第二十話 修業
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(燐、どこにいるかな・・・)
広いこの旅館を探してみるが、検討もつかない。
誰か知ってる人にも、なかなか会えないかもしれない。
でも今日は休みだし・・・丸一日ゴロゴロしていてもつまらないし、
時間ももったいないような気がするので、玲薇は外に出た。
「・・・・・・・」
腰につけてあるホルスターの中から、雪男から貰った銃を見る。
お下がりだけども、もっと頑張りたいと、あの時気が引き締まる思いだった。
初めて竜騎士を教えてもらう時は雪男自身が忙しく、
任務に無理矢理ついていくか、銃の種類の勉強からだったのだ。
でも、少しずつでも自分を認めてくれている。それが、嬉しかった。
期待に答えたい。これから先だって、二人と一緒にいたい。
置いていかれないように、しっかりしなければ。
「ふぅ・・・」
外の空気をめいいっぱい吸って、深呼吸。
今、まわりに人はいない。撃ってみても大丈夫だろうか。
雪男に教えてもらった感覚を思い出して、数メートル前の木に向き直る。
引き金に触れるだけでも、多少なり恐ろしい。
でも大丈夫。自分はやれるんだと、いい聞かす。
うじうじなんか、してられないから。
けれど・・・今は動きもしないただの木にしかすぎない。
本番で・・・悪魔に向かって狙い撃つことは可能だろうか。
「・・・・・・・」
そうだ、だったら悪魔を召喚すればいい。
出雲ではないが、モノは試し、だ。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
魔法円を取りだしそう唱えれば、リニュウが現れた。
リニュウは辺りの様子を伺うと、不機嫌そうにいつも以上に低い声を出す。
《なんのようだ》
「えっと、私の訓練相手になってほしいの」
《・・・は?》
きょとんと、リニュウは面食らったようだ。
《なんだって?》
「竜騎士に慣れるにはどうしたって、動くものにも当たるようにしないとでしょ?
こんな止まっただけの的ばかり狙ってても、きっと本番じゃうまくいかない。
ね?これも主人を助けるためだと思ってやって」
《チッ。ちゃんとみかえりもあるんだろうな?》
「・・・欲しい?欲しいなら、これからもこの訓練に付き合うこと」
《そんな条件ならいらねぇ》
「今後一切、リニュウの背中には私以外誰も乗せないってのはどう?」
やはりこういうのは、主人の方が一枚も二枚も上手だ。
いや、自分より強い奴でなければ使えないのも確かだ。
《わかった》
手騎士の悪魔で訓練相手なんて今まで聞いたこともない。
だがまあ、ずっと嫌だった人を背中に乗せるがなくなるのだ。
それでも、主人は乗せないとなんだけれど。悪くない。
《いくぜ》
大きな羽を、羽ばたかせて。
人は、何かに集中していたり、好きなことに没頭すると時間を忘れるらしい。
例えば、今のこの時がそうだったりする。
《!》
リニュウは何かに気づいたのか、さらに上空に飛んでいく。
《おい。れいの、あおいほのおがみえた》
「え、ホント?」
きっとそれは、燐に違いない。
「・・・連れてって」
その頃、燐は屋根の上でシュラとクロを連れた状態で修業を続けていた。
「ボンッ」
目の前の蝋燭三本は、むなしく全てが燃え尽くされる。
何度も繰り返されるそれに、シュラに注意された。
「「ボン」じゃないっつーの!「ポッ」と火が点るとこをイメージしろって言ってるだろ!!」
「はぁはぁ。くっそ~」
自分が燃やしてしまったそれに、聖水を浴びさせる。
どうしてうまくいかないのだろうか。考えても考えても、わからない。
「ちょっと、頭冷やしてくる」
「そーしろ」
「くっそ~、「ポッ」か~。ポ・・・ポ・・・ポ・・ポポ、ハトポッ、ポッ♪」
「!」
燐がいなくなったと同時に点った、シュラの目の前に再び用意されていた蝋燭。
これは燐が意識をもってやったのではない。
きっと自覚無しだ。無意識のうちにつけたのだ。
