第二十七話 深淵
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「すっ、勝呂サン・・・ど、どったの・・・?」
声を上げて笑う勝呂に、戸惑う燐に玲薇は目をパチクリさせる。
「あー・・・もうええわ・・・どうでもええわ!お前のそのカラ元気に乗っかったるわ」
上を見上げていた顔を、燐に真っ直ぐ向けて言った。
「友達やしな」
・・・友達・・・。あの勝呂がこの言葉を・・・。
「奥村」
名を呼ばれ、ハッと我に返る。
「お前を信じる」
「!!」
勝呂は自らを守る結界を解く。それを見て、不浄王は一度は諦めていたものの、再び勝呂に迫ってきた。
クソ親父、どうして俺を助けた。
こんな俺を、俺は何の為に助けられたんだ。
俺は、何の為に。
助けられたんだ
抜けた。いくらもがいてももがいても抜けなかった降魔剣が、ここでやっと抜けた。
「燐・・・!」
「奥村・・・(剣・・・抜けたんか・・・!)」
本来の力を取り戻した燐が、不浄王の身体を斬りつけた。
不浄王は青い炎に燃え尽くされる。
(抜けた・・・!!)
飛沫が憑かれた場所に、突如クナイが放たれる。
「勝呂くん!」
みんな、自分の力を最大限に出して戦ってるのに。
「オン シュリマリママリマリシュシュリソワカ!」
勝呂の身体についた飛沫が燃え上がった。
「シュラ!!」
「・・・これは・・・?」
唖然とする勝呂は、辺りを見る。そうだ、この青い光は先程一度見た。
「風美夜・・・」
「ハァ、ハァ・・・出来た・・・」
本当に一瞬だけど、力を分け与えることが。これで勝呂は大きな外傷はなくてすんだ。
「飛沫にだけに攻撃したつもりだったんだけどな。まぁ、これも成長出来る自信に繋がったか」
やれやれと、少し呆れぎみのシュラだが、銃を構えあの光を弾にしたのだろう玲薇の実力だ。
「玲薇、お前・・・」
いつの間に、こんなこと・・・。
しかし、力を全て放ったせいだろうか、玲薇まで守っていた淡い青い光は消えた。
ふらっと、気を失うように倒れ込むと同時に飛沫がまとわり突きだす。
「チッ」
シュラが体を支え、勝呂のもとへと一緒につき、今にも駆け寄りそうだった燐に叫んだ。
「勝呂と風美夜はアタシにまかせろ!もうあの化け物は素の人間に倒せる代物じゃない・・・。
お前に頼るしかないんだ。アタシと約束したろ、獅郎がお前を生かした事が正しかったと証明してみせるって・・・。
証明してみろ!!」
「・・・頼むで」
息使いも荒く、勝呂の言葉に頷く燐。シュラの腕の中で目を閉じた玲薇を見てから、不浄王に向かう。
「燐、あとお前に足りないのは自信だけだ。
自分の居場所を、自分で勝ち取れ・・・!」
《プルップアッ》
燃え上がる中、こんなもので倒れない不浄王は容赦なく突っ込んでくる燐に向け、無数の飛沫を撒き散らしていく。
それはまるで独立した生き物のようで確実に燐に迫り行く。力づくでなんとか退くもきりがない。
「こっ・・・コイツ、どうやって倒すんだ」
もがく燐を見て、シュラがつぶやく。
「・・・そう簡単じゃないか・・・!」
そして、予想もしたくなかった最悪な事態が起きた。勝呂までもが、ドサリと倒れたのだ。
「勝呂!!」
結界が全て、なくなった。その解かれる瞬間を子猫丸が、志摩が梺でみていた。
「・・・坊!坊に何かあったんや!!」
「ちょ、ちょちょ、瘴気が街に流れてまうやん!」
「いや、幸いこの激しい雨が胞子の拡散をおさえてくれとるようや。今はまだな」
《・・・不甲斐無い人間どもめ》
「「!?」」
どこからか聞こえた声。これはいったい・・・。
「やはり持たなかったな。さぁ、どうする。地獄の窯の蓋が開いた」
空から眺めているメフィスト。
「怪物と戦う祓魔師達に、ニーチェの「善悪の彼岸」から言葉を贈ろう。
"怪物と戦う者は、自らが怪物とならぬよう心せねばならない"
"何故ならお前が深淵を見つめる時、深淵もまたお前を見つめ返すのだから"」
声を上げて笑う勝呂に、戸惑う燐に玲薇は目をパチクリさせる。
「あー・・・もうええわ・・・どうでもええわ!お前のそのカラ元気に乗っかったるわ」
上を見上げていた顔を、燐に真っ直ぐ向けて言った。
「友達やしな」
・・・友達・・・。あの勝呂がこの言葉を・・・。
「奥村」
名を呼ばれ、ハッと我に返る。
「お前を信じる」
「!!」
勝呂は自らを守る結界を解く。それを見て、不浄王は一度は諦めていたものの、再び勝呂に迫ってきた。
クソ親父、どうして俺を助けた。
こんな俺を、俺は何の為に助けられたんだ。
俺は、何の為に。
助けられたんだ
抜けた。いくらもがいてももがいても抜けなかった降魔剣が、ここでやっと抜けた。
「燐・・・!」
「奥村・・・(剣・・・抜けたんか・・・!)」
本来の力を取り戻した燐が、不浄王の身体を斬りつけた。
不浄王は青い炎に燃え尽くされる。
(抜けた・・・!!)
