第二十五話 紅蓮
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皆と一緒に登る金剛深山。しかし、奥に進むにつれ山の形などまるでない。
不気味に沸き出す不浄王に、悲鳴を上げるのは志摩だ。
「うッぎゃあああ何や、アレェエ!!どーやってあんなデカイの倒すんや!!この世の終わりか!」
「あれが、不浄王・・・」
「まるで要塞やな・・・」
不安にならないワケがなく、バクバクと高鳴る心臓に、胸元に手を当てる玲薇。
本当に大丈夫だろうか、不浄王を倒して皆で無事に帰ることが出来るだろうか。
「・・・!!」
その時に気づく。なぜ、あの時気付かなかった。
燐を連れ出し、シュラと勝呂が連絡を取っている間に。気付いていればあの時取りに行けたハズ。
自分の注意なき行動に腹が立つ。確認の為に服の下から見れば、やっぱりなかったネックレス。
「どうしよ・・・」
「どうした、玲薇?」
隣で走ってた燐が聞く。こうなったら、取りに行くしかない。
だって、あのネックレスに何度も助けられたんだ。今回だって、なくちゃダメだ。
「私、ネックレスを取りに行く」
「はぁ!?」
「!?」
思わず声を上げる燐。彼女の言うネックレスがなんなのか、だいたいは予想つく。
だが、こんな状況で一人で戻るなんてそれこそ危険だ。
「"気高き気高き雄飛の眼。我の血承け入れ、その力干渉せよ!" 」
ひき止める間もなく彼女は魔法円からリニュウを呼び出していた。
「大丈夫!私にはリニュウがいてくれるから。ひとッ飛びよ!すぐ戻るから先に行ってて!」
「なっ・・・待てよ、玲薇!!」
迷うことなく飛び立つリニュウとその背中に乗る玲薇の姿は、もう見えない。
苦虫でも噛むような燐のその表情に、勝呂が問う。
「アイツ、何を取りに行くって?」
「・・・・・・ネックレスだ」
「はぁ!?バカか!?」
「さすがにアンタにバカ呼ばわりされたくないわね」
「黙れや、神木」
言い争い出しそうな勝呂と出雲をよそに、燐はぎゅっと拳を握る。
「行こう」
「ええの?」
「ああ」
玲薇を、信じて。
「う~~ん」
別の場所にて、雪男に視線を向けながら悩んでいるシュラ。
(燐を牢から出して裏で行動させていることをアイツに話すべきか否か)
しかし、とんでもなく雪男の表情は真剣で恐ろしい。
少しでもイタズラをしかければ殺されかねない勢いだ。だから、自分に誓う。
(・・・ウン。これ以上奴にストレスを与えるのはやめとこ)
だが、これだけは言っておこう。
「雪男、先に謝っとくけどゴメンにゃ」
「は?」
何に対しての謝罪なのか分からない雪男は首をかしげる。
「今更謝られても・・・とうの昔に貴女への期待なんて捨ててましたから・・・」
「雪男ォ」
そこまで否定されていたとは、ちょっとばかし悲しい。だが、今は言い争ってる(厳密には雪男をからかう)暇はない。
「何でもいーけど、せめて自分には正直でいろよ」
「・・・どういう・・・・・?」
その答えを聞く前に、シュラは呼ばれてしまう。
「霧隠隊長!所長がお呼びです」
彼女はいつもの飄々とした態度で振り向く。
「ほえほえ、案内してちょー」
「・・・・・・・」
この人に答えを求めようとした自分がバカらしいと思った。
ふと、風が吹き抜け一人になった雪男は空を見上げた。
その時、見てはいけない何かを見てしまった。
「・・・・・・玲薇・・・?」
どうして、なぜ、ここにいるんだ。
けれどリニュウが気付かなければ、玲薇も雪男には気付くはずもない。
「・・・・・・・・」
「みんな、内心怯えとりますわ」
先程シュラを呼びに行った坊さんが話かけた。
何かに気をまぎらわせておかなければ、この重たい空気に打ち負ける。
「こない大きな悪魔と戦うのは、初めてやゆうて・・・」
「まぁ、大きさとか慣れだよにゃー」
「さ、さすがわヴァチカン本部所属の上一級祓魔師さん!心強いですわ!!」
