第十七話 京都へGO!
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発車時間になったのか、ホームからベルが鳴り出し、アナウンスがかかった。
「今日も新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます」
そしていよいよ、京都行きの新幹線が、走り出した。
「へいちゅうもーく」
みんなの視線が、シュラに向けられる。
「アタシは今回、ムリヤリ増援部隊隊長押し付けられた、霧隠シュラです!ヨロシク!
ふんじゃひとまず、「情報管理部」の佐藤くん。現状説明頼むわー」
「え、あ、はい!」
佐藤と呼ばれた人が慌てて立ち上がり、説明を始めた。
「7月22日午後1時20分頃、騎士團基地「最深部」内にて、
"特別危険悪魔部位"に指定され封印されていた"不浄王の左目"が、
何者かに奪われました。これは「最深部」元・部長上ニ級藤堂三郎太の、
手引きだった事が判っていますが・・・その目的や共犯者の見当もつかず、
現在調査中です」
・・・不浄王の左目?
「そー。そして同時刻、西に離れた「京都出張所」の深部も、
何者かの衝撃を受けた。こちらは未遂に止めたが・・・狙われたのは、
"不浄王の右目"・・・!」
・・・不浄王の右目?
「あの!」
話が進まないうちに、出雲が手を上げる。
「"不浄王の右目"とか"左目"って、何なんですか?習ってません!」
「そう。この悪魔はメジャー扱いされてない。・・・その割に、
逸話の方は穏やかじゃないぞ。んじゃ"不浄王"について・・・、
「悪魔歴史学」講師の足立先生、お願いします」
「へ!?・・・はぁ」
急にシュラに頼まれた「悪魔歴史学」の足立先生・・・かなりの年輩のおじさんは、立ち上がった。
「"不浄王"は、江戸後期・・・安政5年頃に流行した熱病や疫病を、
蔓延させたとされる上級悪魔で・・・当時、4万以上の犠牲者を出した、
元凶といわれているんです。"右目""左目"とは、"不浄王"を討伐した、
"不角"という僧侶が・・・討伐した事を証明するために抜き取ったというもので・・・、
目だけでも強烈な瘴気を発し、大変危険な代物です」
「何やってんだ、その・・・フカクって奴・・・。そんなに自慢したかったのか?」
(・・・いや、そういうんじゃないと思うよ、燐)
顔をひきつらせる玲薇。
「不浄王・・・!」
出雲が呟く。
「・・・とにかく、敵の目的はまだナゾだが、その"右目"と"左目"で、
何か悪さをしようとしてるのは確か。"右目"を守る京都出張所は、
また襲われる可能性がある。"左目"の二の舞になる事だけは、避けないとな。
つまり、今回の任務は京都出張所で負傷した祓魔師の看護と、
手薄になった警護の応援。エクスワイアは、そのお手伝いをしてもらう。
ふんじゃまぁ、皆力合わせてがんばってくれ!そんで、アタシに楽させてくれ・・・」
「え・・・?」
シュラの説明が終わって、少し時間が経った頃。燐は、そわそわしていた。
「燐、どうしたの?」
玲薇が声をかける。
「いや、玲薇はいいんだけどよ・・・」
「?」
どうやら燐は、出雲を気にしているようだ。
「お前・・・俺らが怖くねーのか?」
「・・・・・・・」
「・・・あたしが、アンタ達を?」
燐がぎこちなく頷く。
「ハッ、怖くもなんともないわよ」
だから、玲薇と一緒にいれたんじゃない。
「出雲・・・」
「あんた達は知らないんでしょーけど、この世界に悪魔と人間の血縁者は、
ざらにいるの!むしろ、祓魔師には多いんだから」
「え・・・?」
「・・・そっ、そーなのか!?」
「一般常識よ」
出雲が言ってる事が正しいとしたら・・・なんで私・・・燐は・・・。
「・・・じゃあ、俺は・・・」
「・・・なんで、燐と私はこんなに扱いが違うの?」
私なんか、燐よりまだ全然扱いはいい方だ。
「それは・・・つまり、あんた達が問題なのはサタンの仔って事と、
炎を継いでるか継いでないかの差だと思うわ。騎士團だって、
サタンの仔が仲間に入るのが損か得か量りかねてるから、
あんたをまだ、殺さないんじゃない」
ピッと、出雲は燐を指さして。
「それだけの事よ。たかがそれだけの事にバカみたいに、
いっちいち大騒ぎなんてしてられないわ!!」
燐と玲薇は、顔を合わせる。判ってくれてる人が、他にいてくれた。
「・・・まゆげ・・・!」
「まゆげ!?」
燐の言葉に、出雲は驚きの表情。
「俺らを、はげましてくれてんのか・・・」
「は!?」
「やっぱお前って、いい奴だな!」
「出雲が友達で、よかった!」
ガバッと、玲薇は出雲に抱きつく。
「ちょっ、何でそーなんのよ!」
「え?私じゃ、やっぱり・・・」
朴の代わりには、なれない・・・?
