第二十七話 深淵
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「ぐは」
「うああ!」
爆発が巻き起こす風に、思わず飛ばされそうになる柔造達。
雪男はその場に堪え、対象から目を放さない。
(そして、藤堂の乗り換えた悪魔がカルラ・・・不死鳥だとすれば・・・負傷した肉体組織は灰となる)
地面から這い出てくる藤堂。
「成程。オーバーヒートを狙ってたのか・・・!食べ過ぎは禁物という事だね、いい勉強になったよ。
だが、不死鳥の再生能力をナメてもらっては困る。!?」
再生中だというのに、体がもとに戻らない。なぜ、そう思うも、すぐ理解した。
「・・・!!そうか、雨」
いつの間にか降りだしていたこの雨に邪魔されていたのだ。
雪男が静かに語り出す。
「不死の体も灰となって水に溶けてしまえば、そう簡単に再生できないはずだ」
少量の水でだめなら大量の水で。運良く降りだしてくれた雨を利用しないわけがない。
「参ったね、君には。まさかこんな・・・お、おお?」
再生しきれず、崩れ落ちる藤堂の体。
これで倒したとは思っていないが、やっと一息つける。
「やった・・・んか?」
「時間稼ぎにはなるでしょうが・・・一刻も早く体の部位をバラバラに拘束しなければ、いずれは再生します」
「判った・・・千草・熊谷!本隊に応援を頼んでくるんや」
「「はい」」
これで戦いは終わる。なのに、雪男はモヤモヤとした気持ちは拭いきれていない。
(嫌な予感がする。何故だ・・・?不浄王について、藤堂を拘束後、何か聞き出せればいいが・・・)
「おーく、むーら、くんっ」
「!!」
背後からの不気味な呼び掛けに、真っ青な表情で雪男は振り向いた。
ーーーーー
一旦、避難を余儀なくさせられたシュラ率いる八百造らはなんとか最悪の事態は免れていた。
「これで全員か!?」
「はい!間違いありません・・・!」
すぐさま次の作戦を立てるべく、蠎、シュラ、八百造での話合いが始まった。
「焔の結界ん中は、もはや人の活動限界を越えた濃度の瘴気や。この結界で最悪の事態は免れとるが・・・」
「・・・一体、誰がこんな高度な結界を?」
「恐らく、和尚や・・・」
「違う!!」
そう、切羽詰まった叫びで言ったのは紛れもはい、子猫丸と志摩だった。
「子猫丸・・・!廉造!!」
二人は互いに傷を覆い、重たい足取りにも構わず手を貸し合い無事に辿りつけたのだ。
これでようやく、助けを呼べる。
「違います、八百造さま。あの結界を作りはったんは坊や!!坊はまだ、今あん中にいはるんです!」
「「!!!」」
「なんやと・・・!!」
「和尚は神木さんと杜山さんが東山道あたりで看てくれとる」
「お願いします・・・!!みんなを助けてください!!」
教え子達がここまで必死に来てくれた。それに大人である自分らがしっかりしないでどうする。
「・・・判った」
「!」
「霧隠隊長・・・!?」
「私は、一足先に勝呂・奥村の援護に行きます」
「よし・・・二人に話を聞いてから、精鋭を組織して応援に向かわせる!」
「頼みます」
反対の意見も言わずに聞いてくれたことが、何より嬉しい。
「三輪、志摩、よくやった・・・!」
二人の間でボソッと言いながら頭に手を乗せて、シュラは足早にいなくなる。
「・・・こんなんだけじゃ、割合わんわ・・・せめてパフパフしてくれんと・・・」
こちとら、命懸けだったのだ。それくらい罰は当たらんだろう。
しかし、子猫丸はあからさまに嫌みを含め言い放った。
「元気やんけ・・・」
倒れてしまった和尚を助けていた出雲としえみにも魔の手は襲いかかっている。
胞子に捕らえられた出雲は手も足も出ず、使い魔である緑男を巨大化させていたしえみが奮闘をしていた。
「羊歯(しだ)や苔(こけ)は、菌の悪魔に強いはず・・・!!ニーちゃん!まずはポック・・・う、ううん、
ゼニゴケとツノゴケで菌の表面を覆って!!」
「ニオ"~!!」
「次、マツバラン!トクサ!!ハナヤスリ!!」
次々に召喚していくしえみ。すでに肩で息をしている状態だ。いくら嫌な奴といえど、心配しない訳がない。
(アイツ・・・!!あんなに悪魔を使って・・・大丈夫なの・・・!?)
