王国編 /1
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遊戯達はスターチップを盗まれたという少年のために森の中の少し開けた場所ーーー草原のデュエルリングにいた。
そこにニット帽とハンカチで顔を隠した少年が飛び出してくる。
「見つけたぜ!遊戯!!!」
本田と城之内が突っかかるが、遊戯が制止する。
「待って!この子が用があるのは、どうやら僕らしいよ!」
「僕と、デュエルがしたいのかい?」
「うん」
「あの子、デュエルグローブを付けていない!」
スターチップをポケットから出す少年を見て、杏が驚く。
「遊戯のヤツ、なんで時間がねぇのにこんなヤツの相手なんか!」
「ひょっとして、遊戯はあの子の正体に気付いてるのかもしれない!」
「(行くぜ…兄さまの仇だ!)」
「人食い植物を、攻撃表示!」
少年のフィールドに大きなモンスターが現れ、遊戯もすかさずカードを出す。
「オレのターンだ!俺はこのカードで、受けて立つぜ!」
遊戯のフィールドに、砦を守る翼竜が現れる。
「火球の礫!」
人食い植物は破壊され、少年のライフが1400に下がる。
「人から盗んだカードじゃ、俺のモンスターは倒せないぜ! 盗んだカードには、お前の心は宿ってないからだ。」
「遊戯!俺はお前の言うカードの心なんて、認めないぜ!! カードはな、心なんかじゃない、力なんだぜ!」
「やはりそうか、海馬瀬人の弟、モクバだな?」
「うるさいぜ!」
モクバはマスクを外すと顔を出した。
杏子や本田達が驚く間もなく、モクバが帽子を投げ捨てながら続ける。
「兄さまはお前にプライドをめちゃくちゃに傷つけられて、行方不明だ! そのせいで海馬コーポレーションは、ペガサスに乗っ取られようとしているんだ…!」
「何だって?!ペガサスが?!!」
「ペガサスの陰謀で、兄さまがお前に負けたという情報は あっと言う間に世界に伝わった。…その日から海馬コーポレーションは、投資家達の信頼を失い、経営状態が急速に悪化してった。…ペガサスは、そこに目をつけたんだ!」
遊戯達は、海馬コーポレーションの重要書類の保管庫の鍵を持ったモクバは、ペガサスに捉えられここまで連れて来られた事、そして海馬コーポレーションをペガサスに譲渡しようとする重役は、その条件として遊戯を倒す事を求めている事を知る。
「…っ遊戯!ぜんぶおまえのせいだ!」
「事情は分かった。だがしかし、だからといって他人のカードを奪っていい事にはならないぜ!」
「うるさい!つぎはこれだ! いけ!クロコダイラス!」
攻撃力が及ばず自滅し、モクバのライフがさらに下がる。
「これ以上やっても無駄だ!他人から盗んだカードで勝てるほどこのゲームは甘くないぜ!」
「そうだ!復讐のためにスターチップを奪うなんて最低だぜ!」
城之内に門場が反論する。
「違う!勘違いするな! おれは兄さまに代わり、海馬コーポレーションを守らなきゃならないんだ!」
「…! ひょっとして、遊戯がデュエルに破れる前に スターチップを奪われて失格になれば、デュエルで負けた事にはならないわ!」
「つまり、デュエルにならなければ、ペガサスとビック5の契約は成立しないわ」
「…そういうことか」
視線を戻すと、もうモクバはいなくなっていた。
「こうなったら…!」
遊戯のスターチップに手が届くだけのものを奪うと、デュエルリングを飛び降りて走った。
すると目の前を、赤い髪の女が立ちふさがった。
「わぁ!」
「…モクバ君。やっぱり目を離すんじゃすんじゃなかった。」
追いかけて来た城之内と本田、杏子が追いつき、その姿に驚く。
「名前じゃねぇか!」
「なに、名前?」
遊戯が見ると、名前と目が合った。
「くっ」
「モクバ君、そんな事をしても、海馬コーポレーションのためにはならないわ。」
モクバがぐっと名前を睨みつけると、名前は視線を合わせようと膝を折って、スターチップが握られた小さな手を取って、優しく包み込んだ。
「海馬は、いまとても苦しんでいる。」
「・・・そうだ。でもそれは、カードの心をつかむため、自分の力で、本当のプライドを取り戻すために戦っているんだ。カードの心をつかんだ時、海馬は必ず帰ってくる!」
モクバが振り返って遊戯を見ていたが、名前に握られた手がわずかにきゅっと締められると、顔を名前に向き直った。
「名前…」
「モクバ君、…モクバ君はそんなお兄さんを、いえ、海馬コーポレーションの信用まで落としてはいけない。」
モクバが泣きそうな顔で、ぐっと目を閉じる。
「だけど、じゃあ俺はどうすれば…ッ」
「泥棒なんてしなくていい」
遊戯の声に、モクバと名前が振り向く。
「約束するぜ。俺がペガサスを倒す! 少しでも海馬が何に苦しんでいるのか理解したいなら、カードの心を少しでも理解しようとするのなら、盗んだカードとスターチップを、あの少年に返してやるんだ!」
モクバが視線を落として、ふと名前を見上げると、名前は少しだけ口元を上げてちいさく頷いた。
「…わかった、遊戯!お前を信じるよ!」
名前はふっと笑うと、モクバの手を離して立ち上がった。
「それより名前、お前いままで…」
「そんなことより! あと3分で、船が出ちゃうわ!」
杏子がせかすと、一行は走り出した。
名前は走っていく一行に気付かれないように、すっと行動を別にして森に隠れた。
***
港へ急ぐが、もう船は出ていた。
「そんな…まだ1分あったはずよ!」
杏子が猿渡に詰め寄るが、猿渡は笑って流すだけであった。
「このスターチップを返すから船を呼び戻して!」
モクバがチップが差し出すが、猿渡はそれを手で払い退け、弾みでチップは海中へと叩き落される。
「テメェ!遊戯のぶんもあったんだぞ!」
「…!、ご、ごめん遊戯…」
モクバが遊戯達に向いた瞬間、猿渡はモクバを捕らえてしまった。
「スターチップを盗まれるなんて、デュエリストの風上にも置けない。…それだけで失格モノだな!」
「あぁ!」
モクバは首から締め上げられ動けなくなる。
「さぁ早く戻らないと、ペガサス様が心配なさっているぞ、モクバ。」
「うぅ…離せ!」
「待て!」
闇の人格の遊戯が前に出る。
「俺のスターチップは残り3個、全てを賭けてお前にデュエルを申し込むぜ!!!」
しかし、猿渡に取りつく島はない。
「ふん、俺はデュエルはやらん。だがどうしてもというなら、特別に相手を用意してやる。…一時間後に、さっきのデュエルリングに来い。ただしあの女、…名前を連れてくるのが条件だ。」
「名前を?」
「…あら?そういえば名前は?さっきまでいたのに…」
「一時間以内に名前を見つけ出して連れてこい。それが出来なければデュエルはやらんし、モクバも返さん。」
「…くっ、モクバ、待っていてくれ。行こうみんな!」
そこにニット帽とハンカチで顔を隠した少年が飛び出してくる。
「見つけたぜ!遊戯!!!」
本田と城之内が突っかかるが、遊戯が制止する。
「待って!この子が用があるのは、どうやら僕らしいよ!」
「僕と、デュエルがしたいのかい?」
「うん」
「あの子、デュエルグローブを付けていない!」
スターチップをポケットから出す少年を見て、杏が驚く。
「遊戯のヤツ、なんで時間がねぇのにこんなヤツの相手なんか!」
「ひょっとして、遊戯はあの子の正体に気付いてるのかもしれない!」
「(行くぜ…兄さまの仇だ!)」
「人食い植物を、攻撃表示!」
少年のフィールドに大きなモンスターが現れ、遊戯もすかさずカードを出す。
「オレのターンだ!俺はこのカードで、受けて立つぜ!」
遊戯のフィールドに、砦を守る翼竜が現れる。
「火球の礫!」
人食い植物は破壊され、少年のライフが1400に下がる。
「人から盗んだカードじゃ、俺のモンスターは倒せないぜ! 盗んだカードには、お前の心は宿ってないからだ。」
「遊戯!俺はお前の言うカードの心なんて、認めないぜ!! カードはな、心なんかじゃない、力なんだぜ!」
「やはりそうか、海馬瀬人の弟、モクバだな?」
「うるさいぜ!」
モクバはマスクを外すと顔を出した。
杏子や本田達が驚く間もなく、モクバが帽子を投げ捨てながら続ける。
「兄さまはお前にプライドをめちゃくちゃに傷つけられて、行方不明だ! そのせいで海馬コーポレーションは、ペガサスに乗っ取られようとしているんだ…!」
「何だって?!ペガサスが?!!」
「ペガサスの陰謀で、兄さまがお前に負けたという情報は あっと言う間に世界に伝わった。…その日から海馬コーポレーションは、投資家達の信頼を失い、経営状態が急速に悪化してった。…ペガサスは、そこに目をつけたんだ!」
遊戯達は、海馬コーポレーションの重要書類の保管庫の鍵を持ったモクバは、ペガサスに捉えられここまで連れて来られた事、そして海馬コーポレーションをペガサスに譲渡しようとする重役は、その条件として遊戯を倒す事を求めている事を知る。
「…っ遊戯!ぜんぶおまえのせいだ!」
「事情は分かった。だがしかし、だからといって他人のカードを奪っていい事にはならないぜ!」
「うるさい!つぎはこれだ! いけ!クロコダイラス!」
攻撃力が及ばず自滅し、モクバのライフがさらに下がる。
「これ以上やっても無駄だ!他人から盗んだカードで勝てるほどこのゲームは甘くないぜ!」
「そうだ!復讐のためにスターチップを奪うなんて最低だぜ!」
城之内に門場が反論する。
「違う!勘違いするな! おれは兄さまに代わり、海馬コーポレーションを守らなきゃならないんだ!」
「…! ひょっとして、遊戯がデュエルに破れる前に スターチップを奪われて失格になれば、デュエルで負けた事にはならないわ!」
「つまり、デュエルにならなければ、ペガサスとビック5の契約は成立しないわ」
「…そういうことか」
視線を戻すと、もうモクバはいなくなっていた。
「こうなったら…!」
遊戯のスターチップに手が届くだけのものを奪うと、デュエルリングを飛び降りて走った。
すると目の前を、赤い髪の女が立ちふさがった。
「わぁ!」
「…モクバ君。やっぱり目を離すんじゃすんじゃなかった。」
追いかけて来た城之内と本田、杏子が追いつき、その姿に驚く。
「名前じゃねぇか!」
「なに、名前?」
遊戯が見ると、名前と目が合った。
「くっ」
「モクバ君、そんな事をしても、海馬コーポレーションのためにはならないわ。」
モクバがぐっと名前を睨みつけると、名前は視線を合わせようと膝を折って、スターチップが握られた小さな手を取って、優しく包み込んだ。
「海馬は、いまとても苦しんでいる。」
「・・・そうだ。でもそれは、カードの心をつかむため、自分の力で、本当のプライドを取り戻すために戦っているんだ。カードの心をつかんだ時、海馬は必ず帰ってくる!」
モクバが振り返って遊戯を見ていたが、名前に握られた手がわずかにきゅっと締められると、顔を名前に向き直った。
「名前…」
「モクバ君、…モクバ君はそんなお兄さんを、いえ、海馬コーポレーションの信用まで落としてはいけない。」
モクバが泣きそうな顔で、ぐっと目を閉じる。
「だけど、じゃあ俺はどうすれば…ッ」
「泥棒なんてしなくていい」
遊戯の声に、モクバと名前が振り向く。
「約束するぜ。俺がペガサスを倒す! 少しでも海馬が何に苦しんでいるのか理解したいなら、カードの心を少しでも理解しようとするのなら、盗んだカードとスターチップを、あの少年に返してやるんだ!」
モクバが視線を落として、ふと名前を見上げると、名前は少しだけ口元を上げてちいさく頷いた。
「…わかった、遊戯!お前を信じるよ!」
名前はふっと笑うと、モクバの手を離して立ち上がった。
「それより名前、お前いままで…」
「そんなことより! あと3分で、船が出ちゃうわ!」
杏子がせかすと、一行は走り出した。
名前は走っていく一行に気付かれないように、すっと行動を別にして森に隠れた。
***
港へ急ぐが、もう船は出ていた。
「そんな…まだ1分あったはずよ!」
杏子が猿渡に詰め寄るが、猿渡は笑って流すだけであった。
「このスターチップを返すから船を呼び戻して!」
モクバがチップが差し出すが、猿渡はそれを手で払い退け、弾みでチップは海中へと叩き落される。
「テメェ!遊戯のぶんもあったんだぞ!」
「…!、ご、ごめん遊戯…」
モクバが遊戯達に向いた瞬間、猿渡はモクバを捕らえてしまった。
「スターチップを盗まれるなんて、デュエリストの風上にも置けない。…それだけで失格モノだな!」
「あぁ!」
モクバは首から締め上げられ動けなくなる。
「さぁ早く戻らないと、ペガサス様が心配なさっているぞ、モクバ。」
「うぅ…離せ!」
「待て!」
闇の人格の遊戯が前に出る。
「俺のスターチップは残り3個、全てを賭けてお前にデュエルを申し込むぜ!!!」
しかし、猿渡に取りつく島はない。
「ふん、俺はデュエルはやらん。だがどうしてもというなら、特別に相手を用意してやる。…一時間後に、さっきのデュエルリングに来い。ただしあの女、…名前を連れてくるのが条件だ。」
「名前を?」
「…あら?そういえば名前は?さっきまでいたのに…」
「一時間以内に名前を見つけ出して連れてこい。それが出来なければデュエルはやらんし、モクバも返さん。」
「…くっ、モクバ、待っていてくれ。行こうみんな!」