第二十七話 深淵
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不気味な声で名前を呼ばれた雪男が振り向くと、藤堂が手だけの姿で顔に掴みかかってきた。
すぐにホルスターから銃を抜き、引き金を引く。それはまるで水のように、崩れ落ちた。
「ハッ、ハッ、ハッ・・・」
焦りと恐怖が、入り交じる。
(藤堂!!早すぎる・・・!まさか、こんなに再生能力が高いなんて・・・!!)
銃を構え直し、辺りを探る。
「どこだ!!」
「ハハハ・・・」
「!」
「だから不死鳥の再生能力をナメてはいけないと言っただろう。
・・・やはり今の君達に、私を殺す事はできないね。
カルラの能力も大体掴めたし・・・そろそろ退散するかな。
ただ退散する前に・・・奥村くん、君に興味がある」
「化け物め!!」
「ハハハ?化け物?」
こんはにも撃ち込んでいるのに、再生能力は衰えを知らない。
バラバラになってる時でさえ、藤堂の揺さぶりの声は聞こえるまま。
「「僕は僕が嫌いだ」か・・・、ククク。青臭い自己否定だ。
その考え方には限界がある。悪魔落ちへの第一歩だな」
悪魔落ちだと・・・?この僕が?
「貴様と一緒にするな、悪魔が!!」
背後に忍び寄る魔の手を撃ち抜く。
(悪魔・・・そうだ、奴は悪魔だ・・・!僕は祓魔の基本中の基本を忘れていた。
"悪魔の甘言に耳を貸してはいけない"ナイアスの魔法弾は雨が降っている今なら、
通常の2~3倍の威力になるはず。冷静にならなければ・・・)
だが、考える余裕も与えられぬまま、雪男の体から藤堂の一部が現れた。
「君のお兄さんだって悪魔なのに、どうしてそんなに悪魔を拒むんだい?」
「!!ガッ」
顔を捕まれ、地面に倒される。
「いいじゃない、悪魔・・・」
顔の自由もきかず、銃を動かそうにも持っている手を制御され動かせない。
藤堂は余裕な笑みで続ける。
「君にもその要素があるだろう。ほら、もう一度見せてご覧」
だが、雪男の表情は険しいまま。期待しているものと違う。
「ん?・・・へぇ、悪魔は断固拒絶という訳か」
その時、錫杖が藤堂の顔に突き刺さってきた。
「・・・くおっ」
一瞬の隙。
「志摩くん・・・君か!」
その隙さえも、雪男は見逃さない。銃を藤堂の手の内から引き抜き、顔面に向かって弾丸を放った。
バシャと、水しぶきをあげる。そして、再生されかけていた右手を踏みつけた。
「ハァハァ・・・最後に聞いてやるクソが。お前は誰で何が目的だ」
「いいね、実にいい表情をしている。
悪魔の顔だ。それが君の本性だよ。だがまだまだだ、今の君には教えられないな」
「死ね」
我を忘れるかのように、雪男は無数の数の銃弾をぶちかます。
奴の再生が始まらないように、再び姿を造らぬように。
自分が自分を見失いそうにならぬよう・・・。
「・・・ハーッ、ハーッ」
他の人にはわからない、雪男の苦しみ。どう話せばいいのか・・・。
柔造はただ一言。
「・・・おい、大丈夫か?」
「大丈夫です、それより皆さん立てますか?奴はすぐ復活する。
捕獲はあきらめた方がいい、全力で逃げるんです」
「本陣はあの焔の結界ん中や」
「急ぎましょう」
くそ
あんなに心の中を見透かされたのは初めてだ。
くそ!
何も考えるな、もう何も考えるな。
くそ!!くそ・・・!!!
「くっそおお」
斬っても斬っても、不浄王は無傷同等のまま。
(俺は一体、何の為に・・・!
親父、俺に力を貸してくれ・・・!!)
《まったく・・・見てられんわい!》
「!?」
突如浮かぶ、焔を纏いし大鳥が現れていた。
「え!?何だ!!あ、悪魔!?」
《・・・フン。悪魔だ天使だ明王だなどというのは人間どもが勝手に呼んでいるだけのこと。
そういうお前は何者ぢゃ、神の炎を纏いし人間め・・・!ワシは不浄潔金剛ウチシュマー。
不浄王は長年のワシの宿敵ぢゃ。そしてその剣は元来ワシらの長の得物。
奴を倒すんならば、お前に炎の導き方というものを教えてやるんぢゃよ》
「・・・よくわかんねーけど・・・頼む、ウチシュマー!」
《仕方ないのう・・・》
言うや、ウチシュマーは降魔剣との装備を試みたのだ。
《ワシの唱えるマントラとストラを復唱するんぢゃ・・・!!》
すぐにホルスターから銃を抜き、引き金を引く。それはまるで水のように、崩れ落ちた。
「ハッ、ハッ、ハッ・・・」
焦りと恐怖が、入り交じる。
(藤堂!!早すぎる・・・!まさか、こんなに再生能力が高いなんて・・・!!)