「うああ!」
爆発が巻き起こす風に、思わず飛ばされそうになる柔造達。
雪男はその場に堪え、対象から目を放さない。
(そして、藤堂の乗り換えた悪魔がカルラ・・・不死鳥だとすれば・・・負傷した肉体組織は灰となる)
地面から這い出てくる藤堂。
「成程。オーバーヒートを狙ってたのか・・・!食べ過ぎは禁物という事だね、いい勉強になったよ。
だが、不死鳥の再生能力をナメてもらっては困る。!?」
再生中だというのに、体がもとに戻らない。なぜ、そう思うも、すぐ理解した。
「・・・!!そうか、雨」
いつの間にか降りだしていたこの雨に邪魔されていたのだ。
雪男が静かに語り出す。
「不死の体も灰となって水に溶けてしまえば、そう簡単に再生できないはずだ」
少量の水でだめなら大量の水で。運良く降りだしてくれた雨を利用しないわけがない。
「参ったね、君には。まさかこんな・・・お、おお?」
再生しきれず、崩れ落ちる藤堂の体。
これで倒したとは思っていないが、やっと一息つける。
「やった・・・んか?」
「時間稼ぎにはなるでしょうが・・・一刻も早く体の部位をバラバラに拘束しなければ、いずれは再生します」
「判った・・・千草・熊谷!本隊に応援を頼んでくるんや」
「「はい」」
これで戦いは終わる。なのに、雪男はモヤモヤとした気持ちは拭いきれていない。
(嫌な予感がする。何故だ・・・?不浄王について、藤堂を拘束後、何か聞き出せればいいが・・・)
「おーく、むーら、くんっ」
「!!」
背後からの不気味な呼び掛けに、真っ青な表情で雪男は振り向いた。
ーーーーー
一旦、避難を余儀なくさせられたシュラ率いる八百造らはなんとか最悪の事態は免れていた。
「これで全員か!?」
「はい!間違いありません・・・!」
すぐさま次の作戦を立てるべく、蠎、シュラ、八百造での話合いが始まった。
「焔の結界ん中は、もはや人の活動限界を越えた濃度の瘴気や。この結界で最悪の事態は免れとるが・・・」
「・・・一体、誰がこんな高度な結界を?」
「恐らく、和尚や・・・」
「違う!!」
そう、切羽詰まった叫びで言ったのは紛れもはい、子猫丸と志摩だった。
「子猫丸・・・!廉造!!」
二人は互いに傷を覆い、重たい足取りにも構わず手を貸し合い無事に辿りつけたのだ。
これでようやく、助けを呼べる。
「違います、八百造さま。あの結界を作りはったんは坊や!!坊はまだ、今あん中にいはるんです!」
「「!!!」」
「なんやと・・・!!」
「和尚は神木さんと杜山さんが東山道あたりで看てくれとる」
「お願いします・・・!!みんなを助けてください!!」
教え子達がここまで必死に来てくれた。それに大人である自分らがしっかりしないでどうする。
「・・・判った」
「!」
「霧隠隊長・・・!?」
「私は、一足先に勝呂・奥村の援護に行きます」
「よし・・・二人に話を聞いてから、精鋭を組織して応援に向かわせる!」
「頼みます」
反対の意見も言わずに聞いてくれたことが、何より嬉しい。
「三輪、志摩、よくやった・・・!」
二人の間でボソッと言いながら頭に手を乗せて、シュラは足早にいなくなる。
「・・・こんなんだけじゃ、割合わんわ・・・せめてパフパフしてくれんと・・・」
こちとら、命懸けだったのだ。それくらい罰は当たらんだろう。
しかし、子猫丸はあからさまに嫌みを含め言い放った。
「元気やんけ・・・」
倒れてしまった和尚を助けていた出雲としえみにも魔の手は襲いかかっている。
胞子に捕らえられた出雲は手も足も出ず、使い魔である緑男を巨大化させていたしえみが奮闘をしていた。
「羊歯(しだ)や苔(こけ)は、菌の悪魔に強いはず・・・!!ニーちゃん!まずはポック・・・う、ううん、
ゼニゴケとツノゴケで菌の表面を覆って!!」
「ニオ"~!!」
「次、マツバラン!トクサ!!ハナヤスリ!!」
次々に召喚していくしえみ。すでに肩で息をしている状態だ。いくら嫌な奴といえど、心配しない訳がない。
(アイツ・・・!!あんなに悪魔を使って・・・大丈夫なの・・・!?)