王国編 /1
名前変換
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その朝、船の警笛が鳴り響き、名前は目を覚ました。
メイド服を来た女性スタッフがノックをして入って来て、バルコニー近くのテーブルに朝食をセットし始めると、名前はのそのそと起き出してシャワールームに入る。
軽くシャワーを浴びおわると、シャツ一枚で部屋に戻る。そこには黒服のペガサスの側近が待っていた。テーブルには湯気の立つスープやイングリッシュブレック・ファーストのプレートやフルーツの盛り合わせが並んでいる。
名前は何も気にするでもなく籐家具の椅子に座って、オレンジジュースをあおった。
「苗字様、間もなくペガサス様の所有するプライベート・アイランド、デュエリスト・キングダムに到着します。1時間後に苗字様には先行して船を降りていただき、その30分後に一般デュエリスト達の降船を予定しています。」
名前は肘をつき、フォークだけを使ってサラダやプレーンのオムレツを口に運ぶ。横に控えるメイドに、ホットのミルクティーを注文して淹れさせる。
「私は一般デュエリストと一緒で結構よ。」
「い、いえ、しかし、あなたは武藤遊戯や海馬瀬人に肩を並べる優勝候補であり、我がインダストリアル・イリュージョン社の公式認定のデュエル・クイーンです。ペガサス様からも特別待遇をするようにと・・・」
ミルクティーを一口飲むと、立ち上がって黒服の男の横を過ぎ去ってクローゼットをあける。
「そろそろ着替えるわ。早く出てってちょうだい。」
***
港に着き、船の碇が下ろされる。
「おい杏、またスターチップ調べられたらどーすんだよ、俺たちさぁ 密航者なんだぞ」
「だぁいじょうぶ、何度も調べないわよ。びくびくしてたらかえって怪しまれるわ!」
遊戯、城之内、そして密航して来た杏と本田がデッキから島を眺めていた。そしてついにスロープがおろされ、順番に降りていくと、杏も本田も無事に降りる事が出来た。
「ぅおっしゃあ!とにかく、これでみんな無事に上陸でき・・・ふぁ、ハックション!」
城之内が杏に向かってくしゃみをすると、杏はなんとかそれをよける。
「ごめんね、城之内君、僕の所為で」
遊戯は羽蛾にエグゾディアのパーツカードを海に捨てられ、城之内がそれを拾うために海に飛び込んだ。そのためか、城之内はまだ少し体を冷やしていたのだ。
「気にすんなって!遊戯。だが許せないのは、羽蛾のやろうだ。」
城之内は鼻を擦りながら笑って過ごすが、ちらりと後ろに居る羽蛾に視線を送る。
(羽蛾君、君だけは絶対に許さない!)
「遊戯」
一行が振り返ると、名前が立っていた。
「名前!」
遊戯が駆け寄ると、あとから城之内達も駆け寄って来た。
「やっぱりお前もこの大会に出るのか!」
城之内が目を輝かせて聞いてくる。杏も「名前も頑張ってね!」と笑う。
「名前、君は・・・」
「デュエリストの諸君!!!」
遊戯が何か言いかけた所で、黒服の男が号令をかけ、名前は何か隠したような顔で遊戯から顔をそらした。
「あの城の城門が、集合の場所だ!」
「あの城がペガサスの城よ。」
名前が背を向けたまま言う。
「おーし!行くぜ!」
城之内が走り出す。
一行が階段を上っていると、杏が何かを見つける。
「どうしたの?杏」
「あそこに、獏良君が・・・」
「誰もいねぇぞ?」
「へんねぇ…名前も今、見なかった?」
遊戯の視線が名前に写ると、目が合う。名前の目が遊戯に何か危険を伝えるような色をしている。
「・・・さぁ、違う所を見ていたから・・・。」
「ほら、行くぞ」
本田の声でまた階段を上り出す。
***
城門の前はちょっとした騒ぎになっていた。
(おい見ろよ、すごいメンバーだぜ)
(東日本チャンプのインセクター羽蛾、西日本チャンプのダイナソー竜崎、)
(さらに前大会3位のカジキ良太も居るぞ!)
(おい、あれ、クイーンじゃねーか?!)
