王国編 /1
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…あれ?名前ちゃん?」
観覧席に着いた本田と杏子、獏良が目にしたのは、壁に背中を預けて腕を組む名前の姿だった。
「…おはよう。」
名前は顔だけ向けると、少し寝不足気味を感じさせる目で三人を見渡した。獏良と杏子が顔を見合わせてから名前に向き直ると、そのまま脚を進めて近寄る。
「名前、…その、遊戯達の所へ行かなくてもいいの?」
杏子が言葉を選ぶように少し戸惑って口を開けば、名前はため息交じりに目を逸らした。
「別に…私の対戦相手が決まるまで、私は部屋に籠ってたっていいみたいよ。」
「そうだよね…、名前ちゃんは、その…シード権みたいなものだもんね。」
苦笑いする獏良を、名前は何か見極めるような鋭い目で射抜いた。…昨晩の千年リングの気配に、胸が騒めく。
「(獏良了…いえ、千年リングの闇の人格。一度闇のゲームで葬ったとは言え、昨晩のあれは…。まぁとにかく、今になって面倒事を起こさないでくれればそれで良いわ。)」
その名前の目を見て、一瞬ふと目を細める獏良に嫌なものを感じる。
それでも談笑する本田と杏子にこれ以上怪しまれないよう、名前は目を一度伏せて前を向いた。
そこへ、デュエルリングに遊戯達四人が脚を踏み入れて入ってくる。
本田達が端まで行って手摺に身を預けるのを見て、名前も前に出てリングを見下ろした。
「…!名前」
遊戯は名前にすぐ気が付いて彼女を見上げた。名前も遊戯と目が合うが、平素の顔のままそれを見ている。
「あっ」
城之内の声に遊戯が目を向ければ、宿敵ペガサスが王座のように聳える特別な観覧席に立っていた。
「ペガサス…!」
遊戯の目はすぐ険しくなり、食いかからんばかりに激しく闘志を燃やす。
「誇り高きデュエリスト達よ、聖なる闘いの場にようこそ!今ここに、デュエリストキングダム優勝決定戦トーナメントの開始を宣言しマ〜ス!…トーナメントに優勝した者は、莫大な賞金を手にすることができマ〜ス。」
城之内の脳裏に、目を患った妹の姿が過ぎる。
「もちろん優勝者は、インダストリアルイリュージョン社が認定するクイーン、苗字名前に勝利する事を条件に…私自身への挑戦権も得る事ができマ〜ス。…デュエルモンスターズの生みの親である私に勝った者は、初代デュエリストキングにインダストリアルイリュージョン社が認定しマス!つまり、誰もが認める世界ナンバーワンのデュエリストの称号が手に入るのです!…ただし、先日言ったように、キングはクイーンより強くなければならない…。私への挑戦権は、クイーンを倒した者にのみ与えマス。」
「つまり、私が勝てば私自身も貴方に挑戦できる、…と受け取って良いのかしら?」
名前は腕を組んだままペガサスを見据えると、ペガサスは笑って「ノープロブレムね。」とだけ答えた。
「ここに残ったデュエリストたちなら、賞金よりその名誉こそが真に手にしたいもの…はたして決勝トーナメントを勝ち残り、私に辿り着ける者はこの中に現れるでしょうかね。フフフフ…」
観覧席に着いた本田と杏子、獏良が目にしたのは、壁に背中を預けて腕を組む名前の姿だった。
「…おはよう。」
名前は顔だけ向けると、少し寝不足気味を感じさせる目で三人を見渡した。獏良と杏子が顔を見合わせてから名前に向き直ると、そのまま脚を進めて近寄る。
「名前、…その、遊戯達の所へ行かなくてもいいの?」
杏子が言葉を選ぶように少し戸惑って口を開けば、名前はため息交じりに目を逸らした。
「別に…私の対戦相手が決まるまで、私は部屋に籠ってたっていいみたいよ。」
「そうだよね…、名前ちゃんは、その…シード権みたいなものだもんね。」
苦笑いする獏良を、名前は何か見極めるような鋭い目で射抜いた。…昨晩の千年リングの気配に、胸が騒めく。
「(獏良了…いえ、千年リングの闇の人格。一度闇のゲームで葬ったとは言え、昨晩のあれは…。まぁとにかく、今になって面倒事を起こさないでくれればそれで良いわ。)」
その名前の目を見て、一瞬ふと目を細める獏良に嫌なものを感じる。
それでも談笑する本田と杏子にこれ以上怪しまれないよう、名前は目を一度伏せて前を向いた。
そこへ、デュエルリングに遊戯達四人が脚を踏み入れて入ってくる。
本田達が端まで行って手摺に身を預けるのを見て、名前も前に出てリングを見下ろした。
「…!名前」
遊戯は名前にすぐ気が付いて彼女を見上げた。名前も遊戯と目が合うが、平素の顔のままそれを見ている。
「あっ」
城之内の声に遊戯が目を向ければ、宿敵ペガサスが王座のように聳える特別な観覧席に立っていた。
「ペガサス…!」
遊戯の目はすぐ険しくなり、食いかからんばかりに激しく闘志を燃やす。
「誇り高きデュエリスト達よ、聖なる闘いの場にようこそ!今ここに、デュエリストキングダム優勝決定戦トーナメントの開始を宣言しマ〜ス!…トーナメントに優勝した者は、莫大な賞金を手にすることができマ〜ス。」
城之内の脳裏に、目を患った妹の姿が過ぎる。
「もちろん優勝者は、インダストリアルイリュージョン社が認定するクイーン、苗字名前に勝利する事を条件に…私自身への挑戦権も得る事ができマ〜ス。…デュエルモンスターズの生みの親である私に勝った者は、初代デュエリストキングにインダストリアルイリュージョン社が認定しマス!つまり、誰もが認める世界ナンバーワンのデュエリストの称号が手に入るのです!…ただし、先日言ったように、キングはクイーンより強くなければならない…。私への挑戦権は、クイーンを倒した者にのみ与えマス。」
「つまり、私が勝てば私自身も貴方に挑戦できる、…と受け取って良いのかしら?」
名前は腕を組んだままペガサスを見据えると、ペガサスは笑って「ノープロブレムね。」とだけ答えた。
「ここに残ったデュエリストたちなら、賞金よりその名誉こそが真に手にしたいもの…はたして決勝トーナメントを勝ち残り、私に辿り着ける者はこの中に現れるでしょうかね。フフフフ…」