第二十二話 監房
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
"アンタは金輪際親父でも何でもないわ!"
勝呂のその言葉を聞いた瞬間、燐の脳裏は走馬灯のように獅郎との思い出が流れていた。
達磨は何を言い返すことなく、勝呂に背を向ける。
「・・・ほな、私は行くな・・・堪忍してや」
「!!」
集まる人の波の中に、達磨は入ろうとする。
しかし、ガシッと誰かに服を掴まれた。
「待て」
ハッと振り返れば、そこには燐がいるではないか。
「燐・・・!?」
気づかなかった。燐を捕まえていたシュラも、同じようだ。
慌てて自身の手を見つめている。
「・・・ん!?げっ、アイツまたいつの間に!縄ぬけの天才!?」
「奥村!?」
勝呂の視線が、燐を捉える。
「何で行くんだよ!」
しかし燐はまず、達磨に問い質す。
「アンタ、勝呂の父ちゃんだろ!!」
「燐くん・・・」
「それに勝呂、てめェは!!」
ゴンッと、勝呂の頬を燐は殴り飛ばした。
「!!」
「燐!」
「ぼ、坊!!」
いかなくちゃ。二人のところに、いかなくちゃ。
「コラ!待て、風美夜!」
「今、何か光らなかったか・・・?」
気づいた人には気づいたかもしれない、燐の青い炎。
勝呂は体を起こし、口にたまった血を吐き出す。
「・・・・・・なん」
「詳しい事情は知んねーけど、後でお前が絶対後悔するから言っといてやる。
いいか!父ちゃんに謝れ!!今のうちに!」
「関係ないやろうが!!黙っとけや!!」
「親父を簡単に切り捨てんじゃねぇ!!!」
「燐・・・!」
もしかしたら、今の現状をあの頃の私たちと重ね合わせているのかもしれない。
自分たちは後悔しているから、謝ることもなにも出来ず、最後まで守られて。
親孝行の何も、獅郎に何も与えられなかった・・・。
「お前に言われたないわ」
勝呂はギリッと奥歯を噛み締める。玲薇も、燐の腕を掴む。
「り・・・」
「サタン倒す言うてる奴に・・・!!」
「「!」」
そうだ、勝呂は知らない。獅郎の存在を。
自分たちの父はサタンだってことしか、知らないから。
互いが反抗期程度しか、思ってないかもしれない。
言い返す言葉が、見つからない・・・。養子だったなんて事、
きっと、信じてもらえない。
「まぁまぁ、燐くんも竜士も、ここらで仲直りや。なぁ」
二人の喧嘩を、なだめようと達磨が間に入るも、
それは更に勝呂を刺激してしまったようだった。
「・・・アンタはどこへでも好きに行ったらええやろ。二度と戻ってくるな!!」
言ってはいけない言葉を、聞いてしまった。
握っていた燐の拳が、ワナワナと震えだし体から炎が姿を表す。
「ダメ!やめて、落ちついて、燐!」
「うるせぇ」
けれど、燐には腕を振り払われつき倒される。
「っ・・・」
「・・・カッコいい奴だと思ってたのに・・・見損なったぞ・・・!!勝呂ォ!!!」
ハッと振り返れば、青青とした炎がメラメラと燃えていた。
肩に乗っていたクロでさえ、玲薇の元へ引き返す。
「り、ん・・・」
「ちょと、どいて、どいて!」
青い炎で集まる人混みを掻き分けるシュラ。
「やめろ、燐!!!」
(青い・・・炎!?)