名前は前回の大会で素顔を晒してしまったため、仮面をつけていなくても正体が知れ渡ってしまう。
海馬を倒した遊戯という名前も知れ渡っているらしく、ひそひそとその名前が挙げられる。
「諸君! 今からペガサス様が、直々にデュエルのルールを説明する!」
名前は鼻で笑うと、踵を返して城からはなれる。
「あ、あれ!名前???」
「おい、ドコ行くんだよ」
遊戯達が振り返って名前を呼ぶ。回りもクイーンだと知っているのか名前の動向に注目する。
「先に行くわ。ペガサスからルールはもぅ聞いてる。いちいち聞いてられる程私は大人じゃないの。」
緩くウェーブの掛かった赤灰色の髪をなびかせて颯爽と去っていってしまった。
(なんだあの女、)
(クイーンだからっていい気になりやがって)
回りから悪口が飛ばされる。遊戯や城之内が悪口を言った人を睨みつける。
そうこうしているうちに、ペガサスが姿を現した。
城門の上のバルコニーから現れたペガサスを、全員が見上げる。
(ミスクイーン・名前、やはりミーを避けていますね・・・。)
遠ざかる名前の後ろ姿にペガサスは苦笑いしてため息をつく。
「(ペガサス…!じーちゃんの魂を封じ込めた、闇の力を持つ男!)」
(ふふふ、来ましたね遊戯ボーイ)
「ウェルカーム!ようこそデュエリスト・キングダムへ!!!!」
名前は先ほどの城門に続く階段の途中にある別ルートの階段を下りると、森の中へ入っていった。
メイド服を来た女性スタッフがノックをして入って来て、バルコニー近くのテーブルに朝食をセットし始めると、名前はのそのそと起き出してシャワールームに入る。
軽くシャワーを浴びおわると、シャツ一枚で部屋に戻る。そこには黒服のペガサスの側近が待っていた。テーブルには湯気の立つスープやイングリッシュブレック・ファーストのプレートやフルーツの盛り合わせが並んでいる。
名前は何も気にするでもなく籐家具の椅子に座って、オレンジジュースをあおった。
「苗字様、間もなくペガサス様の所有するプライベート・アイランド、デュエリスト・キングダムに到着します。1時間後に苗字様には先行して船を降りていただき、その30分後に一般デュエリスト達の降船を予定しています。」
名前は肘をつき、フォークだけを使ってサラダやプレーンのオムレツを口に運ぶ。横に控えるメイドに、ホットのミルクティーを注文して淹れさせる。
「私は一般デュエリストと一緒で結構よ。」
「い、いえ、しかし、あなたは武藤遊戯や海馬瀬人に肩を並べる優勝候補であり、我がインダストリアル・イリュージョン社の公式認定のデュエル・クイーンです。ペガサス様からも特別待遇をするようにと・・・」
ミルクティーを一口飲むと、立ち上がって黒服の男の横を過ぎ去ってクローゼットをあける。
「そろそろ着替えるわ。早く出てってちょうだい。」
***
港に着き、船の碇が下ろされる。
「おい杏、またスターチップ調べられたらどーすんだよ、俺たちさぁ 密航者なんだぞ」
「だぁいじょうぶ、何度も調べないわよ。びくびくしてたらかえって怪しまれるわ!」
遊戯、城之内、そして密航して来た杏と本田がデッキから島を眺めていた。そしてついにスロープがおろされ、順番に降りていくと、杏も本田も無事に降りる事が出来た。
「ぅおっしゃあ!とにかく、これでみんな無事に上陸でき・・・ふぁ、ハックション!」
城之内が杏に向かってくしゃみをすると、杏はなんとかそれをよける。
「ごめんね、城之内君、僕の所為で」
遊戯は羽蛾にエグゾディアのパーツカードを海に捨てられ、城之内がそれを拾うために海に飛び込んだ。そのためか、城之内はまだ少し体を冷やしていたのだ。
「気にすんなって!遊戯。だが許せないのは、羽蛾のやろうだ。」
城之内は鼻を擦りながら笑って過ごすが、ちらりと後ろに居る羽蛾に視線を送る。
(羽蛾君、君だけは絶対に許さない!)
「遊戯」
一行が振り返ると、名前が立っていた。
「名前!」
遊戯が駆け寄ると、あとから城之内達も駆け寄って来た。
「やっぱりお前もこの大会に出るのか!」
城之内が目を輝かせて聞いてくる。杏も「名前も頑張ってね!」と笑う。
「名前、君は・・・」
「デュエリストの諸君!!!」
遊戯が何か言いかけた所で、黒服の男が号令をかけ、名前は何か隠したような顔で遊戯から顔をそらした。
「あの城の城門が、集合の場所だ!」
「あの城がペガサスの城よ。」
名前が背を向けたまま言う。
「おーし!行くぜ!」
城之内が走り出す。
一行が階段を上っていると、杏が何かを見つける。
「どうしたの?杏」
「あそこに、獏良君が・・・」
「誰もいねぇぞ?」
「へんねぇ…名前も今、見なかった?」
遊戯の視線が名前に写ると、目が合う。名前の目が遊戯に何か危険を伝えるような色をしている。
「・・・さぁ、違う所を見ていたから・・・。」
「ほら、行くぞ」
本田の声でまた階段を上り出す。
***
城門の前はちょっとした騒ぎになっていた。
(おい見ろよ、すごいメンバーだぜ)
(東日本チャンプのインセクター羽蛾、西日本チャンプのダイナソー竜崎、)
(さらに前大会3位のカジキ良太も居るぞ!)
(おい、あれ、クイーンじゃねーか?!)
名前は前回の大会で素顔を晒してしまったため、仮面をつけていなくても正体が知れ渡ってしまう。
海馬を倒した遊戯という名前も知れ渡っているらしく、ひそひそとその名前が挙げられる。
「諸君! 今からペガサス様が、直々にデュエルのルールを説明する!」
名前は鼻で笑うと、踵を返して城からはなれる。
「あ、あれ!名前???」
「おい、ドコ行くんだよ」
遊戯達が振り返って名前を呼ぶ。回りもクイーンだと知っているのか名前の動向に注目する。
「先に行くわ。ペガサスからルールはもぅ聞いてる。いちいち聞いてられる程私は大人じゃないの。」
緩くウェーブの掛かった赤灰色の髪をなびかせて颯爽と去っていってしまった。
(なんだあの女、)
(クイーンだからっていい気になりやがって)
回りから悪口が飛ばされる。遊戯や城之内が悪口を言った人を睨みつける。
そうこうしているうちに、ペガサスが姿を現した。
城門の上のバルコニーから現れたペガサスを、全員が見上げる。
(ミスクイーン・名前、やはりミーを避けていますね・・・。)
遠ざかる名前の後ろ姿にペガサスは苦笑いしてため息をつく。
「(ペガサス…!じーちゃんの魂を封じ込めた、闇の力を持つ男!)」
(ふふふ、来ましたね遊戯ボーイ)
「ウェルカーム!ようこそデュエリスト・キングダムへ!!!!」
名前は先ほどの城門に続く階段の途中にある別ルートの階段を下りると、森の中へ入っていった。