第二十一話 裏切り者
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「!!!」
エレベーターから出て、目の前の事態に目を見開く。
そこには、幾人もの仲間が倒れていたのだ。
「お・・・おい!!大丈夫か!?」
「う・・・」
どうやら死んではいないらしく、気絶してるだけのようだ。
けど、なんでだ。
(これは・・・)
アイツがしたなんて、到底考えられず信用できなかった。
「(どういう事や、柔造・・・)まさか・・・そんな」
勝呂より先に向かっていた柔造は、倒れている者の呼吸を確かめる。
「・・・・・・」
そして、そこで守られている"右目"の近くにいる人物に話かけた。
「そこで何してるんや、蝮」
長い髪をなびかせ、蝮は振り返る。
「・・・・・・」
「!!!」
こっそり後をつけていた勝呂は、とっさに足を止め身を屈めた。
(蝮やと!?)
てっきり、柔造の仕業だとばかり思っていたのに。
それじゃ、蝮が明陀の裏切り者と言うわけか。
柔造に見つかったのにも関わらず、蝮は微動だにしていない。
先に口を開くのは、柔造だった。彼の心境は、今やどんなものか。
「やっぱり、お前やったんか。ハッ、あからさまに挙動不審やったもんな。
でも俺は、お前の事を普段はいけ好かんけど、
人一倍明陀の事を考えとる奴やと思っとったんや。それが、何でや?」
「・・・・・・」
「何とか言え!!!」
黙るのを諦めたか、蝮はポツリポツリと語り出す。
「・・・明陀の目を覚まさせるため。本当の裏切者は・・・勝呂達磨」
父の名を出され、勝呂は目を見開く。
「そして、日本支部長メフィスト・フェレスや」
「メ・・・メフィスト!?何の話だ・・・!?」
「8年前・・・私が祓魔塾に入塾して暫くした頃。
藤堂先生が打ち明けてくれはったんや」
8年前の蝮の目の前に、教師の藤堂がいる。
『宝生くん』
『はい』
『ここだけの話なのですが・・君、"不浄王の左目"というものを知っていますか?』
『え?』
唐突な質問に、思わず顔が上がる。
『メフィスト・フェレス支部長個人の持ち物として、
最深部に預けられているもので、どうやら"右目"も存在するようなんですが、
すべてが謎でね。君は、不浄王を倒した明陀家の出だそうだから、
何か知っているかと思ってね』
『左目?そ・・・そんなものが存在するんですか・・・?』
『!?』
逆に聞き返され、藤堂は不思議そうだった。
『ど、どういう事かな?』
『いえ・・・』
その時、私の中に一つ疑問が生まれた。
「藤堂先生は長らくメフィストの行動に疑念を抱いてはって、
その不正を暴こうとしてはるゆう話やった。
そこで私も先生に協力することにしたんや。メフィスト、不浄王、勝呂達磨。
この数年、調べ尽くしたわ。決定的な情報はなんも出て来ぉへんかったけどな。
だが一週間前、ヴァチカンで行われたメフィストの懲戒尋問について、
かなり確かな情報を得た・・・それは、「メフィスト・フェレスがサタンの仔を極秘裏に生かし育てていた」
と、いうものや」
"サタンの仔"の存在。それは、柔造にとっても初めて知る事だ。
「なんやと!?」
「しかも、そのサタンの息子を生かすために、
我ら明陀の本尊が使われとるゆう話や」
「な・・・」
「・・・!!」
勝呂は目を見開く。明陀の本尊・・・あれだ。
奥村・・・奥村燐が持っているあれこそが・・・。
だが、柔造たちはそれを知らない。
「証拠は!」
「・・・今ここに証拠なんぞあるか。だが、いずれ公になる。
オンアミリティウン・・・ハッタ、もう上は信用できひん。
"右目"と"左目"は、藤堂先生が深部よりも安全な場所に封印する」
蝮は手から、ナーガを二匹召喚する。
戦わないといけないのか。こんなのは理不尽以外なにもない。
「やめろ、蝮!!一人っきりで先走るな!せめて正々堂々、皆の前で言え!!」
「フン・・・上は明陀を正十字に売った達磨を、未だ頭首に据えて、
何の疑問も持っとらん連中や!父さまでさえ・・・!!
