第二十話 修業
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日。朝食を取る席で、燐は一人大アクビ。
背後の席では、勝呂と子猫丸が共に燐から遠ざかったまま、
のんびりと朝食を進めていた。その際に、勝呂は昨夜の出来事を脳裏に甦らす。
しかし、なぜかどうしても浮かんでこない。
「昨日の夜の記憶がないんや・・・どーも、酒飲んで寝てもーたみたいやねん。
あの先生、自分の飲み物と間違わはったんやないか?
ろくでもないわ・・・」
「大丈夫ですか・・・?」
「大丈夫やけど、子猫・・・。お前、昨日お父とお母に挨拶できたんか?」
子猫丸の表情が、一瞬だけども固まる。
なんと答えていいのか、迷っているのだろうか。
でも、もうこれ以上勝呂に迷惑をかけるわけにもいかない。
「あっ、はい。昨日・・・」
「そか。なら、よかったわ」
一息つき、勝呂はその場を立ち上がる。
「じゃあ、先行くな」
「はい。鶯の間でしたよね」
「ああ」
そう言い残し、去っていく勝呂を見送った後、子猫丸は食事を再開する。
その時、やけにのんびりと緊張感のない声が響く。
「奥村くん、オハヨー」
「!!」
ハッとし、見れば志摩が燐に躊躇いなく話しているではないか。
「昨日、ちゃんと部屋戻れた?」
(志摩さん・・・!?)
いったい全体、どうなってるんだ。
「・・・覚えてねー」
素直に、言葉を返す燐。
「あっはっはっ、やっぱりなー。一応俺、飲まんどって正解やったわー」
志摩は燐の目の前に座り、いつも通りのニコニコ笑顔。
あまり昨日の事を覚えていない燐にとっては、些か不思議だ。
あんなに、毛嫌いされていたのに、と・・・。
「・・・お前」
「え?」
「俺とフツーに喋っちゃってヘーキなの?」
「ああ・・・ははは・・・」
「れ~~ん~~」
笑って誤魔化そうにも、奇妙に聞こえてきた声に、カッと目を見開く。
「この声は・・・」
「ぞォオりゃあ!!!」
「いった!」
よける間もなく、派手に吹き飛ばされる志摩。
「いきなり何すんの、金兄!!」
「何て・・・飛び蹴りやろ。お前アホか?」
「お前がアホやドアホ!!」
「廉造!元気そーでなによりやで」
そして、第三者のお出ましに、威嚇姿勢。
「おげッ、柔兄も・・・!」
「何や「おげッ」て!」
せっかく、久しぶりに再開出来たのに。
「つか柔兄たち、もう体大丈夫なんや?」
「もともと軽度やったからな。今日から現場復帰や。おっ」
どうやら柔造は、隅っこで一人朝食を食べている子猫丸を見つけたようだ。
昔のように、家族同然のように話手招きする。
「子猫、お前そんな所で何してん」
「!!」
「こっち来て、一緒に朝飯くおうや。ねこねこおいで~~」
「あ・・・」
柔造たちは決して悪くない。それでも、近くに燐がいる。
向こうに輪に入りたくとも、入る勇気がない・・・。
「僕・・・もう終わるんで・・・!!」
逃げるように、さらに身を縮める。まるでもう、話かけるなとでもいうように。
子猫丸のとるその態度の理由を知らぬ柔造は眉を寄せる。
「・・・何や、アイツ」
ふと、モグモグ食べ続けている燐を目にした金造が問いかけた。
「誰や、コイツ」
「あー!」
そういえば、初対面だったな。
「コチラ、お友達の奥村くん!」
「おお~そーか、そーか!俺は柔造。廉造の兄貴や」
「ど、どーも!」
柔造は燐の隣に腰かけ、金造は志摩の隣に腰をかける。
柔造は笑顔で、兄弟を紹介した。
「そっちは四男の金造でドアホや。廉造は男兄弟の末っ子でドスケベやけど、
よろしく遊んでやってくれな」
「せやせや、奥村くん。これからプール行かへん!?」
「はぁ?」
まさかの提案をしてくる志摩に、間抜けな声を出してしまう燐。
「俺ら、今日一日お休みらしいんよ。暑いしィ、女子誘ってプール、ええやろ?」
「じょ、女子誘ってプール・・・?」
燐の脳裏に浮かぶは、自分の名前を呼びながらビキニ姿でのしえみ。
だが、そのしえみにはソッポ向かれる。
「・・・いや」
それならば、玲薇はどうだろう。
いやいや、アイツこそ今は自分のことで頭がいっぱいのはず。
それに、皆と打ち解けられていないではないか。
「俺はエンリョしとく・・・」
しおれる燐に、負けず劣らず明るく話を進める志摩。
「まま、そー言わず。役割分担しよーや。
俺、出雲ちゃん担当と玲薇ちゃん担当」
ここで玲薇の名前を出してくれるとは、思わなかった。
「お前・・・玲薇とも・・・」
仲良く、してくれるのか。
「んー?いろいろ、メイワクかけたけどな。仲良くなるきっかけ?」
「き、きっと玲薇なら喜ぶぞ!」
「はは、そーならえーけどな。で、奥村くんは杜山さんや」
「・・・・・・」
「理由は同じや。仲良くなるええチャンスやろ!」
「・・・志摩、お前って・・・むちゃくちゃいい奴だな!!」
「あ、よーやっと気づいたんやー。俺はいい奴で有名ないい男やで」
「よし、じゃさっそく・・・」
「それって、アタシもお誘いあるのかにゃ~」
背後の席では、勝呂と子猫丸が共に燐から遠ざかったまま、
のんびりと朝食を進めていた。その際に、勝呂は昨夜の出来事を脳裏に甦らす。
しかし、なぜかどうしても浮かんでこない。
「昨日の夜の記憶がないんや・・・どーも、酒飲んで寝てもーたみたいやねん。
あの先生、自分の飲み物と間違わはったんやないか?
