第二十話 修業
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頭上から降る声と共に、燐はぐいっと引っ張られる。
「わわわッシュラ!?」
顔を見上げれば、呆れた表情のシュラがいた。
「燐。お前"修業"は?昨日はやったのか?」
「いや・・・」
ハッキリ言えないそれに、モゴモゴ口を動かす。
「昨日は、途中から記憶が・・・」
「お主、たるんどるぞ!」
このままでは、燐が悪くなりそうな雰囲気に、志摩がフォロー入れた。
「いや、多分記憶ないの先生が飲みもん、酒と間違えたせいですよ」
「・・・・・・」
うっ、と言葉に詰まるシュラであったものの、引くきはないらしい。
「た・・・ったく、それもこれも修業が足りんせいだぞ!今日はみっちり鍛えてやる!!」
「うわ、強引!」
逆に、火をつけさせてしまったようだ。
「え・・・俺、プール・・・」
ボソリと呟く燐に、耳もとでひっそり問う。
「お前って、プールで遊んでる場合なの?」
「・・・・・・場合じゃない・・・」
シュラを出し抜くのは、とうてい無理なようだ。
「悪りィ志摩!ダメだった。今度また、絶対な・・・」
「ええよー」
「いいから来い」
「くっそ!」
シュラにはんば投げやり状態で行く燐の尻から出ている尻尾に、
先ほどプール話で盛り上がってバシバシ叩いていたそれに、柔造は目を奪われていた。
だが、志摩同様、あまり深く気にしないタイプなのだろう。
燐の性格を、どうやら気にいってくれたみたいだ。
「ははは!色々面白い子やな」
「面白いやろ、色々~。つか、修業てなんやろ」
「修業ね・・・・・よし、廉造!久々に兄ちゃんと手合わせするか!」
「エンリョします」
柔兄には、絶対勝てない。
ーーーーー
「志摩さん!」
「ん?」
食事を終え、廊下を歩いていると後ろから歩いてきていた子猫丸に話かけられた。
「その・・・奥村くんと、何打ち解けてるんや!」
「えー?」
「柔造さんや金造さんは何も知らへんのに、仲良さげにして。
奥村くんが、サッ・・・サタンの息子て後で判ったら、どないする気なん!?」
「どうする気て言われても・・・」
後先のことなど、まったく考えていない。
「まぁ、なるようになるやろ」
しかし、その言葉はさらに子猫丸の怒りを頂点に達せさせるもののようだ。
「志摩さんはどうしてそういつも、ええ加減なんや!!!」
「子猫さん達は、考え過ぎちゃうん」
「な・・・」
「いや、俺もね、「メンドい、避けとこー」て思っとったんやけど・・・。
はは。奥村くんで、避ける方が難儀やんか~。
何でやろって、俺も少しは悩んだんやで?でも、もー考えんのメンドーになってもーてん。
・・・だって、奥村くんええ人やんか。玲薇ちゃんやって、そうや」
サタンの息子、娘だと知っても、知る前の頃はあんな仲良く話せていた。
悪い人たちになんか、まったく見えない。
自分らから遠ざかるのは、お門違いなんじゃないかと思う。
「子猫さんかて、判ってはるんやろ。せやし俺はいちぬーけた♪
あ、そや。今日、これから明陀の総会なんやって?
いや、大変やなぁー・・・三輪家の若当主も。
俺、五男坊でほんまよかったわ~♪」
ルンルン気分の志摩は、今やどんな心境なのか・・・。
彼の飄々とした性格は、ときどき分からない時がある。
本気で言っているのか茶化しているのか否か・・・。
ー虎屋旅館、鶯の間ー
「三輪の子猫丸でございます」
正座をし、頭を下げて一礼する。
「座りよし」
「はい」
許可をえて、そそくさと自分の席へと歩む。
「子猫丸」
その時、勝呂に申し訳なさそうに言った。
「坊!遅なって・・・」
ふと視界に入った、まだ空いている席。
この一番大事な席場所は、勝呂の父である達磨のもの。
「・・・和尚はまだ、来ゃあらへんのですか・・・」
「・・・・・・」
険しい顔つきになる勝呂。すると、派手に襖が開いた。
「「!」」
達磨が来たかと思い振り返る。だが、そこに現れたのは予想してもいない者だった。
「みんな、ゴホッ、ゴホッ。今回は急な招集によう集まってくれたな・・・」
「・・・八百造・・・・・!!」
そう、そこに立つのは柔造に肩を借りて来た八百造だった。
体調がよろしくないのか、顔中に妙なイボのような痕まで増えている。
これでは良くなるどころか、悪化していく一方。
「お前、大丈夫か・・・!昨日より悪なってんやないか・・・!?」
「・・・・・坊・・・お見苦しいとこ見せてすんません・・・!
・・・一つ、みんなに知らせる事がある・・・。さっき、連絡があってな、
和尚は重要な用向きで、会には出席できひんそうや」
その途端、勝呂の顔が強張った。
(な・・・あのハゲ・・・どういうつもりや・・・!!!)
