第十九話 酔いどれ息子
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女子風呂の脱衣場では、やや人混みが出来ているが、入れないほどではない。
今回ばかりはみんな共用、仕方ないことなのだ。愚痴など、聞き入れられないだろう。
服を脱ぎ、風呂に入る時はいつもネックレスは制服のポケットにしまっておく。
いつもなら考えなしの行動だが、今日は手のひらに乗せてじっと眺めた。
そのなんとも落ち込んでいるような表情に、出雲が眉を寄せ問いかける。
「それって・・・奥村燐から貰ったっていう、大事なネックレスでしょ?」
「え?う、うん・・・」
「らしくなくボーッと眺めて、どうしたの」
玲薇は思い出していた。
自分が燐の炎から守られているのは、このネックレスのおかげだ。
けどあの時、電車内でのバリヨン騒ぎの時しえみは燐の炎に捕らわれた。
しかし、火傷や熱いの一言もなかった。
燐が上手く、しえみだけを燃やさないようにと心がけたからかもしれない。
でも、それよりも、何もなくて燐の炎に平気でいれたしえみが、羨ましかった。
だが、自分はこのネックレスがないと燐の炎に触れることも出来ないのか、と。
「なんでもないの!早く入ろう!」
今度ネックレスつけないでいたら、どうなるんだろう・・・。
勝呂を怒らせ、しまいには子猫丸にも拒絶されてしまった燐は、ご立腹だった。
二人より出遅れ取り残された志摩は燐に威圧されてしまってか、
しぶしぶ一緒に仲良く弁当を広げている。そう、仲良くのはずだ・・・。
「・・・・・・い・・・いや~、お弁当おいしいなぁ。ネッ」
だが、ジュースを飲んでから燐の様子が明らかに可笑しい。
たびたびに、しゃっくりを上げている。
「ヒッコ・・・それは、いいんだけどさぁ。お前、遠くね・・・?」
「えっ、えー?そう?」
燐の言う通り、数十メートルは離れているだろう。
しかし、志摩はとぼけるばかり。
「お前も俺にビビッてんだろ!!」
「ハハハハハ・・・いやいやいや、ビビッてへんよ~!
まー強いていえば、メンド臭いのが嫌いなんや(助けてェ~)」
「メンド臭いのが嫌いぃ~?」
吐き捨てるように、燐は思ったまま素直に志摩に言葉をぶつける。
「ダッセ!まー、お前ってカッコ悪りィもんな」
「ん!?・・・・・・今・・・俺カッコ悪いゆうた?
聞きずてならんな!?俺はカッコええことで有名な男やで」
「はぁ、お前が?あっははは!!」
急に笑い出したかと思えば、腹を押さえてまでのバカ笑い。
「笑いすぎやろ!?」
すると、まだ笑いを抑えきれない状態のまま、
燐はポケットから小さく折り畳まれていたしわくちゃになっている紙を拡げた。
一番上の題らしき太字で書かれているのは【オレてきカッコイイやつランキング】。
1はもちろん、ジジイ。2についてるのは勝呂。
3は子猫丸で4番目はオレ=燐。そして、5・6は雪男にクロだったのが、
名前に二縦線を引かれクロ、雪男の順位になっている。
「いーか?俺のカッコイイ奴ランキングでは、お前はこの辺だ」
一番下の空いているスペースを燐が指し示す。
「クロより下!?」
それよりも、最初から志摩の名前を入れていないとは。
あっと、燐は少し首を捻らせると、指し示す場所を変えて、
さらに下を指し示しめしてみせた。
「いや・・・選外だ」
「へぇえ!?」
それはさすがの志摩でもショックだ。
「ひどいわ!」
怒り余りに地団駄を踏み立ち上がる。
だが、動じない燐はさらっと止めをさすような一言。
「しょうがない。これはれっきとした真実」
「「・・・・・・・・」」
言い表しようのない空気が二人の間に漂う。
しかし、最初に吹き出したのは志摩だった。
「ブフッ」
「!?」
どうやら、今度は彼が笑いを必死にこらえる番らしい。
「・・・なんや、これ・・・ブククク!なるべく関わらんどこ思てたのに、
いつの間にやらフツーに喋ってもーてるやんか!ハハハ!
