第二十八話 決戦
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うっすらと、目を見開く玲薇。
「うっ・・・」
ハッキリ開かない視界で見えた光景は、シュラの姿と、そして・・・。
暖かい、青い炎が自分達を呑み込んでいく・・・。
「燐・・・」
「風美夜!大丈夫か?」
「はい・・・シュラさん、これ・・・」
「あぁ。燐の青い炎だ。たく・・・手間取らせやがって!」
「燐・・・」
ありがとう・・・。
辺り一面青い炎に"包まれた"と思うと、その中心部から燐の姿を捉えることができた。
ふらつく足取りで、玲薇は駆ける。
《浄化は終わった、ワシは去る。フン、貴様は一体・・・どちらなんぢゃよ。人か悪魔か。
いずれはっきりとさせねばならぬ時がくるぢゃろう》
ウチシュマーは燐を祟ることなく、炎が消えるように静に降魔剣からいなくなった。
燐は静に、剣を鞘に収める。
「燐・・・!」
「!」
名前を呼ばれ、振り向くとすぐ首に腕を回される勢いで抱きしめられる。
突然のことで、動揺した。
「なっ・・・玲薇?」
「よかった・・・!燐が無事でよかった・・・!」
顔をはっきり見るまで気づかなかった。声を上げはしないが、彼女の瞳は涙でいっぱいだった。
硬かった燐は表情を崩し、目を閉じてきつく抱きしめ返しその存在を温もりを感じる。
(玲薇だ・・・、ちゃんとここにいてくれてる)
あの時、ウチシュマーとの協力で得た炎の力に自分は自分自身と押し負けそうになっていた。
けれど、脳裏にはちゃんとみんながいた。みんなのことを思い出せていた。
自分の力を信じて、託してくれたことを・・・。それは、玲薇のことも例外ではない。
「勝呂、目が覚めたか・・・?」
「う・・・はい・・・、一体どうなったんです?」
「見ろよ」
まだ少し痛む頭をさすりつつ、シュラが向いている方に視線をやれば燐と玲薇がいた。
「奥村・・・!」
勝呂の声に反応して、二人は離れる。
「勝呂!シュラ、俺・・・やった、炎操れた・・・!!」
喜びを噛み締める燐に、ポカンと勝呂は口を開ける。
「細かいとこはまだまだだけど・・・、燃やし分ける事には自信ついた!」
「まぁ、お前もともと燃やし分けは出来てたよ?服を燃やして、パンツだけ残すとか」
まったく、いい雰囲気を台無しにするのがシュラ。
「でも今回は意識的にだ!今までの無意識と違う!」
「奥村くん・・・風美夜さん、坊!!」
「「!」」
第三者の声は、京都支部の人の前を走ってくる子猫丸のもの。
「子猫!志摩!・・・無事やったか!!」
「よかった・・・」
ホッと胸を撫で下ろす玲薇。隣では、燐が降魔剣を高々と上げている。
「子猫丸!!俺、やっと炎操れるようになったぞ!不浄王以外は燃やさねーように、コントロール出来たんだ!!」
「・・・成程なぁ」
そう納得するのは志摩。
「いや、ほんま不思議な体験やったわ。炎の中におって、痛くもカユくもない。
逆に菌どもは燃え尽きてくんやからなぁ」
「瘴気に中てられた連中は、私も含めて皆浄化された。青い炎の中で・・・!
