第二十四話 こころのひ
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シュラから受け取った、勝呂の父親からの手紙を読み終えた仲間の意見を、
玲薇は静かに見守っていた。みんなの口からなんと言葉が出るか・・・。
一番に口を開いたのは、しえみだった。
「み・・・みんなで燐を助けよう!」
しえみはあのポンチョを手に取り、そう言ってくれる。
「杜山さん・・・」
「はい、風美夜さんのぶん。一緒に行こう!」
嬉しい言葉の並びに、なんて答えていいのか戸惑ってしまう。
「う、うん・・・!」
「ちょお、待ちぃや」
しかし、そこで彼女たちを止めるのは志摩だ。
「助けたいのはやまやまやけど・・・それって、ヴァチカン敵に回すことやで」
「・・・!!」
口答えできない玲薇の代わりに、しえみが必死に訴えかけてくれる。
「で、でもこのまま燐と会えなくなったら、みんなもきっと後悔するよ・・・!」
「「「・・・・・・」」」
みんなのこの沈黙が、心苦しい。しえみから受け取ったポンチョを羽織り、
背を向け逃げるように彼らを見ないように一人で燐の元に戻ろうと試みる。
「みんな、ありがとう・・・やっぱり、私一人でいく」
しかし、力強く腕を捕まれた。
「す、勝呂くん・・・」
「お前のそういう性格、ずるいねんな」
「・・・?」
「俺もついてく。独居監房舎、こっちや」
「あ・・・」
そのまま、彼に導かれるように。
「坊!?」
「勝呂くん!ありがとう・・・!」
しえみが笑顔で言う礼が聞こえる。
まだ少しくらい、心のどこかに隙があればと願う自分がいた。
けれど、彼女の心は隙をつくるどころか、
驚くほど隙がなくソイツを想う強さが日に日に増していく。
そう分かったのは、彼女を見てきたからだろう。
嘘などつけない、真っ直ぐな心の持ち主だから。
彼女の事を想ったことは、自分の心の中だけでとどめとこう。
「ありがとう、勝呂くん・・・」
心から、玲薇は礼を述べた。
彼らに続くよう、子猫丸は意を決したようにポンチョを取った。
それに驚く志摩。まさか、あんなに毛嫌いしていた子猫丸までもが行くと思ってなかったのだろう。
「子猫さん!?冗談やろ!」
「三輪くん!」
「僕は、坊を守らんと・・・それに、僕もきっと後悔するから」
「なんや・・・そんなに柔兄怖いんか!?」
が、隣にいた出雲までもがポンチョを羽織ってるではないか。
「えーっ、出雲ちゃんまで!?みんな、どないしたんや!」
「うるさ・・・」
「死んでまう"ッ」
言い切る前に、志摩は思いっきり後ろから頭を叩かれる。
「邪魔や、廉造ォ!ガキは旅館に戻って寝とれ!!
フハハハ、俺は明陀の男として花々しく散ったるわ!!」
そう言いながら走り去るは、金造だった。
「わからん・・・」
一人取り残された志摩は、頭を抱える。
「明陀や後悔やなんやて、俺にはほんまわからん。
・・・あ"ーーもぉ、メンドくさぁ!」
-第一独居房舎-
それぞれポンチョを羽織った一向は、見張りに気づかれぬよう忍び足で中に入っていく。
「・・・いて!!」
なんやかんや悩みつつも、ついてきてくれた志摩が、思わず声を上げてしまった。
「今、何か言うたか?」
見張りの一人が、もう一人の仲間に聞く。
「いや?お前やろ」
「俺は言うてへん、お前やろ?」
「お前、ウソつくな」
見張りから少し離れた所で、緊張の糸をようやく切る玲薇たち。
しえみが様子を伺いながら、息をついた。
「はぁ~、ドキドキした」
「子猫さんが足踏むから・・・!!」
「堪忍や、志摩さん・・・」
「このポンチョすごいけど、お互いにお互いが見えなくなるのが難ね」
「どうや、風美夜」
「えーと・・・」
勝呂に訊ねられ、先程から玲薇は扉の確認をしていた。
「もうちょっと先、かな・・・。燐の処刑が決まった時、
理事長が来て扉を変えちゃったから・・・」
