第十六話 どいつもこいつも
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翌日。
「ごめん!兄さん、遅くなって」
腕時計で時間を確かめながら、雪男が飛び込んできた。
「シュラさん、もう待ってる頃だから急いで・・・」
が、燐の姿がない。
「雪男」
「・・・玲薇、兄さんはどこ?」
「・・・じゅ、塾行くって・・・」
背中越しからでも分かる。雪男が、怒ってる事くらい。
「で、でも一応私、燐を止めようとしたんだけど。でも、皆にちゃんと話たいからって・・・」
「そう」
「雪、男・・・?」
恐る恐る様子を伺う。
・・・これは、力づくでも燐を止めておけばよかった。
ハァーと、雪男が長いため息をつく。
すると、彼の携帯が鳴った。
「・・・・・・」
無言で、彼はメールを確認してる模様。
メールは霧隠シュラからで、題が『ビビリメガネへ』とある。
【ごめん、ちょっと遅れるわ~。テケトーにまっててちょ、ヨロチクビビリ。
シュラ様より】
「・・・どいつもこいつも・・・」
まともなのは、玲薇だけか。
携帯をきって、玲薇を見る。
「兄さんのとこへ行くよ」
「はーい」
場所はかわって病院のロビー。そこで志摩は、実家に電話をしていた。
「おー、おかんか。うん、今ちょうど病院ですわ。
・・・うん、坊は大丈夫。子猫さんが昨日手術して、今入院中や。
左前腕を複雑骨折して、全治4・5週間らしいわ。でも、
一週間後には退院できるて。うん・・・じゃあ・・・て、実の息子の心配は!?
ヒドイ母親やな。俺もろっ骨二本ヒビ入って、息すんの苦しかったり・・・、
はい?あ、それより坊?」
やっぱり母親は、坊のことだけか。
「あー、坊はノドの怪我よりも・・・なんや、物凄いことあって、
ちょっと動揺してはるいうか・・・まぁ、それより京都はどうなん。
変わりないんか?和尚と女将さんも、気が気やないやろ・・・えっ、ほんまか?」
スゥーと、燐は深く深呼吸。
「ハァー・・・よしッ」
意を決して、塾のドアに手をかけた。
「オハヨウ諸君!!およっ」
だが、いつもより人数がいない。ここにいるのはしえみに出雲。そして、宝だ。
「少ねーな・・・あれ・・・京都の、三人組は?」
燐の問いに答えてくれたのは、出雲だった。
「・・・病院で検診受けてるから休みなのよ。三輪くんは、入院してるし・・・」
「おー、そっか!何も悪いことないといいけどな」
「・・・玲薇は?」
「あ・・・あいつ、ちょっとな気分が優れねーっつーか、なんつーか」
「・・・そう」
出雲は燐から目を反らし、何か考えるように顎に手をつけた。
このまま何もなく、縁を切られちゃうのかな・・・。
「・・・・・・」
出雲は玲薇と友達だった。どう、思ってくれてんのかな・・・。
ドカッと、いつも通りしえみの隣の席に座る。だが、しえみは顔を下に向けた。
「な、なんだよ・・・まだ俺こえーのか」
「ちがう!!」
雪男が塾のドアを開けたのとしえみが叫んだのは、ほぼ同時だった。
「ごめん!兄さん、遅くなって」
腕時計で時間を確かめながら、雪男が飛び込んできた。
「シュラさん、もう待ってる頃だから急いで・・・」
が、燐の姿がない。
「雪男」
「・・・玲薇、兄さんはどこ?」
「・・・じゅ、塾行くって・・・」
背中越しからでも分かる。雪男が、怒ってる事くらい。
「で、でも一応私、燐を止めようとしたんだけど。でも、皆にちゃんと話たいからって・・・」
「そう」
「雪、男・・・?」
恐る恐る様子を伺う。
・・・これは、力づくでも燐を止めておけばよかった。
ハァーと、雪男が長いため息をつく。
すると、彼の携帯が鳴った。
「・・・・・・」
無言で、彼はメールを確認してる模様。
メールは霧隠シュラからで、題が『ビビリメガネへ』とある。
【ごめん、ちょっと遅れるわ~。テケトーにまっててちょ、ヨロチクビビリ。
シュラ様より】
「・・・どいつもこいつも・・・」
まともなのは、玲薇だけか。
携帯をきって、玲薇を見る。
「兄さんのとこへ行くよ」
「はーい」
場所はかわって病院のロビー。そこで志摩は、実家に電話をしていた。
「おー、おかんか。うん、今ちょうど病院ですわ。
・・・うん、坊は大丈夫。子猫さんが昨日手術して、今入院中や。
左前腕を複雑骨折して、全治4・5週間らしいわ。でも、
一週間後には退院できるて。うん・・・じゃあ・・・て、実の息子の心配は!?
ヒドイ母親やな。俺もろっ骨二本ヒビ入って、息すんの苦しかったり・・・、
はい?あ、それより坊?」
やっぱり母親は、坊のことだけか。
「あー、坊はノドの怪我よりも・・・なんや、物凄いことあって、
ちょっと動揺してはるいうか・・・まぁ、それより京都はどうなん。
変わりないんか?和尚と女将さんも、気が気やないやろ・・・えっ、ほんまか?」
スゥーと、燐は深く深呼吸。
「ハァー・・・よしッ」
意を決して、塾のドアに手をかけた。
「オハヨウ諸君!!およっ」
だが、いつもより人数がいない。ここにいるのはしえみに出雲。そして、宝だ。
「少ねーな・・・あれ・・・京都の、三人組は?」
燐の問いに答えてくれたのは、出雲だった。
「・・・病院で検診受けてるから休みなのよ。三輪くんは、入院してるし・・・」
「おー、そっか!何も悪いことないといいけどな」
「・・・玲薇は?」
「あ・・・あいつ、ちょっとな気分が優れねーっつーか、なんつーか」
「・・・そう」
出雲は燐から目を反らし、何か考えるように顎に手をつけた。
このまま何もなく、縁を切られちゃうのかな・・・。
「・・・・・・」
出雲は玲薇と友達だった。どう、思ってくれてんのかな・・・。
ドカッと、いつも通りしえみの隣の席に座る。だが、しえみは顔を下に向けた。
「な、なんだよ・・・まだ俺こえーのか」
「ちがう!!」
雪男が塾のドアを開けたのとしえみが叫んだのは、ほぼ同時だった。