ろくでもないわ・・・」
「大丈夫ですか・・・?」
「大丈夫やけど、子猫・・・。お前、昨日お父とお母に挨拶できたんか?」
子猫丸の表情が、一瞬だけども固まる。
なんと答えていいのか、迷っているのだろうか。
でも、もうこれ以上勝呂に迷惑をかけるわけにもいかない。
「あっ、はい。昨日・・・」
「そか。なら、よかったわ」
一息つき、勝呂はその場を立ち上がる。
「じゃあ、先行くな」
「はい。鶯の間でしたよね」
「ああ」
そう言い残し、去っていく勝呂を見送った後、子猫丸は食事を再開する。
その時、やけにのんびりと緊張感のない声が響く。
「奥村くん、オハヨー」
「!!」
ハッとし、見れば志摩が燐に躊躇いなく話しているではないか。
「昨日、ちゃんと部屋戻れた?」
(志摩さん・・・!?)
いったい全体、どうなってるんだ。
「・・・覚えてねー」
素直に、言葉を返す燐。
「あっはっはっ、やっぱりなー。一応俺、飲まんどって正解やったわー」
志摩は燐の目の前に座り、いつも通りのニコニコ笑顔。
あまり昨日の事を覚えていない燐にとっては、些か不思議だ。
あんなに、毛嫌いされていたのに、と・・・。
「・・・お前」
「え?」
「俺とフツーに喋っちゃってヘーキなの?」
「ああ・・・ははは・・・」
「れ~~ん~~」
笑って誤魔化そうにも、奇妙に聞こえてきた声に、カッと目を見開く。
「この声は・・・」
「ぞォオりゃあ!!!」
「いった!」
よける間もなく、派手に吹き飛ばされる志摩。
「いきなり何すんの、金兄!!」
「何て・・・飛び蹴りやろ。お前アホか?」
「お前がアホやドアホ!!」
「廉造!元気そーでなによりやで」
そして、第三者のお出ましに、威嚇姿勢。
「おげッ、柔兄も・・・!」
「何や「おげッ」て!」
せっかく、久しぶりに再開出来たのに。
「つか柔兄たち、もう体大丈夫なんや?」
「もともと軽度やったからな。今日から現場復帰や。おっ」
どうやら柔造は、隅っこで一人朝食を食べている子猫丸を見つけたようだ。
昔のように、家族同然のように話手招きする。
「子猫、お前そんな所で何してん」
「!!」
「こっち来て、一緒に朝飯くおうや。ねこねこおいで~~」
「あ・・・」
柔造たちは決して悪くない。それでも、近くに燐がいる。
向こうに輪に入りたくとも、入る勇気がない・・・。
「僕・・・もう終わるんで・・・!!」
逃げるように、さらに身を縮める。まるでもう、話かけるなとでもいうように。
子猫丸のとるその態度の理由を知らぬ柔造は眉を寄せる。
「・・・何や、アイツ」
ふと、モグモグ食べ続けている燐を目にした金造が問いかけた。
「誰や、コイツ」
「あー!」
そういえば、初対面だったな。
「コチラ、お友達の奥村くん!」
「おお~そーか、そーか!俺は柔造。廉造の兄貴や」
「ど、どーも!」
柔造は燐の隣に腰かけ、金造は志摩の隣に腰をかける。
柔造は笑顔で、兄弟を紹介した。
「そっちは四男の金造でドアホや。廉造は男兄弟の末っ子でドスケベやけど、
よろしく遊んでやってくれな」
「せやせや、奥村くん。これからプール行かへん!?」
「はぁ?」
まさかの提案をしてくる志摩に、間抜けな声を出してしまう燐。
「俺ら、今日一日お休みらしいんよ。暑いしィ、女子誘ってプール、ええやろ?」
「じょ、女子誘ってプール・・・?」
燐の脳裏に浮かぶは、自分の名前を呼びながらビキニ姿でのしえみ。
だが、そのしえみにはソッポ向かれる。
「・・・いや」
それならば、玲薇はどうだろう。
いやいや、アイツこそ今は自分のことで頭がいっぱいのはず。
それに、皆と打ち解けられていないではないか。
「俺はエンリョしとく・・・」
しおれる燐に、負けず劣らず明るく話を進める志摩。
「まま、そー言わず。役割分担しよーや。
俺、出雲ちゃん担当と玲薇ちゃん担当」
ここで玲薇の名前を出してくれるとは、思わなかった。
「お前・・・玲薇とも・・・」
仲良く、してくれるのか。
「んー?いろいろ、メイワクかけたけどな。仲良くなるきっかけ?」
「き、きっと玲薇なら喜ぶぞ!」
「はは、そーならえーけどな。で、奥村くんは杜山さんや」
「・・・・・・」
「理由は同じや。仲良くなるええチャンスやろ!」
「・・・志摩、お前って・・・むちゃくちゃいい奴だな!!」
「あ、よーやっと気づいたんやー。俺はいい奴で有名ないい男やで」
「よし、じゃさっそく・・・」
「それって、アタシもお誘いあるのかにゃ~」