第二十三話 父語り
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目の前の光景に、唖然とする。そこには隙間などなくとりとめに床が敷かれており、
横になっている者の全員が激しい咳に身体中イボだらけになっているのだ。
『なん・・・だぁ?』
辺りを見回し、その部屋の奥に坊さんが集まりお経を唱えている。
カッと、頭に血がのぼった。
『やめろ!』
達磨の注意など聞かず、そのまま供え物の棚もろとも蹴り飛ばした。
『うわぁ!?』
『あああ!!何て事を!』
『うるせぇ、この茶番を今すぐやめろ!!』
『貴様・・・何したか判っとるんか・・・!』
力強く襟首を引っ張られる。
『仏との対話をやめれば、仏は私達を見限って力は得られへんのやで!』
『じゃあ聞くが、祈ってこいつらは助かったのか!?』
『!!』
言い返しの言葉が、見つからない・・・。
『ハッ、聖人面した臆病者が、お前は俺の一番嫌いなタイプだ。
これはもうそういう段階じゃない。一刻も早く症気の毒素を身体の外に出さねぇと』
『た・・・助けられるんか・・・!?』
『ああ。全員助けられる・・・多分な』
『!!』
そして獅郎は次々と薬草の名を早口に告げてゆく。
『おい!お前、大根・葱・鹿子草・菖蒲・岩塩、あと鷹の爪を用意しろ!
あー、あとワセリンかミツロウかラードもな』
『え!?あ、は、はい?』
指名された一人が、急ぎ足でそれらを用意しに進み出る。
『本当に・・・助かるんか・・・!?』
『何度も言わせんな!』
戸惑う達磨に、ビシッと獅郎が言い聞かす。
『テメーは湯を大量に沸かせ!!あと、煙草の火もな!』
もし本当に、本当に助かるとしたら・・・私達は一体今まで何を信じてきたんやろうか。
獅郎に病を治してもらっていったと同様に、虎子の症状もよくなっていた。
寝たきりだった彼女は身体をお越し、今は薬を口にしている。
『虎子・・・』
呟いた名に気づいてくれたのだろう、虎子は振り向き優しく微笑んだ。
『達磨さん、私・・・』
『と、と、とらごお"お"!!』
いつぶりだろうか、こんなにきつく彼女を抱き締めたのは。
『達磨さん・・・ほ、本当は私・・・もうムリかと思って・・・。
本当に私、赤ちゃん、産めるんやね』
涙流しに喜びが溢れる。
『産めるとも!!よかった、ほんまによかった・・・!!』
達磨は傍らにいる獅郎に礼を述べる。
『・・・ありがとう、藤本くん。剣を奪って来はった時は山賊か何かやと思とったけど、
私は君を誤解しとったわ』
『はぁ!?』
『へ?』
『ソレはソレ、コレはコレだ。剣よこせ』
『え!?』
『だってテメー、あんだけ病人助けたしィ、治療法も教えてやったしィ、
俺が見返りを貰うのは当然だよなァ?』
なんて、得意気に言ってくる。
『達磨さん?』
不思議そうな虎子に、ニコッと微笑み一言残す。
『と・・・虎子は休んでてや』
獅郎を外に引っ張りだし、障子をピシャッと閉め思わず怒鳴り散らした。
『ええ人やと思ったのに!!』
『お前って、本当に俺の嫌いなタイプだぜ』
ガシガシ悠長に髪の毛をかく獅郎。
『俺はいい人じゃねー。お前に聞かなくたって、一人で探すぜ』
そのまま達磨の横を通り、最後、言い放った。
『汚れんのを怖がってたって、何も進まねーんだよ』
その言葉、達磨の心にどう残ったのだろうか。
『!』
ハッと我に返った目線の先に、獅郎の治療を受け入れなかった人がいた。
『おとん・・・!?』
彼の周りには幾人もの門徒がいる。
『あやつです』
『取りおさえろ!!』
『『オン・アミリティハッタ!!』』
二人の片方の腕がそれぞれ蛇の姿へと変わる。
『何を!!』
『チッ』
引き返すが速いが、獅郎は雪降る外へ飛び出した。
『逃げたぞ、追え!!』
『その賊を生きてこの山から出すな!!』