志摩家はその筆頭やないか!「落ちつけ、お前の考え過ぎや」と、
笑われるのがオチや。そない悠長にやっとる場合か!!」
エレベーターから出て、目の前の事態に目を見開く。
そこには、幾人もの仲間が倒れていたのだ。
「お・・・おい!!大丈夫か!?」
「う・・・」
どうやら死んではいないらしく、気絶してるだけのようだ。
けど、なんでだ。
(これは・・・)
アイツがしたなんて、到底考えられず信用できなかった。
「(どういう事や、柔造・・・)まさか・・・そんな」
勝呂より先に向かっていた柔造は、倒れている者の呼吸を確かめる。
「・・・・・・」
そして、そこで守られている"右目"の近くにいる人物に話かけた。
「そこで何してるんや、蝮」
長い髪をなびかせ、蝮は振り返る。
「・・・・・・」
「!!!」
こっそり後をつけていた勝呂は、とっさに足を止め身を屈めた。
(蝮やと!?)
てっきり、柔造の仕業だとばかり思っていたのに。
それじゃ、蝮が明陀の裏切り者と言うわけか。
柔造に見つかったのにも関わらず、蝮は微動だにしていない。
先に口を開くのは、柔造だった。彼の心境は、今やどんなものか。
「やっぱり、お前やったんか。ハッ、あからさまに挙動不審やったもんな。
でも俺は、お前の事を普段はいけ好かんけど、
人一倍明陀の事を考えとる奴やと思っとったんや。それが、何でや?」
「・・・・・・」
「何とか言え!!!」
黙るのを諦めたか、蝮はポツリポツリと語り出す。
「・・・明陀の目を覚まさせるため。本当の裏切者は・・・勝呂達磨」
父の名を出され、勝呂は目を見開く。
「そして、日本支部長メフィスト・フェレスや」
「メ・・・メフィスト!?何の話だ・・・!?」
「8年前・・・私が祓魔塾に入塾して暫くした頃。
藤堂先生が打ち明けてくれはったんや」
8年前の蝮の目の前に、教師の藤堂がいる。
『宝生くん』
『はい』
『ここだけの話なのですが・・君、"不浄王の左目"というものを知っていますか?』
『え?』
唐突な質問に、思わず顔が上がる。
『メフィスト・フェレス支部長個人の持ち物として、
最深部に預けられているもので、どうやら"右目"も存在するようなんですが、
すべてが謎でね。君は、不浄王を倒した明陀家の出だそうだから、
何か知っているかと思ってね』
『左目?そ・・・そんなものが存在するんですか・・・?』
『!?』
逆に聞き返され、藤堂は不思議そうだった。
『ど、どういう事かな?』
『いえ・・・』
その時、私の中に一つ疑問が生まれた。
「藤堂先生は長らくメフィストの行動に疑念を抱いてはって、
その不正を暴こうとしてはるゆう話やった。
そこで私も先生に協力することにしたんや。メフィスト、不浄王、勝呂達磨。
この数年、調べ尽くしたわ。決定的な情報はなんも出て来ぉへんかったけどな。
だが一週間前、ヴァチカンで行われたメフィストの懲戒尋問について、
かなり確かな情報を得た・・・それは、「メフィスト・フェレスがサタンの仔を極秘裏に生かし育てていた」
と、いうものや」
"サタンの仔"の存在。それは、柔造にとっても初めて知る事だ。
「なんやと!?」
「しかも、そのサタンの息子を生かすために、
我ら明陀の本尊が使われとるゆう話や」
「な・・・」
「・・・!!」
勝呂は目を見開く。明陀の本尊・・・あれだ。
奥村・・・奥村燐が持っているあれこそが・・・。
だが、柔造たちはそれを知らない。
「証拠は!」
「・・・今ここに証拠なんぞあるか。だが、いずれ公になる。
オンアミリティウン・・・ハッタ、もう上は信用できひん。
"右目"と"左目"は、藤堂先生が深部よりも安全な場所に封印する」
蝮は手から、ナーガを二匹召喚する。
戦わないといけないのか。こんなのは理不尽以外なにもない。
「やめろ、蝮!!一人っきりで先走るな!せめて正々堂々、皆の前で言え!!」
「フン・・・上は明陀を正十字に売った達磨を、未だ頭首に据えて、
何の疑問も持っとらん連中や!父さまでさえ・・・!!
志摩家はその筆頭やないか!「落ちつけ、お前の考え過ぎや」と、
笑われるのがオチや。そない悠長にやっとる場合か!!」