もの凄い炎や・・・感謝してもしきれへん・・・!」
支部の中では上位でもある志摩の父親である八百造に褒められ、少しばかり照れる燐。
「い・・・いやぁ、そんなにホメられちゃうとテレちゃうってゆうか」
人に褒められる事がどれだけ嬉しいことか、今までの自分だったら知ることが出来ない感情だったろう。
「奥村くん・・・ありがとう・・・ほんま・・・僕を、ゆるして・・・!」
あんな酷いことを言って、無視もして、張り詰めていた思いが溢れだし子猫丸はボロボロ涙を溢す。
「え!?な、な、なんで泣く!?なんかあったっけ!?」
二人の噛み合わないやり取りに、くすっと笑う玲薇。
「あーあ、子猫さんほんま思いつめ過ぎなんや。え?」
ふと、志摩の隣に立つ人物にわざとらしく驚く。
「アラッ、坊、生きてはったんですかぁ!?」
「・・・・・・」
「てっきり死なはった思てましたわ。なんちゃって」
「心配かけたな」
「ハハ、え?誰が」
「兄さん!!」
「!」
「うっ・・・」
ハッキリ開かない視界で見えた光景は、シュラの姿と、そして・・・。
暖かい、青い炎が自分達を呑み込んでいく・・・。
「燐・・・」
「風美夜!大丈夫か?」
「はい・・・シュラさん、これ・・・」
「あぁ。燐の青い炎だ。たく・・・手間取らせやがって!」
「燐・・・」
ありがとう・・・。
辺り一面青い炎に"包まれた"と思うと、その中心部から燐の姿を捉えることができた。
ふらつく足取りで、玲薇は駆ける。
《浄化は終わった、ワシは去る。フン、貴様は一体・・・どちらなんぢゃよ。人か悪魔か。
いずれはっきりとさせねばならぬ時がくるぢゃろう》
ウチシュマーは燐を祟ることなく、炎が消えるように静に降魔剣からいなくなった。
燐は静に、剣を鞘に収める。
「燐・・・!」
「!」
名前を呼ばれ、振り向くとすぐ首に腕を回される勢いで抱きしめられる。
突然のことで、動揺した。
「なっ・・・玲薇?」
「よかった・・・!燐が無事でよかった・・・!」
顔をはっきり見るまで気づかなかった。声を上げはしないが、彼女の瞳は涙でいっぱいだった。
硬かった燐は表情を崩し、目を閉じてきつく抱きしめ返しその存在を温もりを感じる。
(玲薇だ・・・、ちゃんとここにいてくれてる)
あの時、ウチシュマーとの協力で得た炎の力に自分は自分自身と押し負けそうになっていた。
けれど、脳裏にはちゃんとみんながいた。みんなのことを思い出せていた。
自分の力を信じて、託してくれたことを・・・。それは、玲薇のことも例外ではない。
「勝呂、目が覚めたか・・・?」
「う・・・はい・・・、一体どうなったんです?」
「見ろよ」
まだ少し痛む頭をさすりつつ、シュラが向いている方に視線をやれば燐と玲薇がいた。
「奥村・・・!」
勝呂の声に反応して、二人は離れる。
「勝呂!シュラ、俺・・・やった、炎操れた・・・!!」
喜びを噛み締める燐に、ポカンと勝呂は口を開ける。
「細かいとこはまだまだだけど・・・、燃やし分ける事には自信ついた!」
「まぁ、お前もともと燃やし分けは出来てたよ?服を燃やして、パンツだけ残すとか」
まったく、いい雰囲気を台無しにするのがシュラ。
「でも今回は意識的にだ!今までの無意識と違う!」
「奥村くん・・・風美夜さん、坊!!」
「「!」」
第三者の声は、京都支部の人の前を走ってくる子猫丸のもの。
「子猫!志摩!・・・無事やったか!!」
「よかった・・・」
ホッと胸を撫で下ろす玲薇。隣では、燐が降魔剣を高々と上げている。
「子猫丸!!俺、やっと炎操れるようになったぞ!不浄王以外は燃やさねーように、コントロール出来たんだ!!」
「・・・成程なぁ」
そう納得するのは志摩。
「いや、ほんま不思議な体験やったわ。炎の中におって、痛くもカユくもない。
逆に菌どもは燃え尽きてくんやからなぁ」
「瘴気に中てられた連中は、私も含めて皆浄化された。青い炎の中で・・・!
もの凄い炎や・・・感謝してもしきれへん・・・!」
支部の中では上位でもある志摩の父親である八百造に褒められ、少しばかり照れる燐。
「い・・・いやぁ、そんなにホメられちゃうとテレちゃうってゆうか」
人に褒められる事がどれだけ嬉しいことか、今までの自分だったら知ることが出来ない感情だったろう。
「奥村くん・・・ありがとう・・・ほんま・・・僕を、ゆるして・・・!」
あんな酷いことを言って、無視もして、張り詰めていた思いが溢れだし子猫丸はボロボロ涙を溢す。
「え!?な、な、なんで泣く!?なんかあったっけ!?」
二人の噛み合わないやり取りに、くすっと笑う玲薇。
「あーあ、子猫さんほんま思いつめ過ぎなんや。え?」
ふと、志摩の隣に立つ人物にわざとらしく驚く。
「アラッ、坊、生きてはったんですかぁ!?」
「・・・・・・」
「てっきり死なはった思てましたわ。なんちゃって」
「心配かけたな」
「ハハ、え?誰が」
「兄さん!!」
「!」