『おとん!!何するんや!!あの人は・・・』
『達磨!!貴様、この失態ただで済むと思うな・・・!!』
横になっている者の全員が激しい咳に身体中イボだらけになっているのだ。
『なん・・・だぁ?』
辺りを見回し、その部屋の奥に坊さんが集まりお経を唱えている。
カッと、頭に血がのぼった。
『やめろ!』
達磨の注意など聞かず、そのまま供え物の棚もろとも蹴り飛ばした。
『うわぁ!?』
『あああ!!何て事を!』
『うるせぇ、この茶番を今すぐやめろ!!』
『貴様・・・何したか判っとるんか・・・!』
力強く襟首を引っ張られる。
『仏との対話をやめれば、仏は私達を見限って力は得られへんのやで!』
『じゃあ聞くが、祈ってこいつらは助かったのか!?』
『!!』
言い返しの言葉が、見つからない・・・。
『ハッ、聖人面した臆病者が、お前は俺の一番嫌いなタイプだ。
これはもうそういう段階じゃない。一刻も早く症気の毒素を身体の外に出さねぇと』
『た・・・助けられるんか・・・!?』
『ああ。全員助けられる・・・多分な』
『!!』
そして獅郎は次々と薬草の名を早口に告げてゆく。
『おい!お前、大根・葱・鹿子草・菖蒲・岩塩、あと鷹の爪を用意しろ!
あー、あとワセリンかミツロウかラードもな』
『え!?あ、は、はい?』
指名された一人が、急ぎ足でそれらを用意しに進み出る。
『本当に・・・助かるんか・・・!?』
『何度も言わせんな!』
戸惑う達磨に、ビシッと獅郎が言い聞かす。
『テメーは湯を大量に沸かせ!!あと、煙草の火もな!』
もし本当に、本当に助かるとしたら・・・私達は一体今まで何を信じてきたんやろうか。
獅郎に病を治してもらっていったと同様に、虎子の症状もよくなっていた。
寝たきりだった彼女は身体をお越し、今は薬を口にしている。
『虎子・・・』
呟いた名に気づいてくれたのだろう、虎子は振り向き優しく微笑んだ。
『達磨さん、私・・・』
『と、と、とらごお"お"!!』
いつぶりだろうか、こんなにきつく彼女を抱き締めたのは。
『達磨さん・・・ほ、本当は私・・・もうムリかと思って・・・。
本当に私、赤ちゃん、産めるんやね』
涙流しに喜びが溢れる。
『産めるとも!!よかった、ほんまによかった・・・!!』
達磨は傍らにいる獅郎に礼を述べる。
『・・・ありがとう、藤本くん。剣を奪って来はった時は山賊か何かやと思とったけど、
私は君を誤解しとったわ』
『はぁ!?』
『へ?』
『ソレはソレ、コレはコレだ。剣よこせ』
『え!?』
『だってテメー、あんだけ病人助けたしィ、治療法も教えてやったしィ、
俺が見返りを貰うのは当然だよなァ?』
なんて、得意気に言ってくる。
『達磨さん?』
不思議そうな虎子に、ニコッと微笑み一言残す。
『と・・・虎子は休んでてや』
獅郎を外に引っ張りだし、障子をピシャッと閉め思わず怒鳴り散らした。
『ええ人やと思ったのに!!』
『お前って、本当に俺の嫌いなタイプだぜ』
ガシガシ悠長に髪の毛をかく獅郎。
『俺はいい人じゃねー。お前に聞かなくたって、一人で探すぜ』
そのまま達磨の横を通り、最後、言い放った。
『汚れんのを怖がってたって、何も進まねーんだよ』
その言葉、達磨の心にどう残ったのだろうか。
『!』
ハッと我に返った目線の先に、獅郎の治療を受け入れなかった人がいた。
『おとん・・・!?』
彼の周りには幾人もの門徒がいる。
『あやつです』
『取りおさえろ!!』
『『オン・アミリティハッタ!!』』
二人の片方の腕がそれぞれ蛇の姿へと変わる。
『何を!!』
『チッ』
引き返すが速いが、獅郎は雪降る外へ飛び出した。
『逃げたぞ、追え!!』
『その賊を生きてこの山から出すな!!』
『おとん!!何するんや!!あの人は・・・』
『達磨!!貴様、この失態ただで済むと思うな・・・!!』