第二十六話 結界呪
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「・・・貴様のペースには、乗らない」
いまの、精一杯の言葉。
「へー。それで冷静なつもりかぁ。君、今日までそうやって自分自身から目を背けてきたんだね」
僕は
ーーーーー
「ぎゃっははははは!!」
「!」
どこからともかく、燐の下品な笑い声が聞こえる。
みんなを探しながら戻った金剛深山付近で、どうやら不浄王のいる所まで来れたようだ。
なぜ、わざわざこんな所を捜しに来たか。それは、リニュウの意見でもあった。
ふもとからちんたらみんなを捜している暇はないと。だったら、いっそのこと不浄王のいる所まで来たほうが早いと。
「やべー、たけぇ!」
「ぐわあぁあ!シッ、シヌ!!」
「ウヒヒ!!」
どうやら、燐と一緒に勝呂もいるようだ。
城となっている不浄王の角を曲がるリニュウ。
《うわぁ!》
「「「!!!」」」
同時に角を曲がったのだろう。危うく、巨大化していたクロと激突しそうになる。
だがリニュウがすんでのところで軌道を変えてくれたので、どうにか助かった。
「燐!勝呂くん!」
「玲薇!」
やっと、戻ってこれた。しかし、なぜよりによってこんな危険な場所なのだ。
「なんでこないなとこにいる!?」
クロの後ろに腰を引かしながら乗ってる勝呂に、怒鳴るように聞かれた。
「ここに来た方が、早くみんなに会えると思ったからよ!」
「アホ抜かせ!せやったらふもとのみんな と合流せぇよかったやろ!」
「あーもー、いいじゃない!来ちゃったんだから!!」
(・・・クソー。俺の入る隙が・・・)
玲薇は俺の・・・。
《あしをつけるとおそってくる!》
脳裏でそんな事を考えていた燐に、クロが話かける。
《たてものみたいだけど、やっぱりすだまなんだ!》
玲薇とリニュウには、確かに飛沫は襲っていない。
不浄王に足をつけていないから、という事だからだろう。
しかし、こうも飛沫が襲ってきてはどうしようもない。
勝呂の肩に乗っている小さなカルラが言った。
《これでは触地印・・・結界の中心点を穿つ場所がないな》
「!?」
その初めて見た悪魔に、玲薇は目を見開く。
「それ以前に、ゆっくり呪い唱える余裕もないわ!」
「・・・ねぇ、その悪魔は勝呂くんの使い魔・・・?」
燐とは反対に、綺麗な赤い炎が揺らめいている。
「・・・そうや」
どこかぎこちない返事に、それ以上強く聞かないようにした。
「・・・クロ!どっか胞子嚢に一番近い足場になるような場所、ないか?」
《さがしてみる》
胞子嚢・・・その大きさは尋常ではない。まだまだ根本からは遠い筈なのに、近くにあるような感覚だ。
(結界呪は一度しか聞けへんかった。正直、完璧に耳コピできたか自信ない。
仮に結界張れたとしても、あんなモンどうやって・・・!)
真剣に悩む勝呂に対し、ぐきゅーと燐の腹の虫が鳴る。
・・・これは、玲薇をこちらに向けさせるチャンス。
「あー。アレ、巨大な肉まんに見えてきた・・・」
なんて、呑気な事を言う。
「・・・肉まん・・・見えたとしても、不味そうだよ」
「なんでもいいんだよ。俺、夕飯喰いっぱぐれてっから」
「・・・それは、燐だけじゃないけどね」
「はぁ!?なんだよ!俺に構ってほしいなら、ちゃんと言えよ」
自分から話を持ちかけたかった、とは言える訳もなくつい意地を張ってやる。
「なっ・・・それは燐でしょ!?」
カッと、玲薇の頬がほんのり赤くなった。
イチャイチャな感じの雰囲気を漂わせ出す二人に、呆れ出す勝呂。
「・・・こないな状況で、よう平気でおれるな・・・」
ハッと、我に返る玲薇はふいっと燐から顔を反らす。
照れを隠す彼女に、燐が優しい眼差しで見守っていた。
そして、勝呂に言った。
「はは、まあな」
近くに玲薇がいる。それだけで、自分が強くいれるような気がするのだ。
「俺は正直、恐ろしい」
「そりゃ、お前がジャンケン負けたからしょーがねーだろ!」
「ジャンケン?」
思わず玲薇が問う。
「そーゆう話やない、ボケ!!」
しかし、彼女の問いは勝呂の一喝でかき消された。
「お前かて、剣抜けへんねやったらただの棒キレ持った怪力やろ!」
