第二十五話 紅蓮
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「っ・・・なに、コレ・・・」
燐たちと合流する為、リニュウの背中に乗り上空から見た大地の姿に玲薇は驚いていた。
《・・・・・・・》
リニュウは何も語らない。こんな戦いなど、幾度となく見てきている。少なくとも、主である玲薇よりは。
しかし、それによって視界がすこぶる悪い。アイツらは、どこにいるだろう。
自分らが別れたところにいるとは、到底思えない。いっそのこと、頂上にいった方が早いんじゃないだろうか。
「・・・金剛深山まで行けそう・・・?」
《その必要は心配ない》
その言葉で、玲薇はホッと安心する。
「うわぁああ・・・!!」
そこかしこに上がる悲鳴。
「!!」
ハッと、顔を下に向ける。助けなければと思うも、医工騎士の資格を持たぬ玲薇はどうしようもない。
その不浄王の飛沫に腕を齲まれつつあった人に、トンと誰かが注射をさす。
その人は、玲薇の見覚えのある人。
「雪男・・・」
「大丈夫ですか」
「た・・・助かった!!」
男の人からの礼を聞き終え、ふと聞こえた声に空を仰ぐ。
しかしもう、そこには玲薇の姿はない。
視線を戻せば、広がる激しい戦い。でもどこか雪男は、上の空だった。
(何だろう、不思議だ)
・・・玲薇の無事な声が聞こえたから?はっ、バカらしい。
こんなとこにいる筈ないじゃないか。でも、気持ちがフワフワしている。
(周囲の音が、ずっと遠くから響いてくるみたいだ。まるで現実感がない)
『雪男』
シュラに言われた言葉が、なぜか脳裏によぎる。
『自分には正直でいろよ』
「?」
視界に入った、木々の中に光る謎の赤い光・・・。
(一体何の光源だ・・・?)
誰かにどこへ行くとも告げず、雪男は一歩一歩その光の元へ歩み寄る。
「!」
目の前に広がった光景。一気に寒気が全身に走った。
(藤堂三郎太・・・!?)
だが、様子がおかしい。身体は炎に焼かれ、息苦しそうにしている。
それに、一度会った時とは姿も違っていたのだ。
(いや、もっと若いか・・・!?何だ、あの炎は・・・。どうする、応援を呼びに行くかそれとも・・・)
「やぁ」
呼ばれ、ギクッと身体を震わせる。いることがバレていたのか。
「いるんだろう、そこに」
・・・息使いが、激しくなる。
「隠れても無駄だ。さぁ、出ておいで奥村雪男くん」
(まずい・・・!)
直感で思うも、動く前に藤堂は炎を操り、雪男の行くてを塞いでいく。逃げ場がなくなる、行き場がない。
(た・・・退路を断たれた・・・!しかし、どういう事だ・・・?あの力・・・!)
あれこれここで考えても、何も答えはでないだろう。
「・・・・・・」
警戒の意味も含め、雪男は銃を構え隠れていた草木から姿を見せる。
藤堂は雪男が姿を見せてくれたことに、ニコッと微笑んだ。
「素直で大変よろしい」
無駄口を叩く暇などない。
「貴様、本当に藤堂三郎太か・・・!?その姿形はどうした!!それに・・・」
「ああ、そうか!ははは、私は藤堂だよ。前に力を借りていた悪魔は古くなっていたから、
もっと高品質な悪魔にアップグレード(乗り換え)したんだ。より強くなる為にね」
身の毛がよだつ。
(悪魔を乗り換える・・・!?普通の人間に、そんな事が出来るのか!?聞いた事がない!)
