第二話 嗤うサタン
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燐の身体が光に包まれたと思うと、彼に長い尻尾、尖った耳と牙が生えたのを、
一瞬だけ見た気がした。その光から護るよう、自身にも光が帯びたので、見えなくなったが。
ゲヘナゲートを吹き消したところで、辺りは静まりかえった・・・。
「父さん・・・!!」
空も悲しんでくれているように、冷たい雨が降っていた。
藤本獅郎の葬式の日。
あの、恐ろしかった事件の後。
黙ったまま、雨粒があたることを気にとめなく墓に目をやっていた。
声をかけようにもかけられないでいると、彼の方から謝られた。
「・・・ごめん・・・」
ゆっくりと、玲薇は顔を上げ、燐を見る。
「・・・怖いおもい、させた・・・」
そして、燐の言葉に首を横に振った。
「私も・・・ゴメン・・・」
なにも、出来なかった。もう、昔のようには、戻れないかもしれない・・・。
でもね、ひとりぼっちは、もう嫌なの。
「ねぇ、燐・・・」
ずっと墓に向けられていた燐の目線が、ここでやっと、玲薇に向けられる。
「これからも、ずっと傍に居てくれる・・・?」
大雨に近いこの天候。でも、彼女は分かるくらい涙を流していた。
「玲薇・・・」
「強くなるから・・・。どんな方法でも、今よりもっと強くなるから・・・!」
玲薇に寄り添い、そして、不器用ながらに抱き締める。
「・・・言ったよな、俺」
「・・・?」
「玲薇が居れば、十分だって・・・」
「あ・・・」
彼も辛い筈なのに、微笑みかけてくれて。そして燐は、もう一度墓に目をやった。
獅郎から貰った、あの優しさも忘れない。彼女を守れるように、自身も強く・・・!
燐は、獅郎から渡された携帯を取り出した。
『修道院から出たら、すぐ電話をかけろ。俺の友人の番号だ』
そして、一件だけ登録してある番号を見つけ出し、かけた。
近くにいるせいか、呼び鈴がやけに大きく聞こえる。
そして、それは周辺からも・・・。
「な・・・」
相手は、案外近くにいた。たくさんの人を連れて。
「はじめまして、奥村燐くん。隣にいるお嬢さんは、風美夜玲薇さん、でいいのかな?」
不振に思いながらも、玲薇はこくりと頷く。
そうして、傘をちょこっと上げて、軽く挨拶された。
「私は、メフィスト・フェレス。藤本神父の、友人です」
一見、ピエロにも似た服を着た、この人が・・・。
「この度は、お悔やみ申し上げる」
片言な喋りになりながらも、燐は彼らに問いかける。
「お、お前ら・・・、エクソシストか・・・?」
「"正十字騎士團"と、申します」
「・・・ジジイは、お前が保護してくれるって、いってたぞ」
メフィストは燐を見てから玲薇を見る。
「どうやら、貴女は問題ないようだ」
「?」
一瞬だけ見た気がした。その光から護るよう、自身にも光が帯びたので、見えなくなったが。
ゲヘナゲートを吹き消したところで、辺りは静まりかえった・・・。
「父さん・・・!!」
空も悲しんでくれているように、冷たい雨が降っていた。
藤本獅郎の葬式の日。
あの、恐ろしかった事件の後。
黙ったまま、雨粒があたることを気にとめなく墓に目をやっていた。
声をかけようにもかけられないでいると、彼の方から謝られた。
「・・・ごめん・・・」
ゆっくりと、玲薇は顔を上げ、燐を見る。
「・・・怖いおもい、させた・・・」
そして、燐の言葉に首を横に振った。
「私も・・・ゴメン・・・」
なにも、出来なかった。もう、昔のようには、戻れないかもしれない・・・。
でもね、ひとりぼっちは、もう嫌なの。
「ねぇ、燐・・・」
ずっと墓に向けられていた燐の目線が、ここでやっと、玲薇に向けられる。
「これからも、ずっと傍に居てくれる・・・?」
大雨に近いこの天候。でも、彼女は分かるくらい涙を流していた。
「玲薇・・・」
「強くなるから・・・。どんな方法でも、今よりもっと強くなるから・・・!」
玲薇に寄り添い、そして、不器用ながらに抱き締める。
「・・・言ったよな、俺」
「・・・?」
「玲薇が居れば、十分だって・・・」
「あ・・・」
彼も辛い筈なのに、微笑みかけてくれて。そして燐は、もう一度墓に目をやった。
獅郎から貰った、あの優しさも忘れない。彼女を守れるように、自身も強く・・・!
燐は、獅郎から渡された携帯を取り出した。
『修道院から出たら、すぐ電話をかけろ。俺の友人の番号だ』
そして、一件だけ登録してある番号を見つけ出し、かけた。
近くにいるせいか、呼び鈴がやけに大きく聞こえる。
そして、それは周辺からも・・・。
「な・・・」
相手は、案外近くにいた。たくさんの人を連れて。
「はじめまして、奥村燐くん。隣にいるお嬢さんは、風美夜玲薇さん、でいいのかな?」
不振に思いながらも、玲薇はこくりと頷く。
そうして、傘をちょこっと上げて、軽く挨拶された。
「私は、メフィスト・フェレス。藤本神父の、友人です」
一見、ピエロにも似た服を着た、この人が・・・。
「この度は、お悔やみ申し上げる」
片言な喋りになりながらも、燐は彼らに問いかける。
「お、お前ら・・・、エクソシストか・・・?」
「"正十字騎士團"と、申します」
「・・・ジジイは、お前が保護してくれるって、いってたぞ」
メフィストは燐を見てから玲薇を見る。
「どうやら、貴女は問題ないようだ」
「?」