「変わった扉って・・・あれ、か・・・!?」
「「!!」」
見つけた、燐がいる牢を。
玲薇は静かに見守っていた。みんなの口からなんと言葉が出るか・・・。
一番に口を開いたのは、しえみだった。
「み・・・みんなで燐を助けよう!」
しえみはあのポンチョを手に取り、そう言ってくれる。
「杜山さん・・・」
「はい、風美夜さんのぶん。一緒に行こう!」
嬉しい言葉の並びに、なんて答えていいのか戸惑ってしまう。
「う、うん・・・!」
「ちょお、待ちぃや」
しかし、そこで彼女たちを止めるのは志摩だ。
「助けたいのはやまやまやけど・・・それって、ヴァチカン敵に回すことやで」
「・・・!!」
口答えできない玲薇の代わりに、しえみが必死に訴えかけてくれる。
「で、でもこのまま燐と会えなくなったら、みんなもきっと後悔するよ・・・!」
「「「・・・・・・」」」
みんなのこの沈黙が、心苦しい。しえみから受け取ったポンチョを羽織り、
背を向け逃げるように彼らを見ないように一人で燐の元に戻ろうと試みる。
「みんな、ありがとう・・・やっぱり、私一人でいく」
しかし、力強く腕を捕まれた。
「す、勝呂くん・・・」
「お前のそういう性格、ずるいねんな」
「・・・?」
「俺もついてく。独居監房舎、こっちや」
「あ・・・」
そのまま、彼に導かれるように。
「坊!?」
「勝呂くん!ありがとう・・・!」
しえみが笑顔で言う礼が聞こえる。
まだ少しくらい、心のどこかに隙があればと願う自分がいた。
けれど、彼女の心は隙をつくるどころか、
驚くほど隙がなくソイツを想う強さが日に日に増していく。
そう分かったのは、彼女を見てきたからだろう。
嘘などつけない、真っ直ぐな心の持ち主だから。
彼女の事を想ったことは、自分の心の中だけでとどめとこう。
「ありがとう、勝呂くん・・・」
心から、玲薇は礼を述べた。
彼らに続くよう、子猫丸は意を決したようにポンチョを取った。
それに驚く志摩。まさか、あんなに毛嫌いしていた子猫丸までもが行くと思ってなかったのだろう。
「子猫さん!?冗談やろ!」
「三輪くん!」
「僕は、坊を守らんと・・・それに、僕もきっと後悔するから」
「なんや・・・そんなに柔兄怖いんか!?」
が、隣にいた出雲までもがポンチョを羽織ってるではないか。
「えーっ、出雲ちゃんまで!?みんな、どないしたんや!」
「うるさ・・・」
「死んでまう"ッ」
言い切る前に、志摩は思いっきり後ろから頭を叩かれる。
「邪魔や、廉造ォ!ガキは旅館に戻って寝とれ!!
フハハハ、俺は明陀の男として花々しく散ったるわ!!」
そう言いながら走り去るは、金造だった。
「わからん・・・」
一人取り残された志摩は、頭を抱える。
「明陀や後悔やなんやて、俺にはほんまわからん。
・・・あ"ーーもぉ、メンドくさぁ!」
-第一独居房舎-
それぞれポンチョを羽織った一向は、見張りに気づかれぬよう忍び足で中に入っていく。
「・・・いて!!」
なんやかんや悩みつつも、ついてきてくれた志摩が、思わず声を上げてしまった。
「今、何か言うたか?」
見張りの一人が、もう一人の仲間に聞く。
「いや?お前やろ」
「俺は言うてへん、お前やろ?」
「お前、ウソつくな」
見張りから少し離れた所で、緊張の糸をようやく切る玲薇たち。
しえみが様子を伺いながら、息をついた。
「はぁ~、ドキドキした」
「子猫さんが足踏むから・・・!!」
「堪忍や、志摩さん・・・」
「このポンチョすごいけど、お互いにお互いが見えなくなるのが難ね」
「どうや、風美夜」
「えーと・・・」
勝呂に訊ねられ、先程から玲薇は扉の確認をしていた。
「もうちょっと先、かな・・・。燐の処刑が決まった時、
理事長が来て扉を変えちゃったから・・・」
「変わった扉って・・・あれ、か・・・!?」
「「!!」」
見つけた、燐がいる牢を。