それをどうして奴は軽々とやり遂げるんだ。
「・・・貴様、いったい何者だ・・・!!」
「まぁ、そんな事より少し私と遊んでくれないかね?この炎を少し試運転してみたいんだよ。
それにホラ、丁度君と話もしてみたかったしね」
「は・・・」
何をこんな奴と語ろうと言うのか・・・。
「和やかな世間話から始めようじゃないか。そうだなぁ」
悩みの仕草など見せず、藤堂は炎を雪男に飛ばす。そして・・・。
「お兄さん、元気ィ?」
「!?」
よける間もなく、爆風で弾き飛ばされる。
「ぐはっ」
「おや?返事がないな・・・。比較的答えやすい質問だと思うがね。ホラ、「お兄さんは元気?」と聞かれたら?」
前の攻撃の一瞬で、藤堂の全身は炎に包まれていた・・・。
燐たちと合流する為、リニュウの背中に乗り上空から見た大地の姿に玲薇は驚いていた。
《・・・・・・・》
リニュウは何も語らない。こんな戦いなど、幾度となく見てきている。少なくとも、主である玲薇よりは。
しかし、それによって視界がすこぶる悪い。アイツらは、どこにいるだろう。
自分らが別れたところにいるとは、到底思えない。いっそのこと、頂上にいった方が早いんじゃないだろうか。
「・・・金剛深山まで行けそう・・・?」
《その必要は心配ない》
その言葉で、玲薇はホッと安心する。
「うわぁああ・・・!!」
そこかしこに上がる悲鳴。
「!!」
ハッと、顔を下に向ける。助けなければと思うも、医工騎士の資格を持たぬ玲薇はどうしようもない。
その不浄王の飛沫に腕を齲まれつつあった人に、トンと誰かが注射をさす。
その人は、玲薇の見覚えのある人。
「雪男・・・」
「大丈夫ですか」
「た・・・助かった!!」
男の人からの礼を聞き終え、ふと聞こえた声に空を仰ぐ。
しかしもう、そこには玲薇の姿はない。
視線を戻せば、広がる激しい戦い。でもどこか雪男は、上の空だった。
(何だろう、不思議だ)
・・・玲薇の無事な声が聞こえたから?はっ、バカらしい。
こんなとこにいる筈ないじゃないか。でも、気持ちがフワフワしている。
(周囲の音が、ずっと遠くから響いてくるみたいだ。まるで現実感がない)
『雪男』
シュラに言われた言葉が、なぜか脳裏によぎる。
『自分には正直でいろよ』
「?」
視界に入った、木々の中に光る謎の赤い光・・・。
(一体何の光源だ・・・?)
誰かにどこへ行くとも告げず、雪男は一歩一歩その光の元へ歩み寄る。
「!」
目の前に広がった光景。一気に寒気が全身に走った。
(藤堂三郎太・・・!?)
だが、様子がおかしい。身体は炎に焼かれ、息苦しそうにしている。
それに、一度会った時とは姿も違っていたのだ。
(いや、もっと若いか・・・!?何だ、あの炎は・・・。どうする、応援を呼びに行くかそれとも・・・)
「やぁ」
呼ばれ、ギクッと身体を震わせる。いることがバレていたのか。
「いるんだろう、そこに」
・・・息使いが、激しくなる。
「隠れても無駄だ。さぁ、出ておいで奥村雪男くん」
(まずい・・・!)
直感で思うも、動く前に藤堂は炎を操り、雪男の行くてを塞いでいく。逃げ場がなくなる、行き場がない。
(た・・・退路を断たれた・・・!しかし、どういう事だ・・・?あの力・・・!)
あれこれここで考えても、何も答えはでないだろう。
「・・・・・・」
警戒の意味も含め、雪男は銃を構え隠れていた草木から姿を見せる。
藤堂は雪男が姿を見せてくれたことに、ニコッと微笑んだ。
「素直で大変よろしい」
無駄口を叩く暇などない。
「貴様、本当に藤堂三郎太か・・・!?その姿形はどうした!!それに・・・」
「ああ、そうか!ははは、私は藤堂だよ。前に力を借りていた悪魔は古くなっていたから、
もっと高品質な悪魔にアップグレード(乗り換え)したんだ。より強くなる為にね」
身の毛がよだつ。
(悪魔を乗り換える・・・!?普通の人間に、そんな事が出来るのか!?聞いた事がない!)
それをどうして奴は軽々とやり遂げるんだ。
「・・・貴様、いったい何者だ・・・!!」
「まぁ、そんな事より少し私と遊んでくれないかね?この炎を少し試運転してみたいんだよ。
それにホラ、丁度君と話もしてみたかったしね」
「は・・・」
何をこんな奴と語ろうと言うのか・・・。
「和やかな世間話から始めようじゃないか。そうだなぁ」
悩みの仕草など見せず、藤堂は炎を雪男に飛ばす。そして・・・。
「お兄さん、元気ィ?」
「!?」
よける間もなく、爆風で弾き飛ばされる。
「ぐはっ」
「おや?返事がないな・・・。比較的答えやすい質問だと思うがね。ホラ、「お兄さんは元気?」と聞かれたら?」
前の攻撃の一瞬で、藤堂の全身は炎に包まれていた・・・。