銃を構え直し、辺りを探る。
「どこだ!!」
「ハハハ・・・」
「!」
「だから不死鳥の再生能力をナメてはいけないと言っただろう。
・・・やはり今の君達に、私を殺す事はできないね。
カルラの能力も大体掴めたし・・・そろそろ退散するかな。
ただ退散する前に・・・奥村くん、君に興味がある」
「化け物め!!」
「ハハハ?化け物?」
こんはにも撃ち込んでいるのに、再生能力は衰えを知らない。
バラバラになってる時でさえ、藤堂の揺さぶりの声は聞こえるまま。
「「僕は僕が嫌いだ」か・・・、ククク。青臭い自己否定だ。
その考え方には限界がある。悪魔落ちへの第一歩だな」
悪魔落ちだと・・・?この僕が?
「貴様と一緒にするな、悪魔が!!」
背後に忍び寄る魔の手を撃ち抜く。
(悪魔・・・そうだ、奴は悪魔だ・・・!僕は祓魔の基本中の基本を忘れていた。
"悪魔の甘言に耳を貸してはいけない"ナイアスの魔法弾は雨が降っている今なら、
通常の2~3倍の威力になるはず。冷静にならなければ・・・)
だが、考える余裕も与えられぬまま、雪男の体から藤堂の一部が現れた。
「君のお兄さんだって悪魔なのに、どうしてそんなに悪魔を拒むんだい?」
「!!ガッ」
顔を捕まれ、地面に倒される。
「いいじゃない、悪魔・・・」
顔の自由もきかず、銃を動かそうにも持っている手を制御され動かせない。
藤堂は余裕な笑みで続ける。
「君にもその要素があるだろう。ほら、もう一度見せてご覧」
だが、雪男の表情は険しいまま。期待しているものと違う。
「ん?・・・へぇ、悪魔は断固拒絶という訳か」
その時、錫杖が藤堂の顔に突き刺さってきた。
「・・・くおっ」
一瞬の隙。
「志摩くん・・・君か!」
その隙さえも、雪男は見逃さない。銃を藤堂の手の内から引き抜き、顔面に向かって弾丸を放った。
バシャと、水しぶきをあげる。そして、再生されかけていた右手を踏みつけた。
「ハァハァ・・・最後に聞いてやるクソが。お前は誰で何が目的だ」
「いいね、実にいい表情をしている。
悪魔の顔だ。それが君の本性だよ。だがまだまだだ、今の君には教えられないな」
「死ね」
我を忘れるかのように、雪男は無数の数の銃弾をぶちかます。
奴の再生が始まらないように、再び姿を造らぬように。
自分が自分を見失いそうにならぬよう・・・。
「・・・ハーッ、ハーッ」
他の人にはわからない、雪男の苦しみ。どう話せばいいのか・・・。
柔造はただ一言。
「・・・おい、大丈夫か?」
「大丈夫です、それより皆さん立てますか?奴はすぐ復活する。
捕獲はあきらめた方がいい、全力で逃げるんです」
「本陣はあの焔の結界ん中や」
「急ぎましょう」
くそ
あんなに心の中を見透かされたのは初めてだ。
くそ!
何も考えるな、もう何も考えるな。
くそ!!くそ・・・!!!
「くっそおお」
斬っても斬っても、不浄王は無傷同等のまま。
(俺は一体、何の為に・・・!
親父、俺に力を貸してくれ・・・!!)
《まったく・・・見てられんわい!》
「!?」
突如浮かぶ、焔を纏いし大鳥が現れていた。
「え!?何だ!!あ、悪魔!?」
《・・・フン。悪魔だ天使だ明王だなどというのは人間どもが勝手に呼んでいるだけのこと。
そういうお前は何者ぢゃ、神の炎を纏いし人間め・・・!ワシは不浄潔金剛ウチシュマー。
不浄王は長年のワシの宿敵ぢゃ。そしてその剣は元来ワシらの長の得物。
奴を倒すんならば、お前に炎の導き方というものを教えてやるんぢゃよ》
「・・・よくわかんねーけど・・・頼む、ウチシュマー!」
《仕方ないのう・・・》
言うや、ウチシュマーは降魔剣との装備を試みたのだ。
《ワシの唱えるマントラとストラを復唱するんぢゃ・・・!!》