関わらんようにする方がメンド臭いわ、コレ。やめややめ!!」
「・・・そーだぞ、あきらめろ。どーにもなんねーんだから。笑っとけ笑っとけ、ふはは」
「ハハハ・・・そーするわ」
なんだか今まで息くるしかったが、急に肩の荷が外れたように体が軽い。
「・・・坊にしろ子猫さんにしろ、皆マジメすぎるんや」
「・・・お前はカッコ悪すぎるんや」
「なんで関西弁!?」
たびたび突っ込まれる燐だった。
今回ばかりはみんな共用、仕方ないことなのだ。愚痴など、聞き入れられないだろう。
服を脱ぎ、風呂に入る時はいつもネックレスは制服のポケットにしまっておく。
いつもなら考えなしの行動だが、今日は手のひらに乗せてじっと眺めた。
そのなんとも落ち込んでいるような表情に、出雲が眉を寄せ問いかける。
「それって・・・奥村燐から貰ったっていう、大事なネックレスでしょ?」
「え?う、うん・・・」
「らしくなくボーッと眺めて、どうしたの」
玲薇は思い出していた。
自分が燐の炎から守られているのは、このネックレスのおかげだ。
けどあの時、電車内でのバリヨン騒ぎの時しえみは燐の炎に捕らわれた。
しかし、火傷や熱いの一言もなかった。
燐が上手く、しえみだけを燃やさないようにと心がけたからかもしれない。
でも、それよりも、何もなくて燐の炎に平気でいれたしえみが、羨ましかった。
だが、自分はこのネックレスがないと燐の炎に触れることも出来ないのか、と。
「なんでもないの!早く入ろう!」
今度ネックレスつけないでいたら、どうなるんだろう・・・。
勝呂を怒らせ、しまいには子猫丸にも拒絶されてしまった燐は、ご立腹だった。
二人より出遅れ取り残された志摩は燐に威圧されてしまってか、
しぶしぶ一緒に仲良く弁当を広げている。そう、仲良くのはずだ・・・。
「・・・・・・い・・・いや~、お弁当おいしいなぁ。ネッ」
だが、ジュースを飲んでから燐の様子が明らかに可笑しい。
たびたびに、しゃっくりを上げている。
「ヒッコ・・・それは、いいんだけどさぁ。お前、遠くね・・・?」
「えっ、えー?そう?」
燐の言う通り、数十メートルは離れているだろう。
しかし、志摩はとぼけるばかり。
「お前も俺にビビッてんだろ!!」
「ハハハハハ・・・いやいやいや、ビビッてへんよ~!
まー強いていえば、メンド臭いのが嫌いなんや(助けてェ~)」
「メンド臭いのが嫌いぃ~?」
吐き捨てるように、燐は思ったまま素直に志摩に言葉をぶつける。
「ダッセ!まー、お前ってカッコ悪りィもんな」
「ん!?・・・・・・今・・・俺カッコ悪いゆうた?
聞きずてならんな!?俺はカッコええことで有名な男やで」
「はぁ、お前が?あっははは!!」
急に笑い出したかと思えば、腹を押さえてまでのバカ笑い。
「笑いすぎやろ!?」
すると、まだ笑いを抑えきれない状態のまま、
燐はポケットから小さく折り畳まれていたしわくちゃになっている紙を拡げた。
一番上の題らしき太字で書かれているのは【オレてきカッコイイやつランキング】。
1はもちろん、ジジイ。2についてるのは勝呂。
3は子猫丸で4番目はオレ=燐。そして、5・6は雪男にクロだったのが、
名前に二縦線を引かれクロ、雪男の順位になっている。
「いーか?俺のカッコイイ奴ランキングでは、お前はこの辺だ」
一番下の空いているスペースを燐が指し示す。
「クロより下!?」
それよりも、最初から志摩の名前を入れていないとは。
あっと、燐は少し首を捻らせると、指し示す場所を変えて、
さらに下を指し示しめしてみせた。
「いや・・・選外だ」
「へぇえ!?」
それはさすがの志摩でもショックだ。
「ひどいわ!」
怒り余りに地団駄を踏み立ち上がる。
だが、動じない燐はさらっと止めをさすような一言。
「しょうがない。これはれっきとした真実」
「「・・・・・・・・」」
言い表しようのない空気が二人の間に漂う。
しかし、最初に吹き出したのは志摩だった。
「ブフッ」
「!?」
どうやら、今度は彼が笑いを必死にこらえる番らしい。
「・・・なんや、これ・・・ブククク!なるべく関わらんどこ思てたのに、
いつの間にやらフツーに喋ってもーてるやんか!ハハハ!
関わらんようにする方がメンド臭いわ、コレ。やめややめ!!」
「・・・そーだぞ、あきらめろ。どーにもなんねーんだから。笑っとけ笑っとけ、ふはは」
「ハハハ・・・そーするわ」
なんだか今まで息くるしかったが、急に肩の荷が外れたように体が軽い。
「・・・坊にしろ子猫さんにしろ、皆マジメすぎるんや」
「・・・お前はカッコ悪すぎるんや」
「なんで関西弁!?」
たびたび突っ込まれる燐だった。