飛沫が憑かれた場所に、突如クナイが放たれる。
「勝呂くん!」
みんな、自分の力を最大限に出して戦ってるのに。
「オン シュリマリママリマリシュシュリソワカ!」
勝呂の身体についた飛沫が燃え上がった。
「シュラ!!」
「・・・これは・・・?」
唖然とする勝呂は、辺りを見る。そうだ、この青い光は先程一度見た。
「風美夜・・・」
「ハァ、ハァ・・・出来た・・・」
本当に一瞬だけど、力を分け与えることが。これで勝呂は大きな外傷はなくてすんだ。
「飛沫にだけに攻撃したつもりだったんだけどな。まぁ、これも成長出来る自信に繋がったか」
やれやれと、少し呆れぎみのシュラだが、銃を構えあの光を弾にしたのだろう玲薇の実力だ。
「玲薇、お前・・・」
いつの間に、こんなこと・・・。
しかし、力を全て放ったせいだろうか、玲薇まで守っていた淡い青い光は消えた。
ふらっと、気を失うように倒れ込むと同時に飛沫がまとわり突きだす。
「チッ」
シュラが体を支え、勝呂のもとへと一緒につき、今にも駆け寄りそうだった燐に叫んだ。
「勝呂と風美夜はアタシにまかせろ!もうあの化け物は素の人間に倒せる代物じゃない・・・。
お前に頼るしかないんだ。アタシと約束したろ、獅郎がお前を生かした事が正しかったと証明してみせるって・・・。
証明してみろ!!」
「・・・頼むで」
息使いも荒く、勝呂の言葉に頷く燐。シュラの腕の中で目を閉じた玲薇を見てから、不浄王に向かう。
「燐、あとお前に足りないのは自信だけだ。
自分の居場所を、自分で勝ち取れ・・・!」
《プルップアッ》
燃え上がる中、こんなもので倒れない不浄王は容赦なく突っ込んでくる燐に向け、無数の飛沫を撒き散らしていく。
それはまるで独立した生き物のようで確実に燐に迫り行く。力づくでなんとか退くもきりがない。
「こっ・・・コイツ、どうやって倒すんだ」
もがく燐を見て、シュラがつぶやく。
「・・・そう簡単じゃないか・・・!」
そして、予想もしたくなかった最悪な事態が起きた。勝呂までもが、ドサリと倒れたのだ。
「勝呂!!」
結界が全て、なくなった。その解かれる瞬間を子猫丸が、志摩が梺でみていた。
「・・・坊!坊に何かあったんや!!」
「ちょ、ちょちょ、瘴気が街に流れてまうやん!」
「いや、幸いこの激しい雨が胞子の拡散をおさえてくれとるようや。今はまだな」
《・・・不甲斐無い人間どもめ》
「「!?」」
どこからか聞こえた声。これはいったい・・・。
「やはり持たなかったな。さぁ、どうする。地獄の窯の蓋が開いた」
空から眺めているメフィスト。
「怪物と戦う祓魔師達に、ニーチェの「善悪の彼岸」から言葉を贈ろう。
"怪物と戦う者は、自らが怪物とならぬよう心せねばならない"
"何故ならお前が深淵を見つめる時、深淵もまたお前を見つめ返すのだから"」