(・・・そうだ。燐は・・・)
「ちっとは怖くないんか!?」
まだ、降魔剣を抜けていない。
いまの、精一杯の言葉。
「へー。それで冷静なつもりかぁ。君、今日までそうやって自分自身から目を背けてきたんだね」
僕は
ーーーーー
「ぎゃっははははは!!」
「!」
どこからともかく、燐の下品な笑い声が聞こえる。
みんなを探しながら戻った金剛深山付近で、どうやら不浄王のいる所まで来れたようだ。
なぜ、わざわざこんな所を捜しに来たか。それは、リニュウの意見でもあった。
ふもとからちんたらみんなを捜している暇はないと。だったら、いっそのこと不浄王のいる所まで来たほうが早いと。
「やべー、たけぇ!」
「ぐわあぁあ!シッ、シヌ!!」
「ウヒヒ!!」
どうやら、燐と一緒に勝呂もいるようだ。
城となっている不浄王の角を曲がるリニュウ。
《うわぁ!》
「「「!!!」」」
同時に角を曲がったのだろう。危うく、巨大化していたクロと激突しそうになる。
だがリニュウがすんでのところで軌道を変えてくれたので、どうにか助かった。
「燐!勝呂くん!」
「玲薇!」
やっと、戻ってこれた。しかし、なぜよりによってこんな危険な場所なのだ。
「なんでこないなとこにいる!?」
クロの後ろに腰を引かしながら乗ってる勝呂に、怒鳴るように聞かれた。
「ここに来た方が、早くみんなに会えると思ったからよ!」
「アホ抜かせ!せやったらふもとのみんな と合流せぇよかったやろ!」
「あーもー、いいじゃない!来ちゃったんだから!!」
(・・・クソー。俺の入る隙が・・・)
玲薇は俺の・・・。
《あしをつけるとおそってくる!》
脳裏でそんな事を考えていた燐に、クロが話かける。
《たてものみたいだけど、やっぱりすだまなんだ!》
玲薇とリニュウには、確かに飛沫は襲っていない。
不浄王に足をつけていないから、という事だからだろう。
しかし、こうも飛沫が襲ってきてはどうしようもない。
勝呂の肩に乗っている小さなカルラが言った。
《これでは触地印・・・結界の中心点を穿つ場所がないな》
「!?」
その初めて見た悪魔に、玲薇は目を見開く。
「それ以前に、ゆっくり呪い唱える余裕もないわ!」
「・・・ねぇ、その悪魔は勝呂くんの使い魔・・・?」
燐とは反対に、綺麗な赤い炎が揺らめいている。
「・・・そうや」
どこかぎこちない返事に、それ以上強く聞かないようにした。
「・・・クロ!どっか胞子嚢に一番近い足場になるような場所、ないか?」
《さがしてみる》
胞子嚢・・・その大きさは尋常ではない。まだまだ根本からは遠い筈なのに、近くにあるような感覚だ。
(結界呪は一度しか聞けへんかった。正直、完璧に耳コピできたか自信ない。
仮に結界張れたとしても、あんなモンどうやって・・・!)
真剣に悩む勝呂に対し、ぐきゅーと燐の腹の虫が鳴る。
・・・これは、玲薇をこちらに向けさせるチャンス。
「あー。アレ、巨大な肉まんに見えてきた・・・」
なんて、呑気な事を言う。
「・・・肉まん・・・見えたとしても、不味そうだよ」
「なんでもいいんだよ。俺、夕飯喰いっぱぐれてっから」
「・・・それは、燐だけじゃないけどね」
「はぁ!?なんだよ!俺に構ってほしいなら、ちゃんと言えよ」
自分から話を持ちかけたかった、とは言える訳もなくつい意地を張ってやる。
「なっ・・・それは燐でしょ!?」
カッと、玲薇の頬がほんのり赤くなった。
イチャイチャな感じの雰囲気を漂わせ出す二人に、呆れ出す勝呂。
「・・・こないな状況で、よう平気でおれるな・・・」
ハッと、我に返る玲薇はふいっと燐から顔を反らす。
照れを隠す彼女に、燐が優しい眼差しで見守っていた。
そして、勝呂に言った。
「はは、まあな」
近くに玲薇がいる。それだけで、自分が強くいれるような気がするのだ。
「俺は正直、恐ろしい」
「そりゃ、お前がジャンケン負けたからしょーがねーだろ!」
「ジャンケン?」
思わず玲薇が問う。
「そーゆう話やない、ボケ!!」
しかし、彼女の問いは勝呂の一喝でかき消された。
「お前かて、剣抜けへんねやったらただの棒キレ持った怪力やろ!」
(・・・そうだ。燐は・・・)
「ちっとは怖くないんか!?」
まだ、降魔剣を抜けていない。