王国編 /1
名前変換
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遊戯は圧倒されていた。一分の隙もない魔法カードタクティクスと、デッキの中の最上級モンスターを簡単に召喚してみせた名前に。遊戯のフィールドのモンスターの方が攻撃力は上だとはいえ、たった100ポイントの差なら名前にとって何の牽制にもならない事、そして明らかにジュノンの方が格上なのだと遊戯も理解していたのだ。
“魔導法士ジュノン”(攻/2500 守/2100)
「さ、敢えて攻撃はしないわ。その代わり、カードを1枚伏せてターンエンド。」
「なんだ、名前のやつ…あんなバレバレな罠。」
城之内は不服そうに怪訝な顔をするが、獏良や遊戯は冷静にそれを見ていた。
「確かにバレバレの罠だけど、これで遊戯くんは次のターン、そう簡単に攻撃できなくなってしまった。」
「(そう、いま名前のフィールドに出ている2体の魔導士はどちらも攻撃力2500。オレの竜騎士ガイアは2600…その際わずか100ポイント差。もし攻撃力を上げるカードなら、さっきのターンで使いガイアを撃破しているハズだ。もしオレの勘が外れていなければ…あれは罠カード!)」
遊戯は小さく息を整えると、手札を一瞥してからデッキに手をやる。
「オレのターン、ドロー」
捲ったカードを見れば、そこには状況を打開できそうなものを引き当てていた。フッと笑いそのカードを出そうとした瞬間、名前と目が合う。
ゾクリと嫌な予感がして、遊戯は咄嗟にカードを持った手を引っ込めた。
あまりにも出来すぎている。そう確信したのだ。
「どうしたの?…そのカードを出すんじゃないの?」
まるで嬲るような口調で名前がクスクス笑うのに、遊戯は堪えてそのカードを手札に戻す。流れるように違うカードを手札から抜くと、そちらをデスクに出した。
「オレは“ホーリー・エルフ”を守備表示で出し…ターンエンドだ。」
“ホーリー・エルフ”(攻/800 守/2000)
「(さっき出そうとしたカード…私の牽制を警戒したところを見ると魔法カードね…。遊戯が伏せた2枚のカードもまだ使われていない。それは多分、私から攻撃をしていないから。つまり、『攻撃誘発型』の罠カード…あ、ミラーフォースだったら厄介だわ…)」
名前の読みはほぼ当たっていた。遊戯自身、ターンが過ぎるごとに伏せたカードが『攻撃誘発型カード』である事が名前には読まれているであろうとは予測できていただけに、その使い時を虎視眈々と見計らっている。
「私のターン、ドロー。」
ペラリとめくったカードを手札に加え、この硬直状態に「さてどうしたものか」と思惑する。…攻撃をすれば恐らく罠カードを使ってくるだろう。六芒星の呪縛ならまだしも、もしミラーフォースのような完全打開の罠カードだった場合はかなり厄介である。何より、2枚とも『攻撃誘発型』とは限らないという点も考慮していた。
「(ジュノンの効果を使えば1枚は除去できるけど…遊戯もそれは承知の筈。なにより、私のデッキが特殊効果モンスターばかり採用しているのを知っている点で、もしそれに対する『特殊効果誘発型』の罠カードもあり得る…)」
名前は冷静にアドバンテージを増やす方向を取った。
「フィールド魔法、“魔導書院ラメイソン”の効果で、墓地の“魔導書”と名のつくカードをデッキの一番下に戻し、1枚ドローするわ。私は“魔導書士バテル”を戻す。」
そして1枚追加ドローをすれば、チラリと遊戯のフィールドを見た。
「いくわよ遊戯…!私は“ヒュグロの魔導書”を発動!このターン、魔導鬼士ディアールの攻撃力を1000ポイントアップさせる」
「来たか…!」
