第二十一話 裏切り者
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ、あれ?玲薇・・・?」
「あ、燐!」
「遅かったな」
戻ってくれば玲薇がいた。その事に燐は目を丸くする。
「風美夜も一緒に修業がしたいんだってよ」
「いいかな、燐?」
「おう!なんか、久しぶりに会う感じだな!」
「こっちにきてから、ずっとバラバラだったもんね」
嬉しい。やっと落ち着いて会話が出来る・・・。
「ちょっとちょっとー、ホントに集中できんのかね?」
「もちろん!」
でもないが、近くにいれるのは変わりない。
「つかお前の修業って、なに?」
「竜騎士。クロを借りてもいい?」
クロも相手になってくれれば、もっと、もっと・・・!
それから数分後も、同じような修業が続くも、さほど成長はみらはれない。
真ん中だけ火をつけなく出来たとしても、他は全部燃えてしまう。
「クソ・・・なんでだ。なんで蝋燭ごと燃えちゃうんだよ!ちくしょお・・・ッ!!」
隣の屋根の上で四苦八苦している玲薇を見る。
二対一での的当てゲーム。玲薇曰く、手加減するなとのこと。
大きな傷はないものの、頬に、手に、足に、肌が出ている部分はかすり傷が目立つ。
あんな、傷だらけになってまで玲薇が頑張る必要ないのに。
これも、自分の修業が上手く出来ないせいだ。
何が足りないんだ?何が足りない?燐はギリッと、奥歯を噛み締める。
「っ・・・!」
「ほぁほぁ、どうした。もうやめるのか?」
大アクビするシュラに言われ、思わずカッとなる。
「やめねーよ!!!・・・あれだ、Tシャツ汗だくだから替えてくるだけだ!!
つーかちゃんと師匠の仕事しろ!サボってんじゃねー!!」
もう最後の方は八つ当たり。何も言われない内にさっさと下におりる。
「燐・・・」
《おい》
「あ、うん・・・。私達も、休憩しようか」
悪魔達を置いといて、玲薇は燐の後を追う。
「クソッ」
膝を抱き、燐は握り拳を作っていた。
「燐」
「玲薇・・・」
しかしフイッと、顔を反らす。こんな情けない自分など、もう見せたくなかった。
いつもいつも、彼女に力をもらいっぱなしなのだ。
中学の時だって、そうだったから・・・。
「隣、いいよね」
「なんだよ、来んなよ」
「嫌だ。私、ちょっと試してみたいことがあるの」
「?」
「燐の炎に、触らせて」
「・・・は!?」
玲薇のその発言に、間抜けな声を出してしまう。
何バカな頼みごとをしているんだ。いや、待てよ。
「・・・ネックレス、つけてんのか?」
「ない。だから、ネックレスなしの状態で試したいの」
「お前・・・バカだろ。燃えるぞ」
「杜山さんは、大丈夫だったじゃん。きっと、私だって」
「触らせねぇ・・・」
「え?」
「いいか!」
燐は立ち上がり、ビシッと指さす。
「見くびんなよ!俺はお前のこと燃やしたくねー!!
燃やさねー自信はあるけど、わからねえだろ。
絶対キッチリ、炎をコントロールしてみせる!
だから、無駄に触らせるのはそれからだ!」
「燐・・・」
「だから・・・」
ぎゅっと、玲薇を抱き締める。
「お願いだから、もうそんな傷つかねーでくれ。俺がなんとかすっから」
玲薇の傷つく姿を見る度に、自分の弱さが腹立たしい。
守ってやる、なんて偉そうな事を言っていても、進歩がない。
玲薇は優しく微笑むと、両腕を燐の背中に回し抱き寄る。
「玲薇・・・?」
「大丈夫。こんな傷、大したことない。すぐ治るよ。
それに、一緒に強くなろうって言ってるじゃない。
昔みたいに、私ばかり置いていかないで。
燐と雪男と、肩を並べて歩いて行きたいの」
"好き"って、直接言えないけど、誰よりも"大好き"だから。
「燐が不安にならないくらい、私も頑張るから!」
胸を張って、生きていこう。
「変な事言っちゃって、ゴメン・・・。先に戻るね」
そっと燐から離れ、背中を向ける。
「・・・っ、玲薇!」
「!」
手首を捕まれ、もう一度振り向けば燐はどこか悲しげだった。
でも、何を言うわけでもなく瞳を泳がせて掴んだ手を力なく離す。
「いや、なんでもない・・・。俺はもう少し、ここにいる」
「うん」
「あ、燐!」
「遅かったな」
戻ってくれば玲薇がいた。その事に燐は目を丸くする。
「風美夜も一緒に修業がしたいんだってよ」
「いいかな、燐?」
「おう!なんか、久しぶりに会う感じだな!」
「こっちにきてから、ずっとバラバラだったもんね」
嬉しい。やっと落ち着いて会話が出来る・・・。
「ちょっとちょっとー、ホントに集中できんのかね?」
「もちろん!」
でもないが、近くにいれるのは変わりない。
「つかお前の修業って、なに?」
「竜騎士。クロを借りてもいい?」
クロも相手になってくれれば、もっと、もっと・・・!
