第十五話 困惑
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
医務室に集まる玲薇達は、みんな神妙な顔つきだった。
その時、隣にいてくれたのは雪男。
『皆に、ちゃんと話すよ』
そう、言って・・・。
雪男の話が、始まった。
「奥村くん・・・いえ、"奥村燐"は・・・約十五年前、サタンの憑依体と、
人間の女性との間に生まれた子供です。サタンの青い炎の能力を、継いでいます」
「・・・!!」
皆の目が、見開かれる。
「そしてもう一つ」
皆に、ずっと隠していた事・・・。
「皆さんには、"幼なじみ"と通していましたが、僕らと玲薇は、
腹違いの、"キョウダイ"です」
キョウダイ・・・。
勝呂は顔をずっと下に向けられたままの玲薇を見る。
男の子の霊を一緒に捜していた時、彼女は言っていた。
親の顔も名前も、憶えてないって・・・じゃあれは、本当の事を知られないための、
嘘だったって事か・・・?父親はサタンなのだろう。でも、もしかして、
本当に母親を知らないとなら・・・。
「・・・あの・・・」
考え事をしていると、子猫丸が名乗り出る。
「奥村先生は確か・・・奥村くんと、双子のご兄弟でしたよね・・・?
それに、風美夜さんも・・・お母さんが違っていても、サタンの娘なら・・・」
「僕は、炎を継いでいません。毎日検査も受けてますが、
不思議と、ただの常人です。玲薇も、炎は継いでいませんが、
検査を受けていないので、まだハッキリとは・・・これからは、
彼女も調べてもらうので、安心して下さい」
雪男の話は続く。
「奥村燐は、"降魔剣"の中に炎を封印することで、この十五年、
比較的常人と近い状態で育てられました。炎が降魔剣では抑え切れなくなって、
覚醒したのは3ヶ月ほど前。それまでは本人も、自分が何者かは知らずに育ったんです」
勝呂が問う。
「何で、何が目的で育てられた?」
「正直、僕にも判りません」
そう言うと、雪男は立ち上がる。
「すみません、僕に判る事は、ここまでです。玲薇」
堂々と、彼女の名前を呼んで、ドアに向かって歩き出す。
声に出さないけど、彼は『ついて来て』と言っているに違いない。
「ちょ、おいッ」
勝呂の呼び止めも、聞かずに・・・。
ピシャッと、ドアを閉めた。
「・・・玲薇、大丈夫?」
「うん・・・」
彼女の、消え入りそうな声・・・。
「雪男・・・」
「・・・・・・・」
私、皆に合わせる顔がないよ・・・。
寄り添ってくる玲薇を、そっと、抱き止める。
大丈夫・・・もう、一人にはしない・・・。
それから、すぐ調べられる検査を雪男として、問題はなかった。
それから間もなく、燐はシュラと現れることになる・・・。
その時、隣にいてくれたのは雪男。
『皆に、ちゃんと話すよ』
そう、言って・・・。
雪男の話が、始まった。
「奥村くん・・・いえ、"奥村燐"は・・・約十五年前、サタンの憑依体と、
人間の女性との間に生まれた子供です。サタンの青い炎の能力を、継いでいます」
「・・・!!」
皆の目が、見開かれる。
「そしてもう一つ」
皆に、ずっと隠していた事・・・。
「皆さんには、"幼なじみ"と通していましたが、僕らと玲薇は、
腹違いの、"キョウダイ"です」
キョウダイ・・・。
勝呂は顔をずっと下に向けられたままの玲薇を見る。
男の子の霊を一緒に捜していた時、彼女は言っていた。
親の顔も名前も、憶えてないって・・・じゃあれは、本当の事を知られないための、
嘘だったって事か・・・?父親はサタンなのだろう。でも、もしかして、
本当に母親を知らないとなら・・・。
「・・・あの・・・」
考え事をしていると、子猫丸が名乗り出る。
「奥村先生は確か・・・奥村くんと、双子のご兄弟でしたよね・・・?
それに、風美夜さんも・・・お母さんが違っていても、サタンの娘なら・・・」
「僕は、炎を継いでいません。毎日検査も受けてますが、
不思議と、ただの常人です。玲薇も、炎は継いでいませんが、
検査を受けていないので、まだハッキリとは・・・これからは、
彼女も調べてもらうので、安心して下さい」
雪男の話は続く。
「奥村燐は、"降魔剣"の中に炎を封印することで、この十五年、
比較的常人と近い状態で育てられました。炎が降魔剣では抑え切れなくなって、
覚醒したのは3ヶ月ほど前。それまでは本人も、自分が何者かは知らずに育ったんです」
勝呂が問う。
「何で、何が目的で育てられた?」
「正直、僕にも判りません」
そう言うと、雪男は立ち上がる。
「すみません、僕に判る事は、ここまでです。玲薇」
堂々と、彼女の名前を呼んで、ドアに向かって歩き出す。
声に出さないけど、彼は『ついて来て』と言っているに違いない。
「ちょ、おいッ」
勝呂の呼び止めも、聞かずに・・・。
ピシャッと、ドアを閉めた。
「・・・玲薇、大丈夫?」
「うん・・・」
彼女の、消え入りそうな声・・・。
「雪男・・・」
「・・・・・・・」
私、皆に合わせる顔がないよ・・・。
寄り添ってくる玲薇を、そっと、抱き止める。
大丈夫・・・もう、一人にはしない・・・。
それから、すぐ調べられる検査を雪男として、問題はなかった。
それから間もなく、燐はシュラと現れることになる・・・。