第二十六話 結界呪
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うわぁ・・・」
いつみても、勝呂の詠唱のスゴさに感動させられる。
それは燐も同じようで、声を張り上げていた。
「すげー勝呂!やっぱカッケーな、クソ!!」
《かっけーな、スグロ!!》
《・・・ふん。対した奴だ》
あまり人を誉めることもないリニュウでも、勝呂の強さを認めた。
ひとまず結界は、クリアだ。
「・・・・・・・」
先程まで銃を打ち続けていた雪男。
「おや?」
だが、雪男は腕を降ろしたのだ。
「どうしちゃったのかな。もう疲れちゃったかい?」
が、雪男は二ッと口角を上げる。その瞬間、藤堂を囲むように魔法陣が光出した。
「!!いつの間に・・・!」
「コリュキアメライナクレオドラクレオカレイア」
魔法陣の一つに、藤堂に傷をつけられ腕から流れ出ていた血を流していく。
「バイテアドロセアソライアベリボイア」
「成程。的を外しているようにみせて、そのナイアスの魔法弾でナイアス召喚の魔法円を描いていたとは・・・。
君は本当に、優秀だ」
『雪男』
あの時、シュラに言われた言葉を思い出す。
『せめて自分には正直でいろよ』
「僕は、兄が好きだし嫌いだ!・・・だがそれ以上に、弱くて小さい自分が大嫌いだった。
僕が本当に大嫌いなのは、僕自身だ!!」
そして、誰より玲薇が好きだ。
「ナイアスの水牢!!」
空中に浮く水の塊の中に、藤堂は動きを封じられ、呼吸さえも出来なくなる。
しかし、雪男も体制を崩していた。
「・・・う、ハアッハア(初めてやったが、悪魔の召喚がこんなに消耗するものなんて・・・)」
「ははは」
「!」
奴の笑い声。
「やるなぁ~!!」
息苦しそうに蠢いていた藤堂はもう、そこにはいない。
パチパチと陽気に拍手をし、藤堂を捉えていた水の牢が蒸発していってしまっている。
・・・これでもダメなのか・・・。
「手騎士の称号を持たずに、よくこれだけのナイアスを召喚できたものだ・・・!だが、まだ拙(つたな)いね」
水爆発すると同時に、雪男は弾き飛ばされる。
体は木に勢いよく当たり、その拍子で眼鏡が取れた。
「ゴホ」
立ち直る前に、藤堂に首を掴まれる。逃げ場がない。
「・・・それが君の答えか・・・。いや、君は思った以上に面白い。だが、残念だな。
一旦ここで死んでもらおう。はてさて、人間一人灰にするのにどの位かかるのか。
ちゃんと時間を計っておかなければね」
兄さん・・・!玲薇・・・!
「「!!」」
名を呼ばれたような気がした。ここにはいないのに・・・。
「「雪・・・男?」」
互いの声が聞こえ、燐と玲薇は顔を合わせる。
今のは、いったい何・・・?
「奥村、前!!」
「「!!」」
勝呂の叫びに、現実に引き戻る。
「燐!」
「うおッ、と!!」
襲いかかる飛沫を受け止める。その根元を玲薇は撃ち抜いた。
降魔剣に張り付いた残りの触手を、燐は弾き払う。
「サンキュー、玲薇」
燐の側に駆けよってきた彼女に礼を言う。
「うん・・・ねぇ、さっき雪男の声が聞こえたの」
不安そうな表情に、燐の表情も曇る。
「雪男が・・・」
「アイツなら大丈夫だ!」
ガシッと、片手で玲薇の肩を掴む。しっかりさせなければ。
「雪男は俺らなんかより、強いだろ!」
「・・・うん・・・」
ボン!!
