第二十八話 決戦
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ふわふわとした感覚の中で、一人きりで、泣いている少女がいた。
(・・・この子、私・・・?)
『え~んっ、ふえっ』
そうだね、昔は泣き虫だった。燐と雪男に会うまで。まだ何も知らない時で『なにかいるよ?』『こっち見てるもん!』
そう必死に大人に訴えかけていたけど、まともに相手にしてくれる大人は誰もいなかった。
親と呼べる存在がいなくて大人は自分の子供に"あの子には気をつけて"そう言っていた。
いつしか話相手もいなくなった頃、ふと一人の男が話かける。
『お嬢ちゃん、やっと見つけた』
暗く落ち込んだままの表情で顔を上げると、眩しい太陽を背に、それに負けない笑顔を見せてくれた、そう、その人は大切な藤本獅郎だったのだ。
『君を迎えに来たよ、お母さんから話は聞いていた。これから一緒に暮らすんだ』
『・・・一緒?』
『そう、一緒に。君に不思議な力があることも、おじさんは知ってるよ。コレが見えるんだろう?』
『うん・・・おじさんもみえる?』
獅郎がにこりと微笑み、何かを呟いたと思えばそれらはあっという間に消えた。
『わぁ、凄い!』
『ずっと暗いと、お嬢ちゃんいつかさっきのヤツにのっとられちゃうぞ!』
『いやだ!』
『はははっ!おじさんといれば大丈夫だ!お母さんの代わりに必ず、守るから』
その出逢いのおかげで、今の私がある。でも、よく大人しくついていったなぁと思う。
それほど心細かったのか、はたまた未知のモノを倒してくれたからなのか・・・よく、わからないけど。
獅郎に手を引かれながら、修道院にきた。
『お~い!みんな、集まってくれ!紹介したい子がいるんだ』
そう呼び掛けると、たちまちに修道院の広間には人が集まる。その中に唯一、同い年くらいの男の子たちが燐と雪男だった。
『わぁ~・・・』
眼鏡をかけた男の子は、目をキラキラとさせ、もう一人の子は獅郎の後ろに隠れたままの玲薇に手を向けた。
『おれ、おくむらりん!よろしくな!』
『コラ、燐!こう自己紹介する時は彼女からだ』
『いいじゃん、なんでも!』
楽しそうに話す燐が、とても印象的だった覚えがある。
恐る恐る私は、彼を真似て手を伸ばした。それに気付き、燐は目をパチクリ。
『わたし・・・風美夜玲薇。よ、よろしく・・・』
『よろしく!』
ニカッと笑って強く握手。
『ぼ、ぼくも!』
『ほら雪男、三人で!』
『ゆき、お・・・?』
『ぼ、ぼくは奥村雪男!よ、よろしくっ』
『うん、よろしく・・・!』
仲良く子供ながらに挨拶する姿をみて、獅郎も微笑ましくなる。
『あ・・・』
門の外を見れる位置にいた雪男が、体を震わせた。それを見て、不思議に思いながら玲薇もみてみる。
その先に、人の姿に似つかせたような黒い塊が異様に浮いていた。怖くなり、ぎゅっと獅郎の足にしがみつく。
『雪男、玲薇、怖がらなくていい。きっと、玲薇の後をこっそり着いてきたんだろう』
『玲薇ちゃんも、見えるの?』
雪男の質問に、こくんとうなずく。
『悪魔なんて、怖くない!』
『!』
きっぱり、自信ありげに言う燐に驚く。
『雪男も、いつまでもピーピー泣くから、悪魔になんかに見られるんだよ!』
『そ、そんなことないよ!』
『おれは泣き虫じゃないからな見えないんだ、だから!玲薇もビクビクするなっ。
そうだ、遊ぼうぜ!早く、早く!』
ぐいっと、おもいっきり手をひっぱられ彼に身を任せるがままになってしまった。
『わっ』
『行くぞ、玲薇!』
『あ、おいていかないでー!』
『早く来いよ、雪男!』
なんで・・・いま、こんなこと思い出したのだろう・・・。
(・・・この子、私・・・?)
