第二十一話 裏切り者
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「藤堂・・・!このタヌキ、蝮をたぶらかして何が目的や!!」
「タヌキか、ははは!いいね。いや、今回はあくまで宝生くんに協力しているだけだよ」
「その通りや。藤堂先生は関係ない」
あのどさくさの中、蝮はいつのまにか封印の瓶を手にしている。
「蝮・・・お前完ッッッ全に藤堂に騙されとるんが、判らんのか!」
いくら叫んでも、蝮は自分の言葉を受け入れようとしてくれない。
それどころか、瓶の蓋を開けようとしている。
そんなことをすれば、どうなる。
「蝮・・・何やっとるんや。よせッ、やめろ!!!」
しかし、瓶の蓋が開き、"右目"が外に飛び出る。
蝮はそれを掴むと、自身の右目にあてがった。
「騙されとるんは、お前らの方や」
そう言い、蝮は右目と共に姿を消した・・・。
「消えた・・・」
ただただ、柔造は呆然とその場に立ちすくむ。
「藤堂も・・・!?どういう事だ」
いつの間にか集まっていた野次馬たちが騒ぎだす。
「まさか蝮さんが裏切るなんて」
その中を歩く、ある人影が勝呂の目に飛び込む。
早々についていき、力強く肩を掴んだ。
「・・・久しぶり、おとん・・・!」
「わッ、竜士!!」
だが息子は、再会を喜んでいるような穏やかな表情ではない。
けれど構わず達磨はにこやかに話かけた。
「ひ・・・久しぶりやなぁ・・・。ずい分立派なトサカが生えて・・・」
「どこ行くんや」
軽くうんともすんとも笑ってくれることなく、勝呂はまるで脅すような低い声だ。
「あ~・・・ゆっくり話したいとこやけど、私は蝮を追わんと・・・放してくれへんか?」
「蝮を追う・・・?元はといえば、蝮が裏切ったんもこの有り様も・・・!
なんもかんも全部、アンタの所為やろうが!!!」
胸ぐらを掴み怒り任せに怒鳴り散らす勝呂を、初めてみたかもしれない。
「勝呂くん・・・?」
「何があったんだ・・・?」
爆発音がしたこの深部に、玲薇たち三人も勝呂の罵声に驚きを隠せない。
なぜ、彼をこんなにも苛立たせているかさえも、ハッキリとわかっていなかった。
よく見ようと体をそわそわさせるも、燐はシュラに肩を捕まれる。
「燐!勝手に動くなよ」
「竜士」
「おとん、蝮の言うとおり・・・俺らを裏切っとるんか・・・!?」
「そ、そないなワケないやろ」
「せやったら、この皆がおる前で今、ホンマの事言うてくれや!!」
「ホンマの事・・・」
多少は目を見開いた達磨だが、考える素振りも見せず申し訳なさそうに答えた。
「いやぁ・・・それは"秘密"や」
返ってきた答えに、勝呂は拍子抜けか、呆然としてしまう。
笑って誤魔化す父に、何の同情さえもない。
「"秘密"は、息子のお前にも話せへん。
・・・出来れば、一生話さずに済めばホンマ大助かりなんやけどなぁ」
「この状況でアンタ、何言うてんねん・・・」
だが、話はそらされるばかり。
「とにかく!今はそれどころやない、蝮を追わんと。
竜士、お前はお母や先生の言うこと、よう聞いて大人しぅしとるんやで。ええな?」
その、バカにしたような言葉が勝呂の勘に触った。
「親父面すな!!!」
ざわつく野次場。けれどそんなこと、今の勝呂には関係ないのだろう。
息子だというのに、ちっとも自分の声に耳を傾けてくれない。
自分が大切な人達がどんどんどんどん傷ついているにも関わらず、
秘密秘密と言われ、一人除け者扱いにされるのは、もう黙ってられなかった。
「竜士・・・」
