第二十五話 紅蓮
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玲薇が戻ることなく、燐と仲間たちはみなそれぞれ二人一組になり目的を果たそうとしていた。
「結局・・・風美夜の奴、戻って気ぃひんかったな」
燐の後ろを走る勝呂が、息を荒くしながら言う。
「・・・・・・」
何も言い返せない燐。当たり前だ、勝呂だけではなく彼もまた心配していた。
別れたところにはもう誰の姿もない。リニュウがいて、心配することはないと思う。
それでも、気が気ではなかった。離れたことを今さら後悔していた。
生い茂る木々の間をひた走る。前へ、前へ・・・。
すると、この場に似合わぬ"建物"が、目の前に飛び込んだ。
「えっ!?なんだ、こりゃ・・・!!」
これが、みんなが言う不浄王なのだろう。けれど、どっからどう見ても立派な城にしか見えなく、
そこで住めるんじゃないかとさえ思わせるものだった。足を止め、燐が素直な感想を述べる。
「どんどんフツーの建物みてーになってきたぞ!?」
「・・・クソッ。早よせんと、マズイかもしれん!・・・急がんと!!」
二人がいない筈の場所から、カサッと物音が響く。
「「!!」」
ハッとし、そこを見れば燐の使い魔である猫又が現れた。
《りん!》
「クロ!!」
よもやこんな所にクロがいたとは。
《りん、にげろ!》
「え!?」
クロの忠告の言葉に驚き、燐は聞き返す。
《このやま、"すだま"のばけものにとりつかれてる!すごいやなにおいがするから、あぶないんだぞ!》
燐にはクロの言葉は分かるものの、勝呂は分からず一人と一匹を交互に見比べている。
「不浄王の事か?」
"すだま"と聞きなれぬ言葉だが、なんとなくわかった。
「わかってるけど、そーゆーワケにいかねーんだ。俺達はコイツ倒すために、上まで登んねーと」
《なにーっ!?むちゃだ!おはなしのつうじるあいてじゃないぞ!!》
「でも、誰かがやんねぇとヤベーんだよ」
燐は、いっこうに折れようとしてくれない。
《ぅ~・・・ばかだ、りんは!》
「「!?」」
その拍子に、巨大化するクロ。
《あぶないから、おれがつれてく!》
「まじで!?」
願ったり叶ったりの話だ。
「クロ・・・!!なんていい奴だ!勝呂、乗っけてもらおう!」
「エェッのる!?」
一方、志摩と子猫丸は達磨らの話をシュラに仲間に伝えるために山を下りる途中だった。
「子猫さん・・・子猫さん、待って!!」
「・・・!!志摩さんは、帰りたいんやったら帰ればええよ!」
「ちゃう!前!!」
「!!」
志摩に教えられ、初めて気づいた。道をふさがれている。
「不浄王の一部や・・・!」
「ほ・・・他に道なかったっけ?」
「本山までの道は、ここしか知らへんよ!どないしよう」
「・・・・・・まじか・・・」
「ゲホッ、ゴホッ」
「和尚さん・・・!!」
勝呂に結界呪を教えた後に倒れてから、達磨の咳は激し過ぎる。身動きさえ、とれないようだ。
達磨に寄り添うしえみが、水筒を取り出した。それに気づいた出雲が訊ねる。
「それ、薬草茶よね・・・?効かないのかしら」
「不浄王の出す瘴気が濃すぎるのかも。それに、沢山血を失ってて免疫力も落ちてるし・・・。
私が、二ーちゃんを呼べればな。強い魔除けや失血に効く薬草も用意できるのに・・・!」
弱音を吐くしえみに、出雲は立ち上がる。
「そんな事を言っててもしょうがない。山を降りて、病院に連れてくわよ!
私達は、この人の事頼まれた責任があるんだから」
「う・・・うん!」
「結局・・・風美夜の奴、戻って気ぃひんかったな」
燐の後ろを走る勝呂が、息を荒くしながら言う。
「・・・・・・」
何も言い返せない燐。当たり前だ、勝呂だけではなく彼もまた心配していた。
別れたところにはもう誰の姿もない。リニュウがいて、心配することはないと思う。
それでも、気が気ではなかった。離れたことを今さら後悔していた。
生い茂る木々の間をひた走る。前へ、前へ・・・。
すると、この場に似合わぬ"建物"が、目の前に飛び込んだ。
「えっ!?なんだ、こりゃ・・・!!」
これが、みんなが言う不浄王なのだろう。けれど、どっからどう見ても立派な城にしか見えなく、
そこで住めるんじゃないかとさえ思わせるものだった。足を止め、燐が素直な感想を述べる。
「どんどんフツーの建物みてーになってきたぞ!?」
「・・・クソッ。早よせんと、マズイかもしれん!・・・急がんと!!」
二人がいない筈の場所から、カサッと物音が響く。
「「!!」」
ハッとし、そこを見れば燐の使い魔である猫又が現れた。
《りん!》
「クロ!!」
よもやこんな所にクロがいたとは。
《りん、にげろ!》
「え!?」
クロの忠告の言葉に驚き、燐は聞き返す。
《このやま、"すだま"のばけものにとりつかれてる!すごいやなにおいがするから、あぶないんだぞ!》
燐にはクロの言葉は分かるものの、勝呂は分からず一人と一匹を交互に見比べている。
「不浄王の事か?」
"すだま"と聞きなれぬ言葉だが、なんとなくわかった。
「わかってるけど、そーゆーワケにいかねーんだ。俺達はコイツ倒すために、上まで登んねーと」
《なにーっ!?むちゃだ!おはなしのつうじるあいてじゃないぞ!!》
「でも、誰かがやんねぇとヤベーんだよ」
燐は、いっこうに折れようとしてくれない。
《ぅ~・・・ばかだ、りんは!》
「「!?」」
その拍子に、巨大化するクロ。
《あぶないから、おれがつれてく!》
「まじで!?」
願ったり叶ったりの話だ。
「クロ・・・!!なんていい奴だ!勝呂、乗っけてもらおう!」
「エェッのる!?」
一方、志摩と子猫丸は達磨らの話をシュラに仲間に伝えるために山を下りる途中だった。
「子猫さん・・・子猫さん、待って!!」
「・・・!!志摩さんは、帰りたいんやったら帰ればええよ!」
「ちゃう!前!!」
「!!」
志摩に教えられ、初めて気づいた。道をふさがれている。
「不浄王の一部や・・・!」
「ほ・・・他に道なかったっけ?」
「本山までの道は、ここしか知らへんよ!どないしよう」
「・・・・・・まじか・・・」
「ゲホッ、ゴホッ」
「和尚さん・・・!!」
勝呂に結界呪を教えた後に倒れてから、達磨の咳は激し過ぎる。身動きさえ、とれないようだ。
達磨に寄り添うしえみが、水筒を取り出した。それに気づいた出雲が訊ねる。
「それ、薬草茶よね・・・?効かないのかしら」
「不浄王の出す瘴気が濃すぎるのかも。それに、沢山血を失ってて免疫力も落ちてるし・・・。
私が、二ーちゃんを呼べればな。強い魔除けや失血に効く薬草も用意できるのに・・・!」
弱音を吐くしえみに、出雲は立ち上がる。
「そんな事を言っててもしょうがない。山を降りて、病院に連れてくわよ!
私達は、この人の事頼まれた責任があるんだから」
「う・・・うん!」