それから数分後も、同じような修業が続くも、さほど成長はみらはれない。
真ん中だけ火をつけなく出来たとしても、他は全部燃えてしまう。
「クソ・・・なんでだ。なんで蝋燭ごと燃えちゃうんだよ!ちくしょお・・・ッ!!」
隣の屋根の上で四苦八苦している玲薇を見る。
二対一での的当てゲーム。玲薇曰く、手加減するなとのこと。
大きな傷はないものの、頬に、手に、足に、肌が出ている部分はかすり傷が目立つ。
あんな、傷だらけになってまで玲薇が頑張る必要ないのに。
これも、自分の修業が上手く出来ないせいだ。
何が足りないんだ?何が足りない?燐はギリッと、奥歯を噛み締める。
「っ・・・!」
「ほぁほぁ、どうした。もうやめるのか?」
大アクビするシュラに言われ、思わずカッとなる。
「やめねーよ!!!・・・あれだ、Tシャツ汗だくだから替えてくるだけだ!!
つーかちゃんと師匠の仕事しろ!サボってんじゃねー!!」
もう最後の方は八つ当たり。何も言われない内にさっさと下におりる。
「燐・・・」
《おい》
「あ、うん・・・。私達も、休憩しようか」
悪魔達を置いといて、玲薇は燐の後を追う。
「クソッ」
膝を抱き、燐は握り拳を作っていた。
「燐」
「玲薇・・・」
しかしフイッと、顔を反らす。こんな情けない自分など、もう見せたくなかった。
いつもいつも、彼女に力をもらいっぱなしなのだ。
中学の時だって、そうだったから・・・。
「隣、いいよね」
「なんだよ、来んなよ」
「嫌だ。私、ちょっと試してみたいことがあるの」
「?」
「燐の炎に、触らせて」
「・・・は!?」
玲薇のその発言に、間抜けな声を出してしまう。
何バカな頼みごとをしているんだ。いや、待てよ。
「・・・ネックレス、つけてんのか?」
「ない。だから、ネックレスなしの状態で試したいの」
「お前・・・バカだろ。燃えるぞ」
「杜山さんは、大丈夫だったじゃん。きっと、私だって」
「触らせねぇ・・・」
「え?」
「いいか!」
燐は立ち上がり、ビシッと指さす。
「見くびんなよ!俺はお前のこと燃やしたくねー!!
燃やさねー自信はあるけど、わからねえだろ。
絶対キッチリ、炎をコントロールしてみせる!
だから、無駄に触らせるのはそれからだ!」
「燐・・・」
「だから・・・」
ぎゅっと、玲薇を抱き締める。
「お願いだから、もうそんな傷つかねーでくれ。俺がなんとかすっから」
玲薇の傷つく姿を見る度に、自分の弱さが腹立たしい。
守ってやる、なんて偉そうな事を言っていても、進歩がない。
玲薇は優しく微笑むと、両腕を燐の背中に回し抱き寄る。
「玲薇・・・?」
「大丈夫。こんな傷、大したことない。すぐ治るよ。
それに、一緒に強くなろうって言ってるじゃない。
昔みたいに、私ばかり置いていかないで。
燐と雪男と、肩を並べて歩いて行きたいの」
"好き"って、直接言えないけど、誰よりも"大好き"だから。
「燐が不安にならないくらい、私も頑張るから!」
胸を張って、生きていこう。
「変な事言っちゃって、ゴメン・・・。先に戻るね」
そっと燐から離れ、背中を向ける。
「・・・っ、玲薇!」
「!」
手首を捕まれ、もう一度振り向けば燐はどこか悲しげだった。
でも、何を言うわけでもなく瞳を泳がせて掴んだ手を力なく離す。
「いや、なんでもない・・・。俺はもう少し、ここにいる」
「うん」