「わわわッシュラ!?」
顔を見上げれば、呆れた表情のシュラがいた。
「燐。お前"修業"は?昨日はやったのか?」
「いや・・・」
ハッキリ言えないそれに、モゴモゴ口を動かす。
「昨日は、途中から記憶が・・・」
「お主、たるんどるぞ!」
このままでは、燐が悪くなりそうな雰囲気に、志摩がフォロー入れた。
「いや、多分記憶ないの先生が飲みもん、酒と間違えたせいですよ」
「・・・・・・」
うっ、と言葉に詰まるシュラであったものの、引くきはないらしい。
「た・・・ったく、それもこれも修業が足りんせいだぞ!今日はみっちり鍛えてやる!!」
「うわ、強引!」
逆に、火をつけさせてしまったようだ。
「え・・・俺、プール・・・」
ボソリと呟く燐に、耳もとでひっそり問う。
「お前って、プールで遊んでる場合なの?」
「・・・・・・場合じゃない・・・」
シュラを出し抜くのは、とうてい無理なようだ。
「悪りィ志摩!ダメだった。今度また、絶対な・・・」
「ええよー」
「いいから来い」
「くっそ!」
シュラにはんば投げやり状態で行く燐の尻から出ている尻尾に、
先ほどプール話で盛り上がってバシバシ叩いていたそれに、柔造は目を奪われていた。
だが、志摩同様、あまり深く気にしないタイプなのだろう。
燐の性格を、どうやら気にいってくれたみたいだ。
「ははは!色々面白い子やな」
「面白いやろ、色々~。つか、修業てなんやろ」
「修業ね・・・・・よし、廉造!久々に兄ちゃんと手合わせするか!」
「エンリョします」
柔兄には、絶対勝てない。
ーーーーー
「志摩さん!」
「ん?」
食事を終え、廊下を歩いていると後ろから歩いてきていた子猫丸に話かけられた。
「その・・・奥村くんと、何打ち解けてるんや!」
「えー?」
「柔造さんや金造さんは何も知らへんのに、仲良さげにして。
奥村くんが、サッ・・・サタンの息子て後で判ったら、どないする気なん!?」
「どうする気て言われても・・・」
後先のことなど、まったく考えていない。
「まぁ、なるようになるやろ」
しかし、その言葉はさらに子猫丸の怒りを頂点に達せさせるもののようだ。
「志摩さんはどうしてそういつも、ええ加減なんや!!!」
「子猫さん達は、考え過ぎちゃうん」
「な・・・」
「いや、俺もね、「メンドい、避けとこー」て思っとったんやけど・・・。
はは。奥村くんで、避ける方が難儀やんか~。
何でやろって、俺も少しは悩んだんやで?でも、もー考えんのメンドーになってもーてん。
・・・だって、奥村くんええ人やんか。玲薇ちゃんやって、そうや」
サタンの息子、娘だと知っても、知る前の頃はあんな仲良く話せていた。
悪い人たちになんか、まったく見えない。
自分らから遠ざかるのは、お門違いなんじゃないかと思う。
「子猫さんかて、判ってはるんやろ。せやし俺はいちぬーけた♪
あ、そや。今日、これから明陀の総会なんやって?
いや、大変やなぁー・・・三輪家の若当主も。
俺、五男坊でほんまよかったわ~♪」
ルンルン気分の志摩は、今やどんな心境なのか・・・。
彼の飄々とした性格は、ときどき分からない時がある。
本気で言っているのか茶化しているのか否か・・・。
ー虎屋旅館、鶯の間ー
「三輪の子猫丸でございます」
正座をし、頭を下げて一礼する。
「座りよし」
「はい」
許可をえて、そそくさと自分の席へと歩む。
「子猫丸」
その時、勝呂に申し訳なさそうに言った。
「坊!遅なって・・・」
ふと視界に入った、まだ空いている席。
この一番大事な席場所は、勝呂の父である達磨のもの。
「・・・和尚はまだ、来ゃあらへんのですか・・・」
「・・・・・・」
険しい顔つきになる勝呂。すると、派手に襖が開いた。
「「!」」
達磨が来たかと思い振り返る。だが、そこに現れたのは予想してもいない者だった。
「みんな、ゴホッ、ゴホッ。今回は急な招集によう集まってくれたな・・・」
「・・・八百造・・・・・!!」
そう、そこに立つのは柔造に肩を借りて来た八百造だった。
体調がよろしくないのか、顔中に妙なイボのような痕まで増えている。
これでは良くなるどころか、悪化していく一方。
「お前、大丈夫か・・・!昨日より悪なってんやないか・・・!?」
「・・・・・坊・・・お見苦しいとこ見せてすんません・・・!
・・・一つ、みんなに知らせる事がある・・・。さっき、連絡があってな、
和尚は重要な用向きで、会には出席できひんそうや」
その途端、勝呂の顔が強張った。
(な・・・あのハゲ・・・どういうつもりや・・・!!!)