だから・・・。
「このまま喋らんで行く言うんなら、アンタは金輪際親父でも何でもないわ!」
「!!」
「タヌキか、ははは!いいね。いや、今回はあくまで宝生くんに協力しているだけだよ」
「その通りや。藤堂先生は関係ない」
あのどさくさの中、蝮はいつのまにか封印の瓶を手にしている。
「蝮・・・お前完ッッッ全に藤堂に騙されとるんが、判らんのか!」
いくら叫んでも、蝮は自分の言葉を受け入れようとしてくれない。
それどころか、瓶の蓋を開けようとしている。
そんなことをすれば、どうなる。
「蝮・・・何やっとるんや。よせッ、やめろ!!!」
しかし、瓶の蓋が開き、"右目"が外に飛び出る。
蝮はそれを掴むと、自身の右目にあてがった。
「騙されとるんは、お前らの方や」
そう言い、蝮は右目と共に姿を消した・・・。
「消えた・・・」
ただただ、柔造は呆然とその場に立ちすくむ。
「藤堂も・・・!?どういう事だ」
いつの間にか集まっていた野次馬たちが騒ぎだす。
「まさか蝮さんが裏切るなんて」
その中を歩く、ある人影が勝呂の目に飛び込む。
早々についていき、力強く肩を掴んだ。
「・・・久しぶり、おとん・・・!」
「わッ、竜士!!」
だが息子は、再会を喜んでいるような穏やかな表情ではない。
けれど構わず達磨はにこやかに話かけた。
「ひ・・・久しぶりやなぁ・・・。ずい分立派なトサカが生えて・・・」
「どこ行くんや」
軽くうんともすんとも笑ってくれることなく、勝呂はまるで脅すような低い声だ。
「あ~・・・ゆっくり話したいとこやけど、私は蝮を追わんと・・・放してくれへんか?」
「蝮を追う・・・?元はといえば、蝮が裏切ったんもこの有り様も・・・!
なんもかんも全部、アンタの所為やろうが!!!」
胸ぐらを掴み怒り任せに怒鳴り散らす勝呂を、初めてみたかもしれない。
「勝呂くん・・・?」
「何があったんだ・・・?」
爆発音がしたこの深部に、玲薇たち三人も勝呂の罵声に驚きを隠せない。
なぜ、彼をこんなにも苛立たせているかさえも、ハッキリとわかっていなかった。
よく見ようと体をそわそわさせるも、燐はシュラに肩を捕まれる。
「燐!勝手に動くなよ」
「竜士」
「おとん、蝮の言うとおり・・・俺らを裏切っとるんか・・・!?」
「そ、そないなワケないやろ」
「せやったら、この皆がおる前で今、ホンマの事言うてくれや!!」
「ホンマの事・・・」
多少は目を見開いた達磨だが、考える素振りも見せず申し訳なさそうに答えた。
「いやぁ・・・それは"秘密"や」
返ってきた答えに、勝呂は拍子抜けか、呆然としてしまう。
笑って誤魔化す父に、何の同情さえもない。
「"秘密"は、息子のお前にも話せへん。
・・・出来れば、一生話さずに済めばホンマ大助かりなんやけどなぁ」
「この状況でアンタ、何言うてんねん・・・」
だが、話はそらされるばかり。
「とにかく!今はそれどころやない、蝮を追わんと。
竜士、お前はお母や先生の言うこと、よう聞いて大人しぅしとるんやで。ええな?」
その、バカにしたような言葉が勝呂の勘に触った。
「親父面すな!!!」
ざわつく野次場。けれどそんなこと、今の勝呂には関係ないのだろう。
息子だというのに、ちっとも自分の声に耳を傾けてくれない。
自分が大切な人達がどんどんどんどん傷ついているにも関わらず、
秘密秘密と言われ、一人除け者扱いにされるのは、もう黙ってられなかった。
「竜士・・・」
だから・・・。
「このまま喋らんで行く言うんなら、アンタは金輪際親父でも何でもないわ!」
「!!」