん!お前も無事だったか!」
だが、燐には返答せず、雪男はシュラに問い詰める。
「・・・シュラさん、どうしてここに兄がいるんだ。誰が独居房から出した・・・?」
「だからそれはほら、謝ったぢゃん」
「・・・!!」
考え、ハッとした。
『先に謝っとくけど、ゴメンにゃ』
(あれか・・・!)
「どーだ、雪男!」
雪男の心境を知ってか知らずか、燐は意気揚々と語る。
「俺、ここにいる人達助けたんだ!!アゴはずすくらいビックリしたろ!
テメーを追い抜く日も、そう遠くないな!!」
ゴッと、力任せに振り上げられた拳は、燐の頬を叩いた。
「ふざけるな!!」
いままで聞いたことない、雪男の怒声。
「待って、ゆき・・・」
全部が全部、燐のせいでないことをわかって欲しかっただけなのに・・・。
「玲薇は黙ってて!これは兄さんの問題だ!自分の状況が判ってるのか!?」
「玲薇に八つ当たりするなよ、俺は判ってるから」
殴られた事に怒ることなく、燐が話す。
「やっと判った。俺は、やっぱりサタンの仔で、この炎から逃げる事はできない。
ずっと向き合うのが・・・認めんのが、怖かった。でも、それじゃダメだった・・・んだ、よな・・・」
ふらっと、燐の体が倒れていく・・・。
「兄さん!?」
「燐!」
ふと、真っ白な世界に小さい頃の燐は、その真っ直ぐな獅郎の背中に問いかけた。
父さん、俺、これからどうすればいいかな
(バーカ、そんなもん自分で考えろ)
俺は何の為に
-----
「ただいまぁ」
「おとん」
救急用の担架に運ばれた達磨は、口元には血だらけだった。
見かけによらず喋れる方であるがために、どうやら元気そうだ。
「はは、どーもあらへん。貧血気味なだけやさけ」
「達磨さん・・・!」
「虎子・・・」
虎子の手が、達磨の頬に伸びていく。
「こんな・・・」
優しくしてくれると思った。怪我もしているだけに。しかし、そんなことはなく。
「こんななるなんて聞いてまへんえ!!」
ギュッと、頬を引っ張られた。
「いった!!虎子、いった!!」
不浄王討伐隊が戻ってきたとの話で持ちきりになる虎屋の一室で、坊さんが障子を開け様子を見ていた。
「いったい、どうなったんやろ?ちょっと、見に行ってみますね。
また、起き上がらはったらあきませんよ!蝮さん!」
パシッと、障子を閉められる。しかし蝮は、大人しく言う事を聞くハズもなかった。
誰もいなくなった部屋で体を起こし、ふらふらな体で懸命に障子にしがみつく。
「く・・・」
が、自分で開ける前に開く障子。
「あ」
その反動で、体が前に倒れる。
「おっと!」
すんでの所で、障子を開けた張本人である柔造が抱えた。
「何してん、寝とけ!」
「・・・申!!」
柔造の服を握りしめ、恐怖に満ちた瞳で蝮は見上げている。自分のせいで皆を犠牲にしてしまった。
募る気持ちは計り知れない。だがどれもこれも、ちゃんと蝮に伝えなくては。その為に、ここに来たのだから。
「・・・まず、いい知らせは不浄王は倒した。和尚もみんな、無事や。せやし・・・そんな顔すな・・・」
「うっ・・・ああ」
緊張の糸がほどけたように、蝮は泣き崩れる。
「・・・わぁぁあああ・・・!!うっうっ・・・」
そんな彼女を、柔造は優しく抱き止めた。
だが、燐には返答せず、雪男はシュラに問い詰める。
「・・・シュラさん、どうしてここに兄がいるんだ。誰が独居房から出した・・・?」
「だからそれはほら、謝ったぢゃん」
「・・・!!」
考え、ハッとした。
『先に謝っとくけど、ゴメンにゃ』
(あれか・・・!)
「どーだ、雪男!」
雪男の心境を知ってか知らずか、燐は意気揚々と語る。
「俺、ここにいる人達助けたんだ!!アゴはずすくらいビックリしたろ!
テメーを追い抜く日も、そう遠くないな!!」
ゴッと、力任せに振り上げられた拳は、燐の頬を叩いた。
「ふざけるな!!」
いままで聞いたことない、雪男の怒声。
「待って、ゆき・・・」
全部が全部、燐のせいでないことをわかって欲しかっただけなのに・・・。
「玲薇は黙ってて!これは兄さんの問題だ!自分の状況が判ってるのか!?」
「玲薇に八つ当たりするなよ、俺は判ってるから」
殴られた事に怒ることなく、燐が話す。
「やっと判った。俺は、やっぱりサタンの仔で、この炎から逃げる事はできない。
ずっと向き合うのが・・・認めんのが、怖かった。でも、それじゃダメだった・・・んだ、よな・・・」
ふらっと、燐の体が倒れていく・・・。
「兄さん!?」
「燐!」
ふと、真っ白な世界に小さい頃の燐は、その真っ直ぐな獅郎の背中に問いかけた。
父さん、俺、これからどうすればいいかな
(バーカ、そんなもん自分で考えろ)
俺は何の為に
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「ただいまぁ」
「おとん」
救急用の担架に運ばれた達磨は、口元には血だらけだった。
見かけによらず喋れる方であるがために、どうやら元気そうだ。
「はは、どーもあらへん。貧血気味なだけやさけ」
「達磨さん・・・!」
「虎子・・・」
虎子の手が、達磨の頬に伸びていく。
「こんな・・・」
優しくしてくれると思った。怪我もしているだけに。しかし、そんなことはなく。
「こんななるなんて聞いてまへんえ!!」
ギュッと、頬を引っ張られた。
「いった!!虎子、いった!!」
不浄王討伐隊が戻ってきたとの話で持ちきりになる虎屋の一室で、坊さんが障子を開け様子を見ていた。
「いったい、どうなったんやろ?ちょっと、見に行ってみますね。
また、起き上がらはったらあきませんよ!蝮さん!」
パシッと、障子を閉められる。しかし蝮は、大人しく言う事を聞くハズもなかった。
誰もいなくなった部屋で体を起こし、ふらふらな体で懸命に障子にしがみつく。
「く・・・」
が、自分で開ける前に開く障子。
「あ」
その反動で、体が前に倒れる。
「おっと!」
すんでの所で、障子を開けた張本人である柔造が抱えた。
「何してん、寝とけ!」
「・・・申!!」
柔造の服を握りしめ、恐怖に満ちた瞳で蝮は見上げている。自分のせいで皆を犠牲にしてしまった。
募る気持ちは計り知れない。だがどれもこれも、ちゃんと蝮に伝えなくては。その為に、ここに来たのだから。
「・・・まず、いい知らせは不浄王は倒した。和尚もみんな、無事や。せやし・・・そんな顔すな・・・」
「うっ・・・ああ」
緊張の糸がほどけたように、蝮は泣き崩れる。
「・・・わぁぁあああ・・・!!うっうっ・・・」
そんな彼女を、柔造は優しく抱き止めた。