王国編 /1
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しかし、舞のハーピィコンボは頑なだった。
場に出された“誘惑のシャドウ”で強制的に攻撃をしたブラックマジシャンは、永続罠“ミラーウォール”で攻撃力を半減させられる。守備を封じられるも罠を張った遊戯はそれに起死回生を試みるが、舞はさらに“ハーピィの羽箒”でその罠カードも破壊した。
そしてブラックマジシャンもあっけなく破壊され、
舞のライフは2000に対し、遊戯は300まで落としてしまった。
***
「誘惑のシャドウがある限り、遊戯はモンスターを守備にする事ができない。かと言って、攻撃をすれば“銀幕のミラーウォール”に攻撃力を半減させられる…。完璧なコンボだわ。」
名前の物言いに、本田が顔を向けた。
「な、なんだよ、遊戯が負けるって言うのか?」
名前は遊戯を見据えたまま目を離さない。
「でも、名前ちゃんの言う通り、舞さんのコンボに死角は無いよ。」
「そんな…舞さん、城之内や私が闘った時より、はるかに強くなってる。」
「これが、舞の実力…。あの時オレが勝てたのはまぐれだったのか?」
「いいえ!城之内!」
「…!」
舞は腕を下ろしてしっかりと城之内を見上げた。
「アナタが私に勝ったのは、まぐれなんかじゃない!あの時は、あれが私の実力だったわ!」
「え?!」
三人がそれぞれに同じような顔で舞を見つめる。それを名前は横目にチラリと覗いた。
…名前は、城之内と舞がデュエルした事すら知らなかった。正直なところ、舞のデュエルはこれが初見だ。ザッと見た限りでは、遊戯よりも脅威に感じるのは舞のハーピィコンボの方だ。
「(それを…城之内が勝った?)」
「正直、城之内に負けた事で、私は打ちのめされたわ。自分の中で、負けた事に目を背けてた…。だけど、現実からいくら目を背けても心に響いてくる声をかき消す事は出来なかった!…そう!見えるけど見えないもの。」
「(…)」
名前の手が、自然と胸に寄せられた。
それを舞の目が追う。
「本当の自分に向き合った時、その言葉の意味が分かったわ。───城之内は、自分の弱さを知っている。そして、弱さを克服するために強くなろうとする。それがデュエリストの勇気なの!それを私は、城之内!アナタに教えられたのよ!」
真っ直ぐ射止められた城之内が、信じられないというような目のまま舞を見た。
「…オレが?」
そして舞は遊戯に向き直る。
「遊戯!デュエリストの勇気が問われるのは、勝った時じゃない。負けた時なのよ!本当の勇気は、負けて傷付く覚悟が無ければ生まれる事はない。…遊戯、アナタにも、その勇気がある?!」
遊戯の脳裏には、敗北を前にした2人の自分の姿が蘇った。敗北を恐れた自分と、負けて傷付いてでも海馬の命を守った、もう1人の自分…!
「(オレは負けて、自分のプライドが傷付くのを恐れた!だがデュエルに負けて、オレの代わりに傷付いたのは、海馬とオレの間に立って、本当に傷付いたのは…!)」
───もう1人のオレ!!!
「(おれは気付かなかったんだ、…いや、目を背けていたんだ。オレの心の弱さを補ってくれたもう1人のオレの強さに、…それが、見えるけど見えないもの!!!)」
場に出された“誘惑のシャドウ”で強制的に攻撃をしたブラックマジシャンは、永続罠“ミラーウォール”で攻撃力を半減させられる。守備を封じられるも罠を張った遊戯はそれに起死回生を試みるが、舞はさらに“ハーピィの羽箒”でその罠カードも破壊した。
そしてブラックマジシャンもあっけなく破壊され、
舞のライフは2000に対し、遊戯は300まで落としてしまった。
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「誘惑のシャドウがある限り、遊戯はモンスターを守備にする事ができない。かと言って、攻撃をすれば“銀幕のミラーウォール”に攻撃力を半減させられる…。完璧なコンボだわ。」
名前の物言いに、本田が顔を向けた。
「な、なんだよ、遊戯が負けるって言うのか?」
名前は遊戯を見据えたまま目を離さない。
「でも、名前ちゃんの言う通り、舞さんのコンボに死角は無いよ。」
「そんな…舞さん、城之内や私が闘った時より、はるかに強くなってる。」
「これが、舞の実力…。あの時オレが勝てたのはまぐれだったのか?」
「いいえ!城之内!」
「…!」
舞は腕を下ろしてしっかりと城之内を見上げた。
「アナタが私に勝ったのは、まぐれなんかじゃない!あの時は、あれが私の実力だったわ!」
「え?!」
三人がそれぞれに同じような顔で舞を見つめる。それを名前は横目にチラリと覗いた。
…名前は、城之内と舞がデュエルした事すら知らなかった。正直なところ、舞のデュエルはこれが初見だ。ザッと見た限りでは、遊戯よりも脅威に感じるのは舞のハーピィコンボの方だ。
「(それを…城之内が勝った?)」
「正直、城之内に負けた事で、私は打ちのめされたわ。自分の中で、負けた事に目を背けてた…。だけど、現実からいくら目を背けても心に響いてくる声をかき消す事は出来なかった!…そう!見えるけど見えないもの。」
「(…)」
名前の手が、自然と胸に寄せられた。
それを舞の目が追う。
「本当の自分に向き合った時、その言葉の意味が分かったわ。───城之内は、自分の弱さを知っている。そして、弱さを克服するために強くなろうとする。それがデュエリストの勇気なの!それを私は、城之内!アナタに教えられたのよ!」
真っ直ぐ射止められた城之内が、信じられないというような目のまま舞を見た。
「…オレが?」
そして舞は遊戯に向き直る。
「遊戯!デュエリストの勇気が問われるのは、勝った時じゃない。負けた時なのよ!本当の勇気は、負けて傷付く覚悟が無ければ生まれる事はない。…遊戯、アナタにも、その勇気がある?!」
遊戯の脳裏には、敗北を前にした2人の自分の姿が蘇った。敗北を恐れた自分と、負けて傷付いてでも海馬の命を守った、もう1人の自分…!
「(オレは負けて、自分のプライドが傷付くのを恐れた!だがデュエルに負けて、オレの代わりに傷付いたのは、海馬とオレの間に立って、本当に傷付いたのは…!)」
───もう1人のオレ!!!
「(おれは気付かなかったんだ、…いや、目を背けていたんだ。オレの心の弱さを補ってくれたもう1人のオレの強さに、…それが、見えるけど見えないもの!!!)」