「「「!!」」」
うつむいていた玲薇の顔も、燐も勝呂も、その異様な音に唖然とした。
胞子嚢が気持ち悪いくらいに早く脈打ちだしている。
「な・・・これ・・・」
よろよろと、玲薇は、後ずさる。
「おいおいおい!そろそろやべーんじゃねーか!?」
「・・・もう破裂まで秒読みかもしれへん・・・!」
「どーりで・・・この辺のザコの動きも速くなってきたはずだぜ」
「倒しても倒しても、意味がないように思えてきた・・・」
本当に、こんなのに勝てるのか。
《竜士》
今にも飛び出しそうな勝呂に、カルラが注意をする。
《触地印を崩すな。その印を崩すと、結界も解けてしまうぞ》
「いちいち言われんでも判っとる!! 死んでも崩さへんわ!」
「ピリピリすんなよ、姫さま・・・」
「姫やめえや!!」
「まったく・・・」
「今からそれじゃあ、後で倒れるぞ!」
いつみても、勝呂の詠唱のスゴさに感動させられる。
それは燐も同じようで、声を張り上げていた。
「すげー勝呂!やっぱカッケーな、クソ!!」
《かっけーな、スグロ!!》
《・・・ふん。対した奴だ》
あまり人を誉めることもないリニュウでも、勝呂の強さを認めた。
ひとまず結界は、クリアだ。
「・・・・・・・」
先程まで銃を打ち続けていた雪男。
「おや?」
だが、雪男は腕を降ろしたのだ。
「どうしちゃったのかな。もう疲れちゃったかい?」
が、雪男は二ッと口角を上げる。その瞬間、藤堂を囲むように魔法陣が光出した。
「!!いつの間に・・・!」
「コリュキアメライナクレオドラクレオカレイア」
魔法陣の一つに、藤堂に傷をつけられ腕から流れ出ていた血を流していく。
「バイテアドロセアソライアベリボイア」
「成程。的を外しているようにみせて、そのナイアスの魔法弾でナイアス召喚の魔法円を描いていたとは・・・。
君は本当に、優秀だ」
『雪男』
あの時、シュラに言われた言葉を思い出す。
『せめて自分には正直でいろよ』
「僕は、兄が好きだし嫌いだ!・・・だがそれ以上に、弱くて小さい自分が大嫌いだった。
僕が本当に大嫌いなのは、僕自身だ!!」
そして、誰より玲薇が好きだ。
「ナイアスの水牢!!」
空中に浮く水の塊の中に、藤堂は動きを封じられ、呼吸さえも出来なくなる。
しかし、雪男も体制を崩していた。
「・・・う、ハアッハア(初めてやったが、悪魔の召喚がこんなに消耗するものなんて・・・)」
「ははは」
「!」
奴の笑い声。
「やるなぁ~!!」
息苦しそうに蠢いていた藤堂はもう、そこにはいない。
パチパチと陽気に拍手をし、藤堂を捉えていた水の牢が蒸発していってしまっている。
・・・これでもダメなのか・・・。
「手騎士の称号を持たずに、よくこれだけのナイアスを召喚できたものだ・・・!だが、まだ拙(つたな)いね」
水爆発すると同時に、雪男は弾き飛ばされる。
体は木に勢いよく当たり、その拍子で眼鏡が取れた。
「ゴホ」
立ち直る前に、藤堂に首を掴まれる。逃げ場がない。
「・・・それが君の答えか・・・。いや、君は思った以上に面白い。だが、残念だな。
一旦ここで死んでもらおう。はてさて、人間一人灰にするのにどの位かかるのか。
ちゃんと時間を計っておかなければね」
兄さん・・・!玲薇・・・!
「「!!」」
名を呼ばれたような気がした。ここにはいないのに・・・。
「「雪・・・男?」」
互いの声が聞こえ、燐と玲薇は顔を合わせる。
今のは、いったい何・・・?
「奥村、前!!」
「「!!」」
勝呂の叫びに、現実に引き戻る。
「燐!」
「うおッ、と!!」
襲いかかる飛沫を受け止める。その根元を玲薇は撃ち抜いた。
降魔剣に張り付いた残りの触手を、燐は弾き払う。
「サンキュー、玲薇」
燐の側に駆けよってきた彼女に礼を言う。
「うん・・・ねぇ、さっき雪男の声が聞こえたの」
不安そうな表情に、燐の表情も曇る。
「雪男が・・・」
「アイツなら大丈夫だ!」
ガシッと、片手で玲薇の肩を掴む。しっかりさせなければ。
「雪男は俺らなんかより、強いだろ!」
「・・・うん・・・」
ボン!!
「「「!!」」」
うつむいていた玲薇の顔も、燐も勝呂も、その異様な音に唖然とした。
胞子嚢が気持ち悪いくらいに早く脈打ちだしている。
「な・・・これ・・・」
よろよろと、玲薇は、後ずさる。
「おいおいおい!そろそろやべーんじゃねーか!?」
「・・・もう破裂まで秒読みかもしれへん・・・!」
「どーりで・・・この辺のザコの動きも速くなってきたはずだぜ」
「倒しても倒しても、意味がないように思えてきた・・・」
本当に、こんなのに勝てるのか。
《竜士》
今にも飛び出しそうな勝呂に、カルラが注意をする。
《触地印を崩すな。その印を崩すと、結界も解けてしまうぞ》
「いちいち言われんでも判っとる!! 死んでも崩さへんわ!」
「ピリピリすんなよ、姫さま・・・」
「姫やめえや!!」
「まったく・・・」
「今からそれじゃあ、後で倒れるぞ!」