シュラは手元に置いてあるビールを飲みつぶやく。
「・・・ったく、先が遠いんだか近いんだか・・・」
広いこの旅館を探してみるが、検討もつかない。
誰か知ってる人にも、なかなか会えないかもしれない。
でも今日は休みだし・・・丸一日ゴロゴロしていてもつまらないし、
時間ももったいないような気がするので、玲薇は外に出た。
「・・・・・・・」
腰につけてあるホルスターの中から、雪男から貰った銃を見る。
お下がりだけども、もっと頑張りたいと、あの時気が引き締まる思いだった。
初めて竜騎士を教えてもらう時は雪男自身が忙しく、
任務に無理矢理ついていくか、銃の種類の勉強からだったのだ。
でも、少しずつでも自分を認めてくれている。それが、嬉しかった。
期待に答えたい。これから先だって、二人と一緒にいたい。
置いていかれないように、しっかりしなければ。
「ふぅ・・・」
外の空気をめいいっぱい吸って、深呼吸。
今、まわりに人はいない。撃ってみても大丈夫だろうか。
雪男に教えてもらった感覚を思い出して、数メートル前の木に向き直る。
引き金に触れるだけでも、多少なり恐ろしい。
でも大丈夫。自分はやれるんだと、いい聞かす。
うじうじなんか、してられないから。
けれど・・・今は動きもしないただの木にしかすぎない。
本番で・・・悪魔に向かって狙い撃つことは可能だろうか。
「・・・・・・・」
そうだ、だったら悪魔を召喚すればいい。
出雲ではないが、モノは試し、だ。
「"気高き気高き雄飛の眼前。我の血承け入れ、その力干渉せよ"!!」
魔法円を取りだしそう唱えれば、リニュウが現れた。
リニュウは辺りの様子を伺うと、不機嫌そうにいつも以上に低い声を出す。
《なんのようだ》
「えっと、私の訓練相手になってほしいの」
《・・・は?》
きょとんと、リニュウは面食らったようだ。
《なんだって?》
「竜騎士に慣れるにはどうしたって、動くものにも当たるようにしないとでしょ?
こんな止まっただけの的ばかり狙ってても、きっと本番じゃうまくいかない。
ね?これも主人を助けるためだと思ってやって」
《チッ。ちゃんとみかえりもあるんだろうな?》
「・・・欲しい?欲しいなら、これからもこの訓練に付き合うこと」
《そんな条件ならいらねぇ》
「今後一切、リニュウの背中には私以外誰も乗せないってのはどう?」
やはりこういうのは、主人の方が一枚も二枚も上手だ。
いや、自分より強い奴でなければ使えないのも確かだ。
《わかった》
手騎士の悪魔で訓練相手なんて今まで聞いたこともない。
だがまあ、ずっと嫌だった人を背中に乗せるがなくなるのだ。
それでも、主人は乗せないとなんだけれど。悪くない。
《いくぜ》
大きな羽を、羽ばたかせて。
人は、何かに集中していたり、好きなことに没頭すると時間を忘れるらしい。
例えば、今のこの時がそうだったりする。
《!》
リニュウは何かに気づいたのか、さらに上空に飛んでいく。
《おい。れいの、あおいほのおがみえた》
「え、ホント?」
きっとそれは、燐に違いない。
「・・・連れてって」
その頃、燐は屋根の上でシュラとクロを連れた状態で修業を続けていた。
「ボンッ」
目の前の蝋燭三本は、むなしく全てが燃え尽くされる。
何度も繰り返されるそれに、シュラに注意された。
「「ボン」じゃないっつーの!「ポッ」と火が点るとこをイメージしろって言ってるだろ!!」
「はぁはぁ。くっそ~」
自分が燃やしてしまったそれに、聖水を浴びさせる。
どうしてうまくいかないのだろうか。考えても考えても、わからない。
「ちょっと、頭冷やしてくる」
「そーしろ」
「くっそ~、「ポッ」か~。ポ・・・ポ・・・ポ・・ポポ、ハトポッ、ポッ♪」
「!」
燐がいなくなったと同時に点った、シュラの目の前に再び用意されていた蝋燭。
これは燐が意識をもってやったのではない。
きっと自覚無しだ。無意識のうちにつけたのだ。
シュラは手元に置いてあるビールを飲みつぶやく。
「・・・ったく、先が遠いんだか近いんだか・・・」