“魔導鬼士ディアール”(攻/(+1000)3500)
「竜騎士ガイアを攻撃!!!」
「リバースカードオープン!“融合解除”!」
「な!罠カードじゃない…?!」
2体のモンスターに戻った事でディアールの攻撃は躱され、“ヒュグロの魔導書”の効果はそこで終わってしまった。
「フフ、残念だったな!そのカードの効果は戦闘でモンスターを破壊しなければ残りの効果を発揮できない!」
「く!」
「やったぜ遊戯!」
見事に攻撃をかわした遊戯に、城之内が腕を振り上げる。
「これで名前ちゃんの攻撃力を上げる強力なカードを不発で墓地に置けた…!遊戯くんもさすがだね」
獏良が関心しているのをよそに、名前は冷静だった。
「まさか“融合解除”だったなんて…流石ね。でもおかげで、遊戯のライフを削れる“いいマト”ができたわ。」
「フフン、そいつはどうかな?…名前、お前は色んなデュエリストとやり合って来ただけに、オレの伏せカードや数手先の出方を予測して動いてるだろ?…」
「…!」
「悪いが、オレはお前が今まで闘ってきた普通のデュエリストじゃ無いって事を忘れてるぜ!お前がオレの伏せカードを『攻撃誘発型』だと思って警戒していたのは、読んでいた!」
「まさか」と名前は呟いた。罠カードだと思って警戒していた片方が“融合解除”だった事に正直驚いてはいたが、まさか…もう片方も予測とは違ったカードだったら…
「伏せカードオープン!魔法カード“ディメンション・マジック”!」
「ディメンション・マジック?!」
「このカードは自分のフィールドに魔法使い族がいる時に発動できるカード。そのモンスターと相手フィールドのモンスターの2体を生贄に捧げ、手札から魔法使い族モンスターを特殊召喚する!」
黄金の縁取りのある人型の柩が開かれてホーリー・エルフが取り込まれると、柩を取り囲んだ鎖が魔導法士ジュノンへ襲い掛かる。
「ジュノン!」
その鎖が魔導士の胸を貫いて柩に引き摺り込んで破壊すると、次に柩を開けて現れたのは、紫の衣を纏った最高位魔術師であった。
「“ブラック・マジシャン”を特殊召喚!」
“魔導法士ジュノン”(攻/2500 守/2100)
「さ、敢えて攻撃はしないわ。その代わり、カードを1枚伏せてターンエンド。」
「なんだ、名前のやつ…あんなバレバレな罠。」
城之内は不服そうに怪訝な顔をするが、獏良や遊戯は冷静にそれを見ていた。
「確かにバレバレの罠だけど、これで遊戯くんは次のターン、そう簡単に攻撃できなくなってしまった。」
「(そう、いま名前のフィールドに出ている2体の魔導士はどちらも攻撃力2500。オレの竜騎士ガイアは2600…その際わずか100ポイント差。もし攻撃力を上げるカードなら、さっきのターンで使いガイアを撃破しているハズだ。もしオレの勘が外れていなければ…あれは罠カード!)」
遊戯は小さく息を整えると、手札を一瞥してからデッキに手をやる。
「オレのターン、ドロー」
捲ったカードを見れば、そこには状況を打開できそうなものを引き当てていた。フッと笑いそのカードを出そうとした瞬間、名前と目が合う。
ゾクリと嫌な予感がして、遊戯は咄嗟にカードを持った手を引っ込めた。
あまりにも出来すぎている。そう確信したのだ。
「どうしたの?…そのカードを出すんじゃないの?」
まるで嬲るような口調で名前がクスクス笑うのに、遊戯は堪えてそのカードを手札に戻す。流れるように違うカードを手札から抜くと、そちらをデスクに出した。
「オレは“ホーリー・エルフ”を守備表示で出し…ターンエンドだ。」
“ホーリー・エルフ”(攻/800 守/2000)