柔造でさえ、ただ目を疑うばかり。
「まさか・・・」
「俺だってなぁ・・・!!」
突っ込んでくる燐を、一度青い炎を見ていた勝呂は冷静に詠唱を唱えだす。
「・・・くっ、オンバサラギニネンハタナソワカ!!」
守護の壁が、二人の間に作らされる。
それに対し燐は、炎を纏った両拳でぶつけ合った。
かすかだが、シュラの声が響く。
「燐!!コラ!お座り!!」
でも、今はそんなのどうでもいい。
真っ直ぐな瞳は、勝呂を見たまま。
「俺だって・・・好きでサタンの息子じゃねーんだ!!」
「!!」
壁が、炎によって燃やされる。そのまま燐は勝呂の胸ぐらをつかんで引き寄せた。
「でも、お前は違うだろーが!!違うだろ!!」
勝呂のその言葉を聞いた瞬間、燐の脳裏は走馬灯のように獅郎との思い出が流れていた。
達磨は何を言い返すことなく、勝呂に背を向ける。
「・・・ほな、私は行くな・・・堪忍してや」
「!!」
集まる人の波の中に、達磨は入ろうとする。
しかし、ガシッと誰かに服を掴まれた。
「待て」
ハッと振り返れば、そこには燐がいるではないか。
「燐・・・!?」
気づかなかった。燐を捕まえていたシュラも、同じようだ。
慌てて自身の手を見つめている。
「・・・ん!?げっ、アイツまたいつの間に!縄ぬけの天才!?」
「奥村!?」
勝呂の視線が、燐を捉える。
「何で行くんだよ!」
しかし燐はまず、達磨に問い質す。
「アンタ、勝呂の父ちゃんだろ!!」
「燐くん・・・」
「それに勝呂、てめェは!!」
ゴンッと、勝呂の頬を燐は殴り飛ばした。
「!!」
「燐!」
「ぼ、坊!!」
いかなくちゃ。二人のところに、いかなくちゃ。
「コラ!待て、風美夜!」
「今、何か光らなかったか・・・?」
気づいた人には気づいたかもしれない、燐の青い炎。
勝呂は体を起こし、口にたまった血を吐き出す。
「・・・・・・なん」
「詳しい事情は知んねーけど、後でお前が絶対後悔するから言っといてやる。
いいか!父ちゃんに謝れ!!今のうちに!」
「関係ないやろうが!!黙っとけや!!」
「親父を簡単に切り捨てんじゃねぇ!!!」
「燐・・・!」
もしかしたら、今の現状をあの頃の私たちと重ね合わせているのかもしれない。
自分たちは後悔しているから、謝ることもなにも出来ず、最後まで守られて。
親孝行の何も、獅郎に何も与えられなかった・・・。
「お前に言われたないわ」
勝呂はギリッと奥歯を噛み締める。玲薇も、燐の腕を掴む。
「り・・・」
「サタン倒す言うてる奴に・・・!!」
「「!」」
そうだ、勝呂は知らない。獅郎の存在を。
自分たちの父はサタンだってことしか、知らないから。
互いが反抗期程度しか、思ってないかもしれない。
言い返す言葉が、見つからない・・・。養子だったなんて事、
きっと、信じてもらえない。
「まぁまぁ、燐くんも竜士も、ここらで仲直りや。なぁ」
二人の喧嘩を、なだめようと達磨が間に入るも、
それは更に勝呂を刺激してしまったようだった。
「・・・アンタはどこへでも好きに行ったらええやろ。二度と戻ってくるな!!」
言ってはいけない言葉を、聞いてしまった。
握っていた燐の拳が、ワナワナと震えだし体から炎が姿を表す。
「ダメ!やめて、落ちついて、燐!」
「うるせぇ」
けれど、燐には腕を振り払われつき倒される。
「っ・・・」
「・・・カッコいい奴だと思ってたのに・・・見損なったぞ・・・!!勝呂ォ!!!」
ハッと振り返れば、青青とした炎がメラメラと燃えていた。
肩に乗っていたクロでさえ、玲薇の元へ引き返す。
「り、ん・・・」
「ちょと、どいて、どいて!」
青い炎で集まる人混みを掻き分けるシュラ。
「やめろ、燐!!!」
(青い・・・炎!?)
柔造でさえ、ただ目を疑うばかり。
「まさか・・・」
「俺だってなぁ・・・!!」
突っ込んでくる燐を、一度青い炎を見ていた勝呂は冷静に詠唱を唱えだす。
「・・・くっ、オンバサラギニネンハタナソワカ!!」
守護の壁が、二人の間に作らされる。
それに対し燐は、炎を纏った両拳でぶつけ合った。
かすかだが、シュラの声が響く。
「燐!!コラ!お座り!!」
でも、今はそんなのどうでもいい。
真っ直ぐな瞳は、勝呂を見たまま。
「俺だって・・・好きでサタンの息子じゃねーんだ!!」
「!!」
壁が、炎によって燃やされる。そのまま燐は勝呂の胸ぐらをつかんで引き寄せた。
「でも、お前は違うだろーが!!違うだろ!!」