「いや、しっかしこんな化け物、生まれて初めて見たけどな!」
シュラの意外なその一言に、坊さんが固まったのは言うまでもない。
不気味に沸き出す不浄王に、悲鳴を上げるのは志摩だ。
「うッぎゃあああ何や、アレェエ!!どーやってあんなデカイの倒すんや!!この世の終わりか!」
「あれが、不浄王・・・」
「まるで要塞やな・・・」
不安にならないワケがなく、バクバクと高鳴る心臓に、胸元に手を当てる玲薇。
本当に大丈夫だろうか、不浄王を倒して皆で無事に帰ることが出来るだろうか。
「・・・!!」
その時に気づく。なぜ、あの時気付かなかった。
燐を連れ出し、シュラと勝呂が連絡を取っている間に。気付いていればあの時取りに行けたハズ。
自分の注意なき行動に腹が立つ。確認の為に服の下から見れば、やっぱりなかったネックレス。
「どうしよ・・・」
「どうした、玲薇?」
隣で走ってた燐が聞く。こうなったら、取りに行くしかない。
だって、あのネックレスに何度も助けられたんだ。今回だって、なくちゃダメだ。
「私、ネックレスを取りに行く」
「はぁ!?」
「!?」
思わず声を上げる燐。彼女の言うネックレスがなんなのか、だいたいは予想つく。
だが、こんな状況で一人で戻るなんてそれこそ危険だ。
「"気高き気高き雄飛の眼。我の血承け入れ、その力干渉せよ!" 」
ひき止める間もなく彼女は魔法円からリニュウを呼び出していた。
「大丈夫!私にはリニュウがいてくれるから。ひとッ飛びよ!すぐ戻るから先に行ってて!」
「なっ・・・待てよ、玲薇!!」
迷うことなく飛び立つリニュウとその背中に乗る玲薇の姿は、もう見えない。
苦虫でも噛むような燐のその表情に、勝呂が問う。
「アイツ、何を取りに行くって?」
「・・・・・・ネックレスだ」
「はぁ!?バカか!?」
「さすがにアンタにバカ呼ばわりされたくないわね」
「黙れや、神木」
言い争い出しそうな勝呂と出雲をよそに、燐はぎゅっと拳を握る。
「行こう」
「ええの?」
「ああ」
玲薇を、信じて。
「う~~ん」
別の場所にて、雪男に視線を向けながら悩んでいるシュラ。
(燐を牢から出して裏で行動させていることをアイツに話すべきか否か)
しかし、とんでもなく雪男の表情は真剣で恐ろしい。
少しでもイタズラをしかければ殺されかねない勢いだ。だから、自分に誓う。
(・・・ウン。これ以上奴にストレスを与えるのはやめとこ)
だが、これだけは言っておこう。
「雪男、先に謝っとくけどゴメンにゃ」
「は?」
何に対しての謝罪なのか分からない雪男は首をかしげる。
「今更謝られても・・・とうの昔に貴女への期待なんて捨ててましたから・・・」
「雪男ォ」
そこまで否定されていたとは、ちょっとばかし悲しい。だが、今は言い争ってる(厳密には雪男をからかう)暇はない。
「何でもいーけど、せめて自分には正直でいろよ」
「・・・どういう・・・・・?」
その答えを聞く前に、シュラは呼ばれてしまう。
「霧隠隊長!所長がお呼びです」
彼女はいつもの飄々とした態度で振り向く。
「ほえほえ、案内してちょー」
「・・・・・・・」
この人に答えを求めようとした自分がバカらしいと思った。
ふと、風が吹き抜け一人になった雪男は空を見上げた。
その時、見てはいけない何かを見てしまった。
「・・・・・・玲薇・・・?」
どうして、なぜ、ここにいるんだ。
けれどリニュウが気付かなければ、玲薇も雪男には気付くはずもない。
「・・・・・・・・」
「みんな、内心怯えとりますわ」
先程シュラを呼びに行った坊さんが話かけた。
何かに気をまぎらわせておかなければ、この重たい空気に打ち負ける。
「こない大きな悪魔と戦うのは、初めてやゆうて・・・」
「まぁ、大きさとか慣れだよにゃー」
「さ、さすがわヴァチカン本部所属の上一級祓魔師さん!心強いですわ!!」
「いや、しっかしこんな化け物、生まれて初めて見たけどな!」
シュラの意外なその一言に、坊さんが固まったのは言うまでもない。