「(さっき出そうとしたカード…私の牽制を警戒したところを見ると魔法カードね…。遊戯が伏せた2枚のカードもまだ使われていない。それは多分、私から攻撃をしていないから。つまり、『攻撃誘発型』の罠カード…あ、ミラーフォースだったら厄介だわ…)」
名前の読みはほぼ当たっていた。遊戯自身、ターンが過ぎるごとに伏せたカードが『攻撃誘発型カード』である事が名前には読まれているであろうとは予測できていただけに、その使い時を虎視眈々と見計らっている。
「私のターン、ドロー。」
ペラリとめくったカードを手札に加え、この硬直状態に「さてどうしたものか」と思惑する。…攻撃をすれば恐らく罠カードを使ってくるだろう。六芒星の呪縛ならまだしも、もしミラーフォースのような完全打開の罠カードだった場合はかなり厄介である。何より、2枚とも『攻撃誘発型』とは限らないという点も考慮していた。
「(ジュノンの効果を使えば1枚は除去できるけど…遊戯もそれは承知の筈。なにより、私のデッキが特殊効果モンスターばかり採用しているのを知っている点で、もしそれに対する『特殊効果誘発型』の罠カードもあり得る…)」
名前は冷静にアドバンテージを増やす方向を取った。
「フィールド魔法、“魔導書院ラメイソン”の効果で、墓地の“魔導書”と名のつくカードをデッキの一番下に戻し、1枚ドローするわ。私は“魔導書士バテル”を戻す。」
そして1枚追加ドローをすれば、チラリと遊戯のフィールドを見た。
「いくわよ遊戯…!私は“ヒュグロの魔導書”を発動!このターン、魔導鬼士ディアールの攻撃力を1000ポイントアップさせる」
「来たか…!」
“魔導鬼士ディアール”(攻/(+1000)3500)
「竜騎士ガイアを攻撃!!!」
「リバースカードオープン!“融合解除”!」
「な!罠カードじゃない…?!」
2体のモンスターに戻った事でディアールの攻撃は躱され、“ヒュグロの魔導書”の効果はそこで終わってしまった。
「フフ、残念だったな!そのカードの効果は戦闘でモンスターを破壊しなければ残りの効果を発揮できない!」
「く!」
「やったぜ遊戯!」
見事に攻撃をかわした遊戯に、城之内が腕を振り上げる。
「これで名前ちゃんの攻撃力を上げる強力なカードを不発で墓地に置けた…!遊戯くんもさすがだね」
獏良が関心しているのをよそに、名前は冷静だった。
「まさか“融合解除”だったなんて…流石ね。でもおかげで、遊戯のライフを削れる“いいマト”ができたわ。」
「フフン、そいつはどうかな?…名前、お前は色んなデュエリストとやり合って来ただけに、オレの伏せカードや数手先の出方を予測して動いてるだろ?…」
「…!」
「悪いが、オレはお前が今まで闘ってきた普通のデュエリストじゃ無いって事を忘れてるぜ!お前がオレの伏せカードを『攻撃誘発型』だと思って警戒していたのは、読んでいた!」
「まさか」と名前は呟いた。罠カードだと思って警戒していた片方が“融合解除”だった事に正直驚いてはいたが、まさか…もう片方も予測とは違ったカードだったら…
「伏せカードオープン!魔法カード“ディメンション・マジック”!」
「ディメンション・マジック?!」
「このカードは自分のフィールドに魔法使い族がいる時に発動できるカード。そのモンスターと相手フィールドのモンスターの2体を生贄に捧げ、手札から魔法使い族モンスターを特殊召喚する!」
黄金の縁取りのある人型の柩が開かれてホーリー・エルフが取り込まれると、柩を取り囲んだ鎖が魔導法士ジュノンへ襲い掛かる。
「ジュノン!」
その鎖が魔導士の胸を貫いて柩に引き摺り込んで破壊すると、次に柩を開けて現れたのは、紫の衣を纏った最高位魔術師であった。
「“ブラック・マジシャン”を特殊召喚!」