『え~んっ、ふえっ』
そうだね、昔は泣き虫だった。燐と雪男に会うまで。まだ何も知らない時で『なにかいるよ?』『こっち見てるもん!』
そう必死に大人に訴えかけていたけど、まともに相手にしてくれる大人は誰もいなかった。
親と呼べる存在がいなくて大人は自分の子供に"あの子には気をつけて"そう言っていた。
いつしか話相手もいなくなった頃、ふと一人の男が話かける。
『お嬢ちゃん、やっと見つけた』
暗く落ち込んだままの表情で顔を上げると、眩しい太陽を背に、それに負けない笑顔を見せてくれた、そう、その人は大切な藤本獅郎だったのだ。
『君を迎えに来たよ、お母さんから話は聞いていた。これから一緒に暮らすんだ』
『・・・一緒?』
『そう、一緒に。君に不思議な力があることも、おじさんは知ってるよ。コレが見えるんだろう?』
『うん・・・おじさんもみえる?』
獅郎がにこりと微笑み、何かを呟いたと思えばそれらはあっという間に消えた。
『わぁ、凄い!』
『ずっと暗いと、お嬢ちゃんいつかさっきのヤツにのっとられちゃうぞ!』
『いやだ!』
『はははっ!おじさんといれば大丈夫だ!お母さんの代わりに必ず、守るから』
その出逢いのおかげで、今の私がある。でも、よく大人しくついていったなぁと思う。
それほど心細かったのか、はたまた未知のモノを倒してくれたからなのか・・・よく、わからないけど。
獅郎に手を引かれながら、修道院にきた。
『お~い!みんな、集まってくれ!紹介したい子がいるんだ』
そう呼び掛けると、たちまちに修道院の広間には人が集まる。その中に唯一、同い年くらいの男の子たちが燐と雪男だった。
『わぁ~・・・』
眼鏡をかけた男の子は、目をキラキラとさせ、もう一人の子は獅郎の後ろに隠れたままの玲薇に手を向けた。
『おれ、おくむらりん!よろしくな!』
『コラ、燐!こう自己紹介する時は彼女からだ』
『いいじゃん、なんでも!』
楽しそうに話す燐が、とても印象的だった覚えがある。
恐る恐る私は、彼を真似て手を伸ばした。それに気付き、燐は目をパチクリ。
『わたし・・・風美夜玲薇。よ、よろしく・・・』
『よろしく!』
ニカッと笑って強く握手。
『ぼ、ぼくも!』
『ほら雪男、三人で!』
『ゆき、お・・・?』
『ぼ、ぼくは奥村雪男!よ、よろしくっ』
『うん、よろしく・・・!』
仲良く子供ながらに挨拶する姿をみて、獅郎も微笑ましくなる。
『あ・・・』
門の外を見れる位置にいた雪男が、体を震わせた。それを見て、不思議に思いながら玲薇もみてみる。
その先に、人の姿に似つかせたような黒い塊が異様に浮いていた。怖くなり、ぎゅっと獅郎の足にしがみつく。
『雪男、玲薇、怖がらなくていい。きっと、玲薇の後をこっそり着いてきたんだろう』
『玲薇ちゃんも、見えるの?』
雪男の質問に、こくんとうなずく。
『悪魔なんて、怖くない!』
『!』
きっぱり、自信ありげに言う燐に驚く。
『雪男も、いつまでもピーピー泣くから、悪魔になんかに見られるんだよ!』
『そ、そんなことないよ!』
『おれは泣き虫じゃないからな見えないんだ、だから!玲薇もビクビクするなっ。
そうだ、遊ぼうぜ!早く、早く!』
ぐいっと、おもいっきり手をひっぱられ彼に身を任せるがままになってしまった。
『わっ』
『行くぞ、玲薇!』
『あ、おいていかないでー!』
『早く来いよ、雪男!』
なんで・・・いま、こんなこと思い出したのだろう・・・。