「ちがうわよ!そーじゃなくて・・・」
なんて言ったらいいか、いい言葉が思い浮かばない。
「てゆうか、なにまゆげって、アダ名!?」
・・・確かに、まゆげは失礼だな。
「あたしは、神木出雲よ!それから・・・玲薇とは、ずっと一緒にいたいと思ってんだから!」
「出雲・・・!」
「ありがとな、出雲」
燐がお礼を言うが。
「・・・・・きっ・・・・・気易く呼び捨てにしないで!!!」
出雲の声が、4号車全体に響いた。
「うるさいそこ。眠れないだろー」
その為、シュラが注意。
「あ・・・あたしは・・・!「サタンを倒す」だとか、「友達」だとか!
綺麗事ばっか言って、いざとなったら逃げ腰の・・・臆病者が、大ッ嫌いなだけよ!」
「・・・黙って聞いとれば言いたい放題!!誰が臆病者や!」
「わっ」
勝呂が力強く、燐の席を拳で叩く。ビクリと、体を震わす玲薇。
「フン。じゃあ、何なのよ」
だが出雲は、微動だにしない。
「ゴルァッ!!」
シュラの怒鳴り声が、響いた・・・。
「今日も新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます」
そしていよいよ、京都行きの新幹線が、走り出した。
「へいちゅうもーく」
みんなの視線が、シュラに向けられる。
「アタシは今回、ムリヤリ増援部隊隊長押し付けられた、霧隠シュラです!ヨロシク!
ふんじゃひとまず、「情報管理部」の佐藤くん。現状説明頼むわー」
「え、あ、はい!」
佐藤と呼ばれた人が慌てて立ち上がり、説明を始めた。
「7月22日午後1時20分頃、騎士團基地「最深部」内にて、
"特別危険悪魔部位"に指定され封印されていた"不浄王の左目"が、
何者かに奪われました。これは「最深部」元・部長上ニ級藤堂三郎太の、
手引きだった事が判っていますが・・・その目的や共犯者の見当もつかず、
現在調査中です」
・・・不浄王の左目?
「そー。そして同時刻、西に離れた「京都出張所」の深部も、
何者かの衝撃を受けた。こちらは未遂に止めたが・・・狙われたのは、
"不浄王の右目"・・・!」
・・・不浄王の右目?
「あの!」
話が進まないうちに、出雲が手を上げる。
「"不浄王の右目"とか"左目"って、何なんですか?習ってません!」
「そう。この悪魔はメジャー扱いされてない。・・・その割に、
逸話の方は穏やかじゃないぞ。んじゃ"不浄王"について・・・、
「悪魔歴史学」講師の足立先生、お願いします」
「へ!?・・・はぁ」
急にシュラに頼まれた「悪魔歴史学」の足立先生・・・かなりの年輩のおじさんは、立ち上がった。
「"不浄王"は、江戸後期・・・安政5年頃に流行した熱病や疫病を、
蔓延させたとされる上級悪魔で・・・当時、4万以上の犠牲者を出した、
元凶といわれているんです。"右目""左目"とは、"不浄王"を討伐した、
"不角"という僧侶が・・・討伐した事を証明するために抜き取ったというもので・・・、
目だけでも強烈な瘴気を発し、大変危険な代物です」
「何やってんだ、その・・・フカクって奴・・・。そんなに自慢したかったのか?」
(・・・いや、そういうんじゃないと思うよ、燐)
顔をひきつらせる玲薇。
「不浄王・・・!」
出雲が呟く。
「・・・とにかく、敵の目的はまだナゾだが、その"右目"と"左目"で、
何か悪さをしようとしてるのは確か。"右目"を守る京都出張所は、
また襲われる可能性がある。"左目"の二の舞になる事だけは、避けないとな。
つまり、今回の任務は京都出張所で負傷した祓魔師の看護と、
手薄になった警護の応援。エクスワイアは、そのお手伝いをしてもらう。
ふんじゃまぁ、皆力合わせてがんばってくれ!そんで、アタシに楽させてくれ・・・」
「え・・・?」
シュラの説明が終わって、少し時間が経った頃。燐は、そわそわしていた。
「燐、どうしたの?」
玲薇が声をかける。
「いや、玲薇はいいんだけどよ・・・」
「?」
どうやら燐は、出雲を気にしているようだ。
「お前・・・俺らが怖くねーのか?」
「・・・・・・・」
「・・・あたしが、アンタ達を?」
燐がぎこちなく頷く。
「ハッ、怖くもなんともないわよ」
だから、玲薇と一緒にいれたんじゃない。
「出雲・・・」
「あんた達は知らないんでしょーけど、この世界に悪魔と人間の血縁者は、
ざらにいるの!むしろ、祓魔師には多いんだから」
「え・・・?」
「・・・そっ、そーなのか!?」
「一般常識よ」
出雲が言ってる事が正しいとしたら・・・なんで私・・・燐は・・・。
「・・・じゃあ、俺は・・・」
「・・・なんで、燐と私はこんなに扱いが違うの?」
私なんか、燐よりまだ全然扱いはいい方だ。
「それは・・・つまり、あんた達が問題なのはサタンの仔って事と、
炎を継いでるか継いでないかの差だと思うわ。騎士團だって、
サタンの仔が仲間に入るのが損か得か量りかねてるから、
あんたをまだ、殺さないんじゃない」
ピッと、出雲は燐を指さして。
「それだけの事よ。たかがそれだけの事にバカみたいに、
いっちいち大騒ぎなんてしてられないわ!!」
燐と玲薇は、顔を合わせる。判ってくれてる人が、他にいてくれた。
「・・・まゆげ・・・!」
「まゆげ!?」
燐の言葉に、出雲は驚きの表情。
「俺らを、はげましてくれてんのか・・・」
「は!?」
「やっぱお前って、いい奴だな!」
「出雲が友達で、よかった!」
ガバッと、玲薇は出雲に抱きつく。
「ちょっ、何でそーなんのよ!」
「え?私じゃ、やっぱり・・・」
朴の代わりには、なれない・・・?
「ちがうわよ!そーじゃなくて・・・」
なんて言ったらいいか、いい言葉が思い浮かばない。
「てゆうか、なにまゆげって、アダ名!?」
・・・確かに、まゆげは失礼だな。
「あたしは、神木出雲よ!それから・・・玲薇とは、ずっと一緒にいたいと思ってんだから!」
「出雲・・・!」
「ありがとな、出雲」
燐がお礼を言うが。
「・・・・・きっ・・・・・気易く呼び捨てにしないで!!!」
出雲の声が、4号車全体に響いた。
「うるさいそこ。眠れないだろー」
その為、シュラが注意。
「あ・・・あたしは・・・!「サタンを倒す」だとか、「友達」だとか!
綺麗事ばっか言って、いざとなったら逃げ腰の・・・臆病者が、大ッ嫌いなだけよ!」
「・・・黙って聞いとれば言いたい放題!!誰が臆病者や!」
「わっ」
勝呂が力強く、燐の席を拳で叩く。ビクリと、体を震わす玲薇。
「フン。じゃあ、何なのよ」
だが出雲は、微動だにしない。
「ゴルァッ!!」
シュラの怒鳴り声が、響いた・・・。