王国編 /1
名前変換
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「やった!なんとかしのいだわ。」
旨を撫で下ろす杏子に、獏良はデュエルリングへ目を向けたまま口を開く。
「でも、このターンを切り抜けただけで起死回生ってわけじゃない。このままじゃホーリー・エルフもすぐやられちゃうよ。」
杏子は不安げな目で獏良を見たあと、振り返って名前にも視線を向けた。
名前は相変わらず手摺に片手をやり、反対の手は腰に当てているが…その指は千年秤に掛けられている。揺れ続ける千年秤の腕に神経を尖らせていたのだ。
「(この状況…舞さんに傾いているように見えるのに、私の千年秤はまだはかり兼ねている。遊戯に隠された勝機があるというなら…それは)」
名前の目が、遊戯の首に光る千年パズルを射止める。ギリギリでしのいだこのターンで、千年秤の腕がわずかに遊戯側へ傾いたのを見逃しはしない。
ペガサスはそんな名前の機微に反応してか、遠目に名前を見て笑った。
「まったく、しぶとい男ね。でももうアナタはおしまい。私のターン!手始めに死者蘇生でモンスターを一体復活させるわ!」
「死者蘇生?!」
3体のハーピィの後ろで、赤い炎が爆発するとその中から炎と同じ色の体躯をもつドラゴンが雄叫びを上げて復活した。
「ハーピィズ・ペット・ドラゴン復活!フィールドのハーピィレディ1体につき300ポイント攻撃力がアップする!」
“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”(攻/2900 守/2500)
「なに?!攻撃力2900?!」
狼狽する遊戯を、まるで獲物を追い詰めた捕食者のごとく余裕ある笑みをもって舞が口を開く。
「そしてこのターンの攻撃… トライアングル・エクスタシー・スパーク!!!」
「遊戯!!!」
城之内の声も虚しく、ホーリーエルフはハーピィレディースの攻撃に消滅する。
「ホーリーエルフ、熱殺!!!」
「さぁアナタのターンよ、遊戯。」
舞は2枚の手札を片手に、余裕からか目を閉じてこれから味わえるであろう勝利を実感していた。
「(私のモンスターたちの圧倒的な攻撃力の前に、アナタは最早なす術はない。勝ったわ、遊戯!)」
一方遊戯は、誰からの目からも、そして自らの視点でも圧倒的に追い詰められていた。その目はデッキに向けられ、自分の中の精神を集中させている。
「(このデッキの一番上に眠るカード…この一枚に全てが掛かっている。オレたちの運命の全てが!)」
遊戯がデッキに伸ばす手は震えてなどいなかった。信頼できる“相棒”の存在を認識した彼にとって、それ以上の味方は居ない。デッキの上をよぎっていく双六や仲間たち、そして名前と海馬、モクバの姿。それらを掴むための手に、確かに相棒の手が添えられた。
「(もう1人のオレ…力を貸してくれ。オレにカードを信じる力を!!!)」
「…遊戯?」
名前はその時、確かに2人の遊戯の姿を目にした。
「フフ…どんなにあがいてもアナタの先にあるのは敗北だけ…」
しかしその言葉を遮るように、青い閃光が舞の瞼を突き刺して目を開かせた。ハーピィレディースとペットドラゴンのいるフィールドを取り囲むように、青白い閃光で形作られた聖剣が突き立てられたのだ。
「光の護封剣?!」
「(光を護封剣を引いたというの?!この追い詰められた状況で…!!!)」
「よ〜し!これで舞の3ターンは封じられた!」
城之内の声に、杏子の顔も明るくなる。
名前は信じられないという顔で遊戯を見ていた。
「(遊戯、…まさか、表の人格の遊戯を認識して、さらに強くなった!)」
千年秤の腕は、もう揺らいでなどいなかった。
「まだ遊戯に、勝機はあるぜ!!!」
旨を撫で下ろす杏子に、獏良はデュエルリングへ目を向けたまま口を開く。
「でも、このターンを切り抜けただけで起死回生ってわけじゃない。このままじゃホーリー・エルフもすぐやられちゃうよ。」
杏子は不安げな目で獏良を見たあと、振り返って名前にも視線を向けた。
名前は相変わらず手摺に片手をやり、反対の手は腰に当てているが…その指は千年秤に掛けられている。揺れ続ける千年秤の腕に神経を尖らせていたのだ。
「(この状況…舞さんに傾いているように見えるのに、私の千年秤はまだはかり兼ねている。遊戯に隠された勝機があるというなら…それは)」
名前の目が、遊戯の首に光る千年パズルを射止める。ギリギリでしのいだこのターンで、千年秤の腕がわずかに遊戯側へ傾いたのを見逃しはしない。
ペガサスはそんな名前の機微に反応してか、遠目に名前を見て笑った。
「まったく、しぶとい男ね。でももうアナタはおしまい。私のターン!手始めに死者蘇生でモンスターを一体復活させるわ!」
「死者蘇生?!」
3体のハーピィの後ろで、赤い炎が爆発するとその中から炎と同じ色の体躯をもつドラゴンが雄叫びを上げて復活した。
「ハーピィズ・ペット・ドラゴン復活!フィールドのハーピィレディ1体につき300ポイント攻撃力がアップする!」
“ハーピィズ・ペット・ドラゴン”(攻/2900 守/2500)
「なに?!攻撃力2900?!」
狼狽する遊戯を、まるで獲物を追い詰めた捕食者のごとく余裕ある笑みをもって舞が口を開く。
「そしてこのターンの攻撃… トライアングル・エクスタシー・スパーク!!!」
「遊戯!!!」
城之内の声も虚しく、ホーリーエルフはハーピィレディースの攻撃に消滅する。
「ホーリーエルフ、熱殺!!!」
「さぁアナタのターンよ、遊戯。」
舞は2枚の手札を片手に、余裕からか目を閉じてこれから味わえるであろう勝利を実感していた。
「(私のモンスターたちの圧倒的な攻撃力の前に、アナタは最早なす術はない。勝ったわ、遊戯!)」
一方遊戯は、誰からの目からも、そして自らの視点でも圧倒的に追い詰められていた。その目はデッキに向けられ、自分の中の精神を集中させている。
「(このデッキの一番上に眠るカード…この一枚に全てが掛かっている。オレたちの運命の全てが!)」
遊戯がデッキに伸ばす手は震えてなどいなかった。信頼できる“相棒”の存在を認識した彼にとって、それ以上の味方は居ない。デッキの上をよぎっていく双六や仲間たち、そして名前と海馬、モクバの姿。それらを掴むための手に、確かに相棒の手が添えられた。
「(もう1人のオレ…力を貸してくれ。オレにカードを信じる力を!!!)」
「…遊戯?」
名前はその時、確かに2人の遊戯の姿を目にした。
「フフ…どんなにあがいてもアナタの先にあるのは敗北だけ…」
しかしその言葉を遮るように、青い閃光が舞の瞼を突き刺して目を開かせた。ハーピィレディースとペットドラゴンのいるフィールドを取り囲むように、青白い閃光で形作られた聖剣が突き立てられたのだ。
「光の護封剣?!」
「(光を護封剣を引いたというの?!この追い詰められた状況で…!!!)」
「よ〜し!これで舞の3ターンは封じられた!」
城之内の声に、杏子の顔も明るくなる。
名前は信じられないという顔で遊戯を見ていた。
「(遊戯、…まさか、表の人格の遊戯を認識して、さらに強くなった!)」
千年秤の腕は、もう揺らいでなどいなかった。
「まだ